ドラマ【全開ガールでエロパロ】
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0001名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 23:14:17.08ID:ZONQMjDT
なかったので立てました。

若葉×草太に胸キュンですw


需要がないのかも知れませんがよろしくお願いします(゚▽゚)/
0079322011/09/05(月) 20:28:13.67ID:H0RX5nHQ
――

「……動かします、よ」

呼吸を整える若葉をたっぷりと待ってから、声を掛ける。小さく頷いたのを見てから、動き出す。
ゆっくり、ゆっくりと、少しずつ。彼女に気持ちを伝えるように。
せまい所にあるせいか、中が熱いせいか、何だか自身が麻痺したようになって。

「若葉さんの、なか、すごい気持ちいいです……」

余裕なく伝えると、答える代りに彼女から口付けてきた。
ぎこちなく、拙いけれど、懸命に。
それに答えながら、彼女が今唯一快感を得られる場所をまた刺激する。
少しでも、彼女が気持ちよくなれますように。

「あ、ぅ、ふ、んぅ」

「声、すごくエロい」

「やだ、きかないで、ぇ、あ!」

「いやです、聞きたいです」

若葉さん、もう、あなたを絶対に誰にも触れさせたくないから。
0080332011/09/05(月) 20:29:21.87ID:H0RX5nHQ

「う……っ……」

「はぁ、ん、あ」

ぎこちなくて、思うようにいかない、本能だけに突き動かされたセックスは、今の二人そのものだった。
快楽と、苦痛に歪んで絡まって、互いの熱で溶けだしてしまうような。
何て余裕のない。二人の精一杯の。

「好きだ、若葉さん、」

「あ、あ」

言葉にならない思いを、引き絞られるような心の叫びを体で伝えあうような。

「……ッ、あなたのことが」

「うぅ……っ、は、」

そうして、

――――最後の時は、また深いキスをしながら迎えた。
0081342011/09/05(月) 20:30:10.95ID:H0RX5nHQ
――――

「……若葉さん……」

慣れないことばかりで疲れてしまったのか、若葉は気を失うように眠ってしまった。
その寝顔は泣き疲れた子供のようにも見えて、思わず目蓋に優しくキスをした。

「……今日一日で、何回俺達、キスしたんでしょうね」

二人きりの深海の世界。朝になったら、また煩わしい現実が朝日と共に流れ込んでくるんだろう。
机の上で忌々しいほどに美しく光る指輪が、この人を遠くに連れて行ってしまうんだろう。

「……」

草太は若葉を起こさないように優しく、それでも力を込めて抱き締めた。

せめて今だけでも。この人は俺だけのものだから。

いや、出来ることならば、この夜だけでなく――――

草太が眠りに就くまで、月明かりは優しく二人を包んでいた。




終わり
0082名無しさん@ピンキー2011/09/05(月) 20:34:13.66ID:H0RX5nHQ
以上です!本当に長々と申し訳ありませんでした……。

本当ならもう少し続きがあってハッピーエンドの予定だったのですが、本編がどうもちらついてしまって急遽変更してしまいました。
何とか二人にはくっ付いてほしいです……
また、ちょくちょく投下させて頂く予定です。よろしければその時もお付き合い頂けると嬉しいです。

それでは本放送に向けてテレビの前に陣取りに行きます!
0083名無しさん@ピンキー2011/09/05(月) 20:39:17.58ID:09IL2s04
きゃーーー!!!待ってましたーーー!!
GJGJGJ!最高です。そして終わりがすごく切ないけど
それがまたドラマそのものって感じです。
これからも投下楽しみにしてます!
今度はハピエンの作品も読みたいです!!
0085名無しさん@ピンキー2011/09/05(月) 22:33:51.30ID:09IL2s04
>>84
同意
予告見る限り来週が楽しみだと思えない展開になりそうだし
ここの作品が癒しだわ、ホント
職人さんさらなる投下待ってます
0087名無しさん@ピンキー2011/09/06(火) 09:26:52.58ID:+6QJp/56
GJでした!9話開始前に急いで読みました〜!

8話の後、ホントにこれくらいのことしてたら、
9話もこんなに欝展開じゃなかっただろうにね〜・・・。
0089名無しさん@ピンキー2011/09/06(火) 23:19:46.76ID:+XVDLNgG
なんでこのスレ無いのか不思議だったんだけど立ってたのかーw
草太さんは冴えないのに何故かモテるというエロパロに最適なキャラクターだと思う
あと新堂先生もイイ

職人さんありがとう
期待してます
0090名無しさん@ピンキー2011/09/07(水) 13:32:34.69ID:jNPwH9zB
何という良スレ

新堂先生と若葉も好きだ
結局若葉が拒否して最後まで
行かなそうだけどw
0093名無しさん@ピンキー2011/09/09(金) 00:58:40.66ID:BZk5pWAD
保守。
鬱展開だけど、その後どうせハッピーエンドだから、結果、鬱展開萌える
0097名無しさん@ピンキー2011/09/12(月) 07:04:33.10ID:P0T6QywX
職人さん作品ありがとうございます!!
ドラマそのものの二人の理想的すぎる展開と文章力に
萌え尽きました‥‥最高です。
ドラマ次回も我慢な展開になりそうですが、
こちらの作品を読み返して萌えを補完させていただきます!
0099名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 06:45:27.12ID:Iki/FpbC
予想してたとはいえ、鬱展開だったな‥‥
職人さん降臨お待ちしてます。
0101名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 17:49:42.80ID:Iki/FpbC
GJすぎる!!!!!
レベル高すぎるなここ‥‥何回読んでも萌える!!!
最終回まで草太×若葉が足りん。

職人様方の投下お待ちしております
0102名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 22:28:51.46ID:8r3nMUIM
保守
0105名無しさん@ピンキー2011/09/19(月) 12:45:06.12ID:+FeFO7Sk
保守
0108名無しさん@ピンキー2011/09/19(月) 23:04:50.16ID:uqchh10/
草太のキスが意外にエロい&若葉が慣れてない感じがよかったな
慣れてない若葉を可愛がりながら攻めまくる草太が想像できる‥
0109名無しさん@ピンキー2011/09/19(月) 23:28:25.09ID:uqchh10/
新堂⇒若葉も妄想してしまったラスト
0110名無しさん@ピンキー2011/09/19(月) 23:58:44.14ID:OT4o6Nbr
9、10話のあまりの鬱展開にまさかの「不機嫌なジーン」的な
結末かと思ったけど無事まとまってよかった
これで二人のその後を書いてくれる職人さん増えるといいな
0112名無しさん@ピンキー2011/09/20(火) 00:43:14.03ID:j4dxTyH/
待望のキスシーンもエロくて良かったが最後のおでこごっつんに禿げ萌えたぁぁーー
職人さん来て下さるといいなぁ
最終回終わってもまだ二人のいちゃこらが足りないよ
0113名無しさん@ピンキー2011/09/20(火) 01:16:30.60ID:kDtbRQ1R
なんか色々物足りなくて消化不良……と思ってたら、このスレ今日発見しましたww
読みたいもんがなかったら自分で書けってばっちゃが言ってた
録画リピして妄想してくる!
0114名無しさん@ピンキー2011/09/20(火) 07:27:11.06ID:j4dxTyH/
>113
待ってます!
0115名無しさん@ピンキー2011/09/21(水) 12:22:01.24ID:Fgv0hMhp
113さんではありませんが。

〜ル・シャトーにて〜
仕事帰りの若葉がル・シャトーを訪れると、すでに客は一人もいなかった(痔爺も)
店内の様子から、盛況だったことがうかがえる。
ホッとした若葉はバッグの肩紐をギュッと握り直し「お疲れ様でした」とぶっきらぼうに頭を下げる。照れくさいのだ。
シェフ姿の草太は、首回りのボタンを外すと、すっと手を差し出し言った
「おいで、若葉さん」

ついばむような控えめなキスのあと、鼻の頭と頭が触れ合ったままで草太が囁く。
「会いたかった、若葉さん、俺…」
「私もです」
草太の潤んだ瞳と長い睫毛があまりに近過ぎて、若葉は目を合わせることができない。
0117名無しさん@ピンキー2011/09/21(水) 18:07:22.49ID:Fgv0hMhp
草太の指が若葉の顎を持ち上げる。少し身構える若葉。
「どうかしたっすか?」
「食べられるかと…思いました」
「え?」
「あの時私、唇を食べられてしまうんじゃないかって…どきどきして。…結婚式の時」
「…あぁ、あの時」
一瞬の間の後、二人は笑い出していた。
「ほんっと、有り得ないサプライズっすよね。あ、暖かいスープ飲みますか?若葉さん」
真新しい鍋を手にした草太が腕組みした若葉に尋ねる。
ロマンチックな雰囲気は飛び去ってしまった。
「今日だって有り得ません!帰国してお店までなんて、知らなかったし!…嬉しかった…ですけど」
「え?なんすか?」
「なんでもありません!…あ!サプライズなら私もありますけど」
若葉は昼間届いた一通のメールを思い出していた。若葉にとってもサプライズな内容だったメール。
「そよ子さんが」
「はぁ」
「来年には」
「来年には?」
草太はスープをかき混ぜる手を止めない。
「来年には、西野そよ子になります!」
「はぁぁぁ?う、嘘じゃないんすか」
ガチャンガチャン!慌てて草太が厨房から駆け寄る。
「嘘ではありません。この通りメールが来ました。」
「ちょ、そのメールよく見せてくださ…」
「ダメです。個人情報です。…ぷっ」
してやったりな顔で吹き出す若葉。つられて草太も笑い出す。
そしてどちらともなく手をとりあう。
「改めてよろしくお願いします。若葉さん。」
若葉は微笑んだまま目を閉じた。


終わります。
0118名無しさん@ピンキー2011/09/21(水) 18:13:11.79ID:Fgv0hMhp
勝手に西野・そよ子カポーにしてすみません。
ちなみに二人は九条・佐間男カポーの入籍&妊娠騒動の中、距離が縮まった、と言う設定です。
…これまた勝手な設定をお許しください。
0119名無しさん@ピンキー2011/09/21(水) 18:50:20.31ID:QFvdzKg3
>>Fgv0hMhp
GJです!!!あの結婚式での洋画でよくみるような
唇食べあうキスシーンが印象に残ったので初心者若葉には
どきどきだっただろうなと思ってました
最後のおでここっつんのあとの二人のらぶらぶが
もっと欲しかったので職人さんのすてきな作品投下これからも
待ってます
0120名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 01:37:34.54ID:LL/ri4hx
このスレ、どエロSSとエロ無しSSと、どちらが欲されてるんだろう?
0121名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 11:44:47.06ID:KLdjjVHN
どっちもだな。
ドラマではもうちょっとイチャイチャが見たかったし…2人の初夜とかも見たいし。
0122名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 21:33:00.48ID:dFZjDhhP
>>121
同意。エロありでもなしでもどっちでもいい!!!二人のらぶがもっともっと
読みたい!!!本スレではエロパロの存在話題にならないけど、本スレで話題
になればもっと職人さん増えるかなあ?
0123名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 23:40:25.27ID:78+I6VsK
台風情報にテレビ取られて録画リピどころじゃなかった。
本編の展開を無視した所謂「ぼくのかんがえたさいしゅうかい」というやつですが
設定とか色々間違ってるかも。
ちと長いですがお付き合いください。エロはなしです。

◇◇◇

新堂とともにNYへ行き、公私共に彼の支えとなることを決意した若葉だったが、
結婚に関しては新堂の方から「一旦、白紙に戻して欲しい」と言われ、それを承諾した。
表向きには急に海外勤務が決まったからという理由で式や披露宴は延期、というかたちになった。
しかし若葉は昇子の下に残れるよう交渉するという新堂の申し出を断り、
辞令どおりNYの事務所を任される新堂の補佐として渡米することに決めたのだった。
0124名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 23:41:59.44ID:78+I6VsK
一方、草太はそよ子から別れの手紙を受け取り、
それを読んで自分がいかに身勝手に彼女を傷つけたのかを痛感した。
「オレ……そよ子さんに甘えすぎてました」
すぐさまよそ子を探して駆け回り、会うなり誠心誠意謝罪した草太の姿を見てそよ子は、
ほんのわずか捨てきれずにいた期待が氷の欠片のように溶けてなくなったことに安堵した。
ここで草太がそよ子を引きとめようとする男だったら、心底彼のことを嫌いになるところだった。
「私はもっと、違うかたちで草太さんに甘えて欲しかったです」
でも、もういいんです、とそよ子は濡れた目を伏せて微笑んだ。
「このままフランスに行ってしまうんですか? 鮎川先生のことは……」
「予定どおり、フランスには行きます」
若葉のことはどうするのか、と言いかけたそよ子の言葉を遮って、
草太はきっぱりと渡仏の決意を告げた。
「今のオレじゃ、若葉さんを幸せにすることなんて到底無理です。
まずは胸を張って彼女の前に立てる男にならないと」
「でも……」
0125名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 23:43:14.94ID:78+I6VsK
そよ子も草太も、新堂と若葉の結婚が白紙に戻ったことを知らない。
おそらくNYで落ち着いたら式を挙げるのだろうと思っているそよ子は、
想い合っているふたりがこのまま遠く離れ離れになって
別のひとと結ばれようとしてるなんて、と胸が痛んだ。
「若葉さんが幸せならそれでいいんです。
でも、オレが若葉さんの前に堂々と立てるようになったとき彼女が幸せじゃなかったら、
そのときは……」
相手が誰であれ奪い取ってでも幸せにします、
と言い切った草太の頼もしい笑顔を見てそよ子はまた溢れそうになる涙をこらえて笑い返した。
「きっと草太さんなら大丈夫です。私も……私の幸せを探します」
「オレも、どこにいてもそよ子さんの幸せを祈ってます」
「お見送りには行きません。ここでお別れです」
そよ子と最後に握手を交わして、草太は凛と背筋を伸ばして立ち去る彼女の後姿を見送った。
0126名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 23:45:49.30ID:78+I6VsK
若葉が新堂とともにNYへ渡って一年が過ぎた。
はじめての海外での暮らしに戸惑う暇もなく新しい仕事に忙殺され、
慌しくも充実した日々だ。
新堂とはその後、仕事上のパートナとしてはこの上なく良い信頼関係を築いてきたが、
プライベートでは結局、恋愛関係には進展せずなぜか今では
同性の親友同士のような奇妙な関係になってしまっている。
彼を支えたいと思った若葉の気持ちに嘘はかったが、
それは恋とか愛から生まれたものではないということに新堂は最初から気づいていのだ。

「君のおかげで粗悪な類似品が市場に出回るのを防げた、とクライアントも大変喜んでいたよ」
「新堂先生の助言のおかげです。ありがとうございました」
向かい合った席についた新堂と若葉は、シャンパンのグラスを軽く掲げて乾杯をする。
はじめて若葉がメインで任された案件を良い結果でやり遂げたお祝いをしよう、
と新堂にエスコートされたのは以前、東京でも新堂が連れて行ってくれた
フレンチレストランのNY店だった。
あのとき食べた前菜がすごく美味しくて、
新堂がシェフを呼んだらそれが草太だったことを思い出す。
0127名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 23:51:00.61ID:78+I6VsK
若葉がNYに発つ数日前、草太も単身フランスに渡ったとひと伝に聞いた。
そよ子は今も日本で、昇子の秘書をしている。
あのとき、草太の気持ちがまだ若葉にある、と聞かされても
何もかも放り出して彼の手を取ることは自分にはゆるされない、と思った。
全部、若葉が少しも素直になれずにヘンな意地を張り続けたことが原因で
起こった事態なのだから。
現在は新堂との婚約も正式に解消し、新堂の両親にも再び頭を下げて
父の借金は何年かかっても必ず返すと約束をして一応のけじめはつけた。
婚約解消を申し出たのは自分からだから、と慰謝料を受け取ろうとしない新堂には
金銭ではなく信頼に答えることで返していくしかないと思っている。
直接本人に言ったことはないが、いずれ新堂が独立して事務所をかまえるときは
彼について行き、全力で支えるつもりだ。
0128名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 23:52:52.74ID:78+I6VsK
「そういえばクライアントの開発担当がしきりに君のことを美しい、美しいって褒めてたよ」
「ええっ? あの、オーウェンさん、でしたっけ?」
「そうそう。で、恋人はいるのか、まさか僕がそうじゃないかってうるさいものだから、
君には恋人はいないけど心に決めた相手はいるようだ、って本当のことを教えておいた」
「な……! 新堂先生っ」
カーッと顔を赤くした若葉は、思わずフォークを取り落としそうになって新堂をキッと睨んだ。
若葉の心がまだ草太にあることを、新堂は知っている。
祝いだとか言って、この店に若葉を連れて来たのも遠まわしな意地悪なのではないかと
ついそんなことを考えてしまった。
「そっ、それにしてもこのフィレ肉のロッシーニ? でしたっけ。すっごく美味しいですねっ」
慌てて話題をそらそうとした若葉に、新堂はにやりと意味深に笑う。
「こういうときは、シェフを呼んで直接美味しかったと伝えるべきだね」
「え? ええっ??」
このシチュエーションには覚えがある。
慌てる若葉を他所に、新堂は近くにいたギャルソンにシェフを呼ぶように伝えた。
0129名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 23:56:34.46ID:78+I6VsK
そして、ふたりのテーブルにやってきたシェフは――――
「ダ……、そ、草……太さん……」
コックコート姿の草太は、照れたような笑顔で若葉を見おろした。
この一年、忘れたことなどなかったたれ目の優しい笑顔。
今もフランスにいるものだと思っていたので、こうして目の前に現実の草太がいることが、
にわかには信じられない。
「彼、僕と君が結婚したとばかり思ってたらしくて、先月このNY店に転勤が決まったとき、
まず僕に連絡をくれてね」
人妻である若葉に直接連絡を取るのは失礼だという気遣いが、結果は勘違いだが草太らしい。
「聞けば、君は僕と婚約を解消したことも告げてないって言うから。
余計なお世話かもしれないけど、僕からすべて話しておいた」
若葉を巡るライバルだと思っていたときはふにゃふにゃした優男だと思っていたが、
先入観を取り払って話してみてから、新堂は草太の誠実な人柄と料理の腕に
好感を抱くようになっていた。
「じゃあ、僕はデザートは遠慮しておくから」
席を立ち、颯爽と去っていく新堂を草太は丁寧なお辞儀で見送る。
0130名無しさん@ピンキー2011/09/23(金) 00:03:21.63ID:c39kMspq
ひとりテーブルに残されて唖然としている若葉に向き直り、
草太は姿勢を正してシェフの顔で微笑んだ。
「本日はようこそお越しくださいました。只今、デセールをお持ち致します」
草太が自ら運んできたデザートの皿には、
ハート型をした鮮やかなフランボワーズのムースとともにチョコレートで
「Je t'aime(愛してる)」と書かれていた。
文字の意味を理解した若葉の瞳から、涙の粒が押し出されて頬を伝う。
「オレは今でも若葉さんのことが好きです。あなたを……幸せにしたい。
その役目をオレにください」
「わたしを幸せにできるのは、世界中であなただけなんです。
わたしもあなたが……草太さんのことが好きです」
顔をあげた先の、草太のはにかんだ笑顔をもっとちゃんと見たいのに涙で滲んでよく見えない。
草太が差し出したハンカチを若葉が受け取ったとき、
「Congratulations!」という声とともに拍手が起こった。
周囲のテーブルの客たちも、次々と祝いの言葉とともにふたりに拍手を贈る。
0131名無しさん@ピンキー2011/09/23(金) 00:07:23.08ID:c39kMspq
「えっ? あ……」
ここがレストランの客席という公共の場だということを思い出し、
若葉はカーッと茹で上げたように真っ赤になった。
草太も顔を赤くして、周囲の客席に
「I am sorry to have disturbed(お騒がせして申し訳ありません)」と頭を下げる。
「あの、若葉さん。そのデセール、若葉さんのためだけのシュプリーズだから
……食べてくれる?」
本来ならデザートは専門のパティシエが作るところを
このひと皿だけは草太が盛り付けまですべてひとりで仕上げたのだという。
フランボワーズのムースは甘酸っぱくてとても美味しかったのだが、
コーヒーを淹れてもらいデザートを食べ終えるまでの間に席を立つ客が口々に
「I'm very happy for you!」だの「Sweets Are Forever」だの若葉に声をかけていくので、
恥ずかしくてしょうがない。
「もうこのお店には恥ずかしくて来れないよ……」
しかし、後に新堂がこの店を接待でよく使うようになり
そのお供で若葉も頻繁に来店することになるのだった。

-fin-


しまった、ちゅーすらしてねぇ。
シュプリーズは「特別料理」の意味合いで使いましたが仏料理用語としては間違ってるかも。
英語は翻訳サイトまかせなので雰囲気の演出ってことでご勘弁願います。
エンドロールで草太の店にリリカとビー太郎がランチに来たり、
若葉と草太がセントラルパークでピクニックデートとかしてたら俺得。
あっ、それからポール・ボキューズにNY店はないですwwwすみません。
0132名無しさん@ピンキー2011/09/23(金) 04:42:16.80ID:zUb0ogez
Hで若葉の良さに理性を失ったそうたがみたい。
「ごめんっ若葉さんっ・・・優しくできないっ・・!」「ゃぁっ激しすぎですっあんっ」→がつがつ突きまくりH みたいな。

夜だけドSなそうたもみたい。立場逆転。

そうたは絶倫であってほしい
0133名無しさん@ピンキー2011/09/23(金) 12:11:36.04ID:nT5jLdNk
>>131 GJ いろんな最終回があるといいな。
0134名無しさん@ピンキー2011/09/23(金) 20:26:19.53ID:H0ukjuAI
>>78+I6VsK
GJGJ!!
そういう最終回も全然ありだね。最終的に若×草でハピエンは鉄則だし、
お互いに夢叶えたって感じで爽やかエンドでいい感じ。
これからもステキな投下待ってます!
0136名無しさん@ピンキー2011/09/25(日) 23:07:04.88ID:3lH0xbCJ
>>131さん GJ!
プラトニックもエロいやつもどちらも良いです。
>>132さんの話もきになる。

個人的にはウェディングドレスでチューの後どうしたのかなぁ。と思ってます。
0137名無しさん@ピンキー2011/09/26(月) 16:40:40.33ID:f1eLABoY
あのキスの感じからすると草太は若葉に理性を止められないね
0143名無しさん@ピンキー2011/10/09(日) 09:25:08.11ID:4aC1edWl
保守
0146名無しさん@ピンキー2011/10/19(水) 01:44:08.00ID:T0ACmBKN
過疎ってるのも寂しいので、投下させていただきます。
最終回後で、結婚したふたりに子どもがいる設定です。

*********

「英次郎はもう寝ちゃった?」
「パジャマ着せてる途中で意識不明です」
「やっぱりなぁ。湯船でも何度か沈みそうになってたもん」
濡れた髪をタオルで拭いていた草太は、若葉と目を合わせるとクスッと笑った。
草太がフランスから帰国し、若葉と結婚してから五年が経つ。
ル・シャトーは下町の気軽なフレンチとして順調に常連客を増やしていたし、
若葉も今は仕事量をセーブしてはいるが弁護士の仕事を続けていた。
ふたりの間には男の子が生まれ、今年で三歳になる。
決して裕福ではないが、家族三人、幸せで充実した日々を送っていた。
「若葉さん、こっちおいで」
「なんですか?」
居間のソファで冷たいお茶を飲んでいた草太が、にこっと人懐こい笑顔を浮かべて若葉を呼ぶ。
首を傾げて呼ばれるままに草太の傍に行くと、不意に腕を引かれて口づけられた。
0147名無しさん@ピンキー2011/10/19(水) 01:45:14.21ID:T0ACmBKN
「……もう、急になにするんですか」
冷たい唇が離れると、若葉は照れ隠しに怒ったフリをする。
「最近キス、してないなぁって思って」
「毎朝してるじゃないですか」
「行って来ますのチューじゃなくて、もっとちゃんとしたやつ……」
草太の膝の上に座った姿勢のまま力強い腕でぐっと抱き寄せられ、請われるままに唇を重ねた。
角度を変えて何度か啄ばんでから、深く重ね合わせてお互いの舌を絡め合う。
唇を離した頃には、草太の冷えた舌と唇はすっかり温まっていた。
「ね、英次郎も寝ちゃったし……ダメ?」
「えっ? こ、ここで?」
熱く濡れた目で草太に見上げられ、若葉は頬をほんのりと赤く染める。
「まさか寝てる英次郎の横で、ってわけにもいかないし」
普段は寝室に布団を並べて敷き、親子三人で川の字になって寝ているので夜の営みをどうするかは夫婦のささやかな悩みのひとつである。
息子を寝かしつけた後、こっそり居間のソファで……というのはもう何度か経験済みだというのに、いつまでも初々しい若葉の反応が草太には可愛らしくて仕方がない。
少し目を細めてニヤリと笑った草太は、わざと意地悪を言ってみる。
「ここがダメなら、後はお風呂くらいしかないけど……」
「おっ、お風呂は絶対にイヤですっ」
予想通り涙目になった若葉が、真っ赤な顔をぶんぶんと左右に振った。
新婚の頃、うっかりお風呂でそういう雰囲気になったのはいいが声が響いて恥ずかしいわ、のぼせてフラフラになるわで散々な目に遭い、それ以来若葉はお風呂でのエッチは断固拒否を貫いているのだ。
0148名無しさん@ピンキー2011/10/19(水) 01:46:11.27ID:T0ACmBKN
お風呂でするのは断固拒否だけど、今からここでしようという草太の誘いには素直に頷けなかっただけで若葉だって草太に触れて欲しいし、触れたいと思っている。
甘えるのが下手で意地っ張りな若葉のことをよくわかってくれている草太は、若葉が折れるタイミングをいつも上手く作ってくれるのだ。
「じゃ、どうしよっか? お泊り保育の日までお預け、なんてのはオレ、我慢できないっすよ……?」
「それはわたしも……我慢できません」
若葉は草太の首に両腕を回して引き寄せると、OKの意味を込めて自分から口づける。
合わせた草太の唇が触れていてそれとわかるように笑みのかたちになり、若葉の体がソファの座面にゆっくりと倒された。
「…………あっ、電気は消してください」
「……ちぇっ」

夫婦の間にふたり目の子どもが出来るのも、そう先のことではないかもしれない。

〜終〜

子どもの名前はギャグです。
草太にとっての長男はB太郎だろうから、A次郎……なんつって。寒!
お粗末様でした。
0149名無しさん@ピンキー2011/10/19(水) 12:58:47.07ID:yW2tUEPh
久しぶりの神キター!!!
GJです!!
英次郎最初吹いたけど若葉草太なら付けなくもない名前だw

本当この2人萌える!
もっと職人さん来ないかなー
0150名無しさん@ピンキー2011/10/19(水) 20:51:43.88ID:zeuyK6PV
きゃーーー!!!久しぶりの投下キターーー!!!待ってました!!
GJGJです!
草太のお誘いにツンデレ返しの若葉、最高!これからも投下楽しみにしてます!
お泊り保育って事は、やはり英次郎も三つ葉の森保育園の園児なんだろうなあ

ホントにもっと職人さん来てくれるといいな
ラストシーンがこれから二人のらぶらぶが始まる!ってところで終わったから
その後を色々想像しやすいと思うんだけど
0151名無しさん2011/10/19(水) 23:43:05.98ID:8qyqQJxp
超絶ウルトラやびゃあwwwww
もっと続きが見たいです★うちの妄想より遥かにキュンとします
0152名無しさん@ピンキー2011/10/22(土) 00:32:16.28ID:Qbw8w8UO
146です。
GJありがとうございました!
その後のふたりのラブラブは色々妄想できて楽しいですよね
エロありにもチャレンジしてみたいと思ってるので、また何か書けたら投下させていただきます
0154名無しさん@ピンキー2011/10/22(土) 20:47:27.79ID:8sJ9JOud
うちも投下まってます!!うちも投下まってます!!
0155名無しさん@ピンキー2011/10/25(火) 05:41:20.10ID:i1RHYZCC
このスレあったの今知った!
一気に読んだけどクオリティたけぇ…萌える…!
草太さん今流行りのロールキャベツ男子っすねw
0156やびゃあ2011/10/27(木) 23:43:11.31ID:+dujZcvJ
忙しいかもしれませんが・・・職人さん投下待ってます!
0157名無しさん@ピンキー2011/11/07(月) 17:24:41.94ID:qaeCj3HM
保守

そして職人さん待ち
0171名無しさん@ピンキー2012/01/07(土) 13:34:28.49ID:yHEyMe5K
2ちゃんに書き込むのは今回が初めての超初心者ですが、つい最近全開ガールの草太×若葉にハマってしまい、文章を書きましたので、投下させて下さい。このスレの職人さん達のレベルの高さにガクブルしてますが…よろしくお願いします。
初心者ですので、何か間違った事があったならご指摘お願いしたいです。

エンディング後から数年後、二人の結婚後のお話です。





「い、いいですかっ!公共の場では私の半径50センチ以上は近付かないで下さい!」

頬を少し赤らめ、そう早口でまくし立てているのは、キッチリとリクルートスーツを着こなし、前分けの黒髪がとても似合う、誰しもがハッと振り返る程の美人。なにやら彼女の抱える重そうなエナメルのバックの中には、大量の書類が鞄に収まり切らずにはみ出していた。

そのエナメルバック重いでしょうから俺に貸して下さいと、物腰柔らかな、まさに今流行りの草食系男子の代表なような男性が、彼女にバックを渡すように説得していた。

「今はなるべく重い物持つの止めてくれって言った筈っすよ!
一番身体大事にしなきゃならない時期なの分かってるんすか!?」

彼女の肩を必死につかみ諭す姿は、余りに真摯で、周りの無関係な通行人達も思わず振り返る者や立ち止まる者もちらほら居る程。

その興味有りげに彼女達のやり取りを見る野次馬達の視線に、彼女は頬を先程よりあからさまに蒸気させながらギッと殺気を含めた視線をふりまき、最終的にその視線は、目の前の男性に全て降り注ぐ形となった。

「だから!公共の場でのスキンシップはあれほど禁止だと…!
それに、このバックには重要な書類が沢山ありますので、幾ら草太さんと言えどもお任せする訳にはいきません!」

「だったら、せめて安定期に入るまででも重い物とか持たないような仕事に切り替える事は出来ないんすか!?」

「…私が一度引き受けた仕事を他の誰かにお任せするとお思いですか?」

「…確かに思えないっす、思えないですけど…」

にっこりと冷たく笑う彼女の剣幕に、草太と呼ばれた男性は、その笑顔にたじろきながしながらも自身の想いを怯まずに彼女にぶつける。
0172名無しさん@ピンキー2012/01/07(土) 13:38:54.23ID:yHEyMe5K

「この前だって仕事で無理しすぎたばっかだし、検診で行った産婦人科で医者にキツく言われたじゃないすか、あまり無理はするなって!

…俺、若葉さんとお腹にいる赤ちゃんに何かあったって考えたら…」

そう絞るように呟いた言葉、そして微かに濡れる彼の瞳の真っ直ぐさに当てられた彼女の頬には、ハッキリと羞恥の色が帯びていた。

「だ、だからっ!公共の場では言葉を選べとあれほど…!
あとそれくらいの事で直ぐに涙ぐまないでください!
…私が貴方の涙弱いの知ってるくせに!!」

「…だって仕方ないじゃないすか、俺…若葉さんが心配なんすもん!」

「だってじゃない!!
…嗚呼もう!!これだからだんご虫はっ!!」
なにやら勢いよく叫んだ彼女は、彼の腕をつかみ、人混みから外れた裏小路に引っ張り込んでいく。

「え、ちょ…若葉さん!?」

彼女も自分で気にしてるのか、前ほどよりさほど高くないパンプスのヒールをカツカツ鳴らし、ずんずんと進んで行く後ろ姿と、されるがままの彼の姿。そしてオフィス街の換気口のファンの風が生温い裏小路の奥で、彼女は突如立ち止まり、彼と向き合う。

「此処でならある程度の人目は付きませんので、だんご虫で尚且つ泣き虫な草太さんを慰めてあげれるってもんです。」

さぁ来い!とばかりに腕を広げた彼女に導きかれるように縋りつく彼の姿。

その繊細な心とは逆に、意外にも逞しいのだと、抱き締められる度に思う彼の背中、
顔を見られる事がないこの行為の時だけ、彼女は自分が心から素直な女になれてる気がするのだ。

そんな事を頭に過ぎらせながら、縋りつく彼の背中を、首筋を優しく慰めるように撫で、時にポンポンと落ち着かせれるようにさすって行く…。

「草太さん、少しは落ち着きましたか?…草太さん…?」

もうタイムリミットだと伝えようと覗きこんだ彼の顔は、先程の切なさとは違い、彼が昼間には絶対に見せないであろう欲情を纏って、くすぶらせているかのような表情をしていた。

…え、ちょ…!?なんでっ!?

彼の豹変に思わず動揺した彼女の隙を狙って彼は彼女の肩を壁に押し付け、小さな顎を指先で持ち上げながら、初めは啄むように、そして次は焦らすかのように彼女の唇を舐め、空いた唇の隙間を埋めるかの如く深く口内を貪っていく。
0173名無しさん@ピンキー2012/01/07(土) 13:41:02.28ID:yHEyMe5K
、くすぶらせているかのような表情をしていた。

そんな何時もの夜の営み前に彼と行う深い口付けを、何故か真っ昼間の、しかも屋外で行われている事実が、彼女の思考をますます混乱させた。

「…ん…っ、…何して…!?屋外でのこの行為は…猥褻行為に値して…っ!!」

恥ずかしながら呟くこの言葉から、前に彼女が屋外にて酔った勢いで彼に行った初めての接吻は、彼女の中では既に記憶が無いものとして片付けられてるらしい。

その言葉にほんの少しだけ苦笑いを浮かべては、先程の押しの弱さが嘘みたいなほど意地が悪い笑みを浮かべて彼女の耳元で囁くように呟く彼の姿。

「……でも若葉さん、そんな事言っててもキッチリと応えてくれてますよね…
初めは本当にぎこちなくて、よく鼻当たったり、歯当たったりしてたけど、…いや、本当上手くなったっす、キス。」

「…っ!?、だ、だんご虫な癖して、何上からモノを言っちゃってくれてるんですかっ!?
そんなのは当たり前です!!一応全ての事は事前に予習し、学んだ事は必ず復習するのが私のモットーですから!!」

「…いやでも、それって主に資料とかでですよね?ぶっちゃけこうゆう行為って、経験重ねなきゃって思うし…だから若葉さんがキス上手くなったのは俺とのキスでかなぁって思うと嬉しいというか…」

「っ勝手に自惚れないで下さい!!
…そりゃあ…貴方とのキスは…好きか嫌いかと聞かれたら…、好きですがっ!、だからといって私のキスの進歩が草太さんのお陰と言われたら、それはもの凄く心外です!
それに、感情的にはキスは何らかの影響は有るのかもしれませんが、物理的にはキスそのものの行為に生産性など全くありません!」

「…若葉さんが前に言っていた、キスは粘膜と粘膜の触れ合いでしかないって奴っすね?
でも、その粘膜と粘膜の触れ合いの果てに、こうして若葉さんのお腹に俺と若葉さんの遺伝子を引き継いだ命が生まれてくる…。そう考えたらキスって俺はもの凄く欠かせないモノだって思うし、…それに、好きな人とだと、もの凄く気持ち良くないっすか?」

「それは…っ…」

「少なくとも俺は、若葉さんとのキス、すっげー気持ちいいです…。」

そう呟きながら彼は自身の唇を、彼女の唇に軽く押し付け、ふっと彼女が緩んだ隙にお互いの口内の舌先を絡め取るように口付けを行っていく。
0174名無しさん@ピンキー2012/01/07(土) 13:49:17.66ID:yHEyMe5K


粘膜と粘膜の触れ合いの果て…

そう彼が呟いた言葉が彼女の脳内に焼き付いて離れない。

まるで今行っている行為自体が、男女の肉体の繋がる行為と重なるような…そんな感覚に陥るのを彼女は感じていた。

初めて彼と繋がれた日、余りに痛くてたじろぐ自分の気を紛らわす為にしてくれた甘いキスが忘れられない…

此方ばかりが何時も何時も彼の行為に翻弄されるのが悔しくて、自分から仕掛けたキスは、自身と彼の歯が衝突して頭に響いた苦い記憶…。

そして遂に繋がる事への痛さが無くなり、その行為を悦べる事を発見した喜びと恥ずかしさ…、そんな自分の変化にもの凄く喜んでくれた彼の笑顔…。

今彼としている行為は、只の口付けな筈なのに、結婚してからの彼との夜の甘い生活を否が応でも思い出されてしまう。

「…ん…っ、…そうた…さ…、」

「若葉さん…、今の声すっげー可愛い…、もっと、聞かせて…?」

彼の肩にしがみつくのがやっとの彼女の耳元で彼が呟いたその言葉は、彼女を追い詰めるのは容易な事で、
壁に寄りかかりズルズルとしゃがみ込み吐息を整える彼女の腕からは、先程はどんなに彼が頼んでも頑なに離さなかった大量の書類が入ったエナメルバックを指から不意に離し、ドスンと地面に鈍く落ちる音がビジネス街の騒音に紛れて辺りに響き渡った。
0175名無しさん@ピンキー2012/01/07(土) 13:51:56.69ID:yHEyMe5K

その隙にバックの取っ手をしっかりと掴み「若葉さん、今日はもう帰りましょうか」と呟いた彼の笑顔。

「…へっ!?」

「…ほら、このままこんな場所で事進めるのは…なんつうか、流石にヤバいだろうし、
あ…でも若葉さんがもし続きがお望みなら、家帰ってからって事で…、どうします?」

先程の事の事などまるで忘れたかの様にスッキリとした彼の表情は、彼女の眉間に皺をキッチリと寄せさせるには十分で、

「…この…っ、だんご虫!よくもっ…!」

「ほら、前に言ったじゃないすか、だんご虫だってやる時はやるんだって。」

「…いいからその鞄返して下さい!!」

「若葉さんが今後無理ををしないって約束するなら返します。」

「私は無理なんてしていません!!」

「だったら、そんなムキになる必要ないじゃないすか?」

「ムキになってるのは貴方でしょう!!」

「あ、今日の晩御飯何にします?、和洋中、どれがいいっすかね?」

「和がいいです…、って話をそらすな!!!」

「…歩けます?、なんなら俺、若葉さんを家まで抱えていきますが?」

「結 構 で す!!!」

そう思い切り捨て台詞を吐き捨てて、一人ずんずんと路地を進んで行く彼女の姿。

どんな気分の時で在ろうと、背筋が真っ直ぐな彼女の後ろ姿を愛おしいそうに見つめながら、先程奪う形になった彼女の荷物を抱えて、彼も路地を駆け出していく…


-End-
0176名無しさん@ピンキー2012/01/07(土) 13:54:21.01ID:yHEyMe5K
小説投下した171ですが…
途中文章がだぶってしまい、見づらくなってしまった事申し訳ないです…。
0177名無しさん@ピンキー2012/01/08(日) 19:06:07.10ID:mhrv4HPq
神キターーーーー!!!!
ううう嬉しい!

なんか久しぶりに草太と若葉に会えて感涙(TT)
>>176さんありがとう!
素敵!二人の掛け合いにキュンキュンですわ!

0178名無しさん@ピンキー2012/01/08(日) 22:49:31.36ID:is9ZU1KU
>>176です(^ー^)もうスレを見てる人はいないのかなと思っていたので、見て下さっただけで本当に嬉しいです!>>177さん、こちらこそ、ありがとうでした!
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