アタシらはもともと人間でいう異種姦好きって奴だったんだろうな。
同種のメスより人間の女の方に欲情してたらしい。まあそんな人間の女と触れる機会も無かったから、実感は薄いが。
アンタもアタシも。耐えられたのはそういう性癖だからで、ここに集められたのもそういう理由からだ。
体は家畜なのにいつまでも人間サマってのはおかしいだろ?
今この建物内では、そういう人間に劣情催しちまうような、家畜の体の連中が、元の体でオナらされて、馴染まされてるってわけ。
まあ人間の体になったからって、以前の同種に欲情するようになったりなんてしねえから、大半はしぶしぶなんだけどな。
アタシもたまの休みで、せっかくツーリングって趣味を楽しもうと思ったのに、いい迷惑だよ。
へへ、この体、ライダースーツ似合うだろ? いろいろ試したけど、もっと早くバイクと出会うんだったぜ。
ま、くだくだ言ってても始まんねえ。要は思いっきりこの体で愉しめってことさ。お互いにな。」
ジィーーーっと。ライタースーツのジッパーを引き下ろし、白い地肌を露わにしながら『彼女』は笑った。
なにか、忘れたいけないことがあったような気がしたけど、難しい話を聞かされた後で、こんなものを見せられては、思い出したりなんてできない。
「んっ……ま、具合のいいカラダと――あん…っ、人生をくれて、ありがとよ……んくっ!」
私と同様に。
目の前の女性はイッたのだろうか。
そう、二度目のほとばしりを覚えながら、私は『私』でなくなっていった。
―――二か月後。夏半ば。
豚の鳴き声でやかましい畜舎に、ライダースーツをまとった女性が一人。
二十代前半から半ばあたり。しなやかに歩きながら、ある豚の前で立ち止まった。
豚の耳にはタグがついていたが、写真付きのそれは、泥に汚れてしまっている。
「よっ。近くまで来たから寄ってみたんだけどよ――ったく最近アチーよなあ。」
女性に気付いた豚は、がむしゃらに柵から出ようとするが、当然ながら脱走は叶わない。
女性がジッパーを降ろす。さらに豚は激しく鳴き、つられて周囲の豚たちもブーブーキーキー喚き始める。
「暑すぎるからよ、プールでも寄ってこうと思ってな。へへへ」
そう言ってニヤつく女性のスーツの内側から現れたのは、グリーンの競泳水着。
サイズが小さいのか、女性のすらりとしながらも豊満な体を覆うストライブ柄は伸びきって、股のVラインや脇から胸のラインに食い込んで、乳肉は少し盛り上がっていた。
「ミサキの競泳水着、勝手に着てきちゃった♪」
雄豚はいっそう激しく鳴き喚く。
女性は胸の谷間にあたる生地を摘まんでひっぱりながら悪戯っぽく笑う。
「ま。そっちも完全に馴染んでるから、特に必要もないみたいだけど、おすそ分けってことで。」
そう言って尻の食い込みを直す女からは、人間のメスのニオイが既にして漂い、畜舎の雄豚たちは、股間を激しくイキリ立たせていた。
END。
こういうのが見たいので誰か書いて……