唇を重ね合わせ2人はじっと動かない
いつまでこのままでいるのだろう気まずくなり姫のほうが声をあげた
「ド、ドラゴン・・・あっ・・・」
声が言葉にならない、そのとき開いた口の隙間から龍の舌が侵入してきたのだ
ピクンと身体を震わせるが背中に手を回しているため動けない
驚きはしているものの特に暴れることも拒否することもなく受け入れている
口内をむずむずと這う舌の感覚、次第に顔から全身が火照っていく
舌を舌で舌を絡めとり時には頬から歯にも触れ、いたるところを犯しついばんで行く
息をするのも忘れるくらい全身の感覚が口へと集中する
今この時、姫は自分の物であるという許される範囲での最大限の自己主張・・・
「ん・・・んんっ・・・」
クチュクチュとかすかに絡みつく音が聞こえてくる
「ドラゴ・・・ん、息が・・・くるし」
はっとドラゴンが手を話すと姫はへなへなとへたれこんでしまった
どちらのものともわからない唾液の糸が口を伝う
はぁはぁと息を切らせる姫とドラゴン
「ソーリーごめん、ついやりすぎた」
ドラゴンは唾液を手で拭い取ると姫の前に膝をつく
姫は手をかざしその手でドラゴンの肩に手をかけ口づけをした
「ひ・・・め・・・」
今度は姫の舌がドラゴンの中へ入りドラゴンをついばみ始めた
先ほどとは逆の立場になってしまったがドラゴンも舌を動かし取り合うように舐めていく
2人だけにしかわからない静かで激しい競い合い
2人の長いキスはしばらくの間続いていた

(終)