カラスコプターで海に向かうネコ娘。
その表情は険しかった。

「鬼太郎のバ〜カ。知らないわよ。あたしがカッコイイ男の子にナンパとかされちゃっても・・・・。」

その年の夏はあまりに暑い日が続くので、
鬼太郎を海水浴に誘うつもりでゲゲゲハウスに行くと、
鬼太郎と目玉親父は留守だった。
カラスの話では、ユメコに誘われて遊びに行ったと言う。
最近鬼太郎がユメコと会う事が更に多くなった事に嫉妬したネコ娘は、
鬱憤晴らしに偶々近くを通りかかったネズミ男を引っ掻いて、
1人で海水浴に行くことにしたのだった。

しばらくして、海が見えてきた。やはりシーズンなので海水浴客で賑わっている。
しかし、よく見ると親子連れか若いカップルだけである。

「・・・・・・・・カラスたち海岸線に沿って人気の無いところへ行って。とは言っても、この時期にそんなところは無いか?」

そのままカラスに乗って海岸沿いに南へ進むネコ娘。
しばらくすると人気の全く無い海岸に差し掛かった。

「ふ〜ん、シーズンでも人の来ないところもあるんだ。よし、この辺でいいわ。止めてカラスたち。」

海辺に降りるネコ娘。その辺を少し歩いてみるが、 人っ子一人いない。

「本当に誰もいないのね、結構良い景色なのに・・・・。」

ところが、近くの岩陰から、人魚の兄弟が見ていたのだ。
人気が無いのはこの兄弟が原因だった。
普通『人魚』と言えば、その地元の守り神的存在なのだが、
この兄弟は人魚一族には珍しくここら辺でも札付きの不良で、
人間の漁を邪魔したりと色々悪戯するので、地元の人間はここ近年は近寄らなくなったのだったが、
ネコ娘はむろんそんな事は知る由も無い。
ネコ娘が歩いてるのを見つけた人魚の兄は目を輝かせる。
「おっ、見ろ。女だ!」
「でも兄ちゃん、あまり大して美人じゃないよ」
「バ〜カ。あ〜ゆ〜タイプの女こそ、意外とマブいカラダしてんだぜ。」
兄はネコ娘の赤いジャンパースカートの下から覗く太腿、
そしてネコ娘の服の上から、胸元や腰つき、尻周りを目で追い吟味する。
見られてるとも知らず、ネコ娘は立ち止まる。

「脱衣所も無さそうだし、誰もいないんなら、ここらで水着にきがえましょっと」

ネコ娘は背中に手をやり、ジャンパースカートのジッパーを下ろし、
両肩の紐部分を抜くと、スカートがファサ、と音を立てて足下に落ちる。そのままブラウスの前ボタンを外していくネコ娘・・・・。
それを岩陰に隠れて、ゴクリと生唾を飲みながら見つめる人魚兄弟。
「兄ちゃん!」
「しっ!!もう少しだ。・・・・おっと、ブラを外した・・・・・・・予想以上にチチあんぞ〜っ・・・・・・・
パンティーを脱いだ――っ。のわ〜っ。ちくしょう、こっち向けよな、肝心な部分が見えねえじゃねえか・・・・
おっ、水着のブラをつけはじめたぞ。あっ、赤のビキニだ・・・・・・・下もつけたーっ。超ハイレグだーっ」
覗かれてることに気づいてないネコ娘は、

「うん、ぴったしね。あたしだって、スタイルいいんだから」

と、海へ向かって掛けていく。