しばらくすると、シェリーの身体が浮かせ上げられ、
空中でゆさゆさと揺れた。
背中を押されるその感触で、ヨーコはシェリーがなにか
“させられようとしている”ことを知った。
ライノダブラーの荒い鼻息が、すぐ耳の傍で聞こえ、
シェリーの「いや…… いやぁ……」という声も
漏れ伝わってくる。
「やめなさい! なにしてるの!!」
暴れようとしても、踵で背後を蹴り上げようとしても、
無駄だった。
両手を上から吊るされている所詮捕らわれの身。
身体の自由がないも同然。
ヨーコの攻撃は、手応えなく空を切る。
宇宙刑事ギャバンの相棒・シェリーの両脚は、サイの怪物によって、
持ち上げられているように察せられた。
やがて前後の揺れが大きくなり、大きな奔流となって
3人を包み込む。
しばらくして「ふぅ……」とライノダブラーが息を吐くと、
それから彼女の啜り泣きが聞こえた。