デジモンシリーズでエロパロ
0001 忍法帖【Lv=10,xxxPT】 !2011/11/17(木) 20:10:15.00ID:4qr+1T2w
このスレはア二メデジモンシリーズのエロパロです。
無印から、02、テイマーズ、フロンティア
セイバーズ、クロスウォーズに登場する
女性キャラもしくは女性型デジモンの
エロ文章を作成するスレです。

話を投稿する場合は名前欄にて以下の旨を明記してください

カップリング、強姦、少年キャラと女性型デジモンのSEX
女性キャラもしくは女性型デジモンとアグモンなどの獣系デジモンの獣姦SEX
その他、特殊な設定で話を創作した場合




【ルール】

荒らしはスルーすること。

オリキャラ、もしくは獣系デジモン同士のSEXはお断りします。

あと女体化、ホモや801は別のスレでお願いします。

以上のルールを守ってお楽しみください。



0216名無しさん@ピンキー2012/12/01(土) 01:35:55.37ID:zJBqPmRs
女性型ならなんでも良いのか?
でも性格はそれぞれだからね…………。
エンジェウーモンだけでも結構あるよ?
作品によって多少違いがあるようですね。
0217クロキ2012/12/02(日) 15:16:08.71ID:D5Qxh0c9
たぶんマニア的な事を書きたかったんだろ、それか、新スレを作るのがめんどくさいか、だな、
0218クロキ2012/12/09(日) 21:45:47.42ID:JzBHl70Z
はぁ〜新しい書き込みねぇなぁ〜
0219名無しさん@ピンキー2012/12/16(日) 17:54:35.70ID:SQlBosTZ
デジモンワールド Re:Digitize外伝〜狙われた男子たち〜
ストーリー
見事世界を救った主人公。 しかしまた新たな(自分自身に)危機が!?
アキホ&ミレイに一通のメールが「お前たちの大好きな主人公(もちろん童貞も♪)は戴いた!! ざまぁ〜みろ!! 今から私は主人公とベットインをするから邪魔すんな!! by最強の美女リリスモン」
た、大変だ!? 主人公がリリスモンに誘拐された!! リリスモンの魔の手から主人公を救え!!

登場キャラクター
主人公:名前は自由な自転車とデジモン大好き少年。 何か世界を救うよ。
ニコライ•ペトロフ:主人公の親友にしてライバルな少年でメガネ。 単純な性格である
鈴童アキホ:元気で好奇心旺盛、「楽しければデジモンじゃないじゃん」的な性格の女の子でピンク頭。 頭の中もピンク色
御神楽ミレイ:クールな見かけとは裏腹に意外と熱血な性格のおっぱいメガネの女の子。 主人公の童貞を頂こうと猛烈アタック中。
久我ユウヤ:主人公の少し年下らしき少年。 強さは本物だが髪型が変。

システム
アキホとミレイを操作して迫り来るデジモンをやっつけろ!! 男性型デジモンには性交で迎え撃ち、女性型デジモンにはオナニー対決で迎え撃て!!
エンジェウーモンとレディーデビモンももちろん操作可能!!
装備アイテム機能搭載!! 装備によって服装が変わるぞ!! 武器でデジモンを殴り飛ばす事も可能!!
0221クロキ2013/01/19(土) 16:09:33.63ID:dAXn/iX6
地味だ
0222名無しさん@ピンキー2013/02/03(日) 12:00:40.57ID:BugnZB+s
ヒカリヤンデレのヒカ太と、大輔と京のラブ話。どちらを読みたい?
0223名無しさん@ピンキー2013/02/03(日) 13:56:02.14ID:BugnZB+s
書けるもんの一応のあらすじ。
ヤンデレヒカリ…クリスマス騒動の後日談。空ざまぁ。大輔かわいいよ大輔。
また啓人くんね…浅沼先生、ショタはヤヴァイですよ
他。啓留、大京、光ミミ。以上。
0225『これもひとつの結末』2013/02/04(月) 00:24:17.45ID:5avRqNDG
ヤマトとホテルを出る。
「ごめんな、空。初めてじゃなくて……」
「…………」
「ただ、本当に好きだと思って抱いた女は、お前が初めてだ。」
今日。私はヤマトに抱かれた。ヤマトは大方の予想通り、初めてではなかった。
浮かない気持ちで街を歩いていると、太一に出会った。
「よう。」
「太一……」
太一は、どこか吹っ切れた表情をしている。
「あんな幸せそうなヤマト、初めて見たぜ。」
何があったんだろうか。太一は嬉しそうに笑っている。
「……俺もお前が好きだったんだが、これで踏ん切りがついたよ。」
…………え?太一は、私に極上の笑顔を見せた。
「じゃあな、空。」
太一はそう言うと手を振り去っていく。
「……じゃあな、って……笑顔で言わないでよ……」

団地に差し掛かる頃、ヒカリちゃんが私に笑顔を向けた。
「ありがとうございました。」
……?何故お礼を言われるのか、理解できない。ヒカリちゃんは私を相当に嫌っていたと思うのだが。

翌日、私は光子郎くんに呼び出された。
「……困った事になりまして。」
光子郎くんは、そう言うと一枚のDVDを渡す。
「ヒカリさんの趣味が、デジカメという事はご存知ですよね?
こちらに記録されたものを御覧下さい。ヒカリさんが空さんに見せろ、と言って聞きませんでね。」
光子郎くんは、DVDをPCにセットした。
「ビデオ機能を使ってある…太一さんの記録です。…僕は胸が悪くなって途中で切りましたが、あなたは最期まで見る義務があります。御覧下さい。」
0226『これもひとつの結末』2013/02/04(月) 00:45:33.15ID:5avRqNDG
太一の家のリビング。太一が泣いている。
『お兄ちゃん。』
ヒカリちゃんが、太一に声をかけ……その背を抱く。
『辛かったよね。……ヒカリは、お兄ちゃんの辛さを皆知ってるから。』
ヒカリちゃんの表情は、例えようなく怖かった。そう。蜘蛛が獲物をがんじがらめにするような表情……
『すまんな、ヒカリ……弱い兄ちゃんですまない……』
クリスマスの後だろうか。これ見よがしなサンタが画面端に見える。
ビデオは、太一がどんどんヒカリちゃんに心を寄せていく光景が写っていた。
ディアボロモンとの戦いのあと、お花見をした時、太一とヒカリちゃんが片付けをしたが……
『……やっぱり負けたな。ヤマトを信じきれなかったよ……』
『お兄ちゃん……』
太一の背を抱くヒカリちゃん。ヒカリちゃんは……口の端を持ち上げている。
『空にしても……。俺は何やっていたんだろうな。』
『お兄ちゃんは、悪くないよ!あんな状況の後で、二人を信じられないのは無理ない!』
太一が見せる弱さ。それをヒカリちゃんが肯定する。……ヒカリちゃんは、太一を……
…………吐き気がした。
太一は、ヒカリちゃんを抱く。そして。
『ヒカリは優しいな……』
そう言うと……ヒカリちゃんにキスをした。
「…………!」
胸が悪くなり、そこでDVDを止めようとしたが、光子郎くんに止められる。
ヒカリちゃんの狙いは明白だ。私達の進行に併せ、太一を次第にモノにしていく。
そこに善悪はない。太一を救いようなく傷付けようが、太一を手に入れる。それが目的だ。
0227『これもひとつの結末』2013/02/04(月) 01:33:27.74ID:5avRqNDG
胸がむかつく記録……。
ヒカリちゃんの表情は、全て悪意に満ちている。
太一への悪意ではない。私達に向けた悪意だ。
そして……日付は昨日。
ヒカリちゃんはビデオに語りかけた。
『お気に召して頂けていますか?……空さん。』
恐ろしく悪意に満ちた声色。そして目の光だ。
『初体験おめでとうございます。同日にお兄ちゃんも初体験しますが。
相手はあなたでなく、私ですけど。』
私は立ち上がり、走り出そうとした。しかし、光子郎くんに止められる。
『お兄ちゃんをフッてくれてありがとうございました。ネタバラシしときますね。
ヤマトさんを頂いたのは、ジュンさん。ヤマトさんのジュンさんへの嫌がり方が異常だったでしょ?つまりはそういう事です。
あと。あなたはお兄ちゃんに嫌われるのが怖くてヤマトさんに行きましたよね?』
ヒカリちゃんの言葉が胸を抉る。
『嫌われはしないでしょうが……これから好かれもしないでしょうね。ふふ。』
ヒカリちゃんは、カメラを置いてベッドに向かう。
太一が半裸でベッドに来た。
『……いいのか?ヒカリ……』
『うん……』
「やめて……!」
太一がヒカリちゃんにキスをする。次第に深く、舌を絡め合う……
銀糸が二人の間に伝い、ヒカリちゃんは太一に言った。
『ヒカリは、お兄ちゃんの為なら何でもするよ?……あの女みたいに、お兄ちゃんを傷付けない。
あの男みたいに、お兄ちゃんを裏切らない。』
太一は……ヒカリちゃんを強く抱き締める。
『俺には……ヒカリしかいない。』
『……光子郎さんや、丈さん、ミミさんにタケルくん、大輔くん達だっている……。お兄ちゃんは一人きりじゃないわ……』
『ああ……そうだな……』
0228『これもひとつの結末』2013/02/04(月) 03:41:52.29ID:5avRqNDG
ヒカリちゃんが言った『信じられる人間』。そこに私達はカウントされず……
太一も否定しなかった。
『俺は……何をやっていたんだろう……。』
太一がヒカリちゃんを抱く。
『……これからやり直していけばいい。ヒカリはお兄ちゃんの側にずっといるから。』
ヒカリちゃんの言葉に、太一は頷くとまた深く口付けた。
『ヒカリ……』
太一がヒカリちゃんの胸をさわる。まだ未発達な蕾を、太一は愛しそうに撫で…ヒカリちゃんは幸せそうに身を任せる。
いや、幸せなのだろう。
何故なら。彼女は自分が心の奥底から想った男性に抱かれているのだから。
太一がヒカリちゃんの秘裂に手を伸ばす。ヒカリちゃんは歓喜の声を上げ……淫らな水音を響かせた。
『うわ……すげぇ……』
『お兄……ちゃんッ!』
ヒカリちゃんは太一にしがみついた。太一は優しくヒカリちゃんを包み……指の速度を上げる。
『きゃふうぅんっ!』
見てられない……。何故、どうしてこうなった?私は何度も自問自答した。
『あ、ああっ!痛いっ!』
苦悶の叫びを上げるヒカリちゃん……太一のものを受け入れたのだろう。
光子郎くんは、目をそらしている。
『ヒカリ!大丈夫か!』
『平気……ッ!』
太一がヒカリちゃんの頭を撫でる。
『ごめんな……もう出ちまう……』
『そのまま……』
……終わったらしい。太一は大きく息をつくと、そのまま横になった。
『悪いな、ヒカリ……痛いだけだったろ?』
『いいの……。お兄ちゃんも初めてだったんだよね?』
『まぁな……だせぇけどよ。』
『うふふ……ヒカリがもらっちゃったね。』
睦み合う二人を、私は打ちひしがれながら見ていた。
『お兄ちゃん……好き……』
『俺もだ。ヒカリ……』
0229『これもひとつの結末』2013/02/04(月) 04:21:07.10ID:5avRqNDG
『これからどうする?』
『さぁな。』
『ヤマトさん達は?』
『……わからん。ただ、お前のおかげで完全に吹っ切れた。』
『うふふ……』
『とりあえずシャワー浴びてくる。ヒカリも洋服着てろよ?』
『うん。』
太一の表情は、明るいものであった。
シャワーを浴びに太一が出た後……ヒカリちゃんは狂ったように笑い出した。
『あはははは!……見ました?あなた達なしでもお兄ちゃんは、もう大丈夫なんですよ。安心したでしょ?
友情は皆が埋めて、愛情は私が埋めてあげますから!あはははは!』

私はただ泣いていた。ヒカリちゃんの哄笑を……私達を嘲り笑う声を、ただ泣きながら聞いていた……。

『うはっ!あはは!

あーははははははははははーー!』

DVDが終わる。
「……道義的にも人道的にも間違っているのは、明らかなんですが……どうしますか?」
光子郎くんの声が冷たく響く。

「あなた方が招いた事態。それですよ。ああ、僕達に協力するつもりはないので、悪しからず。」

私は……ただ泣くばかりだった。
太一をもっと思いやれば良かった。
ヤマトとの付き合いの中でも、アフターフォローすれば良かった。
大切だった仲間を、自分達の手で取り返しがつかなくなるまで壊してしまう前に。
私は、取り返しのつかない沢山のたらればに、ただ泣いた……。
0231『これもひとつの結末』2013/02/04(月) 18:56:21.85ID:5avRqNDG
「うはっ!あはは!

あーははははははははははーー!」
一頻り笑うと……次に出たのは涙。
どんなに頑張ろうが、自分は兄の心を手に入れられない。それを痛い位に知っているからこそ、空が許せなかった。
「――――――――!」
せめて一矢報いてやる。毒をたっぷりと塗った一矢を。そう思った。だから。
兄に抱かれ、兄を傷つけても空に復讐したのだ。
「ヒカリ!」
異変に気付いた太一がシャワーから出て、ヒカリを抱き締めた。
「――――――――ッ!」
声にならない泣き声……。何れ程の悲しみがこの小さい肩にのし掛かったのか。太一は自らの不甲斐なさを悔いた。
ヒカリが、文字通りに身体を張って自分に光を与えてくれた。ならば。自分はヒカリの勇気になろう。
例えそれが、間違った勇気だとしても。
太一は、ゆっくりとヒカリの髪を撫でた。優しく頬を撫でながら、抱き締める。
涙と鼻水にまみれたヒカリの顔。それすら愛しい。
「お……兄ちゃん……!」
ヒカリが太一を見た。太一はヒカリに優しく口付け……二人の中で、何かが完全に壊れた。

もう戻れない。

二人のキスが激しいものになる。先程の相手を思いやったものでない、激しい衝動に突き上げられたものだ。
「……んっ……ぷぁっ……あっ……!」
太一の指がヒカリの秘裂に入る。先程、中に出したものが潤滑油となり、ヒカリに苦痛は無かった。
「んぐぅうっ!」
ヒカリの背筋が伸びる。ヒカリは腰を動かし太一の指を受け入れた。少女とは思えないような淫靡な光景。
ヒカリは手を伸ばすと、太一の昂りを握る。熱く、固い塊。先程自分を蹂躙したもの。
こんなものが自分に入ったのか。そう考えると興奮する。先端は柔らかく、先走りの液で濡れている。どんな味がするのか。好奇心が湧く。
「お兄ちゃん。」
「……ん?」
「舐めてあげる。」
ヒカリは、太一の前に座る。間近で見るそれは、とてつもなく巨大に見えた。
0233『これもひとつの結末』2013/02/04(月) 21:24:39.85ID:5avRqNDG
ヒカリが太一の昂りを舐める。
熱く波打つそれは、ヒカリに恐怖心と……それに勝る好奇心を刺激した。
「んっ……」
舐めてみるヒカリだが、太一には大した快感はないようだ。不慣れ、そして身体のサイズの問題だろう。太一はヒカリを昂りから離す。ヒカリは、不満げに呟いた。
「……ミミさんなら教えてくれるかなぁ?」
「ミミちゃん?!ミミちゃん経験あんのか?!」
太一の声に、ヒカリが小首を傾げる。
「光子郎さんと……って、知らなかった?あとはー…大輔くんが経験あるよ。タケルくんには内緒だけど。」
ヒカリの口から出た言葉に、太一が絶句した。
「……まじかよ……大輔、羨ましい……」
「無自覚な年上キラーだしね、大輔くん。それに一本気で優しいから、奈津子さん参っちゃったみたい。
……お兄ちゃんも金髪好きなの?」
「いや、大人ってもんに憧れているだけだな。ほら、奈津子さんバインバインだし……」
「ふん!エッチ!」
むくれてそっぽ向くヒカリ。太一はヒカリに顔を寄せてキスをする。
「一番はお前だ。ヒカリ。」
その言葉に、ヒカリの顔が輝く。頬を染め、極上の笑顔を太一に向けた。
手に入らないと諦めていたもの。それが今。
ヒカリは涙を流しながら太一にキスをした。
「ね、お兄ちゃん。イく時、ヒカリの名前呼んで。」
「わかった。」
太一が昂りをヒカリの膣口に当てる。
「…………ッ!」
ゆっくりと入れるが、やはりまだ二回目。痛みがヒカリを襲う。しかし。この鈍痛さえ幸せだ。
「…………んっ!」
根本まで入るのは無理だが、それでも太一の昂りはヒカリに入った。
「……すげぇ……」
さっきは慌てていて気付けなかったが、ヒカリの中が熱く湿っている。
動かさなくても気持ちいい。襞が太一を包み、擦っている感覚だ。
「動くぞ。」
「うん。」
ヒカリもまた、未知の感覚に溺れていた。お臍の裏を擽られるような、トイレをずっと我慢しているような感覚。
太一が動く度に、波のように押し寄せる。
0234『これもひとつの結末』2013/02/04(月) 22:08:12.57ID:5avRqNDG
次第にいやらしい水音が響く。
「はっ……ああ……」
ヒカリが目を閉じ、何かに堪えるように眉に皺を寄せた。太一の手がヒカリの胸を翻り、指がヒカリの敏感な蕾を擦る。
「あんっ!……んんっ……」
ソフトに触られ、まるで全身を擽られるような感覚。下手に敏感な所を触られるよりは、余程気持ちいい。
「気持ちいいよ……」
熱に浮かされたようにヒカリが呟く。結合部は白い愛液が、太一の昂りを汚している。
太一もまたヒカリの中の状態に感動していた。
狭く窮屈なだけではない。ヒカリの中が蠢き、昂りを擦る度に敏感な先端を刺激する。
「……やべぇ。もう出ちまう……」
腰の動きが早くなる。
「あっ!あっ……!お兄ちゃん……ッ!」
ヒカリが太一にしがみつく。ヒカリの中が拡がり、そこに太一の昂りが無遠慮に入った。
「ああああっ!」
太一を根本まで受け入れ、ヒカリは歓喜の涙を流す。太一の体温を身体の最奥に感じ、ヒカリは涙を流し快楽に押し流された。
怖い。怖い。自分がどこかに流される。目の前にいる太一にしがみついて、流れに逆らおうとしていたら、今度は不思議な浮遊感に襲われ……
「いくっ……いくっ……!いっちゃう……!」
「ヒカリ…ッ!」
太一の身体が痙攣する。
自分の身体の最奥で、太一が弾けた。その感覚がした後。ヒカリは無意識に痙攣に合わせ腰を使い、太一を受け入れた。

…………太一が練習に行き、自分は光子郎にマスタリングを頼む為に、空の住む団地に向かう。
どこか傷付いた表情の空。恐らくは太一と出会ったのだろう。自然と顔が笑顔になる。
『今。この瞬間。太一は自分のものに、自分は太一のものになった。』
そう確信したからだ。自分の前を通る空にお礼を言い、最後の止めを刺すべく、光子郎の家に足早に向かった。

END

書いてたら色々浮かんだので、少し連載していいですか?
0236『これもひとつの結末』22013/02/05(火) 08:12:17.36ID:8cm/aTYm
「いかんなぁ。」
高石奈津子の最近目下の悩み。それは。
「(あの変態兄妹を笑えない。)」
長男の親友と、次男の想い人。偶々自宅でヤマトが料理を作ってくれる時に、着いてきたのだが、タケルは気付かないフリをしていたが、八神兄妹が何らかの関係にある事は間違いなかろう。
思春期にありがちなお互いの代償行為でなく、お互いを想い合ったもの。……近親相姦をしているのか知る由もないし、生理的嫌悪感から知りたくもないが……
この変態達すら笑えない自分も大概だ。
次男の親友。長男とは目下険悪だが……この少年に自分は恋をした。どう見ても変態です。本当にありがとうございました。
ノンフィクションライターとしてはこれ以上ない取材対象だろうが、それが自分というね……しかも仕事で付き合いのある人の息子というね……
煙草を揉み消し、机に突っ伏して溜め息を吐く。
「いかんなぁ。」
一度、あまりに可愛すぎて食ってしまったが……その事により、ますます。現在、誘われたら断われる自信無し。良い年ぶっこいて自分は何を考えているのやら。
「お母さん、何やってんの?」
「青春小僧よろしくの悩み。」
コーヒーを持ってきたタケルの頭を撫でる。
「(……可愛いんだけど、なんか違う。やっぱり無理だね。気持ち悪い。)」
あったら大問題だが、自分に近親相姦願望はないようだ。安堵の溜め息をつき、コーヒーを飲む。
「あ、そうそう!今日ね……」
頭を撫でられたのが嬉しかったのか、タケルは珍しく多弁だ。全く可愛い息子だ。
「……大輔くんってば、面白いでしょ?」
目をキラキラさせながら自慢の親友の話をするタケル。いたたまれない罪悪感と、それ以上の好奇心をそそられる。
「全く愉快な子ねぇ。」
息子の仲間達。……まともだとは言い難い連中が揃っているのだが……
そんな中にアクセルぶっちぎった、あらゆる意味で『空気読めないヤツ』。不気味な餓鬼が勢揃いする中にいた、『子どもらしい子ども』。
「私もその中に居たかったわ。」
もしも。自分が大輔と同い年だったら。想像すると面白愉快だ。
0237『これもひとつの結末』22013/02/05(火) 08:55:35.10ID:8cm/aTYm
夜半も過ぎ、仕事にも一段落ついたので横になる。
「…………」
もぞり、と布団で横になり…夕方にしたタケルとの話…多少興味が湧いた。久々に自分のインスピレーションを試したい所である。
「(シチュエーションは、やっぱり……)」

以下、妄想。
学校では、今日も本宮くんがうるさい。机に座り、タケルくんとガヤガヤ話をしている。
「ちょっと、邪魔なんだけど?」
「ん?ああ、すまんな、高石。」

以下、現実。
「名字はダメね……。更にタケルを近くに置くと萎えるどころか現実に帰るわ……。」
再度パンツの中に手を入れる。

以下妄想。

体育の時間。今日は二人三脚のようだ。
「よし、女子の余りはヒカリちゃんだよな!」
「ヒカリー、一緒に組もう?」
「だあああ!」
クラスに笑い声が響く。クラス内での私の立場は、良くも悪くも孤高。それだけに私に声をかける人はいない。
大体のグループが決まり、やはり私は溢れた。本宮くんは一乗寺くんと組む。……当然溢れるヤツは、気持ち悪いヤツで……
「(嫌っ……)」
そう思っていたら、一乗寺くんが声をかけてきた。
「〇〇くん、僕と組まない?」
「え……一乗寺くん……いいの?」
気持ち悪いヤツは、一乗寺くんが引き取ってくれるようだ。
「大輔、奈津子ちゃんと組んでやってくれ。」
「はぁ?こいつとかよ!マジあり得ねぇ!」
「そりゃ私のセリフよ、このクソ宮大輔!」
「なんだとぉーッ?!」
何でまたこいつは、こんなガサツなの?!

……少し濡れてきた。
「んっ……」
クリトリスを触り、胸を揉む。
「はぁあ……ッ!」
熱い溜め息が出る。私は再度妄想に戻った。
0238『これもひとつの結末』22013/02/05(火) 16:56:48.07ID:8cm/aTYm
二人三脚は、必然的に相手とくっつかざるを得なくなる。
「なーんだってお前だよ。本当ならヒカリちゃんと……えへへ……」
本宮くんの顔がだらしなく歪む。それを見ると……チリ、と胸が痛んだ。私は本宮くんの足を全力で踏み……
「なぁにがヒカリちゃんと、よ……相手にもされてないくせに!」
全力でにじった。クラスから笑い声が上がる。

二人三脚が始まり、私は本宮くんにくっついた。……細くて頼りない身体。思春期頃は、まだ女子のほうが強いから仕方ないのだが。
汗ばみ、真っ赤になる本宮くん。……自慢のブルーアイズでチラリ、と見ると……顔を真っ赤にして目を背けた。
こんなに可愛いリアクションをされると、ついからかいたくなるではないか。
「腰に手を回して。」
生唾を飲む音が聞こえる。
「……何意識してんのよ。あんたヒカリが好きなんでしょ?」
「あ、当たり前だ!」
本宮くんのリアクションに、ますます被虐心と加虐心がそそられる。
自慢の胸を彼に押しあて、腰を密着させる。彼の動悸を感じ、私は胸を高鳴らせた。
不自然にならないタイミングで倒れ、足を痛めたフリをする。

まるっきり変態だ。私は好奇心のままに手を動かす。
「はぁ……あっ……」
湿り、ぬかるんだ自分のそこ。淫らな水音を立て、ますます濡れていく。

保健室に先生はいない。
本宮くんは、私の足に湿布を貼ろうとし、私の足に触れる。
彼の股間には、明らかに怒張が示されていた。
「……へぇ。」
胸が高鳴る。……彼が私に興奮している。その事実が私に興奮をもたらした。
「変態。」
彼の耳許でそう囁き、何かを言おうとした彼の口吻を自分の口吻で塞ぐ。
目を白黒させ、暴れる彼の上からのし掛かり、ますます唾液を彼に流し込む。
「な……奈津子……!」
口吻が離れた時、彼が私の名を呼ぶ。まるで哀願するような目付きに、私の醜い一部が濡れそぼる。
「大輔。」
彼の名を呼び、私は足を彼の股間に押し当てた。
「……言って。私をどうしたいか。」

「はあぁん……」
指を入れる。もうクリトリスの刺激だけでは足りない。

「べ、別にどうもしねーゃ!」
裏返る声。私は哄笑を漏らしながら彼の口吻を塞ぐ。
「……言って。私を無茶苦茶にしたい、って。」
耳朶を舐め、耳許で囁く。彼の吐息が荒い。それが耳許を擽り、私は背筋がゾクゾクする感覚に捉えられた。
0239『これもひとつの結末』22013/02/05(火) 23:29:27.38ID:8cm/aTYm
徹底的に素直でない彼。私は本宮くんの股間に直に触れる。
「や、めろ……」
哀願し、苦しそうに呻く本宮くん。
「ヒカリが好きなの?」
「当たり……前だ!」
「彼女は、貴方を相手にもしてないのに?」
被虐心が疼く。甘く。
「いいのよ?今は私がヒカリでも。」
ここでイエスと答えられたら。自分は彼を諦められるだろう。
「お前はお前だろうが……!バカか!」
絶対にノーとしか言わない彼の真摯な思い。胸が熱くなり、そしてますます高鳴る。
「大輔くん……」
「奈津子……」

「…………くっ……ふっ、うう……!」
指じゃ足りない。指なんかじゃ足りない。もっと何か。彼の暖かさか剛直を感じさせるものを。

「大輔くん……」
「うっ?!ああッ?!」
本能の命じるまま、彼の剛直を掴み、口で愛する。
「……はぁあ……」
やはり途上。あくまでも小さく、また舐めがいもない。また、アンモニア臭が適度に漂い、それがまた興奮させた。
牡の匂いでなく、ミルク臭い匂い。汚れを知らぬものを汚す悦楽。

自分が、どれだけ浅ましいか知る瞬間。
バイブに挿し貫かれ、声を押し殺す。
「…………ッ!」
ぶちゅぶちゅと下品な音を立て、私の中に出入りする。彼の剛直を妄想し、彼が抱き締めているところを妄想し。

「うぐうううっ……」
本宮くんに跨がり、彼の剛直を入れる。眉間に皺を寄せて呻く彼に、私はゆっくり口付けた。
「はぁあ……ん……」
甘い呻きが上がる。
「……ねぇ、あたしの中、良くない?」
「最悪だ……!……あぐぅっ……!」
腰を使い、彼の剛直を擦る。苦悶の呻きを上げる彼の口に、私は胸を近付ける。
「舐めて。……犬みたいに。」
「死んじまえ、変態が……!」
被虐心と加虐心が同時に擽られる。彼に罵られる度に疼き、彼をより気持ちよくさせたくなる。

「……はぁ……あくっ……大輔……くん……」
ぎゅむ、と胸を掴み、片手でバイブを出し入れする。すっかり布団は私のいやらしい匂いで充満している。
彼が私の名を呼ぶ所を想像して……。痺れるような背徳感。相手は息子の親友なのに。
0240『これもひとつの結末』22013/02/05(火) 23:58:48.72ID:8cm/aTYm
妄想の中の私が、腰を使うペースを上げる。
それに応じて私もまたバイブの出し入れを激しくした。
「奈津子……さんっ……」
妄想と現実がリンクする。一度きりの体験は私の肉欲に火を点け、浅ましく歪んだものとなった。
「ああっ……いくっ……!」
白濁液がバイブを染める。
妄想の中の彼の顔が、真っ赤に染まる。
「…………ッ!」
身体が二度、三度痙攣し、妄想の中で、彼は私の中にイッた。

……オナニーをして、素に戻ると本当に死にたくなる。
「はぁ……。シャワー浴びるかぁ。」
このまま寝たら、それこそ母親失格だ。どこの世界にいやらしい匂いをプンプンさせながら歩く母親がいるか。
息子の親友に欲情する立派な変態だが、息子達には母親でありたい。

「二律相反か。」

八神兄妹に対する感情は、嫌悪感よりは羨望なんだろうな。
他人の思惑を気にせずに行動出来る、自分達を信じて疑わない強さ。
自分は、女の前に母親。母親だからこそ、自律しなくてはならない。
こうした変態性と相反するが。

「大人になんて、なるもんじゃないわね。」

鏡を見ながら、奈津子は自嘲気味に笑った。

END

ドロドロ書いてると楽しいなぁ……
因みに八神兄妹は『禁忌とヤンデレ』奈津子さんは『二律相反』がテーマでした。大輔可愛いよ大輔。
0241クロキ2013/02/19(火) 18:09:35.60ID:f85a8Tgk
いいじゃない
0242名無しさん@ピンキー2013/02/20(水) 00:09:11.55ID:7EIrm6Lf
>>241
ありがとう。
大輔のほうはマニアックだから、皆引いていると思って、続きが書けなかったんだ……
0243クロキ2013/02/20(水) 16:40:26.85ID:wz1xSHls
まさか!
そんなことないよ。
俺さいっつも暇だからさ書いてくんない?太一と光の奴も結構いいよ!!笑い
後名前で呼んでくれ。>>>242
次は大輔の奴でやってくれ、
0244名無しさん@ピンキー2013/02/20(水) 18:29:27.04ID:7EIrm6Lf
クロキ

わかった。仕事が終わったら、大輔篇を書こう。
見ての通り薄暗い作風だから、そこはすまん。
0245クロキ2013/02/20(水) 20:48:58.15ID:wz1xSHls
仕事何?結婚詐欺師の人?ハハッ!!笑い
冗談だよ!!初めての甲子園の本見て思いついたから!!
一応高校三年で18歳です。
リュウデジ好きと女デジモン好きです。ではでは・・・行こう
0246『これもひとつの結末』2β2013/02/20(水) 21:17:47.63ID:7EIrm6Lf
タケルの母ちゃんに襲われて、一ヶ月が過ぎた。
殊更問題にするのは何だし、やっぱり俺みたいなガキには判らない『大人のじじょー』ってヤツかも知れん。
黙ってはいたんだが、こいつには案の定というかなんというか。バレバレだった。
「最近、近いのよね。」
学校帰りにたまたま京と帰りが合い、だべりながら帰っていたら、京は言った。
「何がだよ。」
水筒から麦茶を飲みながら、京を見る。
「あんたと、タケルくんのお母さんの距離。」
「ぶはっ!」
思わず麦茶を吐き出した。
「うわっ!きっちゃないわねぇ!」
「げほっ!……お前が変な事言うからだろ!」
京は、ジト目で俺を見る。
「……ま、疑惑は一ヶ月位前からかな?結構よそよそしい感じだったタケルくんのお母さんが、あんたにだけは接近してたの。
例えば、お茶をやる時に一歩前に踏み出すとか。」
こ、こいつは何を言っているんだ?!
「確信に変わったのは、こないだ。あんた、基本的に人に身体触られたくないほうなのに、タケルくんのお母さんには触れられる距離にいても何もしなかった。
ここで、あたしはピンときたわ。ああ、この二人、何かあったって。」
京の目は、確信に満ちている。
まぁ、事実その通りなんだが……でも、何故にわざわざこいつに説明しなければならん?!
「お前の思い違いだろ。」
「…………ふーん。」
京は、納得していない目だ。
「ま、いっか。あんたに何があろうが、あたしにゃ関係ないしー。」
「うるせぇ、メガネ。」

京に紅葉食らったのは、言うまでもないよな?

自宅に帰り、携帯を見る。
そこに映る姿は、奈津子さんとタケルとヒカリちゃん。
それが俺の待ち受け。

「…………」
果たして、誰が目当てなんだろう。タケルは論外だが。
ヒカリちゃん単体なら、まだ画像はある。しかし、何故かこの写メが俺の待ち受けだ。
「…………」
モヤモヤしてスッキリしないが、動けば全てブッ壊れそうな予感がする。
結局はこうして、奈津子さんに教えられたオナニーを、奈津子さんの感覚を思い出してしているだけだ。

俺が好きな人は、ヒカリちゃんのはずなのにな。
0247クロキ2013/02/20(水) 21:56:42.81ID:wz1xSHls
タケルの母ちゃんに襲われた大輔、エロイを通り越してグロいな!!
でも大輔と京のエロシーンも見てえなぁ。
光と京のレズ系もいいと思う。
大輔と光だったら、俺パニくる可能性あるかも。
0248『これもひとつの結末』2β2013/02/20(水) 22:05:03.96ID:7EIrm6Lf
好奇心よりは、相手に対する申し訳なさが先に立つ。奈津子さんはタケルの母ちゃんであり、俺とは違う存在だ。
何かスッキリせず、俺は布団に横になった。
……股間に手が伸びる。すっかりこっちに染まっている自分が情けないが。

大人がつける、香水の色香。同世代にない豊かに実ったバスト。
交わすキスは、どこまでも柔らかくて。

何事もなく三年が過ぎた。奈津子さんとは何事もなかったように振る舞ったし、京も納得はいかなそうだったが、次第に話題にしなくなった。
奈津子さんの仲介により、ヤマトさんと和解し、ヤマトさんは俺に料理を色々教えてくれた。
そして、高校受験。
ヒカリちゃんは越境入学するようで、太一さんと一緒に住むようだ。タケルは近場の進学校。俺は夢を追う為に、私立の英文科に進学する。
あ?武ノ内?知らねえよ。ヤマトさんから葬式の誘いがないし、生きてんじゃねぇか?

卒業式のあと、タケルの家で俺が作ったラーメンを皆に振る舞う。
評判は上々。気分良いな。
タケルがヒカリちゃんを送り、皆が帰路につく。俺は奈津子さんと片付けだ。

背が伸びるにつれて、奈津子さんを一人の女性として見ている自分がいる。
奈津子さんも、そこは敏感に察知しているのだろう。どこか張り詰めた表情だ。

昔は見上げていた彼女の顔が、こんなに近くにある。

もう戻れないのを承知で、奈津子さんの手を握るか?それとも……
何度かの躊躇。
奈津子さんは、タケルの母ちゃんなんだ。
そう考えていた俺の肩に、奈津子さんの頬が置かれた。

心臓が煩い位に鳴り、胸が痛む。甘酸っぱさと切なさに、身体が震える。
生唾を呑み込み、奈津子さんを見る。
そこにあったのは、タケルの母ちゃんでない、『高石奈津子』さんだった。

多分、この人が俺を抱いたのは、衝動だったのだろう。だが現在、俺は一人の男に成長している。

その『俺』は、この人をどうしたいのか。

そして、この人は、俺にどうされたいのか。

それがこの行動だと信じたい。
0249『これもひとつの結末』2β2013/02/20(水) 22:44:11.06ID:7EIrm6Lf
俺は、無言で奈津子さんを引き離した。
何故か、京が泣いている姿が見えたからだ。
「からかっちゃ困りますよ?俺だって男ですから。」
奈津子さんにそう言うと、片付けを終わらせ、早々に家を出る。
エレベーターには、京がいた。

「…………早かったのね。」
「何の話だ。」

全くこいつは本当に意味不明だ。

京の自宅に招かれ、テレビを見る。両親は夜勤、兄弟は泊まりに行っているらしい。
「……本当にごめん!あたし、疑ってた!」
京が頭を下げる。
京は、あれからもずっと俺と奈津子さんの関係を疑っていたらしい。それでも何も証拠は掴めず、今日だってそうだったようだ。
「お前な……」
つくづく下世話なヤツだ!呆れた俺は、京を見て溜め息をついた。
「……ったく。なら、話してやろうか?」
そんなに聞きたいなら、話してやるよ。

「……じ、事実だったんだ?」
「一回だけの過ち。事故みてぇなもんだ。」
京は唖然としている。
「さっきも、そんな空気になりかけた。……でも、何かやれなかった。」
「え?あ?……勿体ない。」
京が場を取り繕う。ただ、俺は正直な気持ちに気付いたもんでな。

「お前の顔がちらついた。お前を考えながら、他を抱くのは無理だ。」

俺の言葉に、京は一瞬目が点になり……そして一気に赤くなった。
「……は?はぁあ?!アンタなに言ってんのよ!アンタはヒカリちゃんが……」
「うるせぇよ。」
煩く動く京の口唇を、口唇で塞ぐ。
暫く抵抗していた京だが、やがて力なく胸に頬を寄せた。
京の髪の匂いが、京の柔らかさが、俺の雄の部分を刺激する。
多少乱暴に髪を掴み、俺は再度京の口唇を奪った。
離すと同時にビンタが来たのは、ご愛嬌としておくか。
0250クロキ2013/02/20(水) 23:05:03.01ID:wz1xSHls
亜然・・・
うん、地獄見たな・・・
最初は感動したけど・・・最後は人生最悪な物見たかも・・・
でも、京が同時にビンタしたのはさすがに俺でも嬉しかったー・・・じゃねぇ!!
エロが全然入ってないけど、どうした?
やれやれ、そろそろ興奮する所までやったらどうよ?
0251『これもひとつの結末』2β2013/02/20(水) 23:23:51.86ID:7EIrm6Lf
「多分、ヒカリちゃんと奈津子さんの好きって意味合いは、憧れの『好き』だと思う。」
「……で?あたしは?アンタ、これであたしが好きじゃないなんて言ったら……」
「言うか、バカが。聞け。
抱きたい、キスしたい、の好きは、お前だ。……さっき、そう気付いた。」
京が真っ赤になる。
「……仕切り直しをするか?いきなりされても困るだろ?」
「……そうね。でも……」
京がジト目で見る。
「アンタが持たないでしょうが。」
確かにその通りだ。お預け食らい過ぎて、俺の一部は立派なテントを作っている。
「それに、まぁ……あたしだって……その……アンタが……好き、よ?
ただ、いきなり抱かれるのは、ちょっと怖いかも……」
「優しくなんか出来ねぇからな。」
経験が一度あるというだけで、実質童貞だしな。
「断言すんな、アホ大輔。」
拳が落ち、京が次第にいつもの調子になる。
「……ま、まぁ、とりあえず、お互い慣らしていく必要があるわよね。」
「だな。AVみたいに触りっこでもするか?」
「うん、それビンゴ!……無理矢理やったら、蹴り飛ばすわよ?」
「物騒な事言ってんじゃねぇ、バカ!」

京の裸は、スレンダーの一言だ。モデル体型といえば聞こえはいいが、凹凸に欠けると言っていい。
「……あんまり見るな、エロ大輔!」
京が赤くなる。……こうしたところは、本当に可愛いよな。
口唇を合わせ、ゆっくりと胸を触る。京の胸は、小さいながらも抜群の感度だった。
「ふっ、ふひひひ!く、くすぐったい!」
「ま、マジか?」
「マジマジ、大マジ。くすぐったい。」
なかなか難しいもんだな。ただ入れたらいいというわけでないのは、よく理解しているが……
「初めてと、実質童貞じゃ気持ちよくなる以前かもね……」
「くすぐったがりは、感度の良い証拠だとも言うらしいぜ。」
「情報ソースは?」
「ヤマトさん。」
「うわぁ、生々しい。」
二人で笑う。……こいつと俺とで、何を取り繕う必要があるか。
「お互い、エロい遊びをする感覚でやるか。」
「そうしよっか。」
再び京とキスをする。やっぱり京は笑顔が一番だな。
0252『これもひとつの結末』2β2013/02/20(水) 23:55:13.55ID:7EIrm6Lf
京を抱き締め、首筋を舐める。
「んっ……」
ピクリと身体が動く。京の反撃は、俺の耳だった。耳朶を舐め、舌が耳の穴をくすぐる。
呼気の荒らさが、京も興奮しつつあると示している。髪を撫でながら、キスをする。京は積極的に舌を絡めてきた。
「……んっ……ぷぁ…」
「ん……」
上気する頬を、京の手が撫でる。ひんやりとした感覚が心地好い。
胸に手を伸ばす。今度はくすぐったがらなかった。
興奮の度合いによって感じ方もまた違うのかも知れない。
京の手が、俺の昂りに触れる。それだけでも気持ちいい。
京を横に押し倒し、京の秘裂に触れる。微かな湿り気と、柔らかい毛の感覚。
京が俺を抱き締め、キスをする。
「キス魔かよ。」
「ばぁか。」
二人で笑いながら、お互いの気持ち良い所を探る。京の秘裂の、敏感な突起がある。そこをぐい、と触ると……
「いたぁーっ!加減しろ、バカ大輔ーっ!」
「ぐぇあ!」
本当に蹴りが飛んできた。……どうやら強くされると痛いらしい。
なるだけソフトに、ゆっくりと触る。京は次第に上気し、気持ち良さそうに目を閉じた。


すまん、眠い。
明日にまた続き書く。
0253クロキ2013/02/21(木) 16:27:48.79ID:XYuwZCvL
わはははは!!笑い
受けるわ〜何かしらと受けるわ
さすがはTHE・馬鹿大輔だな。
0254『これもひとつの結末』2β2013/02/21(木) 20:30:38.16ID:Cp6ySI6K
ぬかるみが強くなる。俺は極力優しく指を入れてみた。
「……っ!」
蹴りに警戒し、恐る恐る京を見ると、京はまじまじと自分の秘裂を見ている。
「……本当に入るんだ……」
痛さよりも知的好奇心が勝っている。そんな表情だが……
「少し突っ張る感じ。気持ちいいってよりは異物感が凄い。」
抜いてという京に従い、指を抜く。テラテラ光る指。果たしてどんな味なんだろうか。好奇心に負けて指を舐めてみ……

「うぎゃ!」

本日二回目の蹴りが、俺の腹に突き刺さった……。
「舐めるな、バカ!」
「味はしねぇぞ!なんだかぬめった感触と……ブグェ!」
「あああー!言うなこのエロ大輔ーっ!」
京が俺を押し倒す。
「もう終わらせるわ!ここをしごけばいいのよね!」
京が俺の昂りに触れる。そして力の限りに……

「痛ぇんだよ、バカ!」

それからは、言わなくても分かるよな?大喧嘩だ。
「雰囲気ぶち壊しよ!」
「俺のセリフだ!」

To Be Continued 『これもひとつの結末』3
0255黒木2013/02/21(木) 21:52:13.00ID:XYuwZCvL
名前変えた、
地味過ぎる。
0256『これもひとつの結末』32013/02/22(金) 02:00:30.34ID:RUOVyq3O
俺は正式に京と付き合った。まぁ色々あったが、奈津子さんとの関係を疑っていた時から、京は俺が好きだったらしい。
てっきり京が好きな人は光子郎さんや、賢だと思っていたが。

付き合いは順調そのもの。京も大分慣れ、俺達はお互いに快楽を与えられる程度に経験を重ねた。
まだ具体的な行為はない……というよりは、入れようとしたら、蹴っ飛ばされた。
「コンドーム位、用意しなさいよ!」
それは最もだ。次は用意しておく、と京に言うと、京は少し照れたように笑った。
「……言っといてなんだけど、照れるね。」
「なら言うな、バカが。俺まで照れるだろうが。」

ラーメン屋でのバイトが終わり、ゆりかもめに乗る為に新橋に行く。飲み終わりのサラリーマンや、くだをまく学生。ちょっとした人生の縮図だ。
恐らくは、俺も似たり寄ったりの人生を歩むか、夢を叶えられて店を持つかのどちらかだろうな、と考えていたら、見覚えのある後ろ姿が目に入る。
「奈津子さん?」
金髪のスーツを着た女性。タケルの母、高石奈津子さんだ。
「あら、大輔くん。」
奈津子さんは、へべれけに酔っていた。

とりあえず近場の公園に行き、水を持ってくる。公園のベンチで奈津子さんはぐったりとしていた。
「……旦那と会っててさー……」
奈津子さんは、饒舌だった。
「誘われたけど、てんでダメでねー……少しもその気になんないのよ……
ま、若い時にやりまくって、飽き飽きしてんのもあるんだろーけど!」
ケタケタ笑う奈津子さん。その顔は、年齢を考えるととても幼い笑顔で。
「……あはは。」
俺は情けないが、頷く事も出来ずにただ奈津子さんの前にいた。
この人は、色々と大変なんだろうな。タケルを10年以上女手ひとつで育て、色々な問題があった事は想像に難くない。
俺のような小僧が、分かったような事を言うのは憚られる。それは当たり前なのだが……
明らかに精神のバランスを欠いているこの人を、今一人にしてはいけない。何故かそう思った。
「……あたしさぁ、こう見えても案外モテてたのよね。旦那以外にも、沢山素敵な人と知り合ったり、お付き合いしたりしてさー……」
「…………」
「……だから、こないだはショックだった。……当たり前だけど、もうオバサンだしね……。
あたしは、もう女としてなんて誰も見ないんだ、って思ったら……凄く辛くて……」
奈津子さんは、俺を見る。
「……ね、優しくしないで?オバサンは、こうした優しさに弱いのよ。」
目に浮かぶ涙。俺は奈津子さんを抱き締めていた。……京に謝りながら。
0257黒木2013/02/22(金) 21:03:51.02ID:k1ZQ7m60
・・・・・・
0258名無しさん@ピンキー2013/02/22(金) 21:42:54.59ID:RUOVyq3O
黒木

予め言っただろ?薄暗いと。
ここで切って、別口のラブラブのエロやったほうがいいか?
0259黒木2013/03/01(金) 23:04:04.82ID:HzYeXdF0
それはあんた次第でやってくれ。
薄暗いどころか寧ろ、影がモロ薄すぎるよ・・・まぁー別に影が濃い方がBKに関してはいいけどね。
0260黒木2013/03/05(火) 23:07:34.62ID:TNDJxddw
上げ
0262黒木2013/03/19(火) 19:40:46.60ID:1GW1ot+j
悪いな
0263名無しさん@ピンキー2013/04/03(水) 10:25:10.80ID:FaSpmMXL
誰もいないかな…

誰か、デジモンの同人誌で「八神くん家の家庭の事情」と「初恋」

っていう同人誌もっている人いない?
0264『Love me tender』2013/04/23(火) 03:04:41.58ID:28HWJRzJ
松田ベーカリー。良心的な値段と味のどこにでもあるパン屋。
「ちょっ……やめっ……留……っ!」
その二階。一人息子の啓人の部屋は、ちょっとしたカオスの状態となっていた。
生物有史、稀に見る押し倒される雄。深く口付ける、押し倒す雌。
次第に深く口付け……酸素を求めた啓人が息継ぎをしようと口を開けた時に、留姫はその口に舌を差し込む。
「むっ……ぷっ!ぶぅっ!」
お互いの口から空気が洩れ、ラッパのような音がしようが何の関係もないとばかりに、留姫は深く口付ける。
「も、もう……!やめてって言ってるじゃない!」
啓人が留姫を突き飛ばす。
「ここは僕の部屋で、下にはお父さんもお母さんもいるんだよ?!」
真っ赤な顔をした啓人が叫んだ。
「知ってるわよ。」
仏頂面の留姫。啓人は頭を抱えた。
ギルモン達が消えてそれ以来、留姫と啓人は所謂恋人同士になった。時が流れ想いを重ねあい、自然とこうした身体の関係に行き着き……
母に無理にやらされたモデル稼業で、ストレスが溜まった留姫の、暴走ともいえる行為に付き合わされる啓人である。
「知ってるなら、何でまた……」
「啓人としたいから。」
「…………」
二の句が接げないとはこの事か。啓人は真っ赤になり口をパクパクさせ、留姫を見ている。
「たまにしか会えないんだから、会えた時にするのは自然な事よ。」
「たまにしか会えないんだから、たまにはデートしようよ!お台場や原宿とか!」
二人の時間。啓人は女性っぽいところがあり、二人でいられる時に沢山遊んでいたいタイプだ。
対する留姫は、シンプル。二人でいられるなら、最大級のコミュニケーションを取りたい。好きな人に抱かれ、暖かさに包まれたいタイプだ。
「啓人。あたしはあんたが好き。」
「…………」
「会えない時もあんたを考えてるし、あんたがいればそれでいい。」
恥ずかしいセリフを留姫が言う時。それは。
「だから……」
しよう。啓人のパーカーの紐が乱雑に剥ぎ取られる。やはりこうなるか、と啓人がパーカーの前を抑えた。何すんのさ!
「だから?それが何?だから何?僕は嫌だって言ってるでしょ!」
「…………!」
二人の間に沈黙が走る。
「……あんた、あたしが嫌いになったの?」
「ち、違っ……僕は留姫が一番好きだよ?」
「啓人。」
ぎゅう、と留姫が啓人を抱き締める。
「……それとこれとは、話は別だからね?」
「…………」
仮に樹莉と付き合っていたと仮定しても、結果は同じ。ヤンデレかメンヘラかの違い位だ。啓人は幸か不幸か、そういった気質の相手に好かれやすい。
しびれを切らした留姫が啓人をベッドに押し倒す。

「ち、ちょ、待っ……アッー!」

二階からギシギシとベッドが軋む音がする。
そろそろベッドの買い替え時かしら……啓人の母はズレた事を考えながら、焼成したパンを並べた。
0265名無しさん@ピンキー2013/04/23(火) 03:14:03.86ID:28HWJRzJ
啓人×留姫。
過疎ってるし、日に1〜2レス程度に細々と書いていく。
0266『Love me tender』2013/04/23(火) 10:46:50.29ID:28HWJRzJ
翌日。教室で啓人が机に突っ伏す。
「(結局、3回しちゃった……)」
カサカサと音を立てそうな位、啓人の雰囲気がささくれている。
「(どうしてあんな節操がないのさ、留姫は……!好きだからって、しょっちゅうやるものでもないでしょ?)」
エッチ済みでもプラトニック思考の啓人。確かに留姫とエッチをするのは好きだ。そこは否定しない。
だが……しょっちゅうやるのは、流石に勘弁願いたい。二人の時間がそれで減るからだ。
デートして何か美味しいものを食べて、映画を見たり二人で手を繋いで歩いたりウィンドウショッピングを楽しんだりするのが、啓人の考える『理想のデート』である。
ただ、それは留姫以外の異性はノーサンキューだが。
教室では、近くの席の女子達の会話が聞こえる。
「そういや、樹莉も彼氏出来たんでしょ?」
「うん。隣のクラスの李くん!」
啓人の肩が震えた。な、なんてこった……そう言いたいが、口を出す筋合いにないので黙る。
寧ろ、興味が出た。普段彼女らがどんなデートを楽しんでいるのか。実に興味深い話ではないか?
「……で、やった?」
「やったわよ?私の部屋で。」
…………。
「普段デートとかしてるの?」
「最近は、お互いの部屋が多いかな?デートって疲れるじゃん?」
な、なんてこった……
「たまーにムラムラって時もあるのよね。そんな時に出先だと困るじゃん?」
「あー、わかるー。」
そりゃないよ加藤さん〜……。初恋を全力で汚された啓人は、人知れず涙に暮れた……。

「啓人、留姫が載ってるぜ。」
昼休み。ジェンが教室に来る。啓人、博和、健太も一緒に話しながら樹莉のミドルティーン向けの雑誌を読む。
そこには服のモデルとして留姫の写真があった。
「性格は最悪だが、ルックスは最高だよな。」
博和の茶々に、啓人が鼻を鳴らす。
「何言ってんのさ。留姫は可愛いんだよ?博和が知らないだけさ。」
啓人だけが知る、留姫の甘えた表情。普段が凛とした表情だけにその破壊力は抜群だ。
「スラッとして、かっこいいよなぁ。」
「最近、そこはかとなく色気も出てきたような……。」
「いい恋してるのよ。……ね?啓人くん?」
樹莉が啓人を見ながら、ニヤリと笑う。博和も健太もジェンも同じ表情だ。
顔に血液が集まり、啓人が叫んだ。

「いじめないでよう!」

皆が手を叩いて笑う。皆の愛されキャラ(おもちゃともいう)・啓人の面目躍如だ。
樹莉達が去り、啓人が留姫のページを見る。
……考えてみたら、自分はこんな綺麗な子と関係を持っているのだ。
掴めそうな位細い手足。だが痩せぎすかと言われたらそんな事はなく、ついてる所にはきちんと肉がついている。
「…………」
細く、たおやかな指。白磁のような肌……。赤面した啓人は雑誌を閉じ、談笑するクラスメイトと喋りに行ったのであった。
0267『Love me tender』2013/04/23(火) 11:39:02.19ID:28HWJRzJ
放課後。今日はモデルの活動がある為、放課後に留姫とは会えない。
やっぱり寂しいなぁ、と思いつつ、デート代の為に家業を手伝う啓人。売上による変動制なので、必死に働いている。
松田ベーカリーの売上も心配だが、更に心配なのは留姫とのデート代だ。
出掛ける時に金欠だったら話にならないし、留姫にプレゼントだって買ってあげたい。守銭奴よろしくお金を貯めている啓人。
最近は前述のとおりの有り様だけに、お金を使っていないので貯まる一方。不満に思う啓人だが、留姫にしてみると……
自分が稼いでいるのだから、デートでも態々お金を出さなくてもいい。そう考えている。
啓人が考えるデートをするには、お金が掛かる。映画だってアイスクリームだって交通費だってタダではない。
それよりは、自宅でDVDでも見ながらゆっくり過ごしたほうがマシ……というのが留姫の考えだ。
会えないストレス、モデルの人間関係などで、ごっそりと溜まった憂さを晴らしてくれるのは、啓人との時間。
でなければ、誰が身体など許すか。
留姫を喜ばせたい、笑う顔が見たい啓人。
啓人を喜ばせたい、想いを身体中に伝えたい留姫。
端から見ればバカップルそのものであり、想い合うカップルなのだが、お互い必死である。

夜になり、啓人は鞄の中に樹莉の雑誌がある事に気付いた。
「…………」
留姫のページを見る。凛とし、自信に溢れた留姫の表情。以前は留美子によく「絵にならない」と苦言を受けていたらしいが。
写真の中の留姫。それはきっと、博和達が言っていた『対外的な』留姫。
それだけに……こんな表情をする留姫を見ていると、崩したくなる。
仮に。自分だけが知る表情の留姫に崩すには。
深くキスをしあい、髪を撫でて……

「…………」

慌てて啓人が首を降った。これじゃ変態だ。
妄想の中で好き勝手やられた、と留姫が知った暁には、確実に殺られる。

留姫は独占欲が非常に強い。

例え妄想の中の自分が相手だとはいえ、一瞬たりとも気をやったと知れば……!

明日になれば留姫に会える。啓人は何とか自分を鎮め、布団に入った。
「(ドキドキ、というか……なんかムラッとするよう……)」
それが何なのか。今はまだ啓人には理解出来ない事であった……。
0268『Love me tender』2013/04/23(火) 14:23:49.68ID:28HWJRzJ
学校が終わり、今日は留姫の家に集まる。
「早かったのね。」
「ウチは公立だし、私立みたいに居残りはないから。」
啓人の言葉に、留姫は少し微笑んだ。……その笑顔が柔らかくて。
「…………」
まただ。また何か高鳴る。
DVDを見ながら時間を潰す。特に何をするわけでないが、二人でいる事が留姫にとって重要なようだ。
体温を感じ、啓人が留姫の肩を抱く。ピクリと反応する留姫。その顔はある種の期待に満ちた顔だ。
「このスケベ。」
どの口が、と言いたくなる啓人だが、啓人は留姫の口唇に口唇を合わせる。
優しいキス。
啓人からのキスは、いつでも優しい。
蕩けそうな甘いキス。留姫が次第に舌を絡めようとしたその時……

啓人は真っ赤な顔をして、留姫を突き飛ばした。

突然の行動に目を白黒させる留姫。啓人は真っ赤になっており、明らかに狼狽した表情だ。
「ご、ごめん!今日は帰る!」
……残された留姫は、部屋にぼんやりと座り込んだ。

何か自分は啓人を怒らせるような事をしたのだろうか。
「(心当たりがない……)」
留姫は何度も頭を振る。
「(あたしは啓人を怒らせるような真似はなにもしていないはず。
こないだあたしが啓人が嫌がるにも関わらず、無理矢理口でイかせてその後にキスして無理矢理飲ませたのを怒ってるの?!)」
……心当たりありまくりである。
啓人が可愛すぎたのが悪い、などと言い訳しながら他を考える。
「…………」
おかしい。満足させなかったことはないはず。
思い当たる節といえば……

『もう!嫌だって言ってるでしょ!』

天啓の如く脳裏に過った言葉。それは。
がっくりと留姫が膝をつく。
気付かなかった。いや、盲点だったといっていい。
「(啓人……気付かなくてごめん……)」
自分に原因があった。
モデルの仕事をしているだけに、身体に傷を作るのはNGだ。だからこそ自分が上に乗って攻めていたが……

「(あたしが下手なばかりに嫌な思いをさせて……!だからあたしとのえっちが嫌になったのね……)」

…………………………

それから。一週間ほど間が開いた。
留姫は仕事でミスを多発。表情がうまく作れず、啓人もまた元気をなくし……

「表情が戻っちゃったわねぇ……」
留美子が溜め息をついた。『啓人に愛されている自分』と『啓人を愛している自分』が、留姫の自信だ。
啓人に甘えきり、啓人に支えをしてもらいながら、啓人を支えている。対外的に好き勝手やれるのも、啓人がいるからだ。
啓人もまた、留姫に愛されている自分を誇っている。
お互いがお互いに愛し愛されているからこそ、日々の生活に張りが出るのだ。
その支えがないと、ご覧の有り様である……。
0269『Love me tender』2013/04/23(火) 18:15:39.90ID:28HWJRzJ
啓人にしてみると……
あのまま留姫を押し倒し、そのまま蹂躙したくなる衝動に耐えた。
留姫にしてみると、それはいつでもウェルカムなのだが、啓人にしてみると……
欲望のままに抱くような真似だけは絶対にしたくない。ヘタレといえばそこまでだが、啓人なりに留姫を真剣に思っているのだ。
そこをうまく言葉に出来ないのは、彼らしい。

いちいち回りくどく、いちいち確認していかないと気が済まない。
それが良くも悪くも啓人の性格である。

一週間。時間にして僅か168時間。10080分。604800秒。
その間。啓人は困った事になっていた。
留姫に連絡したいが、会えば間違いなくまずい事になる。
絶対に押し倒し、そのまま抱く。
これではただ、留姫を欲望の捌け口にするようなものだ。
携帯とにらめっこしながら、啓人は溜め息をついた。

留姫もまた困った事になっていた。
啓人を満足させてやりたいが、さすがにやり方がわからない。
考えてみたら、最近は肉体的な関係に終始していた気がする。
たまには啓人の提唱する、世間並のカップル像のまま過ごすのも良いが……人前でいちゃつくのは、絶対に御免だ。
こうした『恥ずかしい』事をやりたがるのが啓人であり、啓人が『恥ずかしがる』事をやりたいのが自分である。
目新しい事をしようにも、情報ソースがモデル仲間、学友しかなく、こいつらに一度煮え湯を飲まされただけに、警戒せざるを得ない留姫であった。

『男はお尻で感じる。』

それを実際にやらかし……啓人を悶絶させた経験があるのだ。
連絡したいが、何を言っていいかわからない。啓人からの連絡を待つが、ついぞ音沙汰がない。

意を決した啓人が留姫に連絡をしたのが、啓人が留姫を突き飛ばした一週間後の話である。
結局、お互いに一週間を無為に使っただけであった……。

ちょうど良い冷却期間になったか、と思った留姫だが、待ち合わせに来た啓人を見て思った。
ちっとも冷却されていない。寧ろ熱を上げていないか?と。
啓人は顔を真っ赤にし、警戒レベルMAXといったところだ。
「今日は、あんたの考えるデートに付き合ってあげるわよ。」
場を和ませる為に言った留姫の言葉だが……啓人はより警戒を強めたような感がある。
「そ、そうだね!な、ならさ、久しぶりにゲーセンっ……いや、映画でも……」
泡食う啓人。こんな啓人を見るのも久々だな、と考えながら、留姫は啓人の手を握った。
「は、はわわ……」
真っ赤になり、ガチガチになる啓人。今更何を考えているのやら。留姫は呆れ半分に啓人を見た。
0270『Love me tender』2013/04/23(火) 19:07:00.35ID:28HWJRzJ
映画を見て、買い物をして、美味しいものを食べて。普遍的なカップルの時間。
「(……こういうのも、悪くはないわ。)」
多少くすぐったいが。
啓人は……真っ赤になり、下を向いている。
普段なら喜ぶはずなのだが。熱でもあるのかしら、と留姫は啓人の額に触る。
啓人は過剰に震え、とても間が悪そうに俯いた。
「(嫌われたのかしら……)」
留姫は不興げに別れを言うと、自宅に帰ろうとした。
「…………」
「…………」

啓人が真っ赤な頬のまま、留姫の服を掴んでいる。
まだ帰したくない。そう言っているような気がする。
留姫は、やれやれと溜め息をつくと、啓人の手を握り啓人の家に向かった。

「……で、あんた何のつもりなの?」
ベッドに腰をかける留姫。
「あたしの事、嫌いになったの?」
啓人は真っ赤な顔のまま、首を横に振る。
「……黙っていてもわかんないんだけど?」
詰め寄る留姫。啓人は涙目になっている。
「……聞いて怒らない?」
「場合によるわ。」
留姫の脳裏に最悪の可能性が過る。だが。啓人の言葉は留姫の予想外もいいところであった。
「……こないだから、留姫の顔を見てると……その、したくてたまらなくなるんだ。」
……はぁ?と、留姫は啓人を見る。
「ほらぁ!やっぱり怒った!」
啓人が俯く。留姫は目眩がしそうになったが、状況を整理する。
つまりは。啓人は自分を意識しまくり、抱きたくてウズウズしていたが、それをしたら自分が怒ると考えた。そういう事だろうか。
「あんた……バカ?」
「ひどいよ……」
変な気を回しすぎだ。
「……こんなのって、嫌だよね?留姫が好きなのに、こんな事ばっかり考えて……。今でもすっごいドキドキしてて、正直今すぐにでもしたい。
留姫と一緒にいられたら満足だったのに、そんなんじゃ全然足りなくて……。」
ポロポロと啓人の目から涙が溢れる。
「……こんなの僕じゃない。僕が僕じゃなくなるような気がして……。こんな僕だと、留姫に嫌われちゃうよう……」
知ってた。知ってたが、啓人は夢見がちな部分がある。
好きな人には、最大限の誠意を尽くしたい。そこに介在するのは、愛情であり性欲でない。
愛情があるからこその劣情。それを催す自分が嫌で嫌で仕方なかったのだろう。
「(……という事は、つまり……)」
啓人は自分が欲しくなる位に愛している、という事だ。これまでは愛情がなかったわけでなく、ただ何となく流れとして主体性なくやっていたのだろう。
自分が望む事を受け入れ、嫌がっても最終的には受け入れ……。
留姫は啓人を抱き締める。顔のニヤケが収まらない。
「嫌いに……ならないで……」
誰が嫌うものか。留姫は啓人を力の限り抱き締めた。
0271『Love me tender』2013/04/23(火) 19:51:47.89ID:28HWJRzJ
「嬉しいわよ。」
留姫が耳許で囁く。
「……あんたが、あたしを欲しくなる位に愛してくれて。」
啓人が真っ赤になる。
「あんたは、愛情と性欲を分けて考えていただけよ。好きだから抱きたい、って考えるのは当たり前の話よ。
……あたしはあんただから抱かれてる。あんただから嫌じゃない。」
「……留姫……」

声を消すために流していた有線ラジオから、オールディーズが流れる。

『やさしく愛して 甘く愛して 私を離さないで』

英語など分からない二人だが、それが甘い愛の唄だという事はよくわかる。

『あなたが私の人生に意味を与えた
私はあなたを愛している』

夕闇に差し掛かる中、二人の影が重なる。
「tender、ってどんな意味だっけ?」
「確か、『優しく』よ。」
「そっか……。」
何となくタイトルは、『優しく愛して』なんだろうなと思う。
優しくキスを交わす二人。啄むようなバードキスから、次第に深く口付ける。
古ぼけたオールディーズ。まるで自分達が、三文映画の主役になったような気分になる。

『やさしく愛して ほんとに愛して
夢は全て満たされた』
『恋人よ愛している
そしていつまでも愛する』

「これ、誰の曲かな?」
「プレスリー。お祖母ちゃんが聴いてた。」
「若いよね。」
「年甲斐がないのよ。ママもだけど。」

一週間ぶりともあり、啓人は瞬く間にイッた。……留姫としては精神的な充足が上回っていたので、今回はそれでいいと考えている。

啓人の心は自分が持っている。そして自分の居場所はそこ。

「……ねぇ、留姫。」
「何?」
「僕は留姫のだよ。」
「知ってる。うっさい。黙れ。」
「ひどいよ。少しは優しく愛して欲しいよう……。」
「諦めなさい。これがあたしの愛し方よ。」

END

受け啓人可愛いよ、受け啓人。
話の流れとして、エロは意図的にカットした。次は啓人が攻め、留姫が受けのエロを書くはず。
0272『ヤンヤンデレデレヒカリ様』2013/04/24(水) 12:09:22.48ID:c0yr6Fh7
兄妹というには不健全な関係を結び、数年。
太一は高校二年生に、ヒカリは中学二年生になった。
中堅校のサッカー部のエースとして活躍する太一。中堅とはいえストライカーは、やはりモテる。
「……またか。」
下駄箱にあるラブレター。多少勉強が出来て、スポーツが出来ればモテるらしい。
これはあとで屑籠にでも叩きこんでおくとして、宛名を確認するとしよう。

『武之内 空』

宛名に記された名前を見て、再度溜め息をつく。
「またか。」
ラブレターをビリビリに破き、気分爽快。ついでに唾を吐き捨て倍プッシュ。
意気揚々と登校する。
「お。おはよう。今日も早いな。」
金髪が声をかける。お前は彼女をしっかり捕まえていろ。二言、三言言葉を交わし、一路グラウンドへ。グラウンドではサッカー部が朝練をしている。
今日も彼は活躍しているのだろうか。彼に貰ったヘアピンが誇らしげに光る。

「太一ー。嫁さん来てるぜ。」

朝練のグラウンドに、チームメイトの笑い声が響き渡った。

「またか。」

太一は呆れたように溜め息を吐き、練習を眺めるヒカリを見た……。

『ヤンヤンデレデレヒカリ様』

放課後。サッカー部名物・ヒカリ様と憐れな下僕。
「お兄ちゃん、ヒカリ差し入れ持って来たよ!」
レモンの蜂蜜漬け。費用は何故か大輔持ちだ。
「太一センパイ、マッサージするっすよ!」
「大輔くん、僕の腰を……」
失恋の痛手か、最近男に走ったという不穏な噂のあるタケル。賢、大輔、タケルの三角など女子しか喜ぶまい。
「あっちはさんで三角、こっちはさんで四角……はぁ。」
自分達も大概なだけに、人の事など言えない。
練習を終え、帰る。帰り道ではヤマトと空がデートをしていた。
「よ。」
太一が軽く手を上げ、ヤマトが笑顔を向ける。
空は気まずそうに顔を背け、ヒカリが獲物を見付けた獣のような表情を浮かべた。
大輔ヴィジョンでは、天使の微笑みを浮かべるヒカリだが、タケルにしてみれば空に同情を禁じ得ない。ヒカリの笑顔の宣言。それは

『あたしはお兄ちゃんの為なら、なぁんだってするわよ?』

だ。何やら分からないが、空がまたヒカリの逆鱗に触れたらしい。
いい加減に欲深い事を止め、ヤマトだけ見ていればいいものを。ヤマトも大概哀れである。
「ヤマトさん、今度料理教えて下さいよ。」
「ああ、事前に予定言え。時間空けとくから。」
空気を読まない大輔。流石の鈍感王だ。ヒカリの毒気たっぷりの視線を浴びても平気でいられるのは、大輔しかいない。
太一、ヤマト、大輔、ヒカリは(ある意味)ニコニコ。空は針の筵。
京が途中加わり、更なるカオスに突入しながら帰路についたのであった……。
0273名無しさん@ピンキー2013/05/13(月) 01:32:11.77ID:WDBLhHzh
啓人×留姫の続編は…
0274名無しさん@ピンキー2013/05/13(月) 21:37:27.08ID:9w4sfmwr
書いていいのか?
私物化してるみたいで嫌だから、控えてた。
0275名無しさん@ピンキー2013/05/17(金) 21:02:00.36ID:/fVruzu8
書いて良いよ
0276黒木2013/06/26(水) 23:01:00.66ID:rEx0mOMp
いや〜見ないうちに進んだのね・・・
ここで終わらせない!
0277黒木2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:Gzy/DET7
今気がついたんだけどさデジモンの性別って肉体ではなく精神によって決まってるらしいよ。
0278名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:Gzy/DET7
えっ!?そうなの!?初めて知った!!
0279名無しさん@ピンキー2013/07/12(金) NY:AN:NY.ANID:YDLr4Tfw
デジモンの性別なんて書きたい奴が好きに設定すればいいんだよ
0280名無しさん@ピンキー2013/07/16(火) NY:AN:NY.ANID:dsGbcNoy
自演にマジレスすんなし
0282名無しさん@ピンキー2013/08/07(水) NY:AN:NY.ANID:5qTCjwvc
啓人×留姫すごくいいな
職人さんまだ見てるなら是非続編ほしいわ
0283名無しさん@ピンキー2013/09/05(木) 14:43:31.16ID:df2+TI7t
ほす
0285名無しさん@ピンキー2013/09/23(月) 04:37:42.03ID:8CIaNm+y
私物化ってより、書き手が正義だからな
ヘイトかなんかでなけりゃ投下数は多い方がいいに決まってる
0286名無しさん@ピンキー2013/10/06(日) 01:54:48.33ID:FqzvwzKd
啓人x留姫のエロ早く見たい!
0287名無しさん@ピンキー2013/10/06(日) 17:04:42.23ID:ykftjOnI
啓人x留姫はよ
職人さん頼む
0288名無しさん@ピンキー2013/10/20(日) 02:07:33.63ID:rjJ9GtKH
啓人x留姫まじ頼む
0291名無しさん@ピンキー2013/11/14(木) 05:31:00.38ID:q6Q87bgN
タカルキ待っていた人、すまんな。
今日明日には投下する。
0293『I want it all』2013/11/14(木) 18:00:14.22ID:hNOTRYZl
熱い日が続いたと思えば、途端に寒くなる。厚着をしてみると、急に暑くなる。そんな不安定な10月末日。
本日は南瓜の収穫祭。ハロウィンである。
松田ベーカリーでは、啓人が季節限定パンプキンパイを焼いていた。
シナモンをたっぷり効かせた、松田ベーカリー特製パンプキンパイ。三日限定という事もあり、瞬く間に完売。日本人は本当にミーハーな生き物だ、と啓人は思う。
彼の恋人に言わせてみると、彼こそがミーハーであり、こうしたイベント事にこだわりまくるだろう、という所である。
「トリックorトリート、ってね。ふふ。喜んでくれるといいなぁ。」
超高カロリーのパイを、モデルにプレゼントする事自体どうかとも思うが…
留姫は存外甘い物が好きであり、小さな欠片を大切そうに味わって食べる。そんな姿を見ては、もっと美味しい物を食べさせたい、と思うのが啓人である。
その甲斐あってか松田ベーカリーの評判は上々。小さいながら喫茶ブースを作り、毎日盛況…とまでは行かなくとも、売上に困る事は無い程度には流行っている。
いつもニコニコしながらパンを渡す、啓人。そんな彼を目当てに来る人間もおり…最たる人間は…
「た、たかとくん……」
金髪サングラスのスーツ…どう見ても堅気だとは思えないこの男だ。
カチ、カチ、とジッポーを鳴らしながら店内の様子を伺う山木。
通報され、警察から逃げ惑う羽目になるのだが、それはまた別の話だ。

「ハロウィンねぇ…」
寄る店、寄る店ハロウィン一色だ。
こうしたイベント事に思うのは、金の無駄。
南瓜のオバケの中に蝋燭を入れているが、風で倒れたらどうするのだか。
ミーハー精神が理解出来ない。日本人なんだから、秋はお芋と紅葉狩りで良いではないか?
だが。自分の恋人は、とってもミーハーであり、イベント事大好きな日本人の鑑だ。
そこを理解していても、やはりイベント事は疲れてしまう。
「やれやれ…」
最近、啓人はコーヒーや紅茶の淹れ方にも凝りだし、女子力では惨敗に遭っている気がする。
自助努力よりはモデル稼業に精を出し、自慢の彼女でありたいと思う留姫である。
0294『I want it all』2013/11/14(木) 20:36:47.45ID:vJnfhtkI
啓人の部屋はハロウィン一色だ。
ジャックオーランタンの飾りに、可愛らしいオバケのモニュメント…
啓人の淹れたコーヒーを啜りつつ、やはり女子力では完敗していると認めざるを得ないと留姫は溜息を吐く。
恐らくは、オバケに扮装した啓人のお菓子か悪戯かの二択になるのだろう。
自分が啓人にやれば悪戯一択しかないが、果たして啓人は何をしてくるのか。イベント事に拘る啓人だけに、少し笑みが出る。

少しの時間の後、啓人が部屋に入る。手にはパンプキンパイと、生クリーム。コーヒーに入れてウィンナーコーヒーにでもするのだろうか?
「お待たせー。」
啓人の格好は、可愛らしいフードの洋服である。フードにはデフォルメされたオバケの顔があしらってあり、それが幼い彼の容姿をより引き立てた。
変装というよりは、おめかし…余りに愛らしい格好に、つい笑みが洩れる。
「留姫、ハッピーハロウィン!」
「はいはい。」
イベント事の時の啓人は、テンションが高めだ。空回る啓人を見て、フォローするのがイベント事の時の自分の役割だ。
パンプキンパイを齧りシナモンの香りを堪能しつつ、ゆっくり咀嚼する。
多分、一人で食べてもこんなに美味しくはないのだろう。目の前でニコニコ笑いながら自分を見つめる啓人が居なければ、こんな高カロリー食品など食べていない。
前まではしつこい位に味の感想を聞いて来た啓人だが、今は何も言わない。好みでなければ、最初から食べないし口もつけない。その自分の考えを知ったからだ。
因みに。啓人の作った料理、お菓子全般を留姫はしっかり食べている事を明記しておく。胃袋をガッチリと掴まれている留姫であった…。

ウィンナーコーヒーを飲み、二人でテレビを見る。テレビはハロウィンの特番、海外のハプニング映像集である。
のんびり肩を寄せ、まったりと時間を過ごす。留姫の一番好きな時間。それがこの二人で過ごすまったりとした時間だ。
啓人がフードを被っている。…どうやら、彼の考えるハロウィンが始まるらしい。
可愛らしいオバケが、留姫に迫る。
「トリックorトリート?」
何れにせよお菓子なんてない。なら、悪戯なのかな?と漠然と考えていた留姫だが…
「トリート、だよね?」
「…は?」
啓人は、にっこり笑うと…留姫の口唇を舐める。
「生クリーム。」
ふに、と留姫の口唇に人差し指を当てる。
「…………」
こうした事は、自分の専売特許だと考えていたが…。どうやら啓人はイベント事に酔ってテンションを上げたようだ。
「普段、恥ずかしがって嫌がるくせに、今日は露骨じゃない?」
軽い嫌味をぶつけてみても、嬉しくて赤い頬は隠せないだろう。

啓人は自分を考え過ぎる。

凄く愛されていて、いつも宝物を触るように大切にされているが、自分は人形ではない。
啓人の受身な恋愛の仕方が、少し不満でもある。だが。こうした時の嬉しさは一入だ。
常に受身で柔和な啓人が見せる、男の顔。それを知るのは自分だけ。
それは留姫の独占欲を堪らなく刺激する。

「嫌だったかな?」
啓人が再び留姫に顔を近づける。
「…トリックorトリート?」
耳朶を甘く噛まれ、耳下に優しく声と吐息が擽る。
「…トリート。」
留姫の藤色の瞳が、啓人を挑発するように輝く。
啓人が再び口唇に口唇を寄せる。次第に深くなるキスだが…啓人はなかなか服に手をかけない。
二人を銀糸が紡ぎ、お互いが赤い頬をしたお互いを見る。
「…トリックorトリート?」
啓人が少しサディスティックな笑みを見せる。
「…トリート!」
留姫にも啓人の狙いが読めた。
啓人は自分に「トリック(悪戯)」と言わせたいのだ。
こうした状況になっては、意地でも言いたくない。それが牧野留姫という人間である。
そんな事を百も承知である啓人は、次なる算段がある、と言わんばかりに生クリームを手に取った。
0295『I want it all』2013/11/14(木) 21:32:27.89ID:d7akDsCo
啓人は生クリームを手に取ると、留姫の耳の後ろに塗る。
何をやるか、分かり過ぎる位に分かる。
「い、嫌…っ!」
身を竦ませる留姫に、啓人はにっこり笑いかけ…
「トリート、だよね?」
と言うと、耳に舌を這わせた。
「んんっ…!」
啓人の舌が、耳を這う音…。吐息の荒さが耳を打つ。時々、耳朶を甘く噛まれ…留姫は啓人の服を握りしめた。
髪を撫でる手が優しく、首筋を撫でる手も優しい。震えながら快楽を我慢し、必死に啓人を抱き締める。
「…トリックorトリート?」
優しく、優しく啓人が耳許で囁く。荒い呼吸を必死に抑え、出た言葉は…
「トリート……」
啓人はその言葉を待っていたとばかりに、首筋に生クリームを塗ってきた。
髪を優しく撫でられ、それだけでも全身に電流が走る。
顔を下げようとして必死に俯こうとすると、啓人が肩を押し付けて顔を下げさせない。
「あ、あああ……!」
首筋を啓人の舌が這う…。堪らずに声を上げ、呻き声を洩らす。
啓人はまだ首から上しか触っていない。
「…トリックorトリート?」
啓人の手が背中を摩る…。時間をかけて確実に仕留めにかかる、ハンターのような…。または雁字搦めにした獲物に毒液を注入する前の蜘蛛のような。
そして、まるで菩薩のように優しい手つきと声…
「とりっ……」
トリック、と言いかけた留姫の口唇を、啓人が自分の口唇で塞ぐ。
「まだダメー。」
「…いじわる…しないでよ!」
涙声になった留姫が、啓人にしがみつく。
「何言ってるのさ?まだ序盤だよ?」
さらりと留姫にとって絶望的な事を言う啓人。
「怖いの…啓人、怖い…」
「大丈夫、平気平気。僕も留姫に最初にされた時、どうなっちゃうかって思って怖かったけど、慣れてみたら気持ち良いものだったし。」
留姫の目が絶望に歪む。因果応報、自業自得…この場合、どれが相応しいのか彼女は判断に迷った。
マゾが攻めに回ると、限界を知るだけにタチが悪いと言うが…まさにそれである。
全身をくまなく愛撫され、留姫は何度も達する前に止められ…
再び啓人が「トリックorトリート?」と問う時、直ぐ様にトリックと答え…

…啓人を押し倒し襲いかかり、復讐と言わんばかりに啓人を絞り上げたのであった……。

「ちょま……っ!う、うわああああん!」
「あんたが悪いんでしょーが!」
0296『I want it all』2013/11/14(木) 22:25:56.39ID:d7akDsCo
すっかりカサカサになった啓人と、満足してツヤった留姫がベッドに横になる。
「…太陽が黄色い…。赤玉出ちゃうよう…」
「あんたが妙なマネするからでしょ!」
ぎゅむ、と啓人の頬を掴み、ねじり上げる。
「いたたたた!」
散々な目に遭わされたが…まあ、自業自得の側面もある。
しかし、あれはあれで気持ちよくて良かったが…流石に何度もアレをされては困る。
「(…いや、よくよく考えたら、啓人はあれを毎回…。)」
…よく自分とのセックスが怖くならなかったものだ。
実はとんでもなくエッチが好きなのではないか、と啓人を見ると、啓人は困ったように笑い、言った。
「言っとくけど、僕がこうするのも、されるのも留姫だけだよ。他の人にこんな事なんてしようと思わないから。」
…頬に血液が駆け巡る。
「…意趣返しのつもりだったわけ?」
意地悪な設問…。我ながら面倒臭い女だ、と留姫は内心溜息を吐く。
「んー?意趣返しってよりは…留姫の全部を見たいし。」
返ってきた予想外の答えに、留姫は枕に顔を埋めた。
「もーいい、喋るな。」
「ええー…」
ニヤつく顔を見られたくないし、この不思議な浮遊感をもう少し楽しみたい。
髪を撫でる啓人の手が優しく、留姫は直ぐに寝息を立て始めた。

「本当は…Trick or Treatでなくて、I want it all(それが欲しい全て)って言えたら良いんだけどね。」

I want youでは照れ臭い。そうつぶやいた啓人の独白が宵闇に消え…
留姫はハロウィン以来、いたく機嫌良く過ごしたという…。

「I want youでは照れ臭い。」
「…え"?ま、まさか聞いてたの…?」

END

IDむっちゃ変わった(/ _ ; )
冗長にやるよりはまとめた。次はセクロスシーンを書きたい。
02992932013/11/15(金) 12:47:45.76ID:JQFSddNd
ニヤニヤしてくれてありがとう。
正直、どS啓人にしてしまおうか悩んだ。
俺の書く啓人×留姫は
啓人…基本的に夢見がちな乙女。イベント事大好きで、盛り上げ上手。少し愚図な面もあるが、松田ベーカリーの看板娘(?)として活躍中。
留姫…冷徹なリアリスト。基本的に孤高だが、啓人にメロメロ過ぎて色々おかしい。モデルとして活躍中。
という感じになる。

あと、私生活で色々あってここに来れずに昨日まで経過してしまった。
待ってた人、ありがとう。そして遅くなりすまん。
0300『妄想!デジモン超特急!』2013/11/15(金) 21:46:39.47ID:JQFSddNd
ロコモンに乗って、パラサイモンを倒しに行った所、留姫さんが大変な事になったようです。

レナモンをトルクレンチでフルボッコにした後。留姫は啓人に言った。
「…私…歌いたいの…」
瞳孔が開ききった留姫…。生理的な恐怖を感じた啓人が後ずさる。
「ねぇ…。」
そっと伸ばされる手…。啓人は恐怖に動けずにいる。
「は、はわわ…。留姫!ちょっと、どうしたのさ!」
身の危険を感じた啓人が、手を払いのけようとするが……
身体ごと覆い被さられ、彼の抵抗は紙以下であった。

「ち、ちょっ……やめて!留姫…?!こんなの留姫らしくないや!」
「歌わせて…」
「や、やめ……アッー!」

留姫の嬌声が歌のように響く。
……呆然と二人を見つめるレナモンとパラサイモン…。
「……聞いておくが、これはお前の洗脳か?」
「……」
ふるふる、と首を振るパラサイモン。
単に欲望に忠実になるようにしただけだそうだ。
「どうしてこうなるのさーッ!」
ロコモンの中に、啓人の涙声が響き渡る…。
流石にいたたまれなくなったらしい、パラサイモンが洗脳を解いた。

「……」
「……」

着衣の乱れに、啓人の涙。そして自らの下腹部の鈍痛……
何があったかを察した留姫は、のろのろと服を着ると、おもむろにロコモンから飛び降りた。
「わーッ!アイキャンフライはやめてよーッ!」
がっちりと啓人が手を掴む。
「離して!死なせて!死なせてーッ!」
半狂乱になった留姫が叫ぶ。…確かに死にたくもなるであろうが。
何とか留姫を引きずり上げた啓人が、大きく溜息をついた。
「留姫……」
びくり、と留姫の身体が揺れる。
「大丈夫。僕なんて真っ裸を早朝から映されたから!」
赤い顔をしながらサムアップする啓人。留姫は全力で冷めた表情を見せた。
「何、その慰めになってない慰め。」

その後。
「よくも留姫の歌を聞かせてくれたな!これはその……御礼だ!」///
「歌って言うな!」///
八つ当たり同然にパラサイモンを倒し、祝勝会となる。

「なぁ、留姫って歌が上手いのか?啓人が耳について離れないと言ってたぜ?」
博和の言葉に、真っ赤になった留姫が場を飛び出し…追いかけようとした啓人は、レナモンにフルボッコにされたという。

「酷いオチだね。」
「もーまんたい♪」

END

春映画万歳。
そして衆人環視のもと、真っ裸になった啓人万歳w
0302名無しさん@ピンキー2013/11/17(日) 00:24:06.81ID:FQPZl3eP
>>293
ふぅ・・・啓人の二面性の表現さすがだな
ゆっくりでいいよ。
だからセックル頼むw
0303名無しさん@ピンキー2013/11/17(日) 23:14:03.54ID:SDcf4GsV
タカルキ最高!!
セクロスシーン楽しみだ
0304名無しさん@ピンキー2013/11/24(日) 01:26:47.16ID:VAloOaBj
今日明日には啓留投下する。

次はヤンデレヒカリ様で、太ヒカを書きたい。
そろそろクリスマスだし…ねぇ?
0306名無しさん@ピンキー2013/11/24(日) 13:53:13.01ID:C4KbXDm8
>>304
タカルキセクロス楽しみだぜ
0307『LOVE SO SWEET』2013/11/25(月) 10:53:39.80ID:12LGjeHo
身を切るような木枯らしが吹き荒ぶ12月。
クリスマス商戦に、年明けの商戦。何かと要り用な事が多く、またサービス業は地獄を見る。飲食業は特に…。

「松田ベーカリーです〜」
駅前で啓人がビラを配る。冬の寒さの中、ガチガチ震えながらビラを配り、店に貢献する。アルバイト代が出るだけに必死だ。
基本給2000円、ビラの割引券使用枚数により最大二倍。
銭ゲバ(これには、留姫とのデート代の捻出という理由があるが)的にがめつい啓人は、これを了承し…千枚のビラを配っている。
因みに。ビラの割引券使用枚数。これは百枚使用以上からボーナス開始という、啓人にとって詐欺同然の条件であり、これに気付かない啓人も大概である。
「松田ベーカリーです〜」
気付かない勤労者に幸あれ。合掌。

留姫は、暖房の行き届いた部屋で撮影である。
モデル仲間の持ち物自慢や、アクセサリー同然の彼氏達の話に閉口しつつポーズを取る。
「留姫の彼氏って、どんな人?」
「勤労者。」
今頃、汗水流して働いているんじゃない?と一言だけ付け加え…少し微笑む。
「あんたらの彼氏みたいに綺麗な仕事じゃないし、お金だってそこまでは無いけど、贅沢しなきゃ十分だしね。」
しっかりと地に足をつけて、地道に足元を固めて生きる。そんな堅実な生き方は実に啓人らしい。そう思う。…そんな彼女をモデル仲間達が真っ赤な顔をして見る。
「け、結婚考えてるの?すごく所帯じみた会話だけど…」
「さぁね。先の事なんて誰も分からないわよ。」
失言を悟った留姫がふい、と外を見る。外は曇り空。鉛色の空は実に冬らしい。
「(所帯じみた、ねぇ…)」
それはそれで悪くない。と考え…
「…度し難いわね、我ながら…」
そんな事を考えてる自分に苦笑しつつ留姫は微笑んだ。

「お、終わった…」
千枚のビラを配り終え、啓人が一息つく。時間は既に夕暮れ。
もうすぐクリスマスという事もあり、目当ては既に決めている。
駅前の貴金属店で、セールであったペアリングだ。
正直、留姫や留美子にしてみると、安物であろうが…
中の宝石の照り具合が気に入り、啓人は私財を叩く決意をした。
お値段、特売価格5万円也。
啓人の貯金の半分に相当する値段だ。
こんな高価な品、贈っていいのか迷ってしまうが…
「…も、物は気持ちだよね!」
啓人は貯金を下ろし、貴金属店へと向かった。

「…やっと撮影も終わりか。」
留姫が一息つく。
駅前の貴金属店で、良さそうなペアリングを見つけた。
値段は相応(大体が高過ぎた)で、特売品を謳ってはいるが、単に適正価格に落としただけだろう。
宝石の良し悪しは、光に翳して初めて分かる。
留美子の日常使いの宝石程度には輝いており、学生には分不相応だろうが…少し背伸びしてみるのも悪くない。
「(喜んでくれるならいいけどね。)」

二人の目当ては、ホワイトゴールドのペアリング。小さいサファイアとルビーがメインストーンで、輝きの綺麗な石だ。
「(喜んでくれるといいな。)」
啓人はかじかんだ手を震わせながら。
留姫は外の寒さに閉口しながら。
それぞれに貴金属店へと向かった。

そこで二人が目にしたのは…

『SOLD OUT』

の札であった…。
0308『LOVE SO SWEET』2013/11/25(月) 13:55:07.28ID:xr/ljZyz
がっくりと首を垂れる啓人…。ふと気配を感じ、後ろを振り向くと…同じく呆然とした留姫がいた。
「なぁんだ…留姫も同じの狙ってたんだ…」
流石に夜遅いので、啓人は留姫の祖母の家に泊まる事になった。両家公認だけにそこは良いのだが…
すっかりダウナーになった留姫が、つまらなそうにコタツに伏せる。
「ほ、ほら、留姫。ね?また別のがあるかもじゃん!」
「あれが良かった。」
「確かに安かったし、残念だったけど、また別のに…」
「あんたにとっては大金でしょうが!」
啓人がお金を貯める為に、どの位頑張ってきたか。そんなのは留姫が一番知っている。
それだけに留姫は、啓人のお金遣いに対しては非常にシビアであり、大概は啓人にお金を出す。はたから見ると、啓人は留姫のヒモのようにも見えるだろうが…留姫の金銭感覚も庶民のそれと大して変わりはない。ここは祖母の教育であろう。
「むぅ〜…。僕だって貯金してるからさ、留姫にプレゼント位…」
「あたしの一ヶ月分もないでしょ。…まぁあたしのお小遣いは少ないけど…」
因みに。啓人のお小遣い。バイト賃含めで月五千円。諸経費請求不可。
留姫のお小遣い。毎月一万円。諸経費請求可能。
つまり。啓人はこうしたビラ配りなどで移動の度にお金が減り…留姫は交通費は親が口座から引き落とす。
啓人の場合、アルバイトという名の奴隷待遇に等しいが、親の教育方針としては真っ当だろう。留姫の場合、大概は親が用意したり、モデルの仕事での支給品で済ますので、リーズナブルだ。どちらが良いとも言えない教育方針である。

「ほらほら。折角おご馳走作ったんだから、顔上げなさい。」
留姫の祖母が、おうどんを運ぶ。
「全く。留美子といい、最近の子はどうしてお金を遣いたがるのかね。」
その言葉に、留姫の眉が動く。
「どういう意味よ、おばあちゃん。」
剣呑な雰囲気になろうとするが…留姫の祖母は、ビーズを取り出した。
「…なけりゃ、作ればいい。違うかい?」
ニヤリと笑う、留姫の祖母。どうやら留姫とは役者が違うようだ。
おうどんを啜り、留姫の祖母が置いていったビーズ、指環の設計図を見ながら、二人がビーズと格闘しだした。

こうしたチマチマした作業は、啓人は得意中の得意だ。
「ふふっ。何か楽しいや。」
テグスにビーズを通し、持ち前の芸術的な感性を遺憾なく発揮しながら、あっという間に組み上げた。
「これって、要するに円の集合だよね。なら、こんなのも出来るはず。」
啓人が赤と黄色のビーズで、ビーズドールを作り始める。一方の留姫は…
「……」
ぐりぐり、と不器用にテグスにビーズを通し…形というにも微妙な歪なリングを、啓人が暇潰しに始めたデジモン達のビーズドールが完成する位に出来上がった。
「これでよし、と。」
最後の仕上げを終わらせ、啓人が歪なリングを見て微笑む。
「…あんたが作りなさいよ。バラせば?」
再びダウナーになる留姫…。啓人はニコニコしながら言った。
「やだ。…これ、ずっと大事にするもん。」
「あんたが作ったほうが、上手いでしょうが!」
留姫の怒声に啓人はニコニコ微笑む。
「留姫が、僕の為に作ってくれた…他に絶対に無いプレゼントだもん。」
だから、ずっと大事にする…。啓人はニコニコしながら…ポロポロと涙を零した。
「ち、ちょ、啓人…」
「…ごめんね。…嬉しくてさ…」
……忙しさと周りに毒されて、こんな気持ちを忘れていた気がする。
何も贅沢しなくとも、例え石ころひとつだけでも、心が籠っていればそれは立派な贈り物だ。
留姫は、赤い顔をしながら左手を出す。
「…あんたがつけて。」
「右手でいいよ。…まだ、ね。」
左手薬指に、軽くキスをする啓人。イライラとコタツを指で突つく留姫に、啓人はにっこり微笑んだ。
「そう待たせるつもりもないから。」
パン屋を継ぐ為の修業はしているし、後は経営とセンスだから、大学卒業までは待たせるかも知れないけど、と啓人が微笑む。
「自信家。あたしが離れていくと思わないの?」
「先の事なんて誰も分かりはしないよ。ただね。きっとその時々でどうにかなるんだよね。」
「…楽天家。」
「ふふ。そうかも。」
そっと口唇を寄せる。…これからも啓人は沢山の発見を自分にくれるんだろうな…。何となくそう思い、留姫は身を任せた。
0310『LOVE SO SWEET』2013/11/26(火) 00:10:43.96ID:XBgwwZ0p
ゆっくりと時間をかける、啓人のスローセックス。
じっくりと味わうように啓人の舌が、留姫の口腔内を舐める。
「……」
やられっぱなしという文字は、留姫の中に無い。舌を絡め、夢中になり啓人の口腔を犯す。
「んっ…ぷぁっ…んん…」
湿った音が室内に響き…舌に触るとろろ昆布の味に啓人が苦笑する。
いつからだろう。前は潔癖を絵に書いたような留姫が、こうしたキスをする時に歯磨きやガムを噛まなくなったのは。それだけ気を許している証左なのだろう。
そう考えたら、自分は何と果報者かと啓人は思う。
「…どうしたの?」
頬を赤く染め、上目遣いで留姫が啓人を見る。
「ん?……幸せだな、って。」
そっと髪を撫でる手が優しい。
「あっそ。…もっと幸せになれるわよ。」
あんた次第でね。留姫はそう言うと啓人の首筋を舐めた。
ぴくり、と反応する啓人が可愛らしい。首筋に吸い付き、自分のマーキングをする。
「僕って割と筋肉質だからキスマークはつけにくいと思うよ?」
以前、啓人が言った言葉。だが。今は。
「んんっ……また怒られるって……」
その筋肉の鎧すら無意味に等しい。
「シャワー…浴びてないのに……」
啓人の匂いが立ち昇る。若い牡特有の匂い。その中に若竹のような香りと、少しのパンの香り。
「…良い匂いだから、気にしなくていい。」
わざと鼻をひくつかせる。啓人は真っ赤になり俯いた…。
服の上から留姫の背中を擽る。
「んう…」
ぴくり、と反応する留姫。啓人は首筋に吸い付く留姫に囁いた。
「…ね。一緒にすごくえっちになろっか?」
口説き文句というにはあまりに可愛らしい殺し文句。
「ムード、ゼロ。ぶち壊しね。」
あんた、樹莉と付き合ってたら今頃三行半よ、と留姫は笑った。

すまぬ…後は明日の夜に書く…
0311名無しさん@ピンキー2013/11/26(火) 18:08:20.77ID:QBUSYPbM
>>310
いいセクロス期待してるぜ
0312名無しさん@ピンキー2013/11/26(火) 23:06:48.31ID:wA0rxfG2
竹を割ったようなセクロスもいいが
ねっとりスローセクロスもいい
啓人は明らかに後者だよなあ
0313名無しさん@ピンキー2013/11/26(火) 23:42:50.37ID:QBUSYPbM
>>312                        両方興味ある                                  
0314『LOVE SO SWEET』2013/11/27(水) 01:59:15.24ID:5lV7lcuI
お互いの服を脱がし合い、一枚一枚と衣服が剥がれていく。
まだ未発達の留姫の胸を愛でるように、啓人がそっと撫で…口唇を寄せる。
「んっ…」
くすぐったかっただけの行為だったそれは、今では留姫の性感を高める行為になっている。
もどかしいような、くすぐったいような啓人の愛撫。留姫は熱い吐息を洩らし…時折、敏感な先端を啓人の犬歯が啄ばむ。
「…あっ…」
甘い痛みと突き抜けるような快楽に、留姫は顎を上げる。
「ふふっ。」
啓人はその口の中に自分の指を入れた。
「むっ?!むぐ…」
一瞬目を白黒させた留姫だが、やがて指をしゃぶるように舌を擦り付ける。
暫く胸と舌を愛撫され、やがて下腹部へと移る。啓人は留姫の口唇から指を抜くと…その指をひと舐めした。
顔を真っ赤にし、いやいやするように首を振る留姫に、啓人は優しく微笑み…
「留姫のだから、僕は平気…ていうか、もっとしたいかも。」
と囁くように言った。
二人の唾液に塗れた指が、留姫の秘所に伸びる。
そっと周りを探り…ゆっくりと指を動かす。既に秘所は濡れていたが、啓人は遇えて指を濡らしてから触ったのだろう。
指などで自分の秘所を傷つけたく無い…そういう優しさだろう。
こうした優しさを愚かと取るか取らないか。留姫は優しさだと捉えている。
「はぁっ…あ…啓人ぉ…」
啓人の優しさを胸一杯に感じ、意外な力強さに感嘆しながら啓人を感じる。そっと手を伸ばし、啓人の昂りに触れた。
「あっ…」
啓人の動きが止まる。その瞬間に留姫が啓人を引き倒した。攻守交代。次の攻め手は留姫である。
啓人にとってのセックスは、愛情を確かめる行為だが…留姫にとってはイニシアティブの取り合い的な側面も含んでいる。
つまり。お互いに快楽を与え合いたい。その主導権も含まれる。
「もう…負けず嫌いなんだから。」
留姫の愛液に塗れた指を啓人が舐めようとする。
「…したらどうなるか、分かってるわよね?」
「……」
黙ってフェイスタオルで拭く啓人。こうした時の留姫に逆らわないほうが良い。啓人はそれを身を以て理解している。
一般に気の強い女性は、オーラルセックス…フェラチオが嫌いだと言われているが、留姫は逆だ。
啓人の昂りを舐め、啓人の表情を観察するのが好きだ。
普段男らしさのカケラも無いこの恋人が、男であり自分の恋人であると認識する瞬間。そして。自分はこの恋人に奉仕していると感じる倒錯的な快楽。それがあるからだ。
啓人以外にオーラルセックスを求められたら、食いちぎる自信がある。そう断言する留姫である。
0315『LOVE SO SWEET』2013/11/27(水) 02:43:34.58ID:5lV7lcuI
啓人のそれは、一般男性のそれと比較すると小振りではある。比較対象を知らない留姫には知る由もない話だが。
暖かいそれを口で舐めまわすそれは、赤ん坊の指しゃぶりにも似ている。
溶けない柔らかい飴を舐めているような気分。それだ。
丹念に舐め、啓人の表情を見る。啓人は眉を寄せ快楽に耐えている。
泣き出す前のような表情…。気を良くした留姫はわざと口を窄め、音を上げて離した。
「ひんっ…!」
啓人の腰が震える。ぺたり、と啓人の昂りが留姫の頬に当たり…留姫は淫美に微笑んだ。
「…凄い…えっちな顔してる…」
啓人の言葉に留姫は再び昂りを咥えた。
「(あんたがそうさせてんのよ。)」
先端を舐め回し、口唇と舌で愛撫する。
「で、出るって…!」
ペースを上げ、啓人の弱点を重点的に責める。
「……あっ!」
口の中に啓人の味が広がる…。ビクビクと啓人の昂りが震え、その度に白濁が口内を蹂躙する…。留姫は啓人をじっくり見ながら、口内の白濁を飲み下した。
「あー!…も、もう…!恥ずかしいんだよ?留姫ってば…!」
「…変な味。」
「当たり前だよう!美味しかったり甘かったら困るよ!」
真っ赤になり俯く啓人。啓人は暫く涙目で留姫を睨み…
「仕返ししちゃうもん…」
と、留姫に宣告した。

「股を開いて。」
啓人は留姫にそう言うと留姫の秘所に口唇を寄せた。
熱く潤ったそこは、啓人が愛撫せずとも受け入れ出来るが…啓人はあえて口唇を寄せた。
まず、敏感な肉豆にキスをし…ゆっくりと舌で転がす。
「…っ!」
時折啄ばむように口を窄め…留姫の性臭を感じる。
受け手に回った留姫は、意外に攻めに弱い。そこを知る啓人はじっくりと留姫を料理にかかった。
口での愛撫もそこそこに、濡れそぼった秘所に指を入れる。
「んんんっ!」
留姫の腰が跳ね、啓人の手根部に肉豆を当てる…。
「凄く濡れてるね。」
中指を出し入れし、留姫の愛液が啓人の手を濡らす。
「…お漏らししてるみたいに濡れてる。」
「やだぁ…!」
こうした言葉で責められるのが留姫は好きだ。
大体の人間は二律相反を抱えている。留姫の場合だと、強がる自分と弱い自分の差だ。
啓人に強さも弱さもさらけ出し、全力で甘えかかる。それが留姫が受け手に回った時である。
「聞こえる?すっごいいやらしい音。」
指を一本追加し、わざと音が出るように出し入れする。白濁した愛液が啓人の指に絡みつき、留姫は腰を突き上げる。
「あっ…あっ……いっ…」
留姫が達しようとした寸前に啓人は手を止めた。
「……やだ……ねぇ……もう少しなの……」
留姫が啓人の手首を握る。啓人は留姫に見えないようにコンドームを手にして留姫に問いかけた。
「どうして欲しい?」
「やだ……」
「言ってくれないと、わからないよう。」
「いや……ああんっ!」
啓人が留姫の中にある指を曲げる。
「ね?どうして欲しい?」
「意地悪…しないで…」
「人聞きが悪いなぁ。僕は聞いてるだけだよ?」
今度は少し激しく指を出し入れする。その度に白濁した愛液が飛び散り、留姫の頭に白い闇がかかる。
「……れてよ……」
「ん?」
「……入れて……」
涙目になった留姫に優しくキスをする。深く舌を絡め、啓人はコンドームを昂りに装着していく。
「分かった。コンドームつけてないからね?」
外に出すよ、と何度も念押す啓人。留姫はうなづくと啓人の腰に足を絡めた。
0316『LOVE SO SWEET』2013/11/27(水) 03:11:29.00ID:5lV7lcuI
ゆっくりと焦らすように留姫の膣口を啓人の昂りが抉る。
先端だけが入り、留姫はもどかし気に腰を上げた。
「あああああっ!」
その瞬間を見計らい、啓人が腰を沈める。
深く入りこみ、それだけで留姫は軽く達してしまう。
しっかり根元まで入り、余韻に浸る留姫の髪を啓人が撫で、優しく、優しくキスをした。
「あ…ああ…んっ…」
じっくりと味わうように…留姫の口唇を貪るようにキスをする啓人。
「(食べられてるみたい…)」
それはそれで悪くないと留姫は思った。
ゆっくりとした動きが始まる。深く深く入るよう、啓人と無意識に動きを合わせる。
奥まで入ると無意識に留姫の中が締まり…啓人は呻きを上げた。
「いい……」
お互いの唾液に塗れた顔、そして赤い華が散る啓人の首筋。
「留姫の中…すごくいいよ…」
熱い泥濘の中に啓人が熱い吐息をつく。
コンドームをつけていても、留姫の中の具合がよく分かる。
まるで溶けたガムのように昂りに絡みつき、奥を押すと昂りを揉みしだく。啓人は腰に軽い痺れを感じた。
「…もう…出ちゃう…」
「うん…」
ペースを上げ、腰を振る啓人。留姫は嬌声を上げて啓人にしがみつく。
「あっ!あっ!あっ…!」
肉を打つ音と留姫の嬌声が暗い部屋に響く。
「もう…出るっ…!」
「イって……!一緒に……」

留姫の最深部で啓人が弾けた。

「あっ…い…くっ…!」

ぎり、と啓人の背中に爪を突き立てる留姫。留姫の上で啓人が一息吐く。
暫く余韻に浸っていた留姫だが…
「!あんた、中に…!」
慌てふためき立ち上がろうとしたが…腰に力が入らない。
「あー、大丈夫、平気平気。」
泰然自若とした啓人に
「あ、あんたね!赤ちゃんが出来たらどうするのよ!」
と留姫が叫ぶ。啓人はにっこり笑うと留姫に使用済みのゴムを向けた。
「だって、ゴムつけてたし。」

……それからの啓人の運命は、推して知るべし。合掌。
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