怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第6夜
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0001名無しさん@ピンキー2011/10/25(火) 00:09:51.22ID:pEeklbii
タイトル通り怪盗が警察などに捕まってあんな事こんな事に遭う作品はここに投下してください。
長編短編バッドエンドグッドエンド一次二次どちらでもOK。
とにかく住人たちの心を盗む怪盗求む。

【前スレ】
怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第5夜
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1239186929/


【注意事項】
○sage進行でお願いします。
○職人さんは特殊嗜好の作品の場合は投下前に注意書きをお願いします。
○職人さんが投下しづらい雰囲気はやめましょう。供給があってこそのエロパロ板です。
○好みに合わない作品や意見はスルー(読み飛ばし)を推奨します。
○荒らし、煽り、広告はスルーしましょう。
0177名無しさん@ピンキー2013/05/02(木) 15:29:39.71ID:HU3xoTeE
age
0178名無しさん@ピンキー2013/05/05(日) 22:17:55.02ID:hGGYuEIf
>>175
なかなか良かった
挿入以降のシーンが短いのは少し残念。力尽きたか?

逃げ出せるかもしれない希望と、それが叶わなかった時の絶望感の起承転結が欲しいところ

表現とネタはすごい好み
0180名無しさん@ピンキー2013/05/09(木) 18:14:56.02ID:3P6RzQL3
作者です。読んでくれてありがとう。

もっとストーリー練らないといけないと思いました。参考に致します。
0182名無しさん@ピンキー2013/06/09(日) 21:22:40.61ID:K3HUPWmZ
今更だけどジャミングの作者ってAM氏だったのか
お世話になっています
0184名無しさん@ピンキー2013/07/22(月) NY:AN:NY.ANID:o96qa3Y1
アゲ
0188名無しさん@ピンキー2013/09/01(日) 18:16:41.33ID:T4VjSmSp
セイントテールとかジャンヌとかもはや化石レベルですからね.

燃料が少ないのでしょう
0189名無しさん@ピンキー2013/09/01(日) 20:22:00.34ID:0Ht1ueof
ミルキーホームズが現役なのに……。怪盗はライバルサイドだけど
一応ツインエンジェルってのもあったぞ。あれもどっちかというと、ライバルサイドの方が怪盗っぽかったが
0191名無しさん@ピンキー2013/09/02(月) 04:03:29.70ID:BATUy4Uq
一時的に大人に変身したりする奴っている?
一時的じゃなくてもOKです
0192名無しさん@ピンキー2013/09/02(月) 15:33:34.30ID:H3ZQWWvI
ジグラットに登場するライバルのブラックハート(特殊手配犯7号)は、そういう設定
ただし、この設定が明かされるのはブラックハート自身が主人公の短編エロ漫画で
ジグラット本編では常に大人の姿。この話題も結構ループしてんな
0195名無しさん@ピンキー2013/10/01(火) 23:44:14.35ID:D5dLxsD8
>>191-192
ところでジグラットのヒロインって、結局生身の時の巨乳が本来の姿で
怪盗姿のロリっ子の方は仮の姿で良いのかな? その逆ではなく
0202名無しさん@ピンキー2013/11/07(木) 02:26:45.14ID:JrHCoyel
作者が一切どこでも明言していないって情報を君は持っていて、相手は持っていなかった
なら、それを普通に教えてやれば良いだけだよ
0204名無しさん@ピンキー2013/12/19(木) 14:20:37.02ID:mpGQBbqf
あんまり怪盗のキャラがいないから、もしもあのキャラが怪盗だったらって
妄想しない?
0205名無しさん@ピンキー2013/12/24(火) 03:00:42.99ID:uGliGCnd
アルカナハートのドロシーみたいな、性別偽ってる怪盗が捕まって「お前、女なのかよぉ!(驚愕)」みたいに脱がされる妄想。
所で皆メリークリスマス。
0209名無しさん@ピンキー2014/01/25(土) 09:42:30.21ID:UZhJe0kz
怪盗Xi(脳噛ネウロ)

……なお、主な活動内容は人間を原型が残らない肉塊にして箱詰めにすること。
0211名無しさん@ピンキー2014/04/13(日) 19:42:30.25ID:yD2LddYH
ほすあげ
0215名無しさん@ピンキー2014/09/16(火) 11:09:44.80ID:nnloSrt8
久々に来た
シーフイントラップの続きまだ来てないのね
でも何年でも待つわ
0218名無しさん@ピンキー2014/11/02(日) 23:26:32.89ID:sIyIuk5P
か…【怪盗ジョーカー】…の…『怪盗クイーン』…

金有に捕まって、あんなことやこんなこと…

(´Д`)
ハァハァ…

鬼山警部の部下の婦警さん二人からあんなことやこんなことでもいいかな?

(´Д`)
ハァハァ…ハァハァ…
0220怪盗ジョーカー外伝 脆いダイヤモンド2014/11/03(月) 02:56:48.42ID:dxr0AWke
怪盗ダイヤモンド・クイーン
http://s.mxtv.jp/joker/chara_detail.php?name=queen

『今夜ミスター金有の秘宝焔(ほのお)の紅玉を頂きに参上する【怪盗ダイヤモンド・クイーン】』

金有「くぅーっ!ジョーカーといい!またワタクシをコケにするザマスね!」
悔しそうにする金有、しかし、すぐに薄ら笑いの表情に変わる
金有「しかし今度の相手はジョーカーの仲間のたかが【小娘】…そう、【小娘】ザマス…」

クイーン「フフッミスター金有の屋敷…一見すると警戒厳重に見えてもスキが多いわね…」
クイーン「相変わらず警備員達はあっち向いてホイをやってサボっているし…(汗)」
クイーン「さて何処から忍びこもうかしら…」

-警備員室-

クイーン「さて、睡眠ガスの玉を投げ込んでっと…」
コロン…

警備員「じゃんけんポイっあっち向いてホイっじゃんけんポイっあっち向いてホイっ」
警備員「ん?なんだ?この玉っころ?」
警備員が玉を拾う、そしたら…
シューッ!!
警備員「ぐがぁーっぐがぁーっZZZ」
警備員「すぅー…すぅー…ZZZ」

クイーン「ウフ♪よく眠ってるわ…おやすみ♪さて…?」
クイーン「テレビモニターでは、この部屋ね…【焔の紅玉】は」
0221怪盗ジョーカー外伝 脆いダイヤモンド2014/11/03(月) 02:59:15.18ID:dxr0AWke
-金有の部屋-

鬼山「ミスター金有!!毎度毎度困ります!!予告状が届いているのにワシら警察に連絡しないなんて!!」

金有「今回は、その必要は無いと判断したまでザマス!」

鬼山「何故ですか!?」

金有「あーた達の相手は怪盗ジョーカーザマスでしょ?今回は怪盗ダイヤモンド・クイーンとか言う娘っ子、警察の手を借りる必要は無いザマス」

鬼山「我々は怪盗対策本部!怪盗である以上ジョーカー以外でも捕まえる義務があります!!」
鬼山「そして我々は警官である以上、怪盗でなくとも犯罪者は捕まえます!!」

ギンコ「そうだ!よく言った警部!」

モモ「かっくいーっ♪」

鬼山「ははっそれほどでもあるけどな…」

金有「はぁー…仕方がないザマスねぇ…」
金有「そこまで言うなら紅玉の警備を任せるザマス!そのかわり!ワタクシ達の邪魔はしないザマス!」

鬼山「はっ心得ております!」

-金有邸 紅玉の間-

鬼山「ほほぅ…これが【焔の紅玉】…」

金有「今はスイッチを切っているザマスが、スイッチを入れると赤外線とレーザー、そして体温探知機ですぐに察知するザマス」

鬼山「なるほど…これなら警備は万全ですなぁ…」

金有「フフフッそれに…」

鬼山「それに…?」

金有「おっと!これ以上は例え警察関係者でも言えないザマス!」

鬼山「はっ!それでは私達は扉の前を警備します!!」

金有「せいぜい足を引っ張らない様によろしく頼むザマスよ」

ギンコ(一言余計なんだよ!!)

鬼山(我慢しろ…クイーンを捕まえれば関係ない!)

モモ「そうだよ…♪捕まえちゃえば関係なし!」
0222怪盗ジョーカー外伝 脆いダイヤモンド2014/11/03(月) 04:07:09.86ID:dxr0AWke
-紅玉の間 天井裏-

クイーン(なるほど…赤外線、レーザー、熱探知…)
クイーン(けれど、真上は死角…!)
スタッ
紅玉のケースの真上に乗る
クイーン(熱探知の方は、熱をさえぎる特殊な服を用意して着ているから無問題)
そして、吸盤をケースの真上にくっ付ける
クイーン(そしてケースをダイヤモンドの剣で…!)
シュピーン!!
クイーン(斬る!!)
透明ケースの真上が綺麗な円形に静かにスゥ…っと斬れる
そして、吸盤を引っ張りケースの円形に斬った部分が持ち上がる
そして、一旦天井裏に上がり
円形の部分を置く
クイーン(よし!後は紅玉を手に入れるだけ…)
ケースの円形に斬った大きな穴に手を入れ
紅玉に触れる、その瞬間…
紅玉が淡く光る…
クイーン「な…何…これ…何で光るの…」
クイーン(まあ、いいか…さっさと持ち上げよう!)
と持ち上げた時…!
カクンッ!!
クイーン「な…何…か…体が…ち…力が…!抜けていく…」
そして、クイーンは床にドッっと倒れてしまった
クイーン「まずい…赤外線に触れて…!センサーが作動して…!」
クイーン「…?警報が鳴らない!?何故!?」

金有「フフフッそれは警報を鳴らす必要が無いからザマス」

クイーン「金有…!?」

壁の隠し扉から金有が入ってきた
金有「さて…この【焔の紅玉】は返してもらうザマス…」
金有「そして、少し眠ってもらうザマス、カネ子!」

カネ子「はい…」
シュー…
催眠スプレーをクイーンの顔にかける

クイーン「う〜ん…」
クイーンが静かに眠る

金有「カネ子!その小娘をワタクシの秘密の部屋へ運ぶザマス!!」

カネ子「かしこまりました!金有様」
カネ子、お姫様抱っこでクイーンを持ち上げる
カネ子「かわいい娘…」

金有「早くするザマスよカネ子お楽しみはこれからザマスから…」
というと

カネ子「はい♪金有様♪」と言いながら顔を赤く染める

そして、紅玉の間から三人とも出る
0223怪盗ジョーカー外伝 脆いダイヤモンド2014/11/03(月) 05:19:46.31ID:dxr0AWke
-金有邸 秘密の部屋-

クイーン「ん…んん…」
クイーンが静かに目覚める

金有「目が覚めたザマスね…【怪盗ダイヤモンド・クイーン】…」

クイーン「こ…ここは…?」

金有「ここはワタクシの秘密の部屋ザマス…」

薄暗いが真っ白の部屋…
そして…
クイーン「・・・!!?」
クイーンは今の自分の格好を見て驚愕した
全裸で立ったまま両手両足ともガッシリと鎖で縛られているのだ
クイーン「え…?え…?な…何!?これぇ〜!?」

金有「クックックッ…今から貴女をワタクシ好みの女の子に教育するザマス!!」

クイーン「な…何よコレ…!それに教育って何!?こんなことが自称セレブなイケメンのすること!?」
クイーン「捕まえたのなら、とっとと警察に引き渡せばいいじゃない!?この変態!!」

金有「フフッ何とでも言うザマス…しかし警察には引き渡しはしないザマス!」
金有「ところで紅玉に触ったとたんに力が抜けたのは何故だと思うザマス?」
と金有が紅玉を持って見せる

クイーン「あ、なんで貴方は何ともないの!?」

金有「この紅玉は不思議な魔力を秘めているザマス」
金有「こんな風に…」
と紅玉をクイーンのお腹にくっ付ける

クイーン「あ…!ああ!!あはあ〜ん!!」
クイーン「な…何コレ!?お…おかひく…なっひゃう…」
とクイーンが腰をクネクネと降る

金有「ホホホ!この紅玉は男が触っても何の効力も無いザマスが…この通り女が触れると」
とクイーンの股間に紅玉を押し付ける

クイーン「はあ〜ん!あっは〜ん!」
プシャーッ!!
クイーンのヴァギナから愛液が勢い良く吹き出す
クイーン「ひゃ…ひゃめてぇ〜!こ…こうひょくを近づけないひぇ〜…」

金有「あらあら〜…【怪盗ダイヤモンド・クイーン】とあろう者が【おもらし】とはみっともないザマスねェ〜」

カネ子「金有様、それはただの【おもらし】ではありませんですわ…あまりの気持ち良さで【愛液】が勢い良く吹き出しているのです」

金有「フフフッわかっているザマス…何せ最初に試したのはカネ子ザマスから」

カネ子「あら、いやですわ金有様ってば…!」
と赤面している
カネ子も全裸になっていた…
0224怪盗ジョーカー外伝 脆いダイヤモンド2014/11/03(月) 05:21:43.43ID:dxr0AWke
金有「解るザマスか?何故この紅玉が【焔の紅玉】と呼ばれるか?」
金有「それは触れた女はみんな焔(ほのお)に燃え盛る様に体が性欲で燃えるからザマス!!」
金有「そう言えば【紅玉の間】の扉の前に二人の婦警が警護してるザマスね…」

カネ子「ご心配には及びませんわ金有様睡眠ガスで鬼山警部と共にグッスリ眠っておりますわ…」

金有「カネ子…ワタクシの考えが解るザマスね…」

カネ子「はい!二人の婦警も金有様の元へお運びしますわ!」

金有「ハハハ!!世界中のありとあらゆる【美しい女性】はこのワタクシのモノザマス!!」

カネ子「あの…その【美しい女性】は私も含まれているのでしょうか?」

金有「勿論ザマスよ!!でもその前にクイーンと二人の婦警を…確かギンコとモモザマスね…」
金有「時間はたっぷりあるザマス…そして五人でたっぷり楽しむザマス…」

クイーン(ど…どうしよう…わたしはともかく二人の婦警さんだけでも助けなきゃ…)
クイーン(助けて…ジョーカー…)
クイーンが一粒の涙を流す
0225名無しさん@ピンキー2014/11/05(水) 21:29:48.89ID:HYzzWZuA
情景描写をいれろ
なれるまでは三人称で書いて文章に強弱を

ドラマやアニメを見ながら台詞を書きおこしたような文章
0226名無しさん@ピンキー2014/11/05(水) 21:47:16.14ID:HYzzWZuA
登場人物が、全員おしゃべりなキャラ設定なのか?賑やかすぎる
セリフで物語を進めようとするからベシャリが多くなる

物静かな設定の女の子を登場させると、その友だちがその分2倍しゃべくらないと話が進まなくなるぞー

一人のシーンでも喋りまくるつもりなのか?

兎に角、全体の50%くらいはナレーションで情景描写\設定を書いてみ?
ウマイナーって思う文章とかだと80%くらいはナレーション、又は二人称でなら心象描写だから
0228名無しさん@ピンキー2014/11/18(火) 09:59:04.86ID:hNOQ2uN1
>ドラマやアニメを見ながら台詞を書きおこしたような文章
アニメの二次創作に対するご意見がまさかそんな・・・・・・・・・
0229名無しさん@ピンキー2014/11/26(水) 15:18:43.47ID:Bx5uiRV1
表向きには成功率100%と言われる世紀の大怪盗
実は毎回、ライバルの不良刑事に捕まっては一方的な「裏取引」で見逃され
涙目に捨て台詞で逃げ帰っていることを知る者は少ない
ってかんじのを希望
0232名無しさん@ピンキー2015/04/15(水) 03:40:24.25ID:vcssvajt
キッズステーションで怪盗セイントテール放送してたから
久々に見てみたけどやっぱり女怪盗はいいなと改めて思いました
0235名無しさん@ピンキー2015/07/18(土) 22:28:30.62ID:Ri6sgsEe
時代や作品の壁を超えて暗躍し、数々の女怪盗の『処女』を華麗に盗む変態怪盗シリーズ
一応怪盗らしく暴力事は嫌い、ちゃんと本人に予告状を送って性々堂々と挑戦

手口としては事前にターゲットの次の犯行予告を調べて予告状を送付
事前に待ち伏せしノコノコ盗みに来た所をあの手この手で捕縛してその場で予告通りお宝ゲット
そのまま調教し新たなコレクションとしてお持ち帰りと言う流れ
スケベ特有の発想力とこれまで手に入れたHな魔法の秘宝で相手を追い詰め必ず屈服させる

「今夜12時、怪盗○○の大事なお宝を頂きに参上する―」


と言うネタを思いついたんだが誰かこのアイデアを盗んではくれないですかねぇ
0236名無しさん@ピンキー2015/10/08(木) 00:12:19.02ID:OVrctrl8
女怪盗が敏腕女刑事に変装してお宝をゲット、
しかしそこへ本物の女刑事とかち合わせてしまい・・・・
0239名無しさん@ピンキー2016/03/18(金) 03:08:29.91ID:ANW9uScE
誰か
0240名無しさん@ピンキー2016/05/21(土) 09:45:59.08ID:Fr2mUEIx
>>223
0241名無しさん@ピンキー2017/02/02(木) 01:49:02.05ID:VNwGiKAH
若い頃名を馳せた女怪盗が現役を引退してから数十年たって40代になって訳あって復帰して活躍。
美魔女怪盗として再び有名になるも現役の時にライバルで肉体関係もあったオッサン刑事の息子の若手刑事に親子二世代に犯される.....

みたいなの読みたい。熟女怪盗のイメージは森高千里。若手刑事は永山絢斗。
その父の元オッサン刑事は岸部一徳で
0243AM2017/11/01(水) 16:58:00.92ID:1IRGQ2LQ
未だ怪盗へのエロ衝動を持ち続けている皆さん、生存報告に参上しましたお久しぶりです
今確認したら前の投下が2011年の5月……約6年半ぶりということに
現在AMUの続きを制作中です。すでにある程度は書けているため近日投下できると思いますのでその時はよろしくお願いします
0246AM2017/11/03(金) 02:24:52.97ID:hgX6G2js
久しぶりなので投下予告。今日の昼くらいにAMUの8話を投下予定
盗み出されたエレメントジュエルのひとつを持つ男をからくも倒してからの話になります。詳しくは保管庫か過去スレ参照
0248AM2017/11/03(金) 11:16:45.66ID:hgX6G2js
では予告通り数分後に投下開始します
作品は「怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー 第八話」となります

注意:本作品には終盤まで本番エロ描写がありません。ガチエロ期待の方はごめんなさい。
0249怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/03(金) 11:21:03.10ID:hgX6G2js
「警部、例のホテル婦女監禁事件の資料ですが……」
「向こうのデスクの上においてある。ったく、いくら人手が足りないからって管轄外の仕事を回すんじゃない!」

アクアメロディと火野の対決から三日後、警察署の一室で怒鳴り声が響く。
グリグリと忌々しそうに灰皿へ煙草を押し付ける上司、小銭の姿に苦笑。
だがそれも無理はないか、と小銭の直属の部下にして怪盗捕縛チームの副隊長である二階堂は嘆息した。

「俺らは怪盗専門なんだよ! 放火魔や婦女の拉致監禁は別の課の仕事だろうが!」
「まあ、あっちは最有力容疑者である火野が消えて手詰まりらしいですからね。猫の手も借りたいんでしょう」
「チッ……」
「それに警部は先月有名な怪盗ルヤン二世、その前は美女怪盗団キャッツイヤーを捕縛したじゃないですか。頼られているんですよ」
「……肝心の怪盗は捕まえられないままの俺をか?」

不機嫌そうに顔をゆがめた小銭にあちゃーと目元を手で覆う二階堂。
管轄外の仕事を回されたからこの中年上司は不満を抱いているわけではない。
怪盗捕縛チームの結成理由にして捕縛対象大本命である怪盗アクアメロディを捕まえられないことにイラだっているのだ。
半年前の事件を機に、プッツリと消息をたった女怪盗。
警察も手を尽くしてその行方を追ったが、情報は全く集まらなかった。
死んだのか、引退したのか、それとも侵入先で捕まったのか。
様々な説が警察内部でも飛び交ったのだが、結局ここ半年アクアメロディは姿を見せないままだ。

「本当、どうしちゃったんでしょうねアクアメロディは……」
「世間じゃあ引退だ海外進出だといわれているが、俺は信じねえ! 絶対にヤツはこの街に潜んでいるんだ」
「警部の勘は良く当たりますけどね、彼女が行動してくれないことには」
「クソッ! アイツツツ……」
「警部、興奮したら腰に障りますよ」

一週間前から腰痛を患っている上司を二階堂は心配する。
これでは仮にアクアメロディが出てきたところで満足に動けないだろう。
そういう意味では今の状況は悪くないのではないか。
そう内心でこっそりと思う二階堂と腰をさする小銭のもとに、一人の若い男が駆け込んで来る。
怪盗捕縛チームの一員の間貫だ。

「大変です!」
「どうした? 一昨日てんこ盛りの容疑で牢屋にぶち込んだ火野が脱獄でもしたか?」
「いや、どうも違うようですな」
「警部! や、奴から予告状が!」
「奴? 奴って誰だ? おい、まさか―――」

腰を浮かせる小銭、それは二階堂も同様だった。
そして間貫の口から出た言葉は、寸分違わず二人の予想と合致していた。
0250怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/03(金) 11:25:12.58ID:hgX6G2js
「あ、明日の晩の二十二時。黒巣黄吉邸に参上、と」

その言葉を聞いた瞬間、先程まで不機嫌そうだった小銭の表情が見る見るうちに歓喜に染まっていく。
差し出された予告状にはかの怪盗の予告状の証である「♪」マークが記入されている。
間違いなく、これは怪盗アクアメロディの予告状だった。

「……やっと、やっと動き出し始めやがったか! オウチッ!」
「だから興奮しないで下さいってば。まあ気持ちはわかりますが……」
「ええいうるさい! 俺はとにかく詳しい情報をもらいに行ってくる、後は頼んだぞ!」

よたよたとふらつきながらも退室していく上司を見送りつつ、二階堂は溜息をつく。
こうなったら誰にもあの人は止められない、
それを一番知っているだけに、二階堂はこれからの苦労を考え憂鬱な気分になる。
何せサポートをするのは自分なのだから。
と、残っていた間貫がおずおずと報告を続けてくる。

「あの……実は変なんです」
「変? なにがだ?」
「この予告状なんですが、警察に直接届いているんですよ。勿論黒巣の所にも届いているらしいのですが」
「何?」
「しかもマスコミの各所にも届いているらしくて……」
「何だと!?」

思わず声を上げてしまう二階堂。
しかしそれも無理はない、それが何を意味するかわかってしまったからだ。

「既にマスコミのほうからは取材要請が入ってます」
「なんてことだ……アクアメロディは趣旨替えでもしたのか?」

天井を仰ぎつつ、二階堂は嘆息した。
マスコミにも予告状が届いている以上、明日の夜彼らが黒巣邸にやってくるのは間違いない。
今までは予告状が被害者の家だけに届く形だったから情報の流出は最小限に抑えられていたというのにこれでは騒動は免れない。

「これは警備が難しくなるな」
「あるいはそれが狙いじゃないんでしょうか?」
「確かにそれは考えられるが……今更だろう。それが狙いなら最初の盗みからそうするべきだしな」
「まさか、偽者?」
「その可能性も否定はできないな。単に何らかの狙いがあるだけなのかもしれないが……実物を見てみないことにはな」

忙しくなりそうだ。そうぼやきつつ、お茶を飲み干しながら二階堂は小銭を追って歩き出した。
0251怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/03(金) 11:29:33.76ID:hgX6G2js
怪盗少女の予告状が方々に出回った次の日の夜。
満月に照らされた闇夜の中、黒巣邸には多数の人間が詰め掛けていた。
黒巣邸は敷地が広い割に邸宅がそれほど大きくないため庭が広大であり、また外観を崩すと塀を設置していない。
そんな黒巣邸を常日頃守っているのは邸宅の主人である黒巣黄吉が雇った警備員達だ。
しかし、今日に限っては数々の泥棒や企業スパイを撃退してきた彼らの姿は庭に見えない。
本来彼らがいるはずの場所には、アクアメロディを捕まえるべく派遣されてきた警官がひしめいている。
その外側―――黒巣邸の外周部には押し寄せたマスコミが撮影機器を構え、今か今かとその時を待っていた。

「ったく、予想はしていたが……なんだこれは。まるで祭のような騒ぎじゃないか」
「何せ久しぶりのシティのアイドルの登場ですからね。やはり皆注目しているのでしょう……と」

ギロリ、と不謹慎な軽口に反応して睨み付けてくる上司に口を噤みつつ、二階堂はやれやれと溜息をつく。
予告状を見た時はあれほど燃えていた小銭だが、今現在の彼は不機嫌さを隠そうとはしていなかった。
その理由は自分ら怪盗対策班が邸宅内部ではなく、庭側に回されたこととマスコミの防波堤を押し付けられたせいだった。

(まあ、気持ちはわかるんだけどな……単にこの配置は上の点数稼ぎだから)

各所に配られた予告状はマスコミのみならず警察にも影響を及ぼしていた。
マスコミが注目する中、知名度のある怪盗であるアクアメロディを捕まえればその功績は大きい。
その手柄に手が眩んだ上層部は、自分らの管轄である部署の人員を邸宅内部に待機させたのだ。
当然、そうなると割を食うのは独立愚連隊扱いである怪盗対策班である。
内部人員のフォローと言えば聞こえはいいが実際はマスコミに邪魔をさせないための外壁扱い。
せめて侵入前、逃走後に備えて、といきたくてもマスコミの数は半端ではなかった。
隙を見て自分達の網を掻い潜ろうとするマスコミ達を注意しつつ、二階堂はまるでアイドルのコンサートみたいだなと人事のように思い。
だとすると俺達は整理員か?
そう考えてしまい軽く落ち込み、小銭の心情に同情するほかなかったのだった。

「けど、実際のところ本当に本物が来るんですかね?」
「さてな、俺は来ない可能性のほうが高いと思っているんだが……」

疑問形でありながらも、いかにも「俺、期待してます!」といった感じの口調で間貫が二階堂に声をかける。
二階堂個人の予想では、本物かどうかは五分五分であった。
予告状自体は過去のものと合致するが、それ以外の部分に違和感が多いのだ。
アクアメロディの獲物は宝石専門であるはずなのに、ターゲットである宝石の名前が記載されていない。
これはターゲットをいつもハッキリと宣言していた彼女らしからぬ文面だ。
らしからぬ、と言えば宝石の持ち主だけではなく、警察やマスコミにも予告状を流した点も気になるところである。
正直、シティで名高い怪盗の名声を利用しただけの愉快犯や偽物の可能性のほうが高いと二階堂は考えていた。
0252怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/03(金) 11:35:03.18ID:hgX6G2js
「いや、ヤツは来る」

一方、本物のアクアメロディがやってくると信じて疑わないのは小銭だった。
根拠は「勘」の一言だが、事犯罪関連で彼の勘が外れることは滅多にない。
それをよく知っている二階堂は抜けかけていた気合を入れ直し、間貫は喜びを露にする。

「オイ間貫。相手は犯罪者なんだぞ、そんなにあからさまな顔をしてどうする」
「だって二階堂さん! アクアメロディですよ!? 俺が大ファンなのは知っているでしょう!?」
「警察が犯罪者である怪盗の大ファンと公言するんじゃない……」

喜色を浮かべながらはしゃぐ間貫に対し、呆れの溜息をつく二階堂。
だが、彼ほどあからさまな態度を見せていないというだけで、怪盗対策班の大半はかの美少女怪盗に好意を抱いている。
というか、ファンでないのは自分と上司の小銭くらいかもしれない。
まあ、あの美貌とスタイルに愛嬌、何度も自分たちから逃走を成功させる実力を考えれば無理はないのだが
それでも節度というものをもう少し持ってほしいものだ、と思ってしまうのは贅沢なのだろうか。
ちなみに二階堂は熟女好き、小銭警部は愛妻家であることがアクアメロディに興味がない理由である。

「というかお前、風見の屋敷で会ったとかいう麗しの君(外伝参照)はいいのか?」
「愛する人とアイドルに対する好意は別物です!」

キリッ! と無駄に凛々しい表情を作ってアホなことを宣言する間貫に、二階堂は更に溜息を増やす。
と、そこで彼は先ほどから小銭が大人しいことに気がついた。
いつもならこんなアホ話をしていればすぐさま怒鳴りつけてくる上司なのに、これはおかしい。
疑問を抱き、視線を横に向けてみると、そこには厳めしい顔を更に厳つくした壮年の警部の姿があった。

「どうしたんですか、警部?」
「……もう、時間は過ぎている。なのに嫌に静かだなと思ってな」
「あ、確かにもう二十二時は過ぎてますね」

今気がついたとばかりに間の抜けた声を上げる間貫に影響されたかのように、二階堂は緊張感を減らしていく。
アクアメロディが本物であるならば、時間は厳守するはず。
だが、未だ邸内で捕り物騒ぎが起こっている様子はない。
これはやはり悪戯だったのでは? そう思いかけたが、よく考えれば静かすぎるということ自体がおかしい。
屋敷を囲う壁に阻まれて中は見えないが、予告時間が過ぎてもざわめきひとつ聞こえてこないのだ。

「警部、これはもしや……!」
「ああ、もう中の奴らはやられている可能性があるぞ! クソッ、管轄なんて知ったことか、突っ込むぞ!」
「えええっ!?」
「また始末書の山ですね、はぁ……」
0253怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/03(金) 11:38:45.62ID:hgX6G2js
「くすくす、その必要はないわよ刑事さん」
『―――ッ!?』

イザ突入! と意気盛んだった小銭も、驚愕の声を挙げていた間貫も、溜息を吐いていた二階堂も。
そして、その周囲にいた警官やマスコミたちも頭上からその声が聞こえた瞬間、思わず息を止めてしまう。
黒巣邸の分厚い壁の一角。気がつけばその頂上に細身で、しかしメリハリのある女性のシルエットが出現していた。
まさかあれは―――!!
その場にいた誰もが同じ台詞を胸の内で浮かべた刹那、雲間から月明かりが差し込む。
そして照らし出されたのは半年前から姿を見せなくなった美少女義賊怪盗、アクアメロディその人だった。

「警察の皆さん、お久しぶり! そしてマスコミの皆さんははじめまして。アクアメロディ、参上!」
「こ―――『ウワワアアアァァァッ!!』ってうるさいわお前ら!」

茶目っ気たっぷりに、ペコリと一礼しながら登場したシティのアイドルに歓声が爆発する。
そのため、一人怒鳴り声を挙げようとしていた小銭と無言だった二階堂だけが耳を抑える羽目になった。

「ああクソ! おいアクアメロディ! 色々と聞きたいことはあるが、最優先で一つ聞かせろ」
「何かしら、小銭警部?」
「中の奴らは、そして黒巣さんはどうした!」
「大丈夫、ちょっと眠ってもらっているだけだから心配ないわ」

無事なんだろうな、ではなく、どうしたと聞いているあたりが怪盗少女に対する信頼度の高さを物語っており
やはりあれは本物なんだな、という確信を今更ながらに持つ二階堂。
久しぶりに見た宿敵の姿は見紛うことなく半年前のままだった。
闇夜に溶け込むように揺れるポニーテールの黒髪に、ディープブルーを基調とした衣装。
全体的な暗色の中で一際目立つ、ミニスカートとニーソックスの狭間に覗く肉付きの良い太ももの白さ。
幼さを残しつつも、大人への羽化を始めている美貌の上半分を隠す怪盗御用達の仮面。
外見から判断できるそのすべてが、まぎれもなく彼女がアクアメロディであることを示している。
唯一、バストが明らかに成長している点が変化といえば変化だが、熟女好きの二階堂に動揺はなかった。

「二階堂さん、胸が少しデカくなってますけどあれ絶対本物っスよ! 俺、異動しなくてよかったー!」
「……まあ、成長期なんだろ」

自分で口にしながら、何を馬鹿なことを言っているのかと思いつつ二階堂はサッと合図の片手をあげる。
久しぶりの美少女怪盗に見惚れながらも、そこは彼女との対決を何度も繰り広げた怪盗対策班。
手際よくサーチライトを壁の上へと向け、月明かりでは不十分だった光量を補い、対象の姿をガッチリと捉える。

「おお……!」
「初めて見た、すっげー美少女じゃねえか」
「あれがアクアメロディかっ。仮面の下の素顔はどんな顔なんだろ?」
0254AM2017/11/03(金) 13:00:30.56ID:hgX6G2js
連投制限に引っかかった模様、なので続きはまた後日
0256怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/04(土) 11:45:34.51ID:83hE9DSs
アクアメロディの全貌が目視でハッキリと確認できるようになり、マスコミは感嘆の声を吐く。
小銭たち警察や被害者といったごく一部の者以外はシルエットが精々だった美少女怪盗が目の前にいる。
そのスクープ間違いなしの状況を見逃す者はいなかった。
慌てて彼らはカメラを構えると、シティのアイドルの姿を収めんと夢中でシャッターを切りまくる。

「こらっ! 撮影は許可を取ってからじゃないとダメよ!」

メッ! とウインクをするように片目を瞑って注意するアクアメロディだが、シャッター音は当然鳴りやまない。
むしろ、いい絵いただきましたとばかりに更に撮影の波が大きくなっていく。
これには流石の怪盗少女も困惑したのか、少し口元を引きつらせ、軽い怒気を見せる。

「も、もう……言うことを聞かない人たちには、こうよっ!」

流石にここまで注目を集めるのは予想外だったのか、仮面の下の素顔を照れの朱に染める怪盗少女。
そんな年齢相応の恥じらいにマスコミたちの興奮が一層高まるが、次の瞬間にその熱は一気に下降する。
腰に下げたポーチから何か球状のものを取り出したアクアメロディが、それをこちらに投擲してきたからだ。

「なっ、なんだ!?」

カツン、コロコロ……
ちょうど警察とマスコミの間の硬いアスファルトの地面にぶつかりながらも破損することなく着地した丸い何か。
それは野球のボールくらいの大きさの鉄球だったが、中央に数字が浮かび上がっている。
その数字はカチ、カチと音を立てながら60、59、58と徐々に数を減らしていく。

「お、おい、これってもしかして……」
「まさか、爆弾? いや、まさかだよな……」

謎の物体が刻むカウントダウンに不気味さを覚えたマスコミたちは口を引きつらせる。
冗談だよね? と救いを求めて壁の上に目を向けるが、怪盗少女は無言で笑みを浮かべるばかり。
数秒の沈黙。
その静けさに嫌な予感を覚えた二階堂は口を開こうとし、そしてそれは一歩遅かった。

「にっ、逃げろー!!」

恐怖心からそう叫んだのは最前列でアクアメロディの姿を撮りまくっていたカメラマンだった。
そして切欠ができれば、騒ぎが濁流となるには時間はかからない。
少しでも爆発物であろう鉄球から離れようと、マスコミたちは機材を放り出して逃走を始めてしまう。
0257怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/04(土) 11:50:43.75ID:83hE9DSs
「お、落ち着きなさい! 大丈夫だ! 危険はない!」

一方、突然の場の混乱に焦ったのは小銭たち警察だ。
彼らはアクアメロディが対人において無用な被害を出さないことを知っているため動揺はしていなかったが
マスコミがこうも簡単に恐慌状態に陥るとは予想しきれていなかったのである。
しかも、元々小銭たちのほうが数が少ない以上、押し合いへし合い状態の彼らを沈静化させるのは至難の業。
そして当然、百戦錬磨の怪盗少女はその隙を逃さない。

「チャンスねっ」
「あ―――し、しまった!」

混乱するマスコミたちに小銭たちが完全に気を取られた瞬間、美少女怪盗は壁から身を投げ出していた。
本来ならば警官たちが構えたサーチライトがそれを追うのだが、光の直線はその場からピクリとも動かない。
照明班も喧噪の収拾に動きはじめていたため、虚をつかれてしまったのだ。
更に、ちょうどよいタイミングで再び雲が月光を隠してしまったため、先程までハッキリと見えていた
アクアメロディの姿がシルエット程度にしか見えなくなってしまう。

「クソッ、ヤツはあっちの壁下にいるはずだ! 逃がすな!」

それでもおおよその着地点を推測し、宿敵の怪盗娘を捕縛せんと命令を出す小銭だったが、いささかその指示は遅かった。
ブーツをローラーブレードモードに切り替えたアクアメロディは一気に加速し、混乱の最中に突っ込んでいく。
群衆に紛れて逃走しようとしているのは明白だったが、マスコミたちに動きを封じられた小銭たちは動けない。
それでも何人かの警官が行く手を遮るべく人の波を超えて立ちはだかろうとするが、そこで鉄球のカウントダウンが終了。
瞬間、轟音と強烈な光の渦が鉄球を中心に巻き散らかされた。

「うわあっ!」
「ほっ、本当に爆発したー!」
「畜生! やっぱりただの音付き閃光玉だ! ってクソ! 目が見えねえし耳も聞こえねえ!」

おそらくは足止め用の何かだろうと予測しながらも、モロに直撃を受けてしまった小銭が悪態をつくが後の祭り。
二階堂ら他の警官たちも目と耳を押さえてうずくまるのが精一杯でとても追跡に動ける状態ではない。
そんな中、一人悠然と群衆の中をすり抜けていくのは予め対策を取っていたアクアメロディだ。

「あっ、これをバラ撒くのを忘れるところだった……」

耳を抑えながら地面を転がるカメラマンや、蹲って震える記者に内心謝罪をしつつ
怪盗少女はウエストポーチの中から何十枚ものメモリーカードを取り出すと、夜空に向けて放り投げていく。
それらは風に乗ってマスコミや警官たちの手元へと流れていき、混乱の収まった後で拾われることになる。
小銭を筆頭とした警官たちもマスコミたちも気がついてはいなかった。
今夜のアクアメロディの目的、本当のターゲットこそがこのメモリーカードの中の情報であったということを。
0258怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/04(土) 12:01:33.82ID:83hE9DSs
『怪盗アクアメロディ、半年ぶりに華麗に復活!』

次の日の昼。サクリファイスシティ警察署にて。
シティで一番有名な美少女の復活と、警察の敗北はマスコミに大々的に報じられていた。
どの新聞も、一面をデカデカと飾っているのは遂に光の下に姿を現したアクアメロディの全身像である。
半年前までは知名度こそあれど、実像がほとんど不明だった美少女怪盗のビジュアル初お披露目とあって
サクリファイスシティで発売された新聞の売れ行きは過去類を見ないものとなっていた。

「扱いが小さいって言うか、完全に引き立て役ですね、俺たち……」
「言うな、ヤツを取り逃がしたのは事実だ」

ムスッとした顔を隠そうともせずにお茶を飲む小銭に、二階堂は苦笑するほかない。
新聞のみならず、朝のニュース番組も復活したアクアメロディの話題一色だった。
おまけと言わんばかりに、小さく悔しそうな顔をした小銭の顔がたまに映っているのがまた切ない。

「で、でもまあ、警部も嬉しいんじゃないですか? これでまたアクアメロディを追えるわけですし」
「馬鹿モン! 犯罪者を追うのは俺たちの義務で、嬉しいとかそういう気持ちはない!」

部下の不謹慎な台詞に叱責の声を上げる小銭だが、その声音は普段よりも穏やかだった。
気を使っての台詞だったのはわかっていたし、何より図星でもあったからだ。
0259怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/04(土) 12:03:47.81ID:83hE9DSs
(ヤツの復活はいい。しかし、同時に気になる点もいくつかある……)

予告状に獲物が記載されていなかったこと、マスコミにも情報を流したこと。
そして、何よりも昨夜の逃走劇の際、バラまかれたメモリーカードの存在。
その中に保存されていたのは、今回盗みの被害にあった黒巣黄吉の脱税の証拠や不正献金についてだった。
これが動かぬ証拠となり、彼は盗みを働かれた上逮捕までされるという二重苦を受ける羽目になっている。
元々半年前までも評判の悪い富豪ばかりを相手にしていただけに、アクアメロディを義賊視する者は多かったが
今回の件で悪を懲らしめる美少女ヒロインとしての評判はより一層上がったといえた。

(だが、ヤツは元々宝石専門の怪盗だったはず。一応宝石も盗まれてはいたようだが……)

今回黒巣邸から盗まれてた宝石はエレメントジュエルとはまったく関係がないものだった。
それはまるで、宝石もとりあえず盗んでおきましたとばかりのおざなりさで。

(ならば本命はあの情報だった? だが何故ヤツが? 今更変な正義感に目覚めたとでも……?)

今回の件は違和感だらけでどうにも釈然としないが、アクアメロディが復活したことは間違いない事実。
それで納得するべきなのだが、小銭はどうも納得いかないものを感じてしまうのだった。
0260AM2017/11/04(土) 12:06:45.09ID:83hE9DSs
以上で投下終了となります。復活一回目の内容が復活話でエロ要素なしと肩透かしで申し訳ない
続きはできるだけ近いうちに投下予定なのでまたよろしくお願いします
……しかしスレに人が残っていてよかった、マジで

にしてもあと一レスというところで再び連投規制に…
半分ずつに分割したら投下できたけど、今後も一話で6〜10レスくらいを考えているのでそのたびに引っかかるのかなぁ
0261名無しさん@ピンキー2017/11/06(月) 21:44:28.47ID:BDShlbAr
乙です。規制キツいですね…

エロが待ち遠しい…。次回、期待して待ってます
0262AM2017/11/10(金) 11:01:50.28ID:5lcpOkQV
昼過ぎくらいから投下開始します
作品は「怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー 第九話」となります
なお、また規制に引っかかったら明日に繰り越すことになると思われ
0263怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:06:36.29ID:5lcpOkQV
「昨日で四件目! 一ヶ月の間にこの数ってことはもう完全復活って言っていいんじゃない?」
「確かにな。俺前から彼女のファンだったからすげー嬉しい!」
「前から〜? そんなこと言って、本当は外見が判明してからのにわかなんじゃないの〜?」
「ちっ、ちげーよ! 俺はそんなミーハーな気持ちじゃなくてだな……!」
「はいはい、まあ無理もないけどね。まさかここまでの美人だったとはあたしも思ってなかったし」

サクリファイスシティ中央区に建てられた男女共学高校のとある教室の一角。
そこでは、授業前の自由時間を利用し、朝の新聞とニュースについて語り合う少年少女の集団がいた。
内容は勿論、ここ一ヶ月の間お茶の間の話題を独占している存在、怪盗アクアメロディについて。
半年前までも悪徳富豪に痛い目を合わせる義賊として名高かった彼女だが、一か月前の復活劇を切欠に
メディアで公式にビジュアルが解禁されてからは人気に火がつく一方であった。
特に熱をあげている人間が多い年齢層はアクアメロディの外見年齢に近い高校生である。
自分たちと同年代の少女、それも美が頭につく、が富豪や警察をきりきり舞いさせているという事実は
日々を怠惰に過ごす彼らにとって憧れであり、恰好の暇つぶし話題材料であった。

「けど本当に若いよねアクアメロディって。どう見ても十代くらいだし……」
「元々噂でも若い女って話だったけど、マジだったとはなぁ」
「でもそうなると、彼女って普段は学生をやってる可能性が高いってことになるよね」
「ひょっとしてこのクラスにいるのかも!?」

んなわけねーだろ! と爆笑する集団の中、その冗談十割の台詞に心臓をドキリと跳ねさせた少女がいた。
少女の名前は水無月美音。言わずと知れた、怪盗アクアメロディの正体である。

(ま、また私がアクアメロディなんじゃないかって言われたらどうしよう……)

皆に合わせて笑い声をあげつつも、美音の心中は不安と緊張で軽く乱れていた。
前に一度、友人の一人がからかい混じりに鋭い一言を発した(外伝参照)のを思い出したのだ。
その時はまだ、アクアメロディの存在は都市伝説レベルのものだったのであっさり誤魔化せたのだが
今はシティ中の話題を占めている上、ハッキリとした容姿までもが公表されている。
髪型をポニーテールに変え、素顔を仮面で覆い隠している以上、そう簡単に正体がバレるはずがないのだが
ジッと見比べてみれば、あるいは美音=アクアメロディであることを疑う者も出てくるかもしれない。
勿論そんな可能性は皆無に近いのだが、この空気の中で冗談とはいえ疑いの声が上がるのはまずい。
それを切欠に本格的に疑いを持つ者が出るかもしれないし、そうなれば美音に止める術はないのだから。

「だよねー。ま、現実はそんなにファンタジーじゃないか」

だが、幸いにも不安視していた声は上がらなかった。
どうやら皆、前に美音の名前を出して揉め事になりかけたことを覚えていたらしい。
そんな級友たちの気遣いに、安心と謝意を覚える美音であった。
0264怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:11:08.26ID:5lcpOkQV
「おお、こ、これは……!」
「素晴らしい! 素晴らしいですぞ!」
「やはりアクアメロディはエロ可愛いですな!」
(……えっ?)

教室の隅からそんな聞き捨てならぬ台詞が聞こえてきたのは、話題が一段落してからだった。
気づかれぬようさりげなく視線を向けた先では、いわゆるオタクグループが集まって盛り上がっている。
彼らは一冊の雑誌を囲んで、先程の自分たちと同じくアクアメロディについて会話を繰り広げているようだが
エロ可愛い、などという台詞が出てくるあたり、どうにも方向性が異なっている様子。
話題の張本人としてはどんな会話をしているのか気になってしまい、美音は思わず聞き耳を立ててしまう。

「むう……この見えそうで見えないアングルは正に匠の技」
「絶対領域の強調具合と言い、わかっていますなー!」
(アングル? 絶対領域? い、一体何を見ているの……?)

彼らの口調から正体不明の悪寒を感じた少女は一計を案じ、ポケットから一粒のビーズを取り出すと
さりげなくそれをオタクグループたちのちょうど真上の天井に到達するように指で弾いた。
ピシッ―――
狙い違わず着弾したビーズは落下することなく天井に張り付き、内部に仕込まれた機能が発動する。
それに合わせ、友人に断って席を立った美音は女子トイレの個室に入り、そしてスマホを開いた。
画面に映し出されたのはオタクグループの少年たちの頭と、その中央で開かれている雑誌の内容。
そう、先程のビーズの正体は高性能の小型監視カメラにして盗聴器だったのだ。

(こんなことに使うのは気が引けるけど、気になるし……)

姿をメディアの前に堂々と見せた以上、情報のアンテナを張り巡らせておくことに越したことはない。
どんな義賊だシティのアイドルだと称えられていても、自分が犯罪者であることは変わらないのだ。
何よりも、一ヶ月前に知ることとなった「あの男」の存在のこともあるのだから。

(いけない、あの男のことはまた後で考えるとして、今はこっちを……)

思考が横道に逸れそうになったことを反省しながら、美音はビーズから送られてくる情報に集中する。
ズーム機能を使えば雑誌の内容は鮮明に見えるし、音声もクリアなので問題は何もない。
しかし、否、だからこそ問題は起こってしまった。主に美音の羞恥心を刺激するという意味で。

「え……ええっ!! こ、これって!?」

狭いトイレの個室の中で、少女の絶叫ともいえる声が上がった。
かなりの大声ではあったが、幸いにも他に利用者はいないらしく、非難の声が上がることはない。
しかし美音にホッとする余裕はなかった。何故なら―――
0265怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:16:45.53ID:5lcpOkQV
(なっ、なんなのこの写真!?)

画面に映っていたのは、アクアメロディに扮した自分の姿だった。問題なのはそのポーズとアングル。
警官の波を飛び越えながら空中で一回転している最中を撮影されたのだろう。
宙で膝を抱えて丸まっているシーンが掲載されているのだが、そのアングルがかなり際どいのだ。
恐らくは高層部から望遠レンズで捉えたのだろうが、ちょうどお尻が真上に来た瞬間が切り取られており
当然、黒のニーソックスと真っ白な太ももの対照的な競演が眩しい魅惑の両脚が強調されてしまっている。
更にはミニスカートもかなり危険な領域まで捲れ上がっており、かろうじて中身こそ見えてはいないものの
激しい動きによる下着の食い込みのせいで少しはみ出てしまったお尻の一部がチラリと顔を覗かせていた。

(こ、こんな写真が撮られていたなんて……!)

新聞やニュースは公共の情報発信源ということもあり、基本的に健全な画像ばかりだった。
しかし、彼らが見ているような低俗さを売りにするタイプの雑誌は自重などしない。
たとえ相手がシティのアイドルだろうが、遠慮をする気などまるでなかったのである。

『よし、次のページに行けよ』
『了解。今回はアクアメロディ特集とのことですからな。最初がこれとなると続きも期待できそうでござる』

(私の特集って……他にもまだあんな恥ずかしい写真が掲載されているの!?)

今の一枚だけでも顔から火が出るくらい恥ずかしかったというのに、まだ似たような写真があるというのか。
思わず教室に戻って彼らから雑誌を取り上げたい気持ちに駆られた美音だったが、すぐにそれを諦めた。
そんなことをすれば覗き見がバレてしまうし、何よりも雑誌はあれ一冊ではないからほぼ無意味だ。
発行部数自体は新聞やメジャー雑誌より少ないだろうが、数千を超える雑誌の回収など不可能なのだから。

『さて、次は……おお! 今度はおっぱいのドアップでござるか!』
『暗色で目立ちにくくはあるけれども、このボインと突き出たバストはド迫力だよね』
『拙者、写真の画像を分析してバストサイズを算出するアプリを使って調べてみたのでござるが
 それによると、アクアメロディのバストサイズは90センチをオーバーしているようでござる!』
『マジか!?』
『あと、カップはEでござるな。勿論パッドなんかで誤魔化されていた場合は正確ではないでござるが』
『いや、撲はアクアメロディを信じるよ! このおっぱいが偽物だなんて、そんなことあるはずがない!』

「に、偽物じゃないわよっ! というか、なんなのその破廉恥なアプリは!?」

そうだそうだ! と騒ぐ画面の中の少年たちに、美音は反射的に怒鳴ってしまう。
当然その声が届くことはないが、何よりも彼女を動揺させたのは胸のサイズを当てられてしまったことだった。
半年前まではDカップだった少女の胸は、アプリの算出通りつい最近Eカップへと到達している。
勿論、アクアメロディの正体を少年たちが知らない以上、美音のバストサイズは秘匿されたままだ。
しかし、それでも乙女の秘密の一部がクラスメイトの男子に知られてしまったことには変わりがないわけで。
0266怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:22:08.66ID:5lcpOkQV
(許せない……! 誰がこんな写真をっ)

オタクな少年たちを責めるわけにはいかない以上、少女の羞恥による怒りは撮影者へと向けられる。
そんな美音の怒りが天に伝わったのか、タイミングよく少年たちは件の人物への言及をはじめた。

『しかし相変わらず撮馬久留夫は攻めた写真ばかりを撮りますなあ』
『ああ、この人相手が政治家だろうが芸能人だろうがとにかく下ネタしかゲットしないもんな』
『この前はあのロリ系アイドルのパンチラ写真を掲載してたからなぁ』
『あれだろ、桃木―――『それ以上いけない』すまん』
『にしても撮馬久留夫はエロってもんをわかってるよな。これとか、発想が尋常じゃないぜ』
『アクアメロディのおっぱいが弾む瞬間を連写で捉え、並べて掲載だもんな』

感心したような少年たちの視線には、深青色の上着に包まれた胸のアップが映っている。
数十ぺージにわたってページの右下にズラリと並べられたそれは、一見すると同じ画像に見えるが、微妙に違う。
逃走の激しい動きにより、ブラの束縛を超えて上下左右に弾むEカップのバストが順番に掲載されており
ページを素早くめくっていくと、まるでパラパラ漫画のように怪盗少女の胸が弾む仕掛けになっているのである。

(バ、バカじゃないの……この撮馬久留夫って人……?)

羞恥心よりも呆れが上回った美音は、あまりに馬鹿げた仕掛けで紙面を無駄にする撮影者に目を丸くする。
だが、少年たちには好評なようで、彼らは何度もパラパラとページをめくっては胸が弾む様子を楽しんでおり
男が女性の胸に強い興味を示すことを身に染みてわかっていた少女からしても、それは理解不能な欲求だった。

『おっと、授業開始まで時間もないしそろそろ次に行かないとな』
『OKでござる。次は、と……うおおお!?』
『こっ、これ見えてるよね!? まさかアクアメロディのパンチラが拝めるとは……!』
『周囲が暗いから断言はできないけど、パステルグリーンかな? この色』

「なっ……!」

羞恥心も怒りも一時的に忘れ、男のバカさ加減に呆れる思考を現実に引き戻すその会話が耳に入った瞬間
美音は慌ててスマホの画面に集中し、そしてそこに映っているものを見て絶句した。
下着が写っている。それも自分のものだ、そしてそれを身に着けている姿が雑誌に掲載されている。
高所からの着地の瞬間らしく、しゃがみこんだ怪盗少女の横姿は、しかしスカートの後ろ側が風圧で捲れあがっている。
前側はスカートの布地が両脚に挟まれていて無事だったが、後ろ側はガードが甘かったのか
少年たちの言う通り、捲れ上がったミニのスカートからはパステルグリーンの布地が覗いており
全体の面積からすればほんの一部が見えている程度だが、ムチッとした桃尻を包むショーツがハッキリと確認できる。

(これ、あの雑誌を買った人皆に見られてるの!? は、恥ずかしい……っ)
0267怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:28:37.45ID:5lcpOkQV
際どいポーズや胸のアップの写真も十分に恥ずかしかったが、下着までとなるとその羞恥は段違いだった。
学年一とも噂されている美少女の顔は見る見るうちに赤に染まり、その変化は首にまで届こうとしている。
いくらアクアメロディが盗みの時限定の仮の姿だとはいえ、身体は同一人物のもの。
ゆえに、美音にとって怪盗少女が恥ずかしい姿を晒すということは、自分が辱めを受けているも同然。
ましてや、仮面を被ることで気が強くなっている変装時と違い、今は素の状態なのだ。
恋愛経験すらない一人の純な処女には、少年たちの言動はあまりに酷な羞恥責めとなってしまっていた。

『む! 次のページはお尻のアップでござるか! この突き出すようなポーズがたまらんでござるな!』
『こっちは壁を乗り越えるところかな? ちょうど両腕で胸を寄せる感じになってて谷間が凄い!』
『おほっ! またパンチラショットがあったぜ! 今度は横側が見えてる!』
『絶対領域という聖域を越えてチラリと見えるパステルグリーンの横布……素晴らしい』

(や、やめて! もう私の恥ずかしいところ、見ないでぇっ!)

真っ赤に染まった顔を両手で覆いながら哀願する美音の心の声も虚しく、ページは次々とめくられていく。
警官の突進を腰を振ってヒラリとかわす瞬間を、お尻にピントを合わせてシャッターを切った画像。
たどり着いた壁の頂上に上半身を持ち上げようと、両腕でバストを挟み込むようにしているところを正面から。
警官の隙間を縫って滑走しながらも、その速度ゆえに自然と浮いてしまったスカートの中身を。
あらゆる角度から何気ない動きの中の絶妙な瞬間を捉えた数々の画像はまるでアクアメロディという少女を
衣装の上から丸裸にしてやろうという撮影者の邪な意思が透けて見える様だった。
0268怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:31:35.08ID:5lcpOkQV
『さて、いよいよ最後のページでござるな』
『今までのパターンからすると、最後に一番過激なショットを配置するのが撮馬久留夫だからね』
『い、一体どんなお宝画像が……って!?』

最後のページを開いた瞬間、今まで散々好き勝手に騒いでいたオタクグループの声が止まった。
それもそのはず、皆一様に口に両手を当てて、出かかっている絶叫が周囲に伝わらないように抑えている。
だが、彼らの目は爛々と輝き、その視線は接着剤でくっついたかのように雑誌から離れない。
そんな少年たちのリアクションに嫌な予感を覚えつつ、美音は恐る恐る雑誌のほうへと目線を向けていく。
果たして、そこには―――見開きでデカデカと写されている、スカートの中身を全開にした自分の姿があった。
0269怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:32:45.00ID:5lcpOkQV
「や、やだぁっ!!」

そのあまりにも大胆な一枚に、思わずスマホを手から離して視界から遠ざける美音。
けれども、網膜に焼き付いてしまった映像は少女の脳裏から消えず、勝手に詳細を分析し始めてしまう。
ポーズ自体はなんの変哲もない、障害物を飛び越えてようとジャンプしている最中のものだ。
それは両腕と両脚を後ろに逸らしながらの跳躍という、走り幅跳びでよく見る体勢である。
だが、前方からの風圧を無防備に受けてしまったのか、思い切りミニスカートの前側が捲れあがってしまっており
大切な場所を覆うには頼りなく、しかし食い込み気味に乙女の聖域を守護する様が健康的かつ扇情的な色気を放つ
ピンクのリボンがワンポイントになっているパステルグリーンのショーツの全貌が丸見えになっていた。
0270怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:37:31.70ID:5lcpOkQV
まず滅多にはお目にかかれない、美少女怪盗のスカートの中身というお宝画像に興奮を隠せない少年たち。

『こ、これはもうパンチラどころかパンモロではないでござるか!?』
『もうお腹っていうかおへそが見えかけてるよな、正に御開帳って感じだっ』
『てか、フィーリング的にパンチラはセーフだけどパンモロはアウトだろ? 抗議とかこないのか?』
『いや、抗議ってアクアメロディがするわけないだろ。万が一してきたとしても無視すればいいだけだし』
0271怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:39:01.43ID:5lcpOkQV
被害を受けている当の本人としては抗議どころかネガごと撮馬久留夫を焼却処分してしまいたい美音だったが
いかにアクアメロディが市民から支持を受けていようとも、あくまで犯罪者であることには変わりはない。
雑誌の中で辱めを受けたとはいえ、誇りある怪盗である自分が抗議は勿論、報復などできるはずもなかった。

『流石は撮馬久留夫。どれだけ芸能事務所や政治家秘書からクレームを受けてもクビにならないだけはある』
『いや本当、なんでこの人業界から干されないんだろうね?』
『なんでも雑誌に掲載しているものよりも更に過激な写真を保持しており、それで相手を脅しているという噂が』
『ありえるでござるな。でも、そうなるとアクアメロディのそういう写真もあるのでござるかな?』

(―――っ!?)
0272怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:40:46.31ID:5lcpOkQV
恥辱に身悶えしていた美音だったが、ござる口調の少年の疑問には流石にヒヤリとしたものを感じざるをえなかった。
相手を脅せるだけの写真。それはすなわち今掲載されている以上に見られたくないシーンということになる。
だが、半年前や火野との戦いが撮影されているならばともかく、マスコミの前に姿を見せるようになってからは
怪盗衣装や下着が破られたり脱がされたりして、女の子の大事な部分を露出してしまったことはなかった。
いや、仮にそんなところが撮られたとしても、アクアメロディが低俗な脅しに屈することなどありえない。
しかし唯一、屈さざるを得ないことになるとすれば―――それは、正体がバレた時だけだ。

(でも、それはありえないはず……)

もし、撮馬久留夫が怪盗少女の正体を突き止めていたならば、とっくの昔に連絡があったはず。
マスコミの人間である彼が、十代の小娘一人の住所や連絡先を調べられないはずがない。
0273怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜2017/11/10(金) 12:43:04.96ID:5lcpOkQV
相手の重大な秘密を握っていながらそれを嬉々として盾にしないなどありえない。そのはずなのだ。
―――そう、秘密を握っている者に相手に特別な思惑でもない限りは。

(けれど、もし撮馬久留夫が「あの男」だったら……? ううん、確固たる情報もないのに早とちりはダメ)

撮馬久留夫への不安と疑惑の思考を振り払うように頭を振る美音だったがちょうどそこで予鈴が鳴り響く。
スマホの画面を見れば、オタクグループの少年たちも慌てた様子で雑誌を鞄に隠そうとしていた。
教師に見つかれば内容が内容なだけに、大目玉をくらうのは確実であるため彼らにとっては当然の行動であったが
無自覚のこととはいえ、散々辱められた美音がそれを許すはずもなかった。
なお、十分後の授業中に何故かオタクグループに所属するとある少年の鞄の口が手も触れていないのに勝手に開き
中身が盛大に床にぶちまけられてしまうという事件が起こったのだが、それは余談である。
0274AM2017/11/10(金) 12:45:42.30ID:5lcpOkQV
以上で投下終了となります。かなり変化球ですが、前からやってみたかったんですよね、こういう
「正体隠して活躍しているヒロインが知り合いにエロい目で見られていることを知る」シチュエーション
セーラー戦士とかセイントテールとか絶対エロい目で見られてるよねと当時は思ったものです
正義の変身ヒロインや魔法少女でもやれるネタですが、悪事の分怪盗のほうが好き勝手言いやすいんだよなぁ

しかしやはり連投規制には引っかかるのか…
ある程度分割すればどうにか書き込めるようですが、無理に一回で纏めるよりは二日がかりにするべきか…
0275名無しさん@ピンキー2017/11/10(金) 19:32:09.47ID:Not2UyD8
気が付けばどえらいことに。復活ありがとうございます。こういう変化球もいいですよね。
今回の敵はライティアということは雷(電気)?電子機器のエキスパートとか?
果たしてどんな痴態を拝ませてくれるのか楽しみに待ってます。
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