はぁ・・・面倒だな。面倒だし、締めに入ろう。
そう、面倒。これからこいつと共に過ごして行く上で、何度もお世話になるだろう。今回みたいに・・・
それでも、いや、それに比べても俺にとって彼女は掛け替えの無い存在だ。
何があるか分からない、世の中は。彼女なんて一生できないと思っていたし、増してや霊等と思ってもいなかった。
幽霊の存在自体、信じていなかった。それが、今はこうして二人で過ごしている。
多分、逃げ出そうとすれば呪われたりするだろう。勿論そんな理由で一緒に居る訳ではないが。
普通の人から見れば、俺はただの危ない人かもしれない。そうだとしても構わない。
彼女は死後も付き添ってくれると言った。
だから、ずっと一緒に居よう。彼女が生きていた時に得られなかった分の幸せを与えよう。そう心に誓った。
まぁ、兎に角、だ。
「つまり、俺もある意味で人間の道から外れたって事だ。後悔はしてないけどね。」
「は?え?だから意味が分からんって。」
そろそろ締め括れたかと思っていた矢先、話しかけられる。
「・・・貴方に提案をしたい。」
「?」
「彼を一度殺した方が、話が早いのではないか?」
「駄目です!お前は怨霊か!」
「な、何の話をしてるんだよ・・・」
「・・・貴方も、死んで見たくはないか?」
「遠慮しますっ!」
――
以上です、失礼致しました