まず女の子らしい喋り方を覚えた方が良いんじゃないかなー?」
友香は彼にふられて以来、よほど悔しいのか必死な様だった。
こうしてちょくちょく夕べになると電話してきて、その相談に私は答えていた。
きちんと青春してるなー、したくでもできない私と違って。
『いきなり手痛い所を突いてくれるねー、さすがクラス1の隠れ毒舌』
「取り敢えずさ、“あんた”は駄目ね。だって言われて胸糞悪いもんね……ね?」
『そうね。後、貴女に彼氏が出来ない理由も分かった気がするわ』
「失礼な、私は友香みたいに見かけばっかりの男には引っ掛かりたくないだけです〜」
『あうー……、ま、切るね? そろそろ晩御飯だから、じゃ、またね?』
「うん、それじゃあねー。悪い男には気をつけなさいよー」
プツン、電話が切られた。はいはいと、最後の拗ね気味な返答が可愛らしかった。
そんな隠れた可愛らしさにも目を向けれる男の人、友香に出来れば良いのにね。
そんな事を呟きながらも落書きを続ける、最近はこればっかりが趣味だった。
「はぁー、うちにも王子様が来れば良いのに」
――日向宅、脱衣所から浴室。
「何よ、コレ……」
身体を見ると、私の股間、その中でもクリの出っ張りが赤く腫れ上がっていた。
腹痛に耐え、乙女として身体を清潔に保とうとお風呂に来た。そこまでは良かった。
目眩はしないがボーっとするあたり、熱が出ているのかもしれない。
そう思いながらもパンツに手を掛けた私は気付いてしまった。
濡れてはいないが汗が凄い、蒸れるとかそんな次元じゃなく汗まみれだった。
なぜ気づかなかったのだろうか、私は洗うその直前まではただの体調不良だと思っていた。
「塞がってる……? そんな、まさか……」
確認すると、穴が消え去った訳ではなかった。
私のアソコは骨ばった何かに圧迫されていたのだ。
恐ろしい変化に、鏡に映る私の顔から血の気が引いていく。
「どうしよう……」
誰にも言えない。お医者さんにもいけない、こんな姿、見せられなかった。
何より真っ先に浮かんだのが彼の顔、彼は私を見てどう思うだろうか。
悪い夢かも知れない、そう思いたかった。
今日は金曜日、きっと疲れているんだ。だから、ゆっくり休む事にしようかな。
そう、現実逃避しかけた頃だった。
ついに、ふっと眩暈の様な明滅、私の意識がハレーションを起こしていた。
――学校前、電話ボックス。
「こ、効果……ほほ、本当に、あああ、あ、ある、の、か、かしら……あ、アレ」
『男になりたいと言う一人暮らし、貴女の助力は研究の躍進に繋がるわ。
楽しんでね、新しい自分としての毎日を。恥部の毛が生え変わるまでなら戻れるから』
「い、一ヶ月、よ……よね? わ、わか、わかってるわ、う、うん」
『そうそう、自慰だけが異性ホルモン生成の要だからね。期限はおおよそひと月、ではお幸せに』
(大成功……だわ。堕ちるあの子、いい気味、戻れなくなっちゃえば良いのよ……!)