甲田学人作品でエロパロ3
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ここは自称メルヘン作家、甲田学人の作品のエロパロスレです
「Missing」
「断章のグリム」
「夜魔」
等の色々とスプーン一杯入った小説や妄想を書き込みましょう
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本スレ
甲田学人考・第三十七巻【Missing/断章のグリム】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1322743599/
関連
ライトノベルキャラで抜こう! 7th
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1232155349/
2chエロパロ板SS保管庫 「ライトノベルの部屋」「dat落ちスレッドの部屋その4」
http://red.ribbon.to/~eroparo/
過去スレ
甲田学人の作品でエロパロ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187250510/
甲田学人作品でエロパロ2【Missing/断章のグリム】(dat落ち)
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1224251442/ 葬儀屋コンビに使ったらどうなるんだろう
あれをリア充と見なせるのか
もし爆発したら、葬儀屋は不本意そうに、可奈子さんは幸せそうに爆発していくんだろうな 2人でギシアンしてたら可南子さんが発狂し始めて
お預け状態で泣く泣く解体を始める葬儀屋さんとか想像すると泣けてくる
可南子さんはまだしも葬儀屋さんをリア充と呼んではいけない 〈リア充爆発しーー〉
〈変われええぇえぇぇ!〉
>>91のゆきのん待機中 あと、グリムでカップルといったら、
カガリーとしづるさんか、『幸せな王子』のお二人くらいしか思いつかないんだけど
他に誰かいたっけね
グリムは家族や親子関係の話は多いけど、恋人は案外出てこないね つ臣とことり
あと、アリとキリギリスの比奈美&先輩もカップル リア充爆発の断章が空目とあやめに向かったらどうなるんだろう キモ男「効かない…だと!」
空目「お前の断章はどこからがリア充でどこからがリア充ではないのか、実は一定の区別を付けていた。特定の人間のみを爆発させる特性上、必ずお前の断章自身が相手をリア充であると認識していなければならなかった。だから不発に終わったんだ」
みたいな構図が浮かんだ。
〈変われ〉はできなくても、蒼衣より理解スピード早そう。
夢のタッグで無敵化だな けど確か空目って答がいきなり分かる→自分で納得する為に間を埋めるってタイプじゃなかったっけ
蒼衣は理解共感拒絶ってのが大事だからついていけるのか 蒼衣も割と大概な部分があるし大丈夫じゃない?
真相に気付いた時は一部の配役から逆算して筋道を組み立てることもあるし へんなあらすじを思いついてしまった。
神狩屋のいなくなった矢先、新たな怪現象が発生してしまう。
その現場で偶然出会ったのは空目恭一。
彼の神狩屋にも匹敵する知識量の蒼衣は驚愕する。
「怪異と泡禍、俺達の力で必ず処理しよう」
<魔王><女王>と<アリス>の力が交わるとき、ここに新たな奇跡が誕生する!
そーいや、喪失と断章でクロスオーバーとか妄想したなぁ…
町に来た空目が「…焦げ臭いな?」とか雪のんを嗅ぎ付ける的な >>106、>>107
ちょっと純粋に読んでみたいw
ところで不純なMissing小説は需要ありますか >ところで不純なMissing小説は需要ありますか
超ある まさかの反響w
了解、長くなりそうだからちょっとまとめてくる
事前予告しとくが邪道カプだからな!怒るなよ! >>113
異界からパンツが還ってこない……風邪ひきそうなのでなるべく早めにお願いしまつ >>114
きっと陛下のいた高校の裏山の神さんが弄んでるよ >>114が風邪ひくと困るからとりあえず投下
でもごめん、まだ本番まで行ってない…逆効果かも、すまん
今至急書きなおしてるからもう少しだけ待ってくれ
途中まで、微妙にグロ(?)注意
まさかの空目×亜紀です
NGは「夢魔の金曜日」で
その匂いが最初に空目の"嗅覚"に触れたのは、ある冬の朝に文芸部室の扉が開いた時だった。
「あ、魔王様おはよー」
「………ああ」
いつも通りやってきた彼が怪訝そうな顔をしたのを見て、入れ違いに部室を出ようとしていた稜子は首をかしげた。
「?どしたの、わたしの顔に何かついてる?」
「いや………日下部、何か香水でもつけているのか?」
「ええ?」
慌てて稜子はふんふんと自分の髪や服の匂いを嗅ぐ。
「別に何も……………何の匂いがするの?」
「………いや」
もう一度鼻を利かせたときには、その香りは霧消していた。
「あ、そういえば昨日シャンプー変えたんだ。それかな」
「そうか、ならいい」
その場はそれで終わった。
だが――――
「これでもう四件目か」
それから約一週間後の金曜の朝、文芸部は珍しく時事ネタで盛り上がっていた。
武巳の広げた新聞の一面に踊るのはおどろおどろしい見出し。
「被害者は全員鋭利な刃物で腹部を刺されており、警察は同一人物の犯行として捜査中…………」
「ああ、それか………」
横から俊也が紙面をのぞきこむ。
「最近羽間市周辺で女子高生が連続不審死してるって事件だよな」
「不審死っつーか殺人だろ、どう見ても」
「いや、それがな」
そこで彼は少しだけ声のトーンを落とした。
「クラスに親が警察関係の奴がいてな…………どうもこの事件、おかしいらしい」
「へ?何が」
「その切り傷ってのが、刺した感じじゃないらしい。こう横に――――」
そう言って俊也はちょうど武士が切腹するようなしぐさをした。
「ええ………ハラキリ?」
「かなり悲惨な状況だったそうだ」
「うわ……………グロっ」
"怪異"だったりして、と武巳が呟いて、なあ陛下、と空目に声をかけた。
「………だとしても現場に行ったわけでもなし、俺の鼻は何の役にも立たん」
それよりは夜道に気をつけた方が賢明だな、とあしらわれ、彼は早々に話の方向を変える。
「稜子ー、夜とか気をつけろよ」
「あのねえ、わたし寮だよ?そんな不審者が出るような道歩かないよ」
「んじゃあやめちゃん…………は大丈夫か、さすがに」
「一番危ないのは亜紀ちゃんだって、ねえ!………亜紀ちゃん?」
「え?」
そう言われ、亜紀がはじめて顔を上げた。彼女らしくもなくどことなくぼうっとしている。
「どしたの?具合悪い?」
「…………いや、ちょっと寝不足なだけ」
「本当?あ、わかった」
稜子が大げさに手をたたく。
「恋煩いでしょ!それでぼーっとしてんだー」
「………何をどう考えたらそうなんの」
「違うの?だってほら、なんか最近亜紀ちゃん服の趣味とか変わったし」
「え?」
亜紀の着ているふんわりとした白いワンピースを引っ張りながら彼女は言った。
「これアースの新作でしょ?前は亜紀ちゃんってジーナとか大人っぽいブランド好きだったじゃん」
白ワンピは乙女の勝負服だもん!と稜子は笑ったが、亜紀は何かまずいことがばれたかの様な顔を一瞬し、視線をさまよわせた。
「………………ばかだね、私だってたまにはこういうの着たくなるの。そもそも男に合わせて服装変えるなんて私はやだね」
「えー?」
「ほら、もう一限目始まるって。行くよ」
つかつかと足音を立てて出ていく彼女を慌てて稜子が追いかけはじめたのを皮切りに、文芸部面々は席を立ち始めた。
――――その時。
「……………………?」
空目の鼻をあの匂いが擽った。
甘く、それでいて動物的な、どろりとした匂い。
「……………」
その匂いは、確実にあの朝より強くなっていた。 「……………………っ」
夕方、無人の女子トイレに、うずくまる人影―――木戸野亜紀の姿があった。
「………何………なの、これ」
猛烈な嘔吐感がせり上がってくる。思わず口元を押さえた。
これは――――これでは、まるで――――
――――ぐぷり。
「!」
ぎくり、と上体を起こす。
何かが身体の中で動いた―――腹の中で。
「……………………嘘、でしょ」
全知識を総動員しても、この状況に合う原因はひとつ。
「そんなわけ……………」
その症状は、 「ねえ」
不意に背後から呼び止められ、空目は振り向いた。
「……………………十叶先輩」
「こんにちは、影の人」
声の主―――魔女・十叶詠子はいつもの透明な笑みを浮かべてそこにいた。
「何の用でしょう」
「うーんとね、割と緊急かな」
ちっとも緊急でない顔で彼女は彼に近づき、手に持っていたものを見せた。
「………これは」
それは、今朝武巳たちが読んでいたのと同じ新聞記事だった。
「ちょっと厄介なことが起きてるの」
「……………これが"怪異"だと?」
「そう」
彼女が世間話に新聞を持ちだすはずがない。空目はすぐに状況を把握した。
「………あんたが言うなら本物か」
「勿論。でね、これはちょっと危ないの」
愛らしくさえあるほほえみで詠子は続ける。
「普段だったら謎解きはあなたの役目なんだけど…この物語は、毒にしかならないから。早く止めなきゃなって」
「簡潔に説明して頂けますか」
すると、彼女は提げていた小さなポシェットから赤い小瓶を取り出し、彼の手をとってのその中身を少量つけた。
「この匂い、知ってるでしょう?」
それは――――間違いなくあの"匂い"だった。
甘く、動物的で、そして――――官能を呼び覚ますような、危険な香り。
「……………これはね、ムスクの香り。日本語だと麝香っていって、古来には媚薬とされていた」
「この香りがその事件と何の関係がある」
「話は最後まで聞いて?…………一説には、ある悪魔が現れた後に残る香りとされている」
そこで、はっと気がついた。
ムスクの香り。
腹を裂かれた死体たち。
被害者は少女だけ。
そして、脳裏に蘇った、その悪魔の名―――――
「ねぇ、あなたの周りにいるでしょう」
おなかのおおきな、女の子が。
今朝、亜紀があのワンピースの下に隠していたのは―――――
「……………………」
さすがの空目も、戦慄した。
「頭のいい影の人なら、ここまで言えばわかるよね?」
「あんたは…………」
「今なら命は救えるよ?ココロはわからないけど」
でも、死んじゃうよりはいいよねぇ、と彼女は笑う。
「いち女の子として助言すると、今回のことはあなただけで解決してあげるのがいいんじゃないかなあ………
彼女のことはわたしも気に入っているし、助けてあげたいのは山々だけど」
聞きながら彼の頭脳はありとあらゆる方法をはじき出す。しかし、どれも端から不可能の上書きがされていく。
「救えるのはあなただけだよ」
現時点で実行可能な方法はひとつ。
「だって、あなたは男の子だから」
そう言って、魔女は聖母のように目を細めた。 「あれ、亜紀ちゃんは?」
「あ、あの………」
放課後、部室に戻った稜子に訊かれ、あやめは慌てた。
「えっと、風邪っぽいって早退されました」
「風邪?そういえば朝ヘンだったよね………インフルじゃないといいけど」
「今はやってるもんな…………そういえば陛下もいないし」
「えっと、今日は何か用事があられるみたいで」
内心冷や汗ものだ。嘘は得意ではない。
だが、こうしなければ。
「へー、じゃああやめちゃんフリー?」
「あっ、はい」
「あ、じゃあいっしょに買い物行こうよ!わたしもアースの新作見たくなっちゃった」
「え、そんなことしていいのかよ」
「い、行きたいです!」
珍しく声をあげたあやめに武巳が驚いた顔をした。が、すぐに生来の能天気さで笑って俊也を呼ぶ。
「よっしゃ、じゃあ村神もいこーぜ!」
「はあ、なんで俺が?」
「いいじゃん、みんな一緒のほうが楽しいよ!」
その様子を横目で見て、あやめは小さく息をついた。
今回のことにはむろんあやめも気づいていた。
だが、いったい何が元凶なのか、どういうことが起きようとしているのかは全く分からなかった。
そもそも、あの"匂い"も、今日になって急に濃度をましたのだ。彼女に何かができるわけはなかった。
『あやめ、今日は学校にいるか、誰かの家に行っていろ』
ただ、空目のその言葉から、何かが危ないことはひしひしと感じていた。
――――――――だから、どうか。
あやめはぎゅっと目を閉じ、祈った。
「っ、く、はぁ…………」
校門を出たところで、亜紀の視界は揺らぎ始めた。
急激な貧血のように頭がくらくらする。どう考えてもおかしい。
「病院………」
ことの始まりは先週だった。順調だった月経周期が突然乱れた。
そこから少しずつ症状が進行し、今ではこの状態だ。
―――――ぐぷり、
また腹の中で何かがうごめく。
たった半日の間に腹部は大きく腫れあがっていた。
「なんで………」
何も心当たりはなかった。強いて言えば――――奇妙な夢を見た、そのくらいだ。
(想像妊娠?まさか…………)
そう、いくらあの夢がリアルだったからといって――――
とりあえず、今はどうにか病院まで行かなくては。
タクシーでも何とか呼べないか、と周りを見回したとき、不意に腕を掴まれた。
「!」
振り返ると、黒い色が目に飛び込んできた。
「……………恭の、字?」
「木戸野、」
亜紀は心中歯噛みした。今一番会いたくない人物だった。
「木戸野、話がある」
「ごめん、私いま具合、悪いんだ………後に、してくれない?」
必死に気力を振り絞り、それだけを言う。
だが、腕をつかむ力は緩まなかった。
「分かっている。だから一緒に来い」
「え?」
「このままでは、お前の命が危ない」
ぞっとするほど真剣な瞳が、彼女を捕らえた。 中断ごめん、再開!
キャラ崩壊がだいぶ進行してるが勘弁
身体が熱い。
「っ………」
乾いた唇で浅く呼吸を繰り返す。先程までの"症状"はおさまりつつあったが、今度はまるで火に焼かれるような熱さが亜紀を襲った。
いっそ気を失ってしまいたい―――――だがそれは許されない。
「いいか、よく聞け」
半ば抱えられる様にして空目の家の玄関をくぐり、寝室までたどり着いたところで身体を支えきれなくなった。
へたり込む亜紀の肩を支えながら彼は"犯人"を告発する。
「お前を襲っているのは、いわゆる夢魔というやつだ」
「……………む、ま?」
薄く眼を開け、苦しい息の下訊き返すと、頷きが返される。
「ああ。英名はインキュバス。キリスト教における下級悪魔の一種とされている……特質は、睡眠中の女性を襲い精液を注ぎ込み、悪魔の子を妊娠させること」
これが今回の"怪異"が取っている形だ、と彼は言った。
「もっと早く気付くべきだった。匂いはあった………だが薄すぎた」
そう、最初は本当にかすかだった。それもこの悪魔の正体を知れば納得がいく。
―――――――敵は彼女の胎内にいたのだから。
「今朝近藤たちが読んでいた新聞の事件、あれがこの"怪異"の仕業だとすれば、お前の中の”夢魔”も遅くないうちに――――出てくる」
――――死んだ少女たちの腹は大きく引き裂かれていた。
あれは、夢魔が胎内から肉を食い破って……………
「…………私も、」
背筋に氷の欠片を滑り落とされたような気がした。
「お前の症状から見てもうあまり時間はない。………考えたが、方法は一つしかない」
珍しく歯切れの悪い言い方だった。亜紀は思わず顔を上げた。
「私は………どうしたらいいの」
「………夢魔に顕現される条件を崩せば"物語"は成り立たなくなる。条件は三つ」
物語に感染していること、女性であること――――
『いわゆる邪説だけどね、キリストの父親は"夢魔"って言われてるんだよ』
去り際に詠子が言った台詞。
『つまり、夢魔は汚れなき乙女がお好みなの』
変えられる条件はひとつ。
………処女であること、だけ。
「…………俺は手詰まりだ。決断はお前に任せる」
「………………」
亜紀はただ瞬きもせずに彼を見上げた。
「生物学的には俺はお前を『助ける』ことは出来る。だが人間としての尊厳は別だ」
その口調は落ち着いていた。だが、それは内心の葛藤を否定するものではなかった。
一人の少女の心の前では、彼もまた一人の少年でしかないのだから。
「お前の理性が、精神と生命の兼ね合いにおいて最も合理的だと考える判断が、正解だ」
返す言葉は出てこない。
このまま腹を食い破られて死ぬのか、それとも…………
「……………恭の字」
しばらくの後、亜紀は肩を支える手に額を押しつけて、呟いた。
「抱いて」 「それが、私の理性の答えだから」
死への恐怖があった。理不尽さへの怒りがあった。
生きるための判断だ。
でも、一つだけ嘘をついた。
「………済まん」
力を抜くと、自然に彼の腕に落ちる格好になる。
抱きしめられているのだ、と感じたとき、不思議と恐怖は消えた。
「これから何が起こっても、それはお前の責任ではない、いいな」
恋人の抱擁ではないと分かっていても、初めて知った想い人の体温が亜紀を慰めた。
理性の導きではない。
――――夢魔よりも淫蕩に彼女を唆したのは、恋だった。
目を閉じて、自分からも腕を回す。
こんな状況じゃなくて、本当にこの男に愛されて抱かれるのならどんなによかったろう―――――
そう考えるとじわりと涙が滲みそうになって、一層強く瞼を閉じた。
(馬鹿だね…………私は)
こんな"怪異"でもない限り、そんなことはあり得ないと分かっていた。
愛などどこにもないと知っていて、手段だと理解していてこの道を選んだ自分を亜紀は自嘲した。
――――それでも。
寝台へ運ばれる。電気が消される。
黒に近いダークグレイのカーテンが閉められ、部屋は闇に沈む。
暗がりに慣れない目には互いの姿は輪郭程度にしか見えない。それでよかった。
再び閉じた瞼の裏に、白い天井だけがやけに高く焼きつく。
「………手術台の上にでもいる気分、だね」
せめてもの強がりに軽口をたたいた。
「医療行為、みたいなもんだと思ってるから、私は大丈夫」
「…………木戸野」
うっすらと汗の浮かんだ額を空目の手のひらが拭う。
村神あたりが少し捻れば折れてしまいそうな身体のくせに、男子に相応しい広い掌。
「安心させる材料になるかは分からんが、基本程度の知識はある」
日下部に山と少女漫画を押しつけられたこともあるしな、と呟いた。
冗談返しのつもりだったのかもしれない。
「甘ったるい話ばっか…だったでしょ、稜子のことだから」
「ああ」
せめて、ハーレクインロマンスのように抱いて。
馬鹿馬鹿しいくらいに優しく、恋人同士のような錯覚をするくらいに。
「木戸野」
再び名を呼ばれる。目が合う。
決意を示すように見つめ返すと、頭を抱かれ、くちびるにくちびるが重ねられた。
―――――正真正銘のファースト・キス。
もはや退けないのだと、その感触が教えた。 「脱げるか」
「へい、き」
震える指でカーディガンのボタンをはずす。
続いて前開きのワンピースに手をかけたが、思うように指が動かない。見かねた空目が手を貸した。
手早く肩から布を落とすと、下着のホックを外す。
ぷちん、という音に亜紀は小さく身を震わせた。
「………後はなんとか、するから」
視線を逸らして自らも襟元を緩め始めた彼の配慮を受け取り、力の入らない手で布団を引き上げる。
その陰で思い切って残りの衣類を脱ぎ、上着でくるんでベッドサイドに落とした。
そのまま次の行動の取り方も分からず布にくるまって固まっていると、後ろから腕を回された。
「っ………く、」
肌と肌が触れ合うだけでぞくぞくと何かが這い上がってくる。
思わず力が抜けた瞬間、位置を入れ替えられ、覆い被さるように再び口づけられた。
「んぅっ」
確実に先程のものとは違う。歯列を割って温かな舌が咥内をかき回す。
………………ちゅ、くちゅ、
味わうような、撫でるような、 いつくしむようでいて淫靡なキス。
息継ぎのタイミングを計りかねて金魚のように口をぱくぱくとあけると、自分のものとは思えない淫らな声が漏れた。
髪を束ねていたシュシュが外される。頭の下に手が入り、栗色がかった猫っ毛を梳いた。
「あっ…はっ…んっ」
おかしい。キスだけでこんなに感じてしまうなんて。
これが夢魔の力なのか―――――それとも、彼女の持つ生来の資質か。
首筋から背骨に伝わる快感に身を反らすと、白い喉を舐めあげられた。
意に反して嬌声を上げようとする口元を必死に両手でふさぐ。
幼子にするように優しい手櫛の動きに反して、まるでその柔肌を捕食するかのように唇は下がっていく。
「ん、…………んんぅ、ふぅ、」
二の腕の内側を、鎖骨の下を、かと思えば耳たぶをきゅうと吸い上げられ、息が上がる。
「手を離せ」
ふるふると首を振ると、耳元で宥めるように囁かれた。
「誰にも聞こえやしない。後がきつくなるぞ」
そう言われたが、どうしても嫌だった。これ以上無様な姿を晒すのは瀕死のプライドがかたくなに拒んだ。
「………木戸野」
目元にかかる乱れた前髪を掻きあげられ、額を合わせられた。間近に覗く眼はかすかに濡れて潤んだ光を湛えている。
聞き分けのない子供にするように頬をすり寄せ、そのまま首筋をたどって肩に歯を立てられた。
「っ……………………!」
その一挙一動にびくびくと身体を震わせながらも、頑固に手を離さない亜紀を見て、次の手が打たれる。 「んっ……………!?」
手のひらが頭の後ろからするりと抜け出て、やわらかい胸のふくらみに添えられる。
確かめるように強弱をつけ、外縁を押し揉みながら、時折すこし伸びた爪の先が色づいた突起をかすめた。
それでも亜紀は耐えた。恥じらいと背徳観が快楽の解放を妨げていた。
しかし、それにもやがて限界が来る。
「……ん、」
「ひっ、ぅ、うぁ、あ………っ!?」
どろどろに濡れた舌先が頂点を捕らえる。ざらついた感覚に、眼の奥がぱちんっと爆ぜた。
柔らかくて熱いものが、ぴちゃ、と音を立てながらそこに吸い付いてこね回している。
息ができない、耳の奥が痛い、神経の密集した個所が、過剰な感覚の洪水に悲鳴を上げる。
ぞくぞくする、思わず手が離れる。閉じていられない口元から唾液が垂れた。
呼吸がどんどん浅くなり、激しくなって、頭がわんわんする。それなのに声が止まらない。
「……うあっ……あはぁ……はあっ!」
喉が引きつった音を立てる。不意に唇を塞がれた。
「んっ、んっ」
苦しさに涙がボロボロとこぼれる。背中をさすられ、くちびるを離しては重ねてを繰り返される。
「大きく息をしろ、過呼吸になる」
跳ねそうになる身体をぎゅっと抱かれて、宥められた。
落ち着き始めたところで、また愛撫され、限界に達すると緩められる。
そのうちに少しずつ身体が波を捕らえられるようになってきた。
それと同時に――――胎の中の魔物もうごめき始める。
「………あ…ぅあ、きょ…の、じ、」
「ああ」
空目と密着した皮膚の中、膨れ上がった子宮の中で、なにか熱いものがどろどろととぐろを巻いている。
コツコツと内部から外を目指すそのなにかとは裏腹に、二脚の間は既に大量の蜜をこぼして侵入者を待ち望んでいた。
ごめん、なんかさっきからPCの調子がやたらおかしい
最悪なところで申し訳ないがいったん中断させてくれ
回復し次第戻ります ワクワクテカテカ +
+ 。
ワクテカ ∧_∧ +
+ (u☆∀☆)
⊂ ̄(0゚∪ ∪。⊃+
⊂ ゚̄と_u_)_) ̄⊃ +
⊂_。+ ゚+_⊃ +
⊂__⊃ + ワクテカ
汗が凍ったがそのまま待機 キャラ崩壊してないしエロいから最高だ
続きマダー 「…………………分かっている」
一度両脇に腕を通され上体を起こされた。くちびるが耳元に当たる、それだけでまた熱いものがシーツに落ちる。
亜紀の腹部を彼の手のひらが滑り、膨らみを確かめる。表情が曇った。
「悪いが、時間がない。ここから一気にカタをつけるぞ」
そういう声も掠れている。ただの前戯だけの体力消耗ではないことは明らかだった。
魔物はますます強い麝香の香を放ち、宿主を汚そうとする男を拒んでいた。
ふいに、彼の肩に熱い雫が落ちた。
「………っく」
細い背中を震わせて、亜紀は泣いていた。
先程までの生理的な涙ではない、心を削るような涙だった。
「………」
言葉が見つからず、その背を撫でる。
「ごめん………ごめん、私」
「お前が謝ることじゃない」
「さいあく、だ………ね。ばかみたいだ、最後の最後になって」
しがみつく腕はあまりに細い。
「……………………怖いか」
今更に、その脆さを思い知る。
「…………私は…自分が怖い」
滲んだ声は今迄に聞いたことがないくらい弱々しかった。
「じぶんが、壊れていくみたいで………苦しくて怖いのに気持ちよくて、あさましくて」
「最初に言ったろう、お前のせいじゃない」
「ちがう」
また息が上がり始めた。魘されるように彼女はつづけた。
「あの夜、こいつが入ってきた夜、私………あんたの夢を見てた」
こんなことを言いたいんじゃない、言ってはいけないと理性が叫んでいる。
しかし、もうそれは、他人の声にしか聞こえない。
「これは私が招いたんだ、私の醜い感情がこうなることを望んでた、
だってこうされてよろんでる自分がいる、私は、わたしは………」
あんたが好きだったから。
「おかしいよ、おかしいよねこんなの…無駄なのに、届かないのに、」
「木戸野……………」
堰を切ったように亜紀はないた。
「ごめん、私あんたが好きだ。どうしてかわかんない、どうしようもないの、ごめん、ごめんね」
泣きながらわらった。自傷的な笑い方だった。
カッターの刃をうずめるように、何度も何度も。
「ねえお願いだから好きって言って、たぶん私壊れちゃうから、おねがい、嘘でいいから」
「もういい、喋るな………」
激しく震えはじめる身体を、その中で爆ぜようとする何かを抑え込むように抱きしめた。
一言発するたびに彼女のいのちが一秒ずつ消えていくような気がした。
「いっそあのまま死んじゃえばよかったかな、ねえ…………」
「喋るな」
抱き起こして乱れた髪を掻きわける。
「お前は悪くない。なにも間違っていない」
胸の中を探す。恋とは何かなど分からなかった。
定義をいくつ知っても、どんな知識も役に立たない。
「俺にはお前の気持ちを理解できる自信はない。
お前の見ている赤と俺の見ている赤が同じとは証明できない、だが、」
魔女に真実を知らされた時、ただ闇雲に、彼女を助けたいとだけ思った。
「お前が死ぬのは嫌だ」
失いたくないという気持ちをもまた恋と呼ぶのなら、
「…………お前が好きだ」 亜紀の震えが、一瞬止まった。
そのままくちびるを捕らえて、片手を腿から秘所に這わせ丹念にほぐし慣らした。
指先で弄り、指の腹でぷくりとした芽を捏ねる。
「んっ、ん、んぁ、ああ、あっ……」
そのどれもが快感を刺激した。攻められるたびに体をそらし、びくんびくんと痙攣して反応した。
下だけではない。首筋、鎖骨、胸。わき腹、背中、腰のライン。
「いやだ、ぁ、こわい、きもち……いい、なんて、」
「こういうことするときみんなそうなる。 気持ちいいのは怖いことじゃない」
さすられ、撫で上げられてはしゃぶられる。
「受け入れろ」
手と手が絡む。倒れこんでさらに追い詰める。
「もうすぐ終わる、ここだけ越えれば楽になる」
「…………っ、ぁ、」
うまくうなずくことさえできない。
「力を抜いて…そう、それでいい」
ただ、行動で示す。わかっていると、覚悟はできていると言いたくて。
「突っ張っていると痛みが強くなるから、可能な限りその状態を維持しろ。
長くはかからない。噛もうが引っ掻こうが構わないから」
押し当てられたものは熱く、固く、そしてぬるりと湿っていた。
本能的恐怖。抑え込んで息を詰めてそれに耐える。
一瞬ののち、圧倒的な質量が貫いた。
「やあぁぁぁんっぁぁぁあぁっ!」
ひと息に奥まで押し込まれる。
のけぞる体を押さえつけられ、唇を塞がれ呼吸まで奪われる。
熱くて痛くて熱くて熱くて、
痛くて切なくて苦しくて、
熱、痛み、血、快感、疼き、快感、涙、
それを上書きする、快感。
たまらず彼の背に爪を立てる。
痛みにか快感にか、抑え込んだ息を吐き出して腰を動かす。
粘膜がこすれる感覚にあげる声は悲鳴に近い。 「や、いやぁぁ、ひぁ、やめてっ! ……やめてぇ、動かさないでっ」
「き、どの」
ずちずち水音、、新たな痛みと快感が湧く。
彼女が喘げば喘ぐほど、空目は抱き潰さんばかりに強く抱え込む。
密着した肉と肉がひくひくと体内で痙攣する。脈打つ。
かき回されるいやらしい水音や口の端から溢れる唾液、
処理限界、処理限界、何がどうなっているのか分からなくなる。
「いや、いやぁ、やぁぁあ、もう……こわ、れ……」
「壊れない」
額が合わせられる。
むしろ同じ敵と戦う同志のように二人は見つめあった。
人工呼吸のような口づけ。
遠のく意識の中応じる。ちゅ、くちゅ、音だけは鮮明で。
ぐいぐい奥を突かれて、息ができない。突き上げられるたび漏れてしまう声に、呼吸を持っていかれてしまっているためだ。
「見ないで、見ないで、あっ……いやあっ」
「もう少しだ、ほら、こんなに熱くして、」
「ひあぁ、あぁっ……………!」
痛みと熱と快感に気が狂いそうだった。腹の中のばけものとともに。
打ち付ける力が強くなる。快感の波が大きくなる。
くんっとひときわ強く突き上げられた。
「ぁぁあ―――――っ!」
しがみつく。声にならない悲鳴を上げる。
それは亜紀のものか、滅ぼされようとする夢魔の断末魔か。
「きょうの、じっ……!」
骨が軋むほど握り合った手から、体から力が抜け――
代わりに甘い感覚が、浮遊感が走りぬけ――
悪魔の血のように潮が吐き出され、結合部を伝って流れ落ちた。
「きどの、」
空目がぎゅうぅっと抱きしめ返してきた。
動きが止まる。大きく震え、そして堰き止めていた欲望を解放した。
どくどくと注ぎ込まれるそれが、淫らな悪魔の這いずった後を消していくのを感じながら、
勝利のままに意識が飛んだ。
掻き消えていく麝香の香を、白く塗りつぶされる世界で嗅いだ気がした。
――――――目覚めると、悪夢の金曜は終わっていた。
瞼の上に、心地いい冷たさを感じて意識が浮上する。
「…………起きたか」
「恭の、字」
「よくやった、お前の勝ちだ」
固く絞ったタオルで額とほほを拭われる。
「……………終わったの」
無言で手をとられ腹に導かれる。布団の上からでももうふくらみがないのは分かった。
「飲めるか」
水と薬を渡される。含むとひどく甘く感じた。
「…………ありがとう」
しばらくの後、ぽつりとつぶやいた。
「ああ」
それだけで全てが了解された。
体中が痛かった。泣きたいくらいに切なかった。それでいてひどく穏やかな気分だった。
しばらくの後、空目が口を開いた。
「一ついいか」
「………………なに?」
「昨夜のことは全てなかったことだ」
亜紀は俯いた。それでいいはずだった。
なのに、かなしかった。
「……うん、そうだね」
努めて明るく言う。
「妙な夢を見た」
「そ、だね」
「ただ………」
そこで少し黙った。亜紀がためらいがちに見上げてきた。
「…………寝言は、真実を語っていたかも知れんが」
え、と声を上げそうな表情。それは、あの告白が――――――
一瞬目が合い、逸らすと同時に体温を感じた。
抱きしめられているのだと、今度は即座に理解した。
首筋に息を感じる。
「あの甘ったるい匂いで気付かなかったが」
どうしよう、どうしよう、鼓動だけが、うるさい。
ここまでが夢?―――――――いや、世界は、確かにそこにある。
「本当のお前はこんなにいい匂いがするんだな」
反則だ――――――
ぼやける視界のなか彼の存在だけが変わらない。
亜紀も静かに、腕をまわした。
おしまい!
なんかいろいろ不慣れで申し訳なかった
いい勉強になりました、少しでも楽しんでもらえたらいいな
次があればもう少し甘い話でも書きたいです
感謝!
あ、今気付いたが後半タイトル入れるの忘れた...最後まですまん GJ
なんと言っていいかわからないがとにかくGJ
雪の中全裸待機した甲斐があったぜ・・・! 前作の人です、>>146寒い思いさせてすまんw
みんなありがとう、本当に感謝です!
こんなにGJもらったの初めてかもしれんwマジで嬉しいぜ…どうしようw
一番えろと遠そうな組み合わせだったので苦労したが一気に報われた思いだ
カプ厨なんで応用範囲少ないが
空亜・村あや・武稜・神詠あたりなら書けるので
また気が向いたらご用命くださいw
では長々失礼 150ですーただいまw
新たな萌えレスを期待して帰ってきたらまさかのリクエスト…
おいら調子にのっちまうぜ
>>151氏と>>152氏、もしシチュとか希望あればください
あと別カプ愛好者のみなさん、出しゃばってほんとごめん 向こう側にひっぱられかけたあやめちゃんを村上っちが引き戻すために(ry 亜紀が原作で不憫だったから大変おいしゅうございましたGJ!!!!!!!!
空目から原作のカリスマを感じるし亜紀ちゃんからも原作の知的で不器用なオーラが出ていて、
本当によい空亜でした。ごちそうさまです。
できれば引き続き空亜を読みたいです。 153です
みなさんほんとうにありがとう…
マジこの板でこんなに喜んでもらえる日が来ると思わんかった
時間かかるかも知れんが頂いたリクエストは大事にすべて消化します、待っててね
>>154
ちょw自分の筆力じゃ前と設定だだかぶりになっちまう予感しかしないぜ…
そっから延長で思いついたネタがあるからそっちでもいいかな
>>155
丁寧に感想いただき恐れ入ります、空亜推しなんで嬉しいですー
もしよかったらシチュ指定ください(添えるかは分かんないけどw) こんばんは
村あやあがりましたー
ただ、えろまでが無駄に長くなってしまった…
どういう風に投稿したら一番迷惑かかんないかな、前半は外部ロダとか使うべき?
つかスレストしてて怖いんだが…自分のせいだったら申し訳ない >>157
普通に話すことなかっただけでは
いつも通りに貼っつけていいと思う。
ロダ使うなら一部だけとかじゃなくて、丸ごとtxtの方がいいかな、一部だけとかはあれだし。 >>158
丁寧にありがとう!チキンで申し訳ない………
試し上げしたらロダだと文字化けしちゃったんで、ここに失礼します
内容は先述通り村あや
バレンタインネタで、もし全てが上手く終わって文芸部全員無事であやめちゃんが人間になったら…なパラレルになっちまったでござる
「引き込む」は被るな→むしろ引き込み後に→じゃああやめちゃん人間に→そういや14日だな
という流れで……どうしてこうなった
154氏、リク叶えられずすまん…
女の子たちをきゃっきゃさせようと思ったら長くなっちゃったんで必要なら前半4〜5レス飛ばしてください
NGはタイトル「インザボックスガール」で
文法が変?こまけぇこたぁ(ry 2月が来た。
あまりに大きな犠牲を払い得た、あまりに平和な2月だった。
すっかり何事もなかったかのように日常は戻っていた。
だが、それがどれだけ幸せな事かを知った少年少女たちは、日々をいとおしむように生きている。
そんな喪失の痛みと引き換えの穏やかな日々を、文芸部5人――――いや、6人も送っていた。
「………それでそんな顔してたって訳ね」
亜紀にため息をつかれ赤面する少女は、もうあの赤い服を纏ってはいなかった。
代わりにその小さな身体を包むのは、聖学付属の制服。
可憐な彼女が歩けば誰もが振り返る――――つまり少女、あやめはもはや神隠しではなかった。
紆余曲折をへてただの女の子になった彼女は現在立派な聖学付属の生徒として稜子とともに寮に住んでいる。
最初は馴染めるか懸念された学校生活も、少々数学に苦労はしているが生来の暗記力で文系科目をしのぎ、それなりにうまくやっていた。
そんな彼女が悩んでいたのだ――――むろん、学校生活についてのこと以外で。
「うーん……男心って難しい」
稜子も思案顔ではちみつをたっぷりかけたフラペチーノを啜る。
月曜日の某有名コーヒー店は学校帰りの女子高生で混み合っていたが、みな一様に楽しそうだ。
こんな難しい顔をして考え込む集団はこの文芸部3人組だけ。
「明日はバレンタインだっていうのにねぇ…」
「まあウチの男共で気にしそうなのは近藤くらいのもんだけど」
「だから困るんだよ…魔王さまくらいになるとなんかもう超越してるからいいんだけど」
話の爼上に上がっているのは残る一人―――あやめの恋人、村神俊也。
ぱっと見接点がなさそうな二人だったが、その実あやめは空目に向ける保護者に対する視線とは確実に違う瞳で俊也を見ていて、
また俊也もあやめを意識しているのはそう遅くないうちに明白になった。
彼女が人間ではなかったころから稜子などはそれに気づいていて、煮え切らない二人に対し
いろいろ手を尽くして交際にまでこぎ着けたのだ。 そして今日はそれから初めてのバレンタイン。
3人で示し合わせて午後を空け、亜紀の家でチョコレートを作った。
そして明日の必勝を祈願…と、ここで盃ならぬコーヒーやら何やらを酌み交わしていたのだが、
そこであやめが堪えかねたように悩みを打ち明けたのである。
「避けられてるような気がする……かぁ」
「もともとベタベタするタイプじゃないとは思うけど」
「でも……前とは違うんです」
――――付き合っているとは言っても、正直フレンチキスにも至らない間柄だった。
それでも、たまにこわごわ手を繋いでみたり、いっしょに帰ってみたり。それで幸せだった。
だが……ここ最近、急に俊也があやめを避けるようになったのだという。
「あれかな、倦怠期」
「いくらなんでも早いでしょ」
「じゃあ何?」
「分かったらすぐ答えてるよ…」
「うーん………明日どうしよう」
しばらくこんな会話ばかりがループしていた。
やがて亜紀がしびれを切らしたように立ち上がる。
「とりあえず私らに出来るのはお膳立てだけだね。もう会って直接聞きな」
「でも……」
口ごもるあやめに亜紀はぴしゃりと言いはなつ。
「あのね。あんたはもう普通の16歳の女の子なの。触れようが抱きつこうが人を異界に引き込んだりしないし、
人に聞こえる言葉が話せる立派なお口がついてるの。同じ土俵でちゃんと勝負しなさいよ」
はたで聞いていた稜子が苦笑する。厳しいが愛あることばだ。このふたりも仲良くなった証左であろう。
「まあまあ、ちなみにお膳立てって……」
「まだこの辺の店開いてるでしょ?服の一着でも買って明日に備えるってもんじゃない」
「服………」
稜子がはっとしたように言った。
「た、確かにあやめちゃん普段制服だし……これはギャップ萌えのチャンス!?」
「えっ…」
「そうと決まったら早く早く!ゆるふわモテかわ愛され服を探しに!」
「ちょっ、待ちな稜子っ!!」
言うが早いか稜子はあやめの手を取って走り出した。
何故か言い出した亜紀が取り残される。
「フットワークの軽さにも限度ってもんが……」
呆れつつも、彼女もまた二人の背を追った。 「ワンピのほうがいいかなー…あ、このスカートかわいい!」
「あのねぇ、あんたの買い物に来たんじゃないの」
そして行き着いたファッションビルの一角。
亜紀に軽くはたかれて、えへへ、と稜子は笑い、隣にあった紺地にドットがプリントされたレトロなワンピースを取った。
「これは?清楚でかわいいと思うけど…」
「……ちょっと待って、若干犯罪の匂いがする」
ひらひらとそれをあやめの身体に当てかけた稜子を、亜紀は制止する。
もともとの丸襟のデザインと色味があわさって、これではまるで小さい子のピアノの発表会だ。
むしろどうみてもロリ…いや、これ以上は言うまい。
とはいえ店頭に並ぶ服は膨大だ。慣れないあやめは立ち尽くすしかない。
「あやめちゃんはどれがいいの?」
「ぇ、ぁ……えと……」
困って近くにあったロングスカートを取ろうとすると、亜紀にまたもや止められた。
「あのねぇ………あんた、自分の身長分かってる?」
そう言われても、本来は昭和生まれ、加えて山奥育ちのあやめには、脚の出る丈には抵抗がある。
制服のスカートさえ長めに切っているのだ。
それに………ちらりと亜紀の脚を見る。
マニッシュなショートパンツからすらりとのびた美脚はテレビに映る隣国のアイドルグループ顔負け。
稜子のほうを向けば健康的で女の子らしい曲線がブーツに続いていた。
それに比べて――――自分は細いばかりで色気もなにもない棒脚だ。
隠したくなるのもわかって欲しかった。
「……ちょっとこれ着てみて」
そんなことを考えて真っ赤になっていると、幾分か優しい声で亜紀が言った。
手にはピンクベージュのワンピース。柔らかな素材にレースの襟が映える。
「あ、いいね!似合いそう」
「これなら普段のコートにも合うでしょ?」
「で、でもっ……」
「いいから着てみる」
半ば強引に店員を呼ばれ、試着室に押し込まれる。
困惑しながらも逃げられず、持たされた服に袖を通した。
「あやめちゃーん、いい?」
「あ…は、はい」
どうにか着終わって、鏡も見ずに返事をする。カーテンが開いた。 「…………ほら」
―――稜子が息をのみ、亜紀が見よと言わんばかりに頷く。
うしろで見ていた店員までが感嘆の声を上げた。
まるで少女誌のモデルのようなあやめの姿がそこにあった。
「……あの…」
「ちょっ、超可愛い!えぇ、似合うー!!」
「ソックスはボリュームのあるクルー丈にすれば足首が細く見えるから、
相対的にラインも綺麗に見えるってとこかな。変に隠すとバランス崩れるから」
「亜紀ちゃん天才……」
稜子は興奮気味だ。
あやめは困ったように、でも少し嬉しそうに亜紀を見る。
結局そのまま即決し、合わせるソックスも買って3人は店を後にした。
「はぁ……村神クンじゃなくてわたしがお持ち帰りしたいよ」
帰る道すがら、冷めやらぬ風に言う稜子に、あやめも少し表情が和らいだ。
「あやめ」
「あ……はいっ」
ふいに亜紀に呼ばれ顔を上げると、そのようすがおかしかったのか、彼女はすこし笑った。
「……そう、その顔。そうやって顔あげて笑ってな」
おもむろに何かを取り出し、あやめの頭に巻き付ける。見るとボルドーのスカーフだった。
てっぺんでリボン結びにするとカチューシャのように髪が押さえられ、よく顔が見えるようになる。
「いい感じ!これで明日の準備は万全だね」
「そういう稜子は大丈夫なの?」
「バレンタイン対策?もうばっちり〜」
亜紀ちゃんだって魔王さまと、と言いかけて稜子が口を押さえられる。
そうこうしているうちに分かれ道についた。
「それじゃ明日、がんばっていきましょー!!」
幸いにも明日は入試準備で在校生はお休み。天は乙女に味方したもうた。
――――そして、14日が来る。 「よし、これでOK」
寮の部屋、姿見の前に勝負服の二人が並ぶ。
出掛けに稜子は昨日亜紀がしたのと同じように、赤いスカーフをあやめに巻いた。
トップのリボンの形が上手く行き、一人ご満悦の彼女にあやめは礼を言う。
「あ、そーだ」
その姿に企みを思いつき、稜子はちいさな耳元に囁いた。
「………って言えば絶対大丈夫。必勝の呪文だよ」
「……ぇ、で、でも……」
「いーからいーから。いざ鎌倉!」
そのまま背を押され、あやめはつんのめりそうになりながら、しかしちいさな胸を高鳴らせて駆け出した。
*
村神俊也は特に予定のない休校日を持て余していた。
父は地鎮祭に呼ばれ、母は旅行。この感じでは当分帰って来ないだろう。
とりあえず暇に任せて部屋の掃除は済ませたが、綺麗になった部屋でやることといえば勉強か読書しかない。テスト前でもないし、読む本も手元になかった。
ふとあやめの姿が思い出された。昨日学校で会ったばかりだろう――――首を振って寂寥感を紛らす。
しょうがない、本屋にでも出掛けるかと立ち上がる。そのときやにわに呼び鈴が鳴った。
誰だろうか、と玄関を開ける。
「………!あやめ…」
「あ、あの……」
まさか、と思った。
慌てて2、3度瞬きをする。彼女は消えない。
「……どうしたんだよ」
視線を落とすと細い素足が見えた。生憎の曇り空、雪が降りだしそうに風は冷たい。
「とりあえず……入るか?」
当惑しつつも招き入れると、あやめは円い瞳で俊也を見上げこくんと頷いた。 部屋に通すと、あやめは落ちつかなげに辺りを見回した。
上着の下は薄いピンクのワンピース。華奢な彼女によく似合っている。
慣れない服装に、正座してすこし短い裾を引っ張る姿が愛らしい。
「で、どうしたんだ?」
「あの……えっと、今日はバレンタインデーという日だときいたので……」
「…あ」
カレンダーを見る。元々こういった類いのイベント事には疎い彼だったので、すっかり忘れていた。
女子ならこういう行事は気にするものかもしれない。少々反省する。
「これ、お口に合うかわからないんですけど…」
差し出されたのは小さな箱。
「……ありがとう」
その意味もこめて素直に受け取った。
ぱっと表情が輝き、あやめは照れながらも嬉しそうに笑う。
「手作りか?」
「は…はいっ。上手くできたか自信、ないんですけど…」
「いや、いい」
こういうときに気のきいた返しができたらな、と思ったが、出てきた返事は短いもの。
会話が途切れ、なんとなく落ち着かない間ができる。
と、いきなりあやめが顔を上げた。
「それとっ、もうひとつ」
「もうひとつ?」
「その………」
もじもじとうつむいて、口ごもる。
促すと、しばらくためらって………しかし、まるで何か重大な決意をしたかのように彼女は顔をあげ、言った。 「………たし、が」
「え?」
「わっ……私が、プレゼントですっ」
……………………。
ど真剣な顔。
だが………今、何言った?
「………誰に吹き込まれた」
しばらくの沈黙の後、ようやっと尋ねた。おおよその見当はついていたが。
「稜子さんが……」
「……やっぱりな」
またわけわからん台詞を……若干目眩を感じる。
――――ただ、その目眩が呆れから来るものだけでないことも、頭のどこかではわかっていて。
「………とりあえず気持ちだけ受け取っとく」
そうやってため息をついて、誤魔化す。
リボンの跳ねる頭に手を乗せかけてやめた。
けれど、彼女はそんな些細な逡巡さえも見逃さない。小さな拳を膝の上で握って、抑えた声で言った。
「………どうして避けるんですか」
「別に避けてなんか……」
うそ、とくちびるが声なく動く。
「……やっぱり、私、嫌われて…」
「待てよ」
嫌いになどなるわけがない。
こんなに可憐でけなげで一途な少女を嫌うほうが難しいだろう。
むしろ日に日に想いは募っていった。
だが―――だからこそ、だ。
「……俊也、さん…」
………愛せば愛すほど肉体の悪魔はざわめく。
体育の後の甘い香りに、背伸びしたときに覗くちいさな膝小僧に、
隣で数学を教えたときに知った長いまつげや果実のようなくちびるに、何度その身体を掻き抱きたいと思ったことだろう。
一度口づけのひとつでも交わそうものなら、その全てを蹂躙しつくすまで止まれない気がした。
だから、これ以上触れるわけにはいかなかった。
「………お前が大切だからだよ。傷つけたくないから」
「傷つくなんて………っ!」
シャツの袖口を掴まれる。長い髪がこぼれて、甘い香りがした。
異界の錆ついた香などではない、体温の香り。
「私、私なにも怖くなんか――――」
それを知覚した時には――――既に身体が動いていた。
「こうされてもか」 た、とん。
あっけなく上体が反れ、両手首が床に縫いとめられる。
呆然と開いた小さな口から、温かそうな舌が見えた。視線がそこから外れない。
その紅い果実を衝動のままに貪りかけて――――――
彼女の瞬きに、はっと我に返った。
「……悪ぃ」
手を離す。自分は何をしていた?
「…怖かったろ、ごめんな」
男なんてこんなもんだ、と自嘲気味に笑い背を向ける。
振り返れなかった。あんなに傷つけたくないと思っていたのに。
「……」
唇を噛んだ、その時。
―――――――――後ろから抱きつかれた。
ぎゅうぅぅ、と、痛いくらいに。
「やめないで」
呼気が首筋にかかる。
「――――生贄にされる前、私は…花街に売られることになっていたんです」
震える声。
「幸か、不幸か……神隠しになって、ひとりになって。でも、今こうして…あなたのそばにいられて、幸せで」
思わず振り返るとずるずると細い腕が肩から落ちる。
慌てて抱きとめると二の腕にしがみつかれた。
「お願いです……好きな人に捧げたいんです、あきらめかけた生だから、どうか…」
大きな瞳にみるみる涙が湧き出し、ぽろりと宝石のように落ちた。
「………後悔しないか」
答えの代りに、手が取られた。
手のひらにおちる接吻の感触。懇願のキスだと定義したのはグリルパルツァーだったか。
しゅるり、スカーフをほどいて頬を両手で包み込む。
初めてふれたくちびるは、ほんの少し涙の味がした。 カーテンを引いても昼間の部屋は薄明るい。それがほのかに背徳感を背中に忍び込ませる。
前開きのボタンを外して脱がすと、皺にならないようにかるく畳んで置く。
白いレースの下着姿になった彼女を見ると、何故かありありとその身体が現世のものになったのだと実感する。
少女とはなんと脆くはかなげなものなのだろう。肩に触れても厚みが違うし、長い髪から覗く耳も、
まるいラインを描く腰から足も、彼とは二回りも違って思わず呟く。
「小せーな……」
びく、とあやめが震えた。
自らの胸に視線を落とし真っ赤になる。
「…って、そういう意味じゃねえよ」
なんだかこちらのほうが恥ずかしくなり、照れ隠しに頭をくしゃくしゃと撫でる。
ふと思いつき手のひら同士を合わせてみた。大きな手のひらに、あやめの紅葉のお手々と形容するにふさわしい手のひらがすっぽり隠れる。
指をからめて抱き寄せると、仔猫のように胸板に頬を擦り寄せてくる。さらさらとした髪が素肌に当たって心地よい。
指を入れて梳き撫でると、滑らかな冷たさがその間を抜ける。ふいに爪先がブラジャーの留め具に引っかかり、ぷちっと外れた。
「ふ…ぁっ」
驚きに離れた身体の間を小さな布はあっけなくほろほろすべり落ちた。
ふんわりとかわいらしくふくらんだ双丘が現れる。
男の無骨な手なら簡単に覆えるほどの円の柔らかな頂点には、桜色の蕾がぷつんとついていた。
あるだけ重ねた枕の上に横たえると、恥じらいに耐えかねたように顔を覆う。
額に唇をつけてその手をのけると、瞼の上にもうひとつ。
繰り返して、ようやく二つの口唇が重なる。今度は啄ばむように。もどかしげに、焦らすように。
舌がからむ。息が上がり始める。一度離すと首へ、鎖骨へ下がっていく。
「ひゃっ、ぁ」
「………大丈夫か?」
「ふっ………ぅ、くすぐったいような………変なきもち、です」
もう片手の親指で口元を撫でるとそっと食まれ、ちゅ、と吸われた。
その仕草はまるで幼子のようでいて、ひどく淫靡でもある。
お返しとばかりにささやかな乳房を撫で、舌の先でつつくと、小さな嬌声が上がり敏感に身体が跳ねた。
「ひぁ………ん、あぅ」
やわやわと愛で、下腹部をさすり、また戻り。
そのうち、時折上がる声が艶を帯びる。目を覗きこむと、少女の顔にはアンバランスなほどの色香が宿っていた。
「ぁ、」
指が最後の砦にかかる。気づいて、あやめが膝の内側を擦り合わせるような動きをする。 「………今なら間に合うぞ」
もう退けないと分かっていて、そのくせ不安が抜けなくて尋ねた。
「いえ………このまま、」
それさえも見通していたのだろうか。彼女はかすかに微笑みを作った。
その免罪符を得て、先に進む。腰を支え浮かせ、白い布をそうっと抜きとる。
「ん………っ」
まるで宗教画の世界のようにその裸体は美しい。しかし、血の通う身体は色づいて欲望を誘う。
一糸まとわぬ身体に、片足だけ脱げかかった靴下が残っていて、それがやたらに扇情的だった。
「は………ぁ」
甘い息の音。なんだか直視できなくて、彼も服を脱いだ。
まさか使う機会が来るとは、と思いつつ所謂男子の御守りの封を切る。
あやめは目を閉じている。口元に手を添えて、何かに耐えるように。
「………ん」
改めて抱き起こす。深く深く口づけて、手は内腿をなぞる。
「ぁっ、ふぁ」
腰が揺れた。二脚のちょうど中心に指を添わせる。
ぎこちなく探ると、じんわりと蜜が染み出してきた。
「………濡れてる」
「ゃ、ぁ」
たったそれだけの言葉であやめは過敏に反応する。
泣き出しそうな表情は庇護欲と、かすかな嗜虐心をそそる。
「っきゃ………ひぅ、んっ、んっ」
ぷくりと膨らむ芽を擦り、襞をなぞってみた。指先に分かるほどそこはびくびく震える。
「ふぇ、ぇ、あ」
「気持ちいいか」
「あっ………やぁ、は……ぃ、ぁ!」
広げられた脚が突っ張り、つま先が丸まる。ぽろりと靴下が脱げる。
細かい快感の波が寄せては返し成熟しきらない身体を翻弄していた。
「ぁぁ、いっ………っ」
「どうした、怖いか?」
「っ………ちがうんです、きもちよく、て、はじめてで…どうしたらいい、か、っ」
「ん………」
少しずつ進めていた指は、きゅうきゅう締め付けられながらも秘所に吸い込まれている。
その様は先刻のあどけなく指を吸っていた彼女の口元にも似て。
「ちょっと、力抜けるか」
「ぁ、どうしたら………い、ですか」
言って動こうとしたその時、指先がいいところに当たってしまったらしい。
「あ、ぁっ!」
ひときわ大きい啼き声を上げ、震える。その媚態が火をつけた。 「………悪ぃ」
「ぇ、」
指を抜き、抱きしめる。耳元であやめが忙しなく酸素を求める。
「ごめんな、痛くするかもしれない」
「………だいじょうぶ、です」
誰でもそうなんですから、と彼女は言った。芯の強さがちらりと見える。
「我慢しなくていい、誰も来ないし―――きつければ俺の肩でも腕でも噛んでくれてかまわない」
こくり、と頷く気配を確認する。
もう一度だけキスをして、腰をずらした。
「っ………!」
先端が蜜口に当たる。何度か擦り合わせ、侵入経路を定める。
「ぁ、ぁ、っ………!」
熱い入口は出産に耐える造りになっているとは思えないほど狭い。
溢れる恋情にしどとに濡れても、かたくなに閉じているようにさえ思える。
それを無理やりこじ開けているのだ、痛くないはずがなかった。
「っくぅ、ひぅ、ぅぅ………っ」
喘ぎが鳴咽に近づく。背中に10本の爪が食い込む。
「………ごめん、な」
「あやまらな………ぃで、くださ、っ」
言うものの、見ている方が痛々しいほどその額には汗が浮かび、眉はぎゅうと寄せられている。
「もういい、ここまでにしよう」
たまりかねて囁いた。
「いや………」
「最初、なんだから………」
「いや、です」
だがあやめは頑として首を縦に振らない。
「ぜったい、ひとつにって………決めたんです、おねがい」
脚が腰に巻きつく。思いのほか強い力。
「もう、はなさないで………」
つぅ、と涙が頬を伝う。永劫の孤独を知った少女は繋がりに必死に縋っていた。 「………分かった」
かくなる上は。
「っ………ぅ、ぁぁぁああぁあっ!」
覚悟を決めて、一気に押し入った。
激痛が走っているはずなのに、まるで二つの身体に一ミリの隙間も許すまいとするようにあやめは離れない。
可聴域を外れそうに高くせつない声を上げて、熱に痛みに身を削る。
皮肉なほどに、彼女の痛みに反比例するがごとく彼は追い詰められていく。
搾り取るように強く強くそこは彼を締め付ける。
「っ………!」
ぢちゅ、くちゅ、ず、
音が、熱が、快楽が、涙が、痛みが、
「ぁぁあ―――――――………っ!」
少女の絶叫に合わせるように何もかもが真っ白くなって、昇って昇って、
堕ちるようにすべてが解き放たれた。
「………ぁ、」
あやめの白い腿に朱混じりの赤い筋がつぅ、と伝う。
それを見届けて、二人は糸の切れた操り人形のように倒れこんだ。 「ごめんな………」
――――――放心状態から帰って、最初に口にしたのは謝罪の言葉。
「………」
涙のあとのついた頬。撫でると、ゆっくりと首を振られた。
「痛かっただろ」
「すこ、し」
声が掠れている。叫びすぎたのだろう。胸が痛んだ。
「でも」
「………?」
ふわり、とあやめは微笑む。手をとられ、心臓の上に導かれた。
だいぶ落ち着いた鼓動がうすい皮膚を通して伝わる。
「すごく、あったかいんです………ここが」
「………」
生きている。同じ世界で。そして、恋人同士の想いを共有している。
「私は………ほんとうに、幸せです」
「あやめ………」
「どうか、少しでも長く、そばにいてください………」
思わず抱き寄せた。少し高い体温がなによりも幸福の証。
「………言われなくとも」
誓いに重ねたキスは、とろけるチョコレートより少し苦くて、最高に甘かった。
おしまい!
最後微妙かも………ごめん、ロストバージンはどうしても痛みが避けれんから難しい
村あや、マイナーだけど原作読み返すと意外と萌え所多いとおもうの
ただ自分が書くと毎度だがキャラの同一性に自信がないぜ…
とりあえずスレの大量消費すいません、しばらく引っ込むので他カプ・断章の神々どぞー
読んでくださったみなさんに感謝感謝! 本スレの
976イラストに騙された名無しさんsage2012/02/19(日) 23:11:55.34 ID:M2Cxfjpj
>>975
性魔術っていうと割と普遍的な感じもするし民話の解釈でも性に関するものって結構あるよなぁ。
しかし真顔でその解説をする魔王様が想像できん
977イラストに騙された名無しさんsage2012/02/19(日) 23:29:55.48 ID:3hVaKzOL
∧||∧
( ⌒ ヽ<さぁ収穫祭の始まりだ
∪ ノ
∪∪
>>976
むしろ顔色一つ変えずに解説して周りの方が変な空気になってるのに対し1人首を傾げてる陛下
の流れでこっちの住人なにか反応するんじゃないかと思った 陛下に解説された時点でいかなる放送禁止用語も
学術用語に聞こえる気がした自分はこの板の住人として失格だろうか…
エロパロ的にマジレスすると魔王様が本気出して夜の講義したらなかなかなんじゃね
というか陛下に限らず魔女様とか神野さんとかまっつんとかは
言語が精神に及ぼす作用をよくわかってるから言葉攻めのクオリティが凄そうだよね 白雪姫に登場する七人の小人は、成人の儀式を迎えた若者達がモチーフだそうです。
小人達の家は少年が儀式までのあいだ寝泊りする小屋にあたり、そこには彼らの世話をするため、未婚の少女が通うか住むかしていたのだとか。
もちろん、少女は家事のみならず、性の相手をすることもありました。
そんな白雪姫を元にエロ泡禍が起きたら・・・?
*
ある一月の日、成人式の開催が迫る中で七人の若者が行方不明になる事件が発生した。警察の捜査でも成果が挙がらず、泡禍の疑いありとされ――
――時槻雪乃はその調査にあたっていた。
行方不明者は神狩屋の知り合いのそのまた知り合いにだったらしく、彼の機転によって既に若者達の住所はつかめている。
雪乃はゴシックロリータを身にまとい、そのうちの一軒を訪れていた。
……ミシッ
奇妙な重圧のかかった、やけに息苦しい空気感……。
雪乃は直感的にアタリだと悟った。
そして、ポケットの内側にカッターを握りつつ、インターフォンへ指を伸ばし……
ゴスッ!
押そうとした瞬間だった。
鈍い衝撃が雪乃の後頭部を襲い、意識は途切れ――
――目が覚めると、雪乃はベッドの上に寝かされていた。
それだけじゃない。
例の行方不明となっていたはずの若者七人が……。
いや、かつてその七人だったと思しき、全身の肉がただれて変形しきった、えげつない姿の小人達が雪乃を取り囲んでいた。
大きさで言えば、雪乃の背の半分近くしかないだろう。しかしずんぐりとした体型で、太さは男性の平均以上だった。
小人達は一様に卑猥な笑みを浮かべ、興奮した犬のように息を荒げながら、雪乃の肉体を襲う。
七人の手が、合計十四本の手が、雪乃の身体を撫で回した。まだ脱がされこそしないが、服の上から胸を揉まれ、太ももを揉まれ、尻を揉まれていく。さらには秘所に指が這いまわる。
手という手の数々に身体を嬲られる感触に、雪乃はただならぬ戦慄と猛烈な拒否感を覚えた。
「くっ……! 離しなさい!」
雪乃はもがき、ポケットにあるカッターを取ろうとする。しかしその手は押さえられ、抵抗はその都度封じられる。
小人達は一見、撫で回すことに夢中に見えるが、あがいたり反撃しようとすれば、そのたびに動きを押さえ込んでくるのだ。
「このっ、どうすれば……」
チャンスはないかと伺っているうち、雪乃はやがて衣服に手をかけられた。
ゴシックロリータは着せたまま、小人達は胸だけを露出させるようにして布をずらし、プルンとした美乳をあらわにする。
そして、露出されると同時に揉みつくされ、しゃぶりつかれた。
二匹の小人が乳首の吸い付き、しかも余った手での愛撫もやめない。脇や首筋、腰のくびれ、いたるところを撫でつくされる。
「――――っ!」
抵抗できない悔しさと、大きな羞恥心に雪乃は顔を歪めた。
胸を責められているあいだにも、残る五匹の小人は尻や太ももに触れ続けている。もも肉を舌でなめずり、次には股間に顔を埋めて秘所を口愛撫してきた。
そのうち、ショーツを脱がされ尻とアソコを直接撫でられ、舐められた。
「うぅっ、カッター……。カッターさえ出せれば……」
そうすれば、こんな奴らは焼き払える。
なのに、肝心のポケットの中身に手を伸ばす行為さえ、小人は封じてくるのだ。
腰を持ち上げ、まんぐり返しの状態にされ、肛門を指でグリグリと弄られる。尻たぶをベロベロと舐められ、秘所にも舌が這い回る。
不愉快な感触と、それでも生理的に発生する快感に、雪乃はゾクっとして身もだえし始めた。抵抗ではない。しだいに熱を帯びてきたことによる、性感へのもだえだ。
そして、小人達はズボンの内側の一物を取り出した。
まさか……こいつら……!」
そのまさかであった。
一匹の小人が亀頭をあてがい、ずっぷりと雪乃の秘所にソレを沈めた。
「――っ!!! あぁっ!」
すぐさま腰振り運動が開始され、雪乃は喘ぐ。
残る白い手も、二匹の股間へ運ばれ、一物を握らされ、手淫を強要される。
同時に三本もの肉棒を捌かされ、雪乃は一層顔を歪めた。
ドピュ! ドピュ! ドピュ!
精液が膣内に打ち込まれ、手淫していた両側から降り注ぐ白濁は、雪乃の黒い衣装にこびりついた。
だが、まだまだ終わらない。
交代するようにして次の一匹が挿入してきて、さらにもう一匹が胴体に伸し掛かり、パイズリをしてきた。
乳を利用され、膣も好きにされている。
悔しさに打ちひしがれながら、再びドピュっと発射された。
膣口からどろりと白濁が溢れ、顔面にも白いものが降りかかる。
さらに身体をひっくり返され、腰を抱えられ、背後から挿入される。
「いつまでやれば気が済むっていうの…………」
雪乃は涙目になり、羞恥に顔を赤くしながら、それでも虎視眈々と反撃の機会を伺っている。
そんな雪乃の眼前に一物が押し付けられ、口にねじ込まれ、二穴責めを受けた。バコバコと尻に腰を打ち付けられ、口にも腰を振られていく。
そして口内射精をされ、背後からは尻にかけられた。
「はぁ……はぁ……」
あまりの陵辱に雪乃は疲弊し、全身を精液まみれにしたままうつ伏せで倒れこんだ。
小人達はあきらたらず、その雪乃のスカートを捲って尻を丸出しにし、揉みつくしてくる。
延々と続く行為は晩まで及ぶのだった……。
完 いい作り思いつかなかったから最後投げたみたくなってしまったが・・・。
とりあえずエロ泡禍起こしてみました。 >>179
乙!
……と言いたい所なんだが、雪乃んがヤられちゃった瞬間に<焼け>を発動できなかった理由を20文字以内で簡潔に述べよ。# >>179
乙でした!
悪いとは思うけどゆきのんってやっぱこういうシチュ似合ってしまう…
次は星の金貨あたりでどう?一枚ずつ脱がされてく系な
ところでここに投下した自作品を自サイトに持ち帰るのあり? >>182
>>179ではないが……
『
雪のんの処女は誰かが
美味しくいただいた後
』
20字できちんとマス目埋めて解答しました。
配点は何点ですか?
(蒼衣) つまり処女喪失の痛みを知っているので貞操奪われるぐらいじゃ発動しないとな!?
>>183 自作ならいいんじゃない。ピクシブとかに手直しして上げる作者もいるしな。
ただ無断転載と思われることもあるので
掲示板に投下したことをサイトのほうにも記しておいたほうがいいかと
投下した際にトリもつけていれば完璧だが
難癖つけてくる輩もいると聞くので、そういうのが来てもスルーできる精神耐性があるなら… そういや>>1の保管庫は前スレで止まってるから改めて保管のお願いに行った方がいいのかな? >>184 抽象性の高い回答は減点の対象になります。
「誰か」を明確にして書きなおし、SS化すれば間違いなく満点となるでしょう。
(国語教師風)
>>185 アドバイスありがとう、参考にして収録させていただきます
丁寧に教えてもらえて助かったよ
>>186 確かに。もう数作品あるし早すぎってことはないよな >>182
エロだからと思ってすっとばしてしまった・・・
やっぱり、細かい部分もなるべく設定守った方がいいだろうか? >>41の人形師が笑美さんにまで…とか思い付いたけどバチンバチンなEDしか浮かばない件 前々作の人です、保守ついでに進捗状況
・武稜→半分くらいまで来た。だが初物続きすぎてネタ切れそう…がんばる
・空亜→陛下をどこまで人間らしくしていいかがネックなんだよな…
Missingは断章に比べて格段に男が扱いにくい希ガス
もともと甘ラブえろ好きなんで日々キャラ崩壊との戦い
これだけじゃあれなんで壊れレベルのサンプル空亜置いてくね
えろなしです、いやな人はタイトルギブアンドテイクでNGお願いします ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています