ドラマ妖怪人間ベムでエロパロ 2
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0165名無しさん@ピンキー2012/06/28(木) 04:05:05.40ID:CxBxErcj
ベラ姐さんは男になってもキャラが容易に想像出来るけど、ベムはなあ…
オラオラで押しまくる男前な兄さんに抵抗しつつも流される、繊細な美人のベムさんしか
浮かんでこないよ
0167名無しさん@ピンキー2012/06/28(木) 17:26:36.24ID:jN2cTJoL
寡黙だけど他人思いなお姉さんなベム
怖そうに見えるけど実は優しいお姉さんなベラ
人見知りしない元気なようじょベロ

……なんだこれ
0169名無しさん@ピンキー2012/06/29(金) 19:38:51.37ID:TP5F28bc
捏造レズものはこのスレに該当するものだろうか?
例えばベラ姐さんが男の設定で、男同志で絡むとなれば数字板の出番だろうけど
0171名無しさん@ピンキー2012/06/30(土) 15:41:04.65ID:KPJRUTkL
そうか、ありがとう
今ちょうど地味な過去編の第二弾書いているところなんで、それ終わったら考える
基本ノマカプ志向なんで書けるかどうかは分からないけど
0174名無しさん@ピンキー2012/07/01(日) 16:05:57.49ID:REK6DvOM
>>173
元々男のベムが何らかの原因で女化した上での、ある意味企画ものレズなら
ともかくとして、ガチレズは書けないなあ
誰かそういうの得意な職人希望

地味な過去編さっき書き終わって推敲中
出来上がったら投下する
0175名無しさん@ピンキー2012/07/01(日) 17:27:49.27ID:REK6DvOM
何とか推敲終了したので投下

この前書き忘れたけど、エロパロだから過去編では最初から二人はデキてる設定で書いてる
0176恨詛の娘 1/122012/07/01(日) 17:29:53.43ID:REK6DvOM
あれはいつの時、何処の地だったのか。
奇妙なほど鬱屈した空気の中でも、生命力を感じさせる景色の緑が奇妙なほど鮮やか過ぎたのを
覚えている。

その日はしばらく歩き詰めだったこともあって、三人ともとても疲れていた。
獣道同然の山道を歩くベロは服のあちこちにたくさん棘のある草の実をつけていることも気付かず、
疲れた喉が渇いたとも言えなくなったまま重い足をずるずると引きずっていた。
「ベロ、もう少ししたらあの向こうにある集落に着く。それまで我慢してくれ」
宥めるようにベムが指差す遥か先には、山間の深い木立ちの間にいくつか小さな家屋が並んでいる
のが見えた。
こんな山の中でも人が住んでいる。
その事実は気持ちを奮い立たせて疲れきった足を進ませるに充分なものだった。
「さ、もう一頑張りしようか。どのみちこんな場所で立ち往生もしてられやしない」
わざと大きな声を出すベラは、自分から残っている力を振り絞って先を歩き出した。
「行くぞ、ベロ」
喉がからからになっているのか、ベロの声は引き攣る。
「…うん、頑張る」
「その意気だ」
しっかりと手を握って目指す集落までの足を進める三人の姿は、やがて緑増す山の木立ちの影に
隠れてしまった。

急な坂道を登ってようやく足を踏み入れたその集落は本当に小さく、十戸にも満たないみすぼらしい
家屋が肩を寄せ合うようにひっそりと建っていた。所謂、寒村というに相応しい地なのだろう。見れば
農地と呼べるものも特にないことから察するに、土地もかなり痩せているに違いない。
それでもせめて身体を休める為にどこかの軒先でも貸して貰えればそれで良かったのだが、生憎と
人の姿はなかった。なのに気配だけは痛いほどひしひしと感じる。
やはり人の出入りの少ないこのような地では余所者など警戒されるのだろう、そう感じて立ち竦む
ベムだったが同時に妙な違和感にも苛まれていた。
「どうしたんだい、ベム」
不審がるベラの声を背にして、目を閉じて傍で立つ木にステッキを一度打つ。耳を澄ませるとやはり
この集落の住人たちはそれぞれの家の中に隠れ潜んで三人の様子を伺っていた。しかし極力声を
潜めて話している言葉は驚愕するに値するものだった。

男・女・子供・これはいい具合に揃ったものだ・全くいい時に来たものだな・逃げられたりしないうちに
せいぜい油断させて、なるべく引き留めておけ・あの女はその前に味見したい…

「…ベム」
恐らく耳をそばだてている間に驚きのあまり蒼白になっていたのだろう、ベラが思いきり両肩を揺さ
ぶってきてようやく正気に返る。
帽子に隠れた額には、じっとりと嫌な汗が滲んでいた。
0177恨詛の娘 2/132012/07/01(日) 17:32:45.10ID:REK6DvOM
「…ああ、済まない…だがここは危険だ。すぐに立ち去ろう」
「えー、やっとここまで来たのにー」
一番疲れきっていて、何も知らないベロが文句を言って座り込んだ。
「ベム」
小さな集落とはいえ、いまだ誰ひとり姿を見ていないこの異様さにベラは怪訝な顔をして声をかけて
くる。
「何か、感じたんだね?」
「…ああ、ここに長居をしてはいけない」
ベロが駄々をこねても、こればかりは譲れなかった。しかし急かすようにして一刻も早く立ち去ろうと
した目前で、それまで一向に姿を見せることのなかった集落の住民が申し合わせたようにわらわらと
現れた。
「客人、これはよういらした」
一歩前に踏み出したのは長老だろうか、あくまでも穏やかに礼儀を尽くす姿には邪気など感じられ
ない。あの会話はもしや悪い夢か妄想だったのではと思いかけたが、長老の後ろで烏合の衆の如く
目配せをし合っている男たちや女たちの様子はやはり異様だ。
連れられている子供たちでさえ爛漫さが一切なく、押し黙って三人を凝視している。
「いえ、我々はついここに足を踏み入れただけでして、すぐにでも立ち去ります」
「そう言わずと…さあ」
「見れば長旅をしている様子だ、疲れているじゃろう」
逃れようとしているのを遮るつもりなのか、その場の全員がぞっとするほどの懐こさで口々に三人を
ねぎらい、しばらく逗留するようにと勧めた。
「…ねえ遊ぼうよ」
ここに来る前から大人たちと示し合わせていたのか、錆びついた鉄人形のようだった子供たちも急に
無邪気な顔になってベロを遊びに誘う。この陰鬱な雰囲気にすっかり飽き飽きしていたベロが一緒に
遊びたがるのは当然と言えた。
「遊ぼうよ、ねえ」
「うーん…ベムとベラに聞いてみるよ」
女の子たちに袖を引かれて、ちらちらと隣のベムを見上げてくる様子がいじらしい。
「ねえ、あの子たちと遊んでもいいかな」
子供のベロに我慢しろと言うのはあまりにも酷だ。それを見越して子供たちを使っているというなら
姑息にも程がある。そんな憤りを感じもしたが、ここは折れるしかなさそうだった。
「…仕方ないな、遊んでもいいが気をつけるんだぞ。ここはまだ立ち入ったばかりの地だ」
「うん、ありがとう!」
0178恨詛の娘 3/132012/07/01(日) 17:33:19.86ID:REK6DvOM
不審を感じていることは最小限だけ口にして、ベロを解放してやると弾かれたように子供たちと手を
繋いで飛び出して行った。
「ベム、いいのかい?」
ベラはむっつりと不機嫌な声を出したが、やはりこの場はベロを遊ばせてやることに何の異論もない
ようだ。今までもこれからもあてのない旅を連綿と続けるしかない自分たちにとって、永遠に大人に
なることのないベロの気持ちは痛いほど分かるからだ。
「それでは客人、何もないがもてなしの用意が出来てるんでうちへいらっしゃれ」
「…しかし我々は」
「ここはそこいらの村からは孤立してて客人も滅多にない。珍しい話でもして下されや」
無邪気なベロを取り込んだことで二人がもう逃げられないことに余裕が出たのか、集落の者たちは
鷹揚ながらも決して有無を言わせない様子で長老の家へと導いた。あまりの雰囲気にさすがのベラも
不安そうな声を出した。
「ベム、何だいこの薄気味悪い連中は」
「分からない、だがベロはあの子供たちと遊んでいる。ここは言うなりになるしかないだろう」
子供たちと一緒にはしゃいでいるベロの明るい声が聞こえてくる。この集落に不審を感じているのは
事実だが、すぐにどうかなる訳ではなさそうだ。それなら少しは様子を見てもいいような気がした。
どちらにしても、この状況ではおいそれと立ち去ることも出来ない。

長老の家でのささやかな供応の後、三人には逗留用にと集落の端にあった空家をあてがわれた。
どの家もいつ崩れてもおかしくないほど貧しいあばら家で、どれも妙に黒く煤けているのが目につきは
したが、長年建っていたらそんなものだろうと対して気にも留めなかった。
ベロは久し振りに精一杯遊んだせいなのか、何か食べるのもそこそこにぐっすりと寝入ってしまった。
「困った子だねえ」
熟睡しているベロを部屋の隅に寝かせると、ベラはやれやれと首を振って苦笑する。
狭い空家ではあったが、まずは身体を休められるだけでも有り難かった。たとえここが油断のならない
雰囲気を纏っているとしても。
「あの連中は一体何だろうねえ…あたしは明日すぐにでもここを出て行きたいよ」
「そうだな、俺もそう思っている」
「おや、意外だね。あんたも乗り気なんてさ」
急に弾んだ声を出して、ベラが顔を覗き込んできた。ここしばらく旅続きで遠ざけていたものが突如と
して湧き上がってくるのを止められない。疲れが溜まっていてどこか正常ではなくなっているせいも
あるのだろう。
「ベラ」
欲求に突き動かされるまま、ベムは馨しい女の身体を床に敷いていた布団に横たえた。
0179恨詛の娘 4/132012/07/01(日) 17:34:06.98ID:REK6DvOM
「我慢が出来ないんだ」
「もう…かい。あんたにしちゃ珍しいねえ」
「そうか、ならこれが当たり前のことにしてもいい」
ベラの身体に纏わりついているドレスをもどかしく引き剥がしながら、みずみずしく張りのある乳房に
夢中でむしゃぶりつく。途端に身体中に勢い良く血が巡り始めた。ベムの頭を抱え込んで髪を撫でる
ベラの声がひどく優しい。
「あぁ…そんなに焦らなくても、あたしは逃げないよ」
「済まない、もう止まらないんだ…」
「いいよ、あんたの好きなようにおやりな。あたしはあんたの為に誂えられた女なんだから…」
そしてあんたもそうなんだよ、と生まれた日から変わらない声と眼差しで笑う。今夜はもうどこまでも
この女に溺れ込みたい、何もかもを忘れて歓楽に浸りきっていたかった。それほどに心を占めている
不安は大きく深い。
思いきり頭を振って嫌な考えは全部強引に追い出してから、白く滑らかな下腹に手を伸ばした。既に
熱くぬめっている陰部がとくとくと脈打っている。柔らかな襞が差し入れた指を呑み込んで奥へと誘い
込んできた。
膣壁を焦れったく掻く度に、ベラの喉奥から絶え間なく濡れた声が漏れる。
「う…んンっ…」
声に苦痛の翳りなどない。ただ甘く熱く耳に響くばかりだ。ここしばらくというもの触ることすらなかった
一物を乱暴に引き出すと、ぬるついてる膣口に先端を擦りつけた。
「あぁ…んっ…ベムっ…」
真っ白な喉が反るのがなまめかしくて堪らず、目が眩みそうだった。
「ベラ…もう入りたい、いいな」
「ん…早くおいで」
心得たように回される腕がぐっと身体を引き寄せてくる。焦りで大して慣らすことも出来なかったが、
ベラもまた相当に切羽詰っているのだろう。もう一刻も耐えられずに濡れそぼっている膣奥へ向けて
深々と一物を突き立てた。
「…んっ…」
瞬間、ベラの身体が雷にでも打たれたように激しくしなる。布団にだらりと投げ出されていた両脚が
発条仕掛けででもあるように身体を挟み込んできた。あまりの快味に夢うつつになりながらも汗を
刷いた身体を掻き抱いて、激しく何度も柔らかくうねる内部を抉る。
「ひゃ…っ」
衝動がそのまま伝わるのだろう、ベラは微かに苦しげな表情を浮かべた。
「済まない、だが俺はお前しか…お前だけが…」
「…いい、そんなの…あたしは…あんたのすることなら、構わない、のさ…っ」
0180恨詛の娘 5/132012/07/01(日) 17:35:00.19ID:REK6DvOM
息も絶えだえになりながら、ベラの腕が更にしっかりと回された。ひっきりなしに擦れ合う互いの粘膜が
泡立つ愛液で淫猥な水音をたてている。髪を乱して精一杯微笑む口元に引き寄せられてもう何も考え
られず、ただひたすらに口を吸い、千切れるほどきつく舌を絡ませ合った。
いつ果てることなく夢中で戯れている二人は知らない、壊れた壁の隙間から絡み合う二人を凝視して
いる者がいたことを。

翌日のこと、長老から慣れない地での生活は何かと大変だからこれを雑用に使うように、とのことで
一人の娘が三人の元に遣わされた。
しづという名のその娘は年の頃はまだ十五・六だろうか。あどけない顔立ちに似合わず鋭くぎらぎら
した目をしていた。薄汚れた灰色の着物はもうぼろぼろだったが、何か着替えさせようにも三人には
替えの着物一枚もなかった。
「いいさ、私はこれ一枚きりで」
蓮っ葉な言葉遣いはどことなくベラに似ていた。
「しづさん、折角だが俺たちにはあなたにさせるような用事もない。ですから」
やんわりと断りを入れようとしたベムの言葉に、ふっとしづは顔を歪めた。
「分かってるよ、そんなことは」
そして急に声を潜める。
「どうせお前たちと同じ、私も余所者だ」
「それはどういうことですか?」
「声を抑えろ、村の奴らが外で聞き耳を立てているかも知れない」
「えっ?」
驚きのあまり、つい声が高くなった。
「行動にも気をつけるんだな。お前たちが逃げないよう村の外にも見張りが立ってる」
これまでどんな暮らしをしてきたのか知れないが、しづは年齢以上にかなり敏いようだった。そうで
なければとても今まで生きて来られなかったのだろう。
とんでもないところに来たと緊張して座り直した三人の前で、しづは卑屈な嗤いを浮かべた。
「私も六年前、母と兄と一緒に旅をしていた時にこの村に来たんだ、だがここの連中には余所者なぞ
虫けら以下なんだろうよ」
吐き捨てるように言って顔を背けたしづの頬に、濃い疲れが見えた。
「用事なんぞ何もないが、あんたにはもっと色々と話を聞いた方がいいようだねえ。その前に」
しづに興味を持ったらしいベラがついと立ち上がって自分の布団を敷き、そこに今すぐ寝るようにと
促した。
「まずは身体を休める方が先だね、どうやらここの連中に相当こき使われてたようだ」
「…そうだな、しづさん。そうしてくれると嬉しい」
やはりベラは女だ。ベムには気付かないところをいつもちゃんと見ている。
0181恨詛の娘 6/132012/07/01(日) 17:35:48.77ID:REK6DvOM
「お姉ちゃん、じゃあ後で遊ぼうね」
しづはこの状況について来られないのか表情を硬くして身動きもしない。しかし首を傾げながら側に
行ったベロがにこにこと笑って猫の子のように纏わりついているうちに、やや態度が緩む。
「…お前は不思議な子だな」
膝の上に置かれた手が、ベロの手を取った。そしてベムとベラを交互に眺める。
「…気をつけるがいい。この村の連中は道に迷ってやって来た余所者に、普通ならば有り得ないほど
非道な振る舞いを平然とする。私の母と兄もいまだ行方が知れない。特に母は…」
何を言いかけたのか、しづの口がぴたりと止まる。
「しづさん?」
「悪いな、もう疲れたし折角だから休ませて貰う…布団は有り難く借りるよ」
まるで壊れた玩具のように、痩せこけた娘は布団に入るなりころんと眠りに落ちてしまった。ベラが
察する通り日頃からかなり疲れていたのだろう。
「…何があったか知らないけど、哀れなモンだねえ…」
形ばかり結っただけのぼさぼさなしづの髪を少し撫でると、ベラは溜息をついた。やはりここに留まる
べきではなかったのた。とはいえすぐに立ち去ることも出来なさそうだ。この気の毒な娘を置いては
逃げられない。

「さて」
深夜、集落の者たちがすっかり寝静まった時刻、しづは闇に溶け込むようにひっそりと三人の前に
座った。蝋燭一本だけの灯りが室内にとぼとぼと頼りない影を映し出している。
「どこから話せばいいか…そうだな、明後日の夜がちょうど新月だ。お前たちはきっとこれまで経験の
ない災いに遭うだろうが心配しなくていい、私が守ってやる」
「しづさん、何を仰っているのか分からないのですが」
「そうだよ、あんただけ分かることを出し惜しみする気かい?」
「お姉ちゃん、教えてよお」
何が何だか分からないままの三人に、しづはまたあの卑屈な嗤いをにやりと浮かべた。小さな羽虫
でもうっかり火に飛び込んだのかじりじりと焼ける微かな音がして、青い焔がゆらりと大きく揺れた。
「六年前、父が死んだ。遺された母は遠い親戚を頼る為に兄と私を連れて旅をしている途中、道に
迷ってこの村に入った。ここの連中はそりゃあ親切だったさ、最初のうちは。だけど新月の夜、歓迎の
宴を開く、酒も出るというので無理やり母と兄が連れられて行った。奴らに置いてきぼりにされた私は
待ちくたびれて宴のある家に行った。そこに母と兄はいたけど」
そこまで言い切ってから、しづは苦々しげに顔を歪めた。
「お姉ちゃん?」
「悪いね、あんたは聞かない方がいい」
0182恨詛の娘 7/132012/07/01(日) 17:36:36.97ID:REK6DvOM
無邪気なベロを気遣う素振りでしづはためらいを見せたが、当のベロに話の続きを促されてようやく
重い口を開く。
「母には村の男たちが、兄には女たちが乗っていた」
しづの話はこういうことだった。
余所者の母と兄に集落の者たちが年寄りも若い者もお構いなしに狼藉を働き、子供たちはそれを
爛々と目を輝かせて見ていた。しづの母はそれが原因で気が触れたが、それから何日もしない間に
二人とも姿を消し、その後は誰に聞いても知らないと言うばかりだったと。
一人になったしづは生きる為に村中のありとあらゆる雑用を引き受けて生きてきた。女の血が流れて
からは男たちの膨れ上がった欲望も受けてきたのだという。
「ここの連中はどいつもこいつも壊れてるよ…」
腹の中に溜まっている憤怒を押し殺すように、しづは呻いた。
「私がここに来たのもさ、あんたたちの監視の為だ。だけどはなっからあいつらの言うことを聞く気
なんかありゃしなかった。私も所詮は余所者だし、あいつらは母と兄の行方を隠してる」
蝋燭が燃え尽きようとしているのだろう、室内が急に暗くなってきた。その隙に乗じて娘がいざり寄り
正座をしているベムの膝に細い指を滑らせた。
「長老の爺はあんたをたぶらかせ、と命令しやがった。そうやって出来るだけ足止めをしろとさ。だが
あんたたちが幸せそうに睦んでいるのを私は見たよ。たぶらかせる訳が、ないじゃないか…」
「しづさん、あなたは一体何をするつもりですか?」
昨夜、行為に耽っている最中に覗かれていたとは気付きもしなかった。だが、しづの様子からするに
部屋が暗かったせいもあって二人の角も鱗も見えてはいなかったようだ。しかしそれよりもこの娘が
抱えるあまりにも大きな禍々しいものが気にかかる。
「さあねえ、ふふ…」
しづは微かに笑って部屋の外に出た。蝋燭はそこで燃え尽き、暗闇が訪れる。それでも、目に見える
闇ならまだ遥かにましに思えた。
人の心に巣食う闇となれば、更に深く底が知れない。
「何なんだろうねえ、ここはさ…とんでもないトコに来ちまったよ全く…」
闇の中で、溜息のようなベラの声が響く。これまで訪れた中でも桁違いに危険といっていい事態が
訪れようとしている。たとえ人間ではない自分たちであっても、とても安穏とはしていられなかった。

翌日は特に何もなかった。
集落全体から監視されている気配は確かにあったものの目立った動きもなく、不審なところがあれば
しづが知る限りのことを説明してくれた。
お陰で無駄に狼狽しなくて済んだのが、せめてもの幸いだっただろう。
ただ、やはり余所者だからなのか、しづにも分からないことは幾らでもあるらしい。特に、碌な農地も
ない上、どんなに鍬で引っ掻くように耕しても大した作物も実らないような場所でありながら、ここの
者たちの暮らし振りはそう悪くもないのが一番心に引っ掛かっているという。
「私は絶対に母と兄を見つける…でなきゃ死ぬに死ねない」
顔を背けながら吐き捨てる娘の声は憤怒そのものだった。
そしてまた翌日が来て遂に新月の夜を迎えることとなった。
0183恨詛の娘 8/132012/07/01(日) 17:46:14.63ID:REK6DvOM
日が落ちる少し前、長老から三人を歓迎する祝宴があるとの知らせが届いた。しづの話が本当で
あれば、間違いなくベムとベラは狙われてベロが人質に取られることだろう。
「私は身を隠す、これまでありったけの刃物を掻き集めて隠していたところに行く。私が戻るまでは
何とか持ち応えていてくれ、必ず助けるから」
迎えに来た者たちに連れられて行く途中の三人に、しづはこっそりと呟いて静かに離れた。祝宴は
最初の日と同じに長老の家で行われた。何も知らなければ素直に喜んでいられただろうが、罠が
潜んでいるとなればとても平静ではいられない。
「さあ、もっと飲みなされや客人」
「そうだよ、あんたたちの為の宴だ」
宴の場では皆はしゃぎながら口々に酒を勧め、料理を勧め、すぐにでも酩酊させ平常な精神状態で
いられなくさせようとしている。常識では考えられない内容のしづの話を全て信じるのも危険だったが、
この者たちの様子はその信憑性を十重二十重に裏付けて信憑性を高めるばかりだ。
それに、ここに来た時に聞いた声がまだ耳の奥にこびりついている。
無邪気にきょろきょろと周囲を眺めているベロと違って、ベムとベラは身を固くしたまま注がれる酒にも
おいそれと口をつけられずにいる。元々が神経を異様に昂らせる酒など、妖怪の身には最も禁忌な
ものではある。一定量飲んだらそれで最後だ。
しかし、最後となってもいいような気もしている。そうでなければこの陰鬱に閉鎖された集落からは
とても逃れられないだろう。
隣でベラが小声で話しかけてくる。
「ベム、あたしゃ気味が悪くって仕方ないよ」
「…我慢するんだ」
もしこのまま何もなければそれで良し、最悪であっても妖怪の姿になって暴れる選択肢も残されて
いる。健気なしづの助けなどは最初からあてには出来なかったしするつもりもなかった。
「客人」
考えに耽っていると、にたにたと笑う赤ら顔の男が一人進み出てきた。
「もっと楽しい顔しろよぉ、辛気臭ぇ」
どうやら相当泥酔しているようだ。ベロはともかく、明らかに警戒している様子を隠しもしない二人が
面白くないと見える。
「よおってば!」
酔った勢いで気が大きくなって憤ったのか、男は乱暴にベムの肩を小突いてきた。それにも黙った
まま反応を返さずにいるうちに、完全に下に見られてしまったらしい。
「何だ弱虫め」
「もう一度お言いよ!」
0184恨詛の娘 9/132012/07/01(日) 17:46:51.66ID:REK6DvOM
謂れのない侮蔑に声を上げたのはベラの方だった。宴に出てからというもの、ずっと堪りかねていた
ものがここで突然爆発してしまった。
「あたしの亭主を馬鹿にするのは許せないねえ、こいつは無闇に争いごとをしないだけさ」
「ベラ、よせ」
「あたしはもう我慢出来ないよ、あんたたちみたいな連中、大っ嫌いだ!」
何とか押し留めようとしても、怒りはもう収まらない。
「へえ、そうかい」
ベラの怒りもまるで平気なように男は一層嫌なにやにや笑いのままふんぞり返った。既に皆が出来
上がっているのか、この男の態度を諌める様子もない。
「それがイイ、とそのうち言うんだぜ」
下劣さを含んだ言葉が余程おかしいのかげらげらと笑う声が一人ではなく二人、三人と木霊のように
広がっていった。
いけない、と思ってその場から立ち上がろうとしたのだが、ベムの周囲には女衆が、ベラの周囲には
男衆がぐるりと取り囲んでしまっていた。
あまりの手際の良さから、余所者が来た時はいつもこうしていたことを確信する。
「あなたたちは、何者ですか」
「さあねえ」
獲物を追い詰める蛇のような目をして、この場の皆が殺気にも似た劣情を滾らせていた。
「あんたは、こっち」
取り残されたベロは集まっていた子供たちに手を引かれて遊び始めているが、やはり気になるのか
こちらをちらちらと眺めている。
「ベム、ベラぁ…」
「大丈夫だって、これからあんたの二親にいい思いをさせるだけ…きゃははっ」
ベロの側で笑いさざめいている女の子たちの顔がこの上なく醜悪なものに見えた。ここでは男も女も
子供に至るまで歪み狂っている。これはきっと代々当然のように続いてきたもので、もはや矯正しよう
もないものなのだ。
「ええい、うるさいねえ!」
女一人と侮って数を頼りに被さってきた男たちを強烈な鞭の一撃で薙ぎ払うと、ベラはゆっくりと立ち
上がって、乱れかけた髪を優雅に払った。
「ベム、あんたもそろそろ本気をお出しな」
「…そうだな」
女たちに揉みくちゃにされながらもやはり力ずくでは振り払えずに、ただ帽子を押さえて角が見えない
ように堪えていたベムもベラが無事であることを確認してから勢いをつけて立ち上がった。それまで
じっと大人しくしていたベムが初めて抵抗を見せたことで、慌てたらしい女の一人が追い縋るように
帽子を掴んで引きずり落とす。
0185恨詛の娘 10/132012/07/01(日) 17:47:47.63ID:REK6DvOM
「あっ」
誰かが高い声を上げた。
完全に角を見られてしまったようだ。二人の周りで驚きの声が上がる。
「角があるぞ、こいつ」
「化け物か」
「じゃあ女も、あの子供もか」
もう劣情どころではなく、ざわざわと驚愕と困惑の声が大きくなる中、突然入り口の戸がばたりと倒れて
大鉈を持ったしづが現れた。あどけない顔にはもはや鬼神そのもののように凄絶な表情を浮かべて
いる。ざんばらになった髪が激しい憤りで逆立ってでもいるようだ。
「お前らは、ここで死ね!」
言い放つなり狭い室内で手当たり次第に大鉈を振り回し、腰に差した日本刀を振るって片っ端から
集落の者たちの頭を割り、腕を切り離し、胴を泣き別れにしていった。元々剣などの心得があったのか
どうか、あっと言う間に男たちの死骸が累々と積み重なる。
「ひぃい…」
突然襲来した鬼神に子供たちは怯え泣き竦み、女たちは方々に逃げ惑った。しかし、しづは男たちと
同様に一人一人確実に片付けていく。
「しづさん、やめるんだ!」
あまりの凄惨さにベムは慌てて声を張り上げ制止させようとした。せめて何もしない子供たちだけは
救いたかったのだ。
だがしづはベムたち三人を見て薄く笑っただけだ。
「あんたたちは助けてやるさ、同じ余所者だ。けどねえ…ここの奴らは女子供に至るまで腐りきってる
んだ。生きてたっていずれ誰かを不幸にするだけだ!」
「だが!」
「あんたたちには分からないよ、私が、今までこいつらに散々虐げられてどんなに嫌な思いをしてきた
かなんて。それでも、私は生きて来なきゃいけなかった!」
懇願のようなベムの声はもうしづには届かなかった。遂に子供たちまでを皆殺しにすると、最後に残され
恐怖で足が竦んでいる女の襟元を掴んで引き寄せ、血濡れた顔でゆっくりと尋ねる。
「私の母さんと兄さんは、どこに行った」
「…知らない、私は何もしてない…」
女の声が切れ切れに絞り出される。
「何もしてないだと?どういうことだ言え!」
「ここに来た余所者はみんな、八つ裂きにして燻した…木乃伊にすりゃ高く売れるからね…頻繁だと
さすがに怪しまれるからあんたは生かしておいただけだ、でも構わず燻しときゃ良かったよ」
「燻して木乃伊にして売った…?」
0186恨詛の娘 11/132012/07/01(日) 17:48:31.32ID:REK6DvOM
おぞましい血濡れの顔が見る見る蒼白になった。それでも大鉈を持った手が瞬時に動いて女の首を
刎ね飛ばす。
「母さんと兄さんが…殺された…木乃伊になった…」
呆然と呟きながら大鉈と日本刀を投げ捨てると、ふらふらと立ち上がる。力を失った目がぼんやりと
ベムたち三人を見て大きく見開かれた。
ベムの角やベラのこめかみにある鱗を改めてはっきりと見たのだ。
「…あんたたち、は…」
「しづさん、俺たちは」
「分かってるよ、神様…だね?」
まだ血が滴る顔でふふっと微かに微笑むしづは、初めて年相応の可愛らしい表情になる。
「そうだ、だから私はここの奴らに復讐が出来たんだ…感謝するよ、ねえ神様たち」
「いや、俺たちはそんなものでは」
「どうでもいいさ、別に…私の念願がやっと叶ったんだ」
ふらつく足取りで外に出て行くしづを放っておけず、三人は黙ったまま追った。しづの足は一番近くの
家の前で止まり、そのまま中に入って行く。最初の日にベムたちにも嫌な予感があったように、どこの
家も妙に煤けていたのは余所者を殺して木乃伊にしていたからだったのだろう。
確かに腐りやすい内臓を抜いて来る日も来る日も燻し続ければ、時間はかかっても魚や猪肉と同じ
燻製にはなることが容易に想像出来る。
この国ではベムたちが生まれる数十年前に御一新があったと聞く。しかし人の意識はそれほど改革
される筈もなく、いまだ迷信深く漢方薬としての木乃伊の効能を信じる層は確実にあるのだ。それが
これほどに醜い人間たちを生み出してしまっていたことに、胸苦しさを覚えずにはいられない。
とはいえ、この集落の者たちに他に生計を立てる手段があったか。そう考えれば、おのずから辿る道
だったとしか思えなかった。
作物の望めないこの地を捨ててでも生きることは出来た筈なのだから。

おぼつかない足取りで全戸を回り歩いたしづは、最後の家にあった真っ黒の柱を見てはらはらと涙を
落とした。八つ裂きにした死体はそこに掛けて燻し続けたのだろう。間近でそれを見て平然と生活を
していた感覚はやはり理解しきれるものではない。
年寄りも男も女も子供も、無辜の人間の死を前にしても何も感じなかったのだ。
「やっぱり、奴らは死んで当然だった…私は間違っていない」
ぶつぶつと呟いていたしづは、やがてくるりと三人に向き直った。
「約束通り、お前たちだけは助けよう。こんなおぞましい場所からはすぐに立ち去れ。そしてもう二度と
思い出すんじゃない。いいな」
0187恨詛の娘 12/132012/07/01(日) 17:49:06.37ID:REK6DvOM
「ここにいてはいけないのは、あなたも同じだ。しづさん」
「そうだよ、あたしたちとここを出よう。しばらく一緒にいてもいいだろう。このままここにいたらあんたが
持たないよ」
「お姉ちゃん、そうしよ。ね?」
三人はそれぞれにしづを心配して気遣った。しかし、しづはきっぱりと拒否をして煤けた天井を見上げ、
晴れ晴れとした口調で告げた。
「…私には、まだやることがあるんだ」

しづの決意は固く、やむなく三人は自分たちだけで集落を離れることにした。最後に振り返った時に
見たしづの顔は穏やかこの上なく、まるで女神そのものだった。
「お姉ちゃん、さよなら。また会いたいな」
一人置いて行くのが余程気になっているのか、ベロは何度も何度も振り返りながら姿が見えなくなる
まで手を振り続けた。
「ベム、我慢しろ。しづさんは俺たちを守ろうとしてくれた。その気持ちに応えよう」
「うん…お姉ちゃんはとっても偉いね。怖かったけど偉いね」
「いい子だ、だから泣くんじゃないよ」
涙が零れてきそうなベロの手をベムとベラは両方から繋いで、元来た狭い道をただひたすら逃れる
ように歩き続けた。
目に映る緑の景色はとても鮮やかで滴るほど美しいのに、醜く歪んだ人の心を染めることなど決して
出来ないのは何だか不思議な気がした。

それから十年ほど経った頃、その集落があった地から遥か遠く離れた大きな町でしづに良く似た女を
見かけて思わず足が止まった。
しかしその婦人は人違いと思えるほどに美しく、大戦下のご時世ではありながらもしゃなりとしとやかに
金紗御召で歩いている。記憶の中にあるみすぼらしくぎらぎらした目をしたしづなどではないような気が
した。
しづに似た婦人が大きな屋敷に入って行くのを見届けたベムは、たまたま近くを通りかかったこの町の
住人らしき女に尋ねてみる。
「あれは一体誰ですか?」
見知らぬ男に突然話しかけられて、怪訝な顔をしながらも女は丁寧に答えてくれた。
「ああ…あの人は何年か前にこの町に来た、金持ちの後家さんです」
「…後家?」
「何でも、亡くなりなさった旦那さんは大層羽振りのいい薬屋の若旦那だったらしいけど、それしか誰も
分からないですねえ。何にしろ口数の少ない人ですから」
「そうですか…」
0188恨詛の娘 13/132012/07/01(日) 17:49:39.43ID:REK6DvOM
あの豪奢な婦人がしづである可能性もなくはない。しかし追求することは憚られた。そこまでして知る
必要はないことだからだ。もし、しづだとしても今更昔のことを探られたくはないだろう。第一、別れる時
しづは『思い出すな』と言った。
だが、しづだとしたら今の境遇はどうしたことか。もしも木乃伊の作り方をすぐに悟って殺した村の者
全員を燻したのだとすれば合点はいく。あれだけの数の木乃伊ならばさぞや見事な一財産を築けた
に違いない。一人で生きていく為と、恐らくは最後の報復の為に母親と兄と同じ目に遭わせたのだ
ろうか。
だとすれば既に人の良識などかなぐり捨てていたあの集落の者たちと同様に、しづもまたあの時に
人ではなくなっていたのか。
もちろん全てが憶測であり、現実は全くの別人であるのかも知れない。
考えても詮無いことに囚われかけていることに気付き、ベムは苦笑しながら頭を振った。
「ベム」
「そうだな、行こうか」
あまりに長く路傍に立ち止まっていたので、ベラが苛々と声をかける。ベラにとっては昔のことなど
もう記憶から綺麗さっぱり消えているのだろう。
「…あ」
ベムの視線を辿りながら屋敷の方を見たベロが、二人に手を引かれながらも首を傾げた。
「さっきの女の人、オイラたちを見て笑ってたよ」
「そうか、俺たちの得体の知れない風体がおかしかったのだろうな」
何にでも興味を持つベロに悟られないように、ベムは小さな嘘をつく。しづの人生に対して自分たちは
何の関わりも持ち得ないのだ。今までも、これからも。

町外れの廃屋をその夜の仮住まいとしてしばし身体を休めるつもりだったが、妙に気が昂ぶっている
せいかどうやら簡単には眠れそうにもなかった。
せめてもの慰みに、と必然的にベラを求めてしまう。
「…あんたはいつもそうだね、何か思うことがあるとあたしに手を出す」
「そうなのか?」
「お忘れよ、どうしたってあたしたちは人間とは相容れない…それと分かった上で必要なら助力すれば
いいことさ」
既に住む者もない家の荒れ果てささくれた畳の上で、ベラは乱暴な愛撫を受けながらそれでも甘く
濡れた吐息を漏らす。滑らかな感触の乳房に手を這わせながらベムは苦しげに呟く。
「それは覚悟の上だが、時折分からなくなるんだ。俺たちは人間にとって少しは必要な存在なのか」
「…ははっ」
突然、ベラが短く高笑いをした。
「あんたの得意口上をお忘れかい?困っている人間は放っておけないんだろ。それでいいのさ」
「…そうか」
「ふふっ」
ベラは挑発するように身をくねらせて挿入を促した。どのみち自分たちが人間に対して出来ることなど
たかが知れている。何か役に立とうなどと、おこがましいにも程があるというものだ。
余計なことなど全て忘れてしまえばいい。
今夜もまた、果てしなく血が滾りそうだった。




0190名無しさん@ピンキー2012/07/01(日) 23:35:17.44ID:D6qpj8nn
GJ!!
夢中になって読みました
こういう話を書けるなんて凄いなあ
0191名無しさん@ピンキー2012/07/02(月) 04:14:45.12ID:hviIehvb
GJ!
ううむ・・・・すごい・・・。
0193名無しさん@ピンキー2012/07/05(木) 06:11:46.33ID:LDZ1R7fa
そろそろロケ地での目撃情報が幾つも出ているみたいだけど、どんな話になるのか
もうちょっと分かるといいな
何かネタになりそうなものがあったら最高
0194名無しさん@ピンキー2012/07/08(日) 23:37:25.37ID:CrgdWWPc
ロケ地の一つ、室蘭の地球岬をぐぐってみた
めっっっっっちゃ壮大で綺麗な風景に映画の仕上がりが楽しみになってきた
ベムたちがあの、この世ならぬ景色の中で動くのかー
0195名無しさん@ピンキー2012/07/10(火) 21:44:26.48ID:mV0XTBj9
短い話が出来た
レズものはまだネタが湧かないので保留中
0196星降る夜にあったこと 1/22012/07/10(火) 21:45:19.60ID:mV0XTBj9
この世界はいつまでも続いている。
夜空の深遠もまた果てがない。
ベムたちは今夜もまた甲板の上で、今にも降るような星を見上げていた。

「…綺麗だねえ」
今夜のベラは余計なことも言わず、ただ無心に美しい夜空を見上げて微笑んでいる。その横顔が
とても穏やかで綺麗だった。
さすがに深夜はベロにとって酷なのだろう。遊び疲れているベロはベラの膝の上でこくりこくりと緩く
舟を漕ぐ。その手には数日前に夏目家・緒方家・ベム家の三家族合同で行った七夕祭りの時に笹に
飾った短冊がしっかりと握られている。
短冊には「ベムとベラとずっと一緒にいられますように」と歪んだ平仮名で書かれていた。人間になる
大願よりも、ただ静かに三人で過ごすことの方にこの幼子は喜びと幸せを感じているのだ。
あまりにもささやかなその願いなら、もう当然のように叶えられている。
くったりとベラの膝に顎を乗せて目を閉じているベロがあまりにも健気で、思わずベムは声をかけた。
「ベロ、無理はしなくていいぞ」
「…うん、オイラも一緒に星が見たいのに眠いよー」
やはり相当眠いのだろう、ぐずっていたベロはすぐに他愛無い子猫のように眠りに落ちる。
「子供は呆気ないもんだ、この星が見られないのは何だか勿体無い気がするよ」
ベロの頭を撫でながら微かに笑うベラがもう一度仰ぎ見た今夜の夜空には、確かに吸い込まれて
しまいそうなものを感じた。外界から切り離されたこの場所でこうして佇んでいると、底のない夜空
へとまっさかさまに墜落していきそうな感覚さえある。
もしそんな時があったとしても、きっと最後まで三人は一緒なのだろう。そんなことを考えていると急に
劣情が稲妻のように背筋を駆け抜けた。
「ベラ…」
「何だい」
怪訝な顔をしたベラの唇を掠めるように重ねると、悪戯を咎める眼差しで薄く笑いかけてくる。
「…あんたは本当に場所を憚らないね」
「他に誰もいないなら構わないだろう」
「こんな、いつベロが起きるかも分からない時に、かい?」
「すぐには目覚めない、きっと」
こんなに近くにベロがいるにも関わらずその気になっているのは自分でも驚くほどだったが、もう止め
られなかった。
0197星降る夜にあったこと 2/22012/07/10(火) 21:46:52.71ID:mV0XTBj9
拒絶どころか抵抗すらしないベラの艶やかな黒髪を撫でながら、更に深く唇を噛み合わせる。何一つ
知らずにいた頃は考えもしなかったことだ。この女の身体はどこもかしこも甘く馨しいことを。
今では完全に虜になって、ただひたすらに求め渇望するだけだ。
「あんたってば、全く訳が分からないね」
苦笑しながら呟くベラの声はとても穏やかで優しい。ベロにするように髪を撫でてくる手が普段のベラ
からは想像もつかないほど優しいことに気を良くして、真っ白で滑らかな肌触りの乳房にするりと頬を
寄せた。
「…おかしくなっても、いいだろう。こんな夜なら」
「そう、なのかねえ…ふふっ」
まるで自分までもが幼子になったかのように、そうしていると限りない安堵を感じて心が満たされて
いく。やはり人としての成長というものをしていないからこそ精神の奥底では望んでいる部分がある
のだろうか。
自分に欠けているものなど幾らでもある。
けれど自分にしかないものもきっと何かある。
思い出す度に焦りに似た感情が湧き上がったとしても、きっとこの女ならば笑って全てを包み込んで
くれそうな気がした。
けれど言葉に出せないそんな思いは、夜空を飾る星ですら知らない




0199名無しさん@ピンキー2012/07/15(日) 11:05:10.93ID:23o8RemZ
ベム、貴様どさくさに紛れて「ベラ」と発声練習するなw

byズムサタ
0201名無しさん@ピンキー2012/07/21(土) 08:27:13.71ID:RPfOYTB+
そろそろ映画の続報あるかな
室蘭の夜景は綺麗だった
あの霧が立ち込める情景と工場地帯の無機質さが実に非日常的で、妖怪たちが佇んで
いてもおかしくない雰囲気だった
0203名無しさん@ピンキー2012/07/22(日) 06:06:13.71ID:P13RDTx9
それがベムのデフォルトさ
奴だって人間じゃないけど男だもんな
しれっとした顔しててもハアハアする時だってあるよ
0204名無しさん@ピンキー2012/07/25(水) 01:41:54.08ID:1Z/HvdOq
ベムベラのレズもの、書き始めたけどまだエロに到達してない
とりあえず前段階の奴がまとまったので投下する

エロはまたすぐ書くよ
0205銀華 1/32012/07/25(水) 01:42:40.51ID:1Z/HvdOq
「わー、ここはいっぱい生えてるー」
公園に着いた途端、ベロが弾けるような声を上げて走り回っている。
梅雨が上がった後の公園の一角は、生き生きと茂る緑の草で埋め尽くされていた。人間なら面倒な
雑草がまた生えたとうんざりするところだろうが、ベムたち三人の妖怪にとってはまさに宝の山といった
ところだ。
「本当だ。今日は久し振りに空腹にならずに済むね、ベム」
嬉しそうにはしゃぎ回っているベロの姿はとても微笑ましい。腕を組みながら目を細めてベロを眺めて
いるベラの表情もとても優しい。
「そうだな、たくさん摘んでいこう」
つい見惚れそうになって慌てて帽子を深く被りながら、ベムは横を向いた。

夏は様々な自然の恵みをもたらしてくれる。
三人にとってもこの暑さは堪え難いものがあるが、食べられる草の種類が増えるだけでも有り難く
嬉しい。とはいえ、長く生きていてもどれが食用に相応しいかそうでないか、はっきりと判別しかねる
ものは幾らでもあるから厄介だ。
そういうものは一体どんな毒性があるか分からないので意図的に排除しているのだが、中には雑種
から自然交配した全くの新種である草もごく稀にあったりして、知らずにうっかり口にすることもない
ではない。
だからこそ見知らぬ草は殊更気をつけて避けているのに、この日はどうしたことかむざむざ口にする
羽目になってしまったのは運が悪かったとしか言いようがない。

まだ朝方の時刻ではあったが、日差しはぎらぎらと照りつけている。
今日も良く晴れそうだった。
「ベムー、これは食べられるの?」
いつものように摘んだ草を見せに来るベロの頭を撫で、手の中にある草を眺めてみるとそれまでに
一度も見たことのないものだった。普段であれば食用かどうかは別としてまず一番に避けていた筈
なのに、何故か今日はベラが興味を持ってしまった。
「ふーん…」
ベムが持っていた草をしげしげと眺めるなり、悪戯っぽい声を上げてふっと笑う。
「こりゃあ妙なモンだね、葉の形からしてタンポポに似てるけど」
「しかし別種だろう、これはやめておいた方がいい」
「でもさあ…何か勿体ないねえ、こんなに大きな葉っぱなのにさ」
よほどの毒性があったり明らかに食用に適さない草でない限りは大抵のものなら口にしてきた三人
ではあるが、見も知らぬものを最初に口にするのはやはり勇気がいる。しかしベラはそういう意識が
やや薄いようだった。
0206銀華 2/32012/07/25(水) 01:43:40.14ID:1Z/HvdOq
もしもこれで何も異変がないようであれば儲けものだ、とばかりに既に摘んだ草の中に混ぜようとして
いるのを制したベムは思いきり不審な目で見られることになった。
「…邪魔するんじゃないよ」
「そんなつもりはない、ただ食べられるのかどうかまだ分からない草は危険だと思っているだけだ」
「へーえ…」
ベムに遮られたのが余程不満だったのか、ベラは挑発的に件の草を取り上げて目の前にひらひらと
かざした。
「じゃあ、ここで確かめて御覧よ。あんたが直にさあ」
「…それは」
「嫌ならあたしが食べるよ、ほおら」
ベムがぐずぐずと渋っているのも気に入らないのだろう、いつも言動に一切躊躇のないベラはそう
言うなり正体不明の草をそのまま口に入れようとした。
「よせ!」
この女に何かあってはいけない。そんな思いから慌てて草を取り上げてこの場の勢いで一気に噛み
千切り、咀嚼する間もなく飲み下した。味など碌に感じなかったが、ぴりっと舌を刺すような不快な
苦味だけはしばらく口の中に残った。
「…ベムぅ、大丈夫?」
二人の遣り取りを見ていたベロが草摘みも忘れて不安そうにじっと見上げている。
「ああ、大丈夫だ。何ともない」
安心させようと笑いかけてやると、ベロもつられるように全開の笑顔になってまた夢中で草を摘み
始めた。
「そうかい、だったらこの草も見かけたらこれから食用にしていいんだね」
「見かけたら、な。だがしばらく気をつけた方がいい」
全てはこれからも心穏やかに過ごす為だからと、何事においてもベムはあくまでも慎重でいようと
する。決して死ぬことのない身体ではあっても切られれば痛いし毒を食らえば苦しい。そんな不快な
ものが少しでも長く続くのはやはり嫌なものだ。
こと三度三度の食であれば最も身近なことだから、慎重になり過ぎてもまだ足りないぐらいだと思って
いる。

そんなベムに異変が生じたのは、夜中のこと。
眠っているうちに身の内をじりじりと焼かれるような熱が腹の底から湧き上がってきて、訳も分からず
ただ無暗に寝返りを繰り返している間にまんじりともしないまま朝を迎えていた。身体は異様にだるい
上にひどく重く感じて、人間がこの時期にひくという夏風邪とはこのような状態かと思ったほどだ。
0207銀華 3/32012/07/25(水) 01:44:12.09ID:1Z/HvdOq
「ベム、どうしたのさ」
珍しくいつまでも起きないベムを心配したのか、ベラが声をかけてくる。
「ベロは先に草を摘みに行ったよ…どこか悪いのかい?」
怪訝そうな声が上から降ってきた。
何でもないからと言おうとして寝台から身体を起こしかけたベムは、そこで初めて異変の正体に気が
付いて言葉を失う。
「ベム、あんた一体…」
間近に目にしたベラも言葉の続きが出なくなっていた。
「…俺は、どうしたんだ…?」
ようやく喉から絞り出した声は、普段のベムのものではなかった。廃船内に高く涼やかに響くそれは
明らかに女の声音。そして熱を孕んで重い身体は慣れ親しんだ男ではなくなり、華奢で柔らかい女の
線を描いていた。
「俺は…」
何が何だか全く分からない。ただ一つ言えるのは、原因があるとすればただ一つしか思い当らない
こと。
まるで悪夢でも見ているような気分だった。



続く
0208名無しさん@ピンキー2012/07/25(水) 07:47:09.10ID:1Z/HvdOq
ただ一つ言えるのは、原因があるとすればただ一つしか思い当らない
こと

ただ言えるのは、原因があるとすれば一つしか思い当たらないこと

orz
0210名無しさん@ピンキー2012/07/25(水) 18:24:41.36ID:UXbHHIpo
>>205
GJ!
wktkしながら続き待ってます
ベムがかわいい銀髪のおにゃのこだといいな
0213名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 01:35:44.18ID:1G/B3130
映画では観月ありさが敵(?)妖怪役らしい
観月が大人の魅力でベムを誘惑したり、
ベラを百合的な感じで虐めたりする展開はあるんだろうか
0214名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 09:02:32.55ID:rd0rIbTn
敵妖怪はベムベラベロみたいに男性女性子供と3人いて人間のフリをして家族を装っている
ベロが好きになった女の子は実はその妖怪、という所まで妄想した
0218銀華 後編 1/72012/07/30(月) 01:54:46.93ID:hJvuCexx
日差しは昨日よりも更に強く、ぎらぎらと照りつけている。
公園で一人遊びをするベロを見守りながら、ベムは帽子の影から真夏の太陽を忌々しく睨みつけて
一層身を屈めた。普段から伏し目がちでよくベラから注意をされてはいるが、今日はまた別の意味で
人目を避けなければならない。
今朝目覚めたらどうした訳か女の身体になってしまっていて、原因がさっぱり分からないときている。
もしかして妖怪にはそういう異例があるのかと考えてもみたが、やはり曖昧なままだ。
「ベムー」
何か面白いものでも見つけたのか、ベロが駆け寄って来てじゃれついた。
「一緒に遊ぼうよ」
「…済まないな、今はあまり気分が良くないんだ」
「ちぇーっ」
断られて大袈裟に頬を膨らませたベロは、それでも膝の上でおどけるように甘えた。子猫でも撫でる
ように何度か頭を撫でているとそれだけで満足したのだろう、いつものにこにこ顔になる。
「あ、ベムさん」
炎天下にいるのも辛くなってきたのでそろそろ廃船に戻ろうとしていた時、離れた場所から呼ぶ声が
聞こえた。
「そんなところにいたら暑くないですか?」
夏目だった。
こんな時に出くわすとは思っていなかったベムは慌てて頭を下げた。うっかり声を出したりなどしない
よう気をつけなければならないのは厄介だったが、何も知らない夏目は近付いてきて様子を伺うように
身を屈める。
「どうか、なさったんですか」
「…いえ」
決して顔を上げず目も合わさず、無理に男の声を作ってこの場を何とか遣り過ごそうとするベムに、
無邪気な様子のベロも足並みを揃える。
「あのねー、ベム気分が良くないんだって。だからもう帰るところだったの」
「あ、そうなんだー」
あっさりとベロの言うことを信じた夏目は、気遣う素振りを見せながらもどこか興味深そうだ。刑事の
勘というものなのか、わずかでも普段と違うことには敏感になっているのだろう。
「どうしたんだい」
何とか誤魔化さなければと回らない頭を駆使して必死に考えているところに、今までどこにいたのか
ベラが颯爽とやって来た。
0219銀華 後編 2/72012/07/30(月) 01:56:27.95ID:hJvuCexx
「ベムさんがあまりお加減が良さそうではなくて。こんなところに長い時間いたら身体に障りますよ」
「ああ、そうだねえ。それじゃあ戻ろうか」
「もしよろしければうちで少し休んでいきませんか?」
いつもなら嬉しい夏目の誘いも、今日だけは避けたい。そんな思いが伝わったのかベラはあっさりと
流した。
「具合が悪いんなら、すぐには治らないだろ。迷惑かけちゃいけないからやっぱり帰るよ」
「そうですか…残念ですね。なおちゃんも会いたがってたんですが」
「ふふ…ベムがまた元気になったらいつでもお邪魔するさ。悪かったねえ」
気遣う素振りでそろそろと背中をさすってくる手が妙に優しい。しかし今はベラの真意を勘繰る精神的
余裕などわずかもなかった。今はとにかく自分が女になっていることを夏目に気付かれないよう努める
ことで頭が一杯になっている。
そのせいで普段から極力心掛けている礼を欠いてしまうとしても、この不測の事態の前には仕方の
ないことだと思った。
結局、ベムは夏目が側にいる間一度として顔を上げることはなかった。

長い夏の一日がようやく終わり、船内にはいつものようにゆらゆらとランプの灯が揺れている。
日のあるうちから横になっていたベムの髪を撫でながら、優しい声でベラが尋ねた。
「ベム、あんた大丈夫なのかい」
「…気にするな」
今日も暑さをものともせず一日遊び回っていたベロは、疲れきって早いうちから熟睡している。二人の
嘘をすっかり信じ込んでいたのが気の毒だったが、こればかりはどうしようもない。丸一日鬱々とした
気分を抱えて過ごしていたせいか、決して患っている訳ではないのに本当に気分が優れない。
「蒸すねえ…水でも飲むかい?」
「何もいらない、ただ頭が妙に重いんだ」
寝台から置き上がっても身体に力が入らない。もしかしてこのままずっと女のままなのかと、思考は
どんどん鬱な方向に行ってしまう。
しかしベラはそうでもなかったようだ。
「ねえ、ベム」
まだ夜は決して遅くない。なのにひどく婀娜な悩ましい声音を出して隣に座ってきた。
「あたしゃねえ、昼間は気が気じゃなかったんだよ」
「…何をだ」
「女になっちまったからって、夏目に変な気を起こしゃしないかってね」
「そんなこと、ある筈がない」
0220銀華 後編 3/72012/07/30(月) 01:57:12.45ID:hJvuCexx
たとえ身体が女になったとしても、心には少しも変化がない。もしそんなことがあったとしたら、普段
からの自分に何も芯がないということだ。これまで築いてきたベラとの関係も全て欺くことになる。
それに、夏目にそんな感情を向けるなど考えもしなかったことだ。
「…ふふ、そうだね…あんたはそういう奴だよ。そういうお固いところがいいんだ」
さらさらと肩に纏わりついていた髪を撫でてから、じっと見詰めてくる眼差しがあまりにも深い。この
奔放な女の中にも嫉妬などという感情があったのかと思う。
「…ベラ」
「あんた、本当に綺麗だねえ…特に今夜は月が人の形を取ってでもいるようだよ。女になっている
せいもあるかもね」
「そんな、ことは…」
「いいから…もうお黙りよ」
ひそり、と囁く声に五感を縛り上げられる気がして、ベムは息を呑んだ。そのまま唇を深く重ねられ、
千切れそうなほど激しく舌を吸われる。急に剥き出しにされた激情に思いきり魂を掴まれたように
思えた。
「ベ…ラ、まさかお前」
しばらく貪られた後、ようやく解放された舌は思うように回らなかった。もしやベラはこの女の身体
でも構わずに事を進めようとしているのでは、と怖気が走る。
「ああそうさ、あんたは…どんな身体でもあんただろう?」
「そう、だが…」
「面白いじゃないか、たまにこんなことがある方が刺激的だろ?」
ベラはにったりと笑いながら、服の上からするすると胸の辺りを撫でる。女になったとはいえ、ベラ
とは比較にならない程度のささやかな膨らみがそこにはあるだけだ。
「さあお脱ぎよ…いや、あたしが脱がせてやろうか」
ぎらぎらした目で迫ってくるベラの気迫に押されて、どこか釈然としない気分を抱えたままのベムは
黙って着ていた服を脱いだ。
やはりベラとはとても比較にならない薄い女の身体が気恥ずかしい。そんな様子はさぞかし面白い
と感じているのだろう。
「ふうん、可愛いモンだねえ」
興奮を隠すこともなく細い指が貧弱な乳房を滑り、色味の淡い乳首を弾いた。
「や、めろっ…っ」
「こんなことは滅多にないんだ、存分に愉しもうじゃないか。ねえ」
くすくすと笑いながらベラはゆっくりと乳房の形を確かめるように揉んでくる。
「やめろって…」
0221銀華 後編 4/72012/07/30(月) 01:57:44.31ID:hJvuCexx
そんなことをされても何も感じないつもりだった。なのに触られるほどに未知の甘い感覚がじわりと
身体の奥底から湧き上がってくるのをもう抑えられない。それが怖くてこんな浅ましいのは自分では
ない、と必死で身を捩ろうとしているのに女となった今では力すらもベラに敵わないのか、あっさりと
封じられてきつく抱き込まれた。
「あ…ぁっ」
「観念しなよ、ベム」
殊更挑発するように、声すら出せないほどまた唇を貪られて頭の中が真っ白になる。いつもならば
これは自分がしていることだった。なのにこうして立場が変わってしまうと、もう手も足も出ずに翻弄
されるままになっている。
そんな不甲斐ない自分にもやもやした違和感を感じながらも、やはり何一つ出来ないままされるに
任せるしかなかった。
「…やっぱり今夜のあんたは可愛いねえ、ベム」
「そ、そんなことを、言う…な」
今夜は何もかもが未知のことばかりで、女の身体でいることですらひたすら戸惑うばかりだ。ベラに
何を言われてもただ俯いて耐えるだけしか出来ず、上手く受け流す既知も働かない。
「褒めてるんだよ、少しは誇っていいんだ…でなきゃ勿体ないじゃないか」
甘い声で囁きながらも艶めかしい唇が優しく宥めるように汗ばんだ額や頬を滑ってくる。それが何だか
心地良くて目を閉じていると、急に強く乳房を揉まれた。
「…っ!」
思わず睨み返したら挑発的なベラの視線が火花でも散るほどぶつかってきた。
「ふふっ…感覚はすっかり女になってるねえ…もっとお愉しみよ。折角なんだし」
「ぅっ…そ、んなこと…出来るか…」
「いいかい、今のあんたはただの女なんだ。こうして…ほら」
優美に肌を撫でていた手がいとも自然に腹へと下りていき、戒めのような革生地をゆるりと解放して
触れられてもいなかった陰部にゆっくり触れた。
途端に、甘くざわめくような疼きが身体の中心を稲妻のように突き抜ける。
「ぁ…触る、なっ…」
そんなベムの反応の変化を目敏く察したベラが、軽い含み笑いで念を押す。戯事のように緩く耳を
噛まれるだけで身の内が異様に熱を孕む。ましてそこをこれ以上触られたら自分がどんなことになる
のか。
これまでずっとベラを見てきたからこそ、自分もそうなることは信じられない。女の快感は一度感じると
深く持続すると聞いたことがある。今の自分がそんな果てしのない喜悦を知ったらどんな風に変化
するのか、考えることすら恐ろしかった。
0222銀華 後編 5/72012/07/30(月) 01:58:23.41ID:hJvuCexx
「女として触られれば、そう悪くもないだろ。心は別としてもさ」
「くっ…そんな筈が…」
「素直におなりってば。あんたが男でも女でも、癒してやれるのはあたしだけなんだよ」
「…いい、から離れろ…」
これ以上何かされたら本当におかしくなってしまう。そんな本能的な危機感に突き動かされて必死で
逃れようとするものの、五感を浸していく快感は未知だからこそ凄まじく、既に身体には力が入らなく
なっていた。
それに気付いて呆然とするベムを煽るように忍び笑うベラは股間に忍ばせた指を更に下げ、薄い襞の
狭間を撫でるように触れながらゆっくりと奥深くへと差し入れていく。
男だった時には存在しなかったそこが焦れたように指を呑み込むのを感じて、びくびくと震えた。
「あ…ぁっ…」
「いい反応だねえ…もっと可愛くおなり」
「そんなことを、するのはやめろ…」
「ふふっ」
身を硬くして必死に抵抗を続けるベムは、もう決して逃れられないことを知っている。なのにこのまま
ベラの手の中に落ちることを許せずに砂山のように崩れそうな最後の矜持を保とうとしていた。
それも時間の問題になりそうだったが。
「…ねえ、ここ、こうすると…いいだろう?」
囁いてくる熱く甘い声が耳を蕩かすほど魅惑的で、そして恐ろしいほど毒性を持っている。
ベラの手管はそっくりそのまま自分がやってきた通りのことだ。女の身体のどこをどうすれば良くなる
のかは既に知り尽くしている。ならば今夜のベムが熟練の技の前に手もなく陥落するのはやむない
ことではないか。
頭の中で妥協と矜持がどす黒くごちゃ混ぜになって、更に快楽と欲がまとめてぶち込まれる。今まで
感じたことのない莫大な混沌が次第に精神を支配して、もうまともな思考すら繋がらなくなりかけて
いた。
「ああ…」
膣壁のあちこちをベラの長い指が自在に擦り動いていく度、知らず知らず漏れる溜息にねっとりと
した熱が籠る。
悔しいが、本当に気持ちがいい。女特有の快感を我が身で直に知るほどに、もっと深く大きな快味を
無意識に求めていることも悔しい。なのにもう逃れる気などなくなっている。
ここまで翻弄されたら半端に放り出される方が残酷というものだ。ならばこの女に操られるままにどこ
までも溺れ込みたい。それでたとえ精神に破綻をきたしたとしても。
「ベラ…」
淫らな熱に浮かされながら、夢うつつとなってベラに身体を摺り寄せる。間近で視線がかち合うのを
確かめてから両手で頬を挟んで唇を深く重ねた。
身体が燃え盛るほどひどく熱くて、別のものになってしまったようだ。
0223銀華 後編 6/72012/07/30(月) 01:58:53.67ID:hJvuCexx
「女の身体は初めてだもんねえ…でも怖がらなくていいんだよ」
乱れてしまった髪を解いて、子供にするように撫でてくる手が心地良い。何も知らなくてもこの女に
全て委ねていれば間違いはないのだと奇妙な安堵感があった。互いに相手の乳房を掴み、揉み、
舌を絡ませ合ううちに、酔ってでもいるように何もかもが陶酔に変わっていく。
そんな反応の変化に満足したのか、緩急をつけて膣内を突いてくる指の動きが早まっていく。強引に
擦られて昂らされた身体はもはや制御不能となって暴走を始めた。
指が抜き差しされる度に、自分の身体から漏れているとは思えないほど淫らな水音が響く。
「そ、んなに強く、するな…あぁぁっ…」
「そら、このままイっちまいな」
毒のように黒い声が完全に精神を浸して、頭の中が真っ白になる。その隙を突くように一番敏感な
箇所を執拗に続けざまに擦り上げられた。
「こ、こんなところで…な、んてっ…!」
もうベムは声すらわずかも抑えられず、ベラに促されるまま淫蕩に踊らされ、内部から絶え間なく
突き上げられる凄まじい激情に負けて一瞬にして達してしまう。
「あ…あああっ!!」
優しく抱き締めるベラの腕の中で壊れた人形のように髪を振り乱し、あられもない濡れた声を上げる
痴態すらもう恥ずかしいことだとも分からなくなっていた。
これほどに、自分が乱れ狂うなど思いもよらなかった。
「…良く出来たね、ベム」
女の快感のあまりの激しさに知覚が碌について行かず、ものも言えずに激しく肩で息をするばかりの
ベムをベラは柔らかく抱き寄せる。子供をあやすように髪や頬に唇を寄せて何事かを囁きかけてくる
のが子守唄のように思えた。
達したばかりで妙に重く感じる身体はまだ鈍く熱を持っている。額にじっとりと滲んだ汗が頬を伝って
寝台をぽたぽたと濡らした。
「さ、下も脱ぎなよ…あたしも脱ぐからさ」
二人分の重さを受けて悲痛に軋む寝台の上で、ベラはひそりと笑った。
「…そうだな」
自分でもまだ目にしてはいない女の身体を、全て晒してしまうことの羞恥は当然のようにある。しかし、
それ以上にこの先に待っている快感への期待が凄まじい。普段の冷静さすら欠いてしまっているが
それが本能というものなのだろう。
ためらいを振りきって既に前をくつろげられていたものを床に脱ぎ落とすと、同じようにドレスを脱ぎ
捨てて裸になったベラが腕を回して抱き寄せてくる。
「…本当に、可愛い子だねえ…あんたは」
褒美のように舌を絡ませながら、世にも美しい女が低い声で囁く。
0224銀華 後編 7/72012/07/30(月) 01:59:24.16ID:hJvuCexx
あれは毒と蜜の夜だった。
それからの濃密な時間にあったことはあまりにも互いの性感を煽りたて、感覚を焦がしたせいなのか、
過ぎてしまえばあまり思い出せない。ただ、男と女の間では決して有り得ない感覚と快感は確かに
あって、それもまた快いものだと素直に感じ始めていた。
挿入がなくとも、あれほどに感じ合えるのであればそれでいい。
ねっとりと甘く激しい女同士にだけある快感は、さしものベムをも確実に侵していた。

無意識に溜息をつきながら、今日もベムは公園でベロが元気に遊んでいるのをぼんやりと眺めて
いる。
あの夜から数日が過ぎていた。
服で隠れているので外からは決して分からないが、まだ身体は依然として女のままで元の姿に戻る
気配もない。
原因はどう考えても例の草しか考えられない。しかし、だからといってどんな成分によって女になった
のか、そして元の男に戻れる日は来るのか、それが全く分からないでいる。
「なあに辛気臭い顔してんだい」
そんな様子を見かねたのだろう、一人で草を摘んでいたベラが悠然と歩いて来た。
「いや、別に何も…」
何となく顔を合わせるのも気恥ずかしく、普段以上に俯く。
「嘘つくんじゃないよ」
「嘘、なんて…」
言葉を濁すベムの隣にどっかりと腰を下ろして、今日もぎらぎらと輝いている太陽を見上げるベラの
横顔は相変わらず太陽よりも眩い。
「気に病むほどのことかねえ、あんたはあんただ。それでいいじゃないか」
ベラはきっと顔を上げたまま言い放った。
それで気が晴れた、などと簡単にはいかないのだが、少しだけ楽になったように思えた。この女との
関係が変わらなければ、確かに大きな問題ではないのかも知れない。
「…今日も暑いな」
帽子の影から見た夏の青空は目が痛くなるほどに澄みきって輝いていた。




0225名無しさん@ピンキー2012/07/30(月) 03:33:04.91ID:hJvuCexx
ベムが男に戻ってないうちに終わったけど、まあそんなこともあるよと
0228名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 13:04:41.21ID:hOFMj0cu
>>218
GJ!
夏目とベラと女体化ベムの3Pが読みたくなったw
美女二人に翻弄される夏目裏山
0229名無しさん@ピンキー2012/08/01(水) 09:36:23.33ID:j1O9+FNH
人外美女の二人なら、なおちゃん一筋の夏目をグラッとさせるには充分過ぎるなw
0230名無しさん@ピンキー2012/08/02(木) 05:04:41.87ID:/sOHAbBl
あれで夏目はなかなかの堅物だからな
絡ませるとしたらそれなりに理由をつけて攻める必要があるだろう
男とヤったら元に戻れるとか、超ベタな感じの奴

「あんたも思うところはあるだろうが、頼まれてくれないかねえ」
「…夏目さん、お願いします」
こんな感じで潤んだ目をして縋られたら、まず男だったら落ちるだろ
0232名無しさん@ピンキー2012/08/06(月) 09:08:48.72ID:qABJe8QS
レズものだけでも結構いっぱいいっぱいだけど、続いてる
まだエロないけど投下
0233絡新婦の刻 1/32012/08/06(月) 09:09:22.64ID:qABJe8QS
欠けゆく月がぼんやりと浮かぶ夜。
このところの異様な蒸し暑さは何度も寝返りを打っても眠れぬものがあり、仕方なくベムは甲板に出て
微風に吹かれていた。見上げる月はどこか滲んで輪郭が曖昧だった。
明日は雨になるのだろうか。
「…ベム、こんなトコにいたのかい」
しばらく何をすることもなしに佇んでいると、目覚めたベラがふらりと上がってきた。
「今夜は特に暑いからな」
「そうだねえ…でもあんたの場合はもっと他にありそうだ」
「他…?何のことだ」
「ふっ…」
空の月よりも朧な笑みを浮かべて、ベラは心得たようにするりと隣に座った。そして腕を回して抱き
締めてくる。夜目でも赤い唇が至近距離で秘密でも告げるように妖しく囁いた。
「隠し事はなしだよ…疼くんだろう?」
「…!」
あまりに率直な言葉に思わず目を見張って隣の女を見る。
この身体の奥から熱を持って湧き上がる、もやもやしたものは自分でもはっきりとは自覚していない
ことだった。だが、そう言われるのなら正解なのだろう。何しろ女になって日が浅いベムと違ってベラは
生まれた時から女だ。
「女の身体でいるうちに、馴染んできたのかねえ…そら」
いとも自然な動作で服の上から両手で乳房を鷲掴みにしてきたが、抵抗するのも忘れるほど身体が
刺激を求めている。
「う…」
「いいんだろう?こうされると」
「…そ、そんなこと、言えるか…」
「我慢しなくてもいいんだよ、水臭いじゃないか」
くすくすと笑いながら、ベラはより身体を密着させてくる。夜とはいえ蒸し暑い夜だ。少し汗ばんでいる
せいか甘く香り立つ肌の匂いが余計に性感を煽り立てた。
服を脱がされて直に乳房を揉んでくる手つきがやたらと粘っこい。そのせいかまだ触られてもいない
股の間にあの淫らなぬめりが滲んできているのが分かった。完全に女の身体と感覚になってしまって
いることを憂いたのはごく最初の頃だけで、今はもうこの新しい刺激と快感を貪欲に欲している。
やはり妖怪の身は人間以上に欲望に忠実に出来ているのだろうか。
0234絡新婦の刻 2/32012/08/06(月) 09:10:24.75ID:qABJe8QS
「ここ…触って欲しいんだろう?」
ベラのしなやかな手が股間を滑り降りる。
「ぅ…くっ…」
直に触られた訳でもないのに、身体が敏感に跳ねた。ほんのわずかな刺激を受けただけで驚くほど
感じてしまう身体を恥じ入る余裕はもうない。
「前よりかは、素直になったねえ…それでいいんだよ、ベム」
蜘蛛の糸のようにぎりぎりと五感を縛り上げる女の声が耳を侵す。ベラとの関係は男だった頃と特に
変わらない。変化があるとすれば、まだ全てにおいて無知なままのベムに手ほどきをしているつもり
なのか以前より積極的に迫られるようになったことぐらいだ。それがあまりにも念入りで濃厚なので
ていのいいベラの玩具にでもなったような心持ちではあるが、そう悪くもないと思えている。
「ねえ…あんたこれだけで満足してないんだろ?」
履いているものを緩めて、細い指先がじんわりと疼いているそこを撫でる。
「な、何のことだ」
暴走しそうになっている身体を宥めながら必死で声を殺すベムの耳が甘く噛まれる。
「指…なんかじゃ足りなそうに見えるのさ。ならちゃんと本当の女にならなきゃねえ」
「…言っていることが分からない」
「だから、あんたのココに挿れてくれる男が必要ってことさ」
疼ききっているそこが指の侵入を受けて一気に目覚めた。同時に羞恥までが突然湧き上がってきて、
思い出したように無駄な抗いを見せる。
「はっ…や、めろっ…」
逃れるように身を捩っても、ベラは鼻で笑うばかりだ。それどころか、更にベムの心身を麻痺させる
ようなことを言ってくる。
「あんたには、まだ分からないだろうねえ…挿れられるのは今までのことよりもっと気持ちがいいんだ。
きっと気に入るさ」
「…有り得ない、俺たちは三人きりしかいないんだぞ…そんなことは」
これ以上のことなど、想像すら出来なかった。確かに男だった頃なら幾度となくベラを抱いていたとは
いえ、同じ女になった今はあんなものを挿れられたらどうなるか分からなかった。全てが未知だから
こそ恐怖も感じている。だが、そんな相手が妖怪の自分たちにいる筈もない。
「だからそこは人間の男の役目さ、あたしたちの身近な男のね」
事もなげにベラは言ってのけ、ベムの疑問を払拭した。
それでも、あまりの展開にまだ頭がついて行かずにいる。
0235絡新婦の刻 3/32012/08/06(月) 09:11:17.21ID:qABJe8QS
翌日は曇天だった。
それでも気温と湿度だけは相変わらず高いのか、草を摘んでいるだけでも汗が滲んでくる。しかし
今のベムにはただ黙々とこの作業をこなすしか出来なかった。
「あ、ベムさん」
こんな時に、一番聞きたくない人物の声がした。
「今日も暑いですね」
ベムは返事をせず、草を摘む手を緩めないまま会釈をしただけだった。
「…あのう」
こんな無礼な奴には早く見切りをつけて立ち去ってくれればいいのに、雑草を踏んで夏目が近付いて
くる気配がする。帽子の影でベムは苦々しく歯噛みをした。
「俺は、何かしましたか?このところ、ずっと何も話してくれなくなりましたね」
いいえ夏目さんには何一つ罪科はありません。
そう叫びたいのを必死で堪えて、ベムは軋み始めた心を抱えながら立ち上がった。ここまで近付か
れたらもう無視も出来ない。女になってからずっと、気付かれるのが嫌で声すら上げずにいたという
のに、あと少しで全てが無駄になる。
「どうすれば、許して貰えますか?」
あくまでも自分を責めるばかりの夏目に、それは違うと言いたかった。しかし何も言えなかった。ただ
首を振って否定を示すだけで。
「ベムさん、教えて下さい」
滲んだ汗が頬に流れた。遂にベムは観念してきっと顔を上げ、口を開く。

「女…に、なってしまったからです」
「え?」
その時、厚い雲の切れ間から日差しが覗いて一瞬だけ目の前が明るくなった。まだベムにとっては
尋常ならざる事態が続いている。




続く
0236名無しさん@ピンキー2012/08/06(月) 09:12:58.92ID:qABJe8QS
今後夏目が絡むけど、数字板なもんにならないようにする(まあ大丈夫だろうけど)
0240名無しさん@ピンキー2012/08/15(水) 12:21:55.71ID:LftkWN6P
今まで書いてたものとは明らかに違うんで、自分のキャパ超えてるけど葛藤しながら
書いてる
近いうちに続きは投下する
0242名無しさん@ピンキー2012/08/22(水) 23:41:32.62ID:aV0Cb2Pj
やあ

続き書いた
終わらないかと思った
色んな意味で自分のキャパ超え過ぎた
0243絡新婦の刻 後編 1/152012/08/22(水) 23:43:17.41ID:aV0Cb2Pj
発した声は完全に女そのものだ。
それでも言っていることが分からない、そんな風に夏目はこの異変について来られず首を傾げる。
無理もない。ベム自身も身体の反応ほど心が馴染んではいないのだ。出来ればずっと隠し通したい
ところだったが、もう心と身体の均衡に破綻が生じてきているのを感じている。
「何を、仰っているのか…正直言って俺には」
「当然です。こんなことはたちの悪い冗談にしか思えないでしょう…でも、御覧になって下さい」
注意深く周囲に誰もいないことを確認してから、夏目の手を取って胸に押し当てた。明らかに男の
ものではない柔らかな膨らみに触れた途端、夏目が動揺しているのが手から伝わってきた。
これで薄気味悪さや生理的嫌悪を感じてしまったとしても、仕方ないと思った。
「あ、あの…」
「お分かりになったでしょう。原因は薄々分かってはいますが、今のところは元の身体に戻るすべが
ないのです。これだけは知られずにいたかったのですが」
「…はははっ」
互いに戸惑いを隠さずにいるベムと夏目を見かねたのか、突然立ち現れたベラが颯爽とこちらへと
歩いてきた。
「ベムが言った通りのことさ、驚いただろうがあんたにゃそれほど悪くない話だろう…夏目」
「え?」
またも言葉の意味が分からない、と夏目は心底驚いた声を出す。側までやって来たベラは身を乗り
出すようにして二人をじろじろと見てからにやりと笑った。
「ふふ、あたしゃ最初から分かってたのさ…。あんたはベムが女だったらと思ったことがない訳じゃない
だろう?それは一度や二度じゃない筈さ」
「そ、そんな…俺はそんなことは」
急にもごもごと口籠って言い訳をする夏目の反応が面白いのか、ベラはますます執拗に念を押して
きた。
「正直におなりな、夏目。あんたはベムが男だったから気持ちを誤魔化せていただけなんだよ。女に
なった今なら、何を隠す必要があるっていうんだい」
まるで探偵にでもなったようにベラは腕組みをして、わざとあけすけで勘に障る物言いをしているかの
ように見えた。これが普通の女であれば、最初に来るのは嫉妬だろう。こんな風に言う必要もない筈
だった。
「ベラ、よさないか」
この女の思考が全く読めず、ベムは内心うろたえるしかない。
言い募りながらもちらりとベムを見た眼差しは驚くほど醒めていた。
「率直に言うよ。ベムは女の身体になってからというもの、女の快感を欲しがっているのさ。気持ちは
どうであろうと本能がそうなってる。あたしじゃどうにもならないんだ。だから夏目、ベムを」
0244絡新婦の刻 後編 2/152012/08/22(水) 23:44:02.28ID:aV0Cb2Pj
「それは無理です」
ベラが話し終わらないうちに、慌てたように夏目が返事を被せてきた。
「…あの、何を仰りたいかは大体分かりました。だけどそれだけは無理です。幾らベムさんの為で
あっても」
時折口籠る夏目の声がベムの胸をぐさりと刺した。こんな浅ましいことをあえて頼まなければいけない、
しかもベラの口を借りなければ何も出来ない自分が不甲斐なかった。それでも、どうしても自分からは
口に出せなかった。
これまで何とか築き上げてきた友人関係が崩れることが怖い。
硬直したまま物も言えずにいるベムをよそに、ベラの弁はますます冴えていく。
「そんなことは百も承知さ、あんたの反応もねえ。だけど今のベムをどうにか出来るのはあんただけ
なんだ」
「夏目さん…」
ようやくベムは口を開く。
「こんなことはとても頼めた義理ではありませんが、ベラの言う通りなんです。今の俺は…女として
扱われなければどうにかなってしまいそうで…」
まだ完全でないとはいえ、心までが女になりかけているのがはっきりと分かった。満たされきっては
いない身体が夏目を友人ではなく男だと認識した途端に疼き出す。感情や理性などではもうどうしよう
もなくなっていた。
そんな異変を真っ先に察したのはベラだった。
「…ああ、その気になってきたんだね。可哀想に」
既に身体に力が入らなくなっているベムを掻き抱いて、髪を撫でてくる。温かい胸に身を預けていると
何だかベロにでもなったようで安心出来た。
「ベラ…」
「分かってるよ、ベム…あたしが何とかするから」
「…あのう」
二人の様子に尋常ではないものを感じた夏目が、おずおずと声をかけてくる。
「もしかしたら、ベムさんは一刻の猶予もない…つまり、そういう状態なんですか?」
「当たり前だろう、鈍い男だねえ。だからこそ一番親しい人間のあんたに恥を忍んで頼んでるんだ。
それとも何かい、ベムが切羽詰まってつい他の男とそうなってうっかり変身でもしたら…てな事態を
考えられないのかい?一番ベムの精神的な負担が少ないのはあんたが相手になることなんだよ」
母親のようにベムの髪を撫でながら、ベラは胸の中に残っているものを次々と吐き捨てた。
「…それは…でもベムさんがそれを望むのであれば、俺は……だけどベラさんはそれで、それでも
いいんですか?」
0245絡新婦の刻 後編 3/152012/08/22(水) 23:44:52.04ID:aV0Cb2Pj
動揺の極みに陥りながらも、夏目は辛うじて矜持を繋いでいる。普通であればこんなことには決して
なり得なかっただろう。ずっとベラと睦み合っていればそれで良かった。
しかし、その危うい平穏はもう崩れてしまった。
ベラは唇をわずかに歪めて嗤う。
「あたしは別に構わないねえ、ベムはどんなになってもベムさ。女になっちまって男を欲しがってるの
ならあたしの力の及ばないことなんで協力するまでのこと。それだけなのさ」
この情の厚い女の内心は恐らく忸怩たるものだろう。表情からもそれが読み取れたが、今はその情に
縋るしかないのだ。
ベラに抱きついて力の入らない身体を必死で堪えながら、震える声を絞り出す。
「夏目さんなら、俺はきっと動揺せずに済むと思います…お願いですから」
これが最後だ、と思った。これほど浅ましく恥知らずな頼みなど受け入れられなくても仕方がない。
ひどく長い沈黙の時間が空虚に過ぎて、そんな諦めが心の中に兆した頃にようやく夏目は乾いた喉
から声を発した。
声はかさかさに乾ききっている。
「俺は、なおちゃんが一番大事です。裏切る気はありません…だけどベムさんが今の状態で支障が
あって俺が助ける必要があるのなら、それはしなければいけないことなのだと…思います」
長い葛藤があっただろう。その末の苦しい選択を聞いてベムは目を見開いてぎこちなく機械にでも
なったように夏目を見た。
「夏目さん」
「…ふふっ、それでいいんだ。よく決心したねえ」
「ベムさんは大事な友人です、困っていたら助けるのは当然です」
どう言えば最善なのか、言葉を選んでいる様子が分かった。こんな展開はどちらにとっても必ずしも
望むものではない。ただ言葉通りに必要性があるから、というのみだ。
だからある程度理解を得られてもやはり戸惑いしか生じない。
それでも承諾して貰えたことにやっと安堵を覚えて、ベムは深々と頭を下げた。
「ありがとうございます、感謝します」
奇妙なものだ。
ベラと睦み合っていた頃ならそこに確かな感情があった。しなやかな肢体を腕の中に掻き抱くだけで
限りない欲情が掻き立てられたし、互いに高め合うことだけに没頭出来た。こんな風に躊躇し、惑い
ながら始める行為などに意味があるのだろうか。
ただ自分の身勝手に、無関係な者を巻き込んでいるだけではとも考えたが、他にもっと良い手段など
もう思いつかなかった。
0246絡新婦の刻 後編 4/152012/08/22(水) 23:45:41.47ID:aV0Cb2Pj
その夜。
最近優以が新しいゲームを買って貰ったというので、遊びに来ていたベロは見た瞬間すっかり夢中に
なってしまった。
「簡単だからすぐにベロくんも上手くなるよ、一緒にやろ」
「うん!」
両親に似て優しい優以はいつ訪れてもベロの面倒見がとても良かった。それに甘えてしまうこともベム
には心苦しかったのだが、それよりももっと胸が痛んだのが夏目の妻に対してだった。きっとベロは
ゲームのことしか頭になくなって今夜は帰りたがらなくなる。だったら預かるから安心して下さいねと
夏目の優しい妻は言うに違いない。
リビングのソファーに座って極力いつもの通りに振る舞いながら、ベムはこのように人を陥れる真似を
していることに必死で耐えていた。
「ふふ、首尾良くいってるじゃないか」
隣に座るベラが、悠然と食後のコーヒーを飲みながら小声で囁いてくる。
優以の新しいゲームのことを言ったのは、もちろん夏目だ。今夜の淫らで罪深い企てを遂行する為
にはどうしてもベロが不在でなければいけなかった。その為だけの三人揃っての訪問だった。
「ベロくん、楽しそうね。もう遅いし今夜は帰らせるの可哀想」

夕食の片付けも一段落して、仲良く遊ぶ子供たちを微笑みながら眺めていた夏目の妻がこちらの
企みを知ることもなく、そう呟いた。
「このゲーム面白いもんねー、泊まってったらまだずっと遊べるよ。ベロくん」
「えー、オイラもっと遊びたいよお」
やはり何も知らない子供たちも、無邪気に同調する。
「ベロ、わがまま言うんじゃないよ」
心底困った子だとでもいうようにベラが大袈裟な溜息をついた。欠片もそう思っていないのに随分な
演技をするものだと思う。ベムはさすがにそこまでは出来なかった。何か問われればしどろもどろに
なっていたことだろう。
「まあ、ベラさんたら。子供って一度夢中になったら止められないのよ」
夏目の妻はくすくすと笑いながらコーヒーのお代わりを勧めてくる。
「だって、そうじゃないか。ベロはいつもそうやってあたしたちを振り回すんだ」
「いいじゃないですか。それが子供でしょう?」
仲の良い夫婦は似てくるものだという。確かにどちらが先に影響されたか分からないほど、夏目の
優しさとそっくり同じだった。そこには長年の信頼と愛情があるからだろう。
また、胸が痛んだ。
0247絡新婦の刻 後編 5/152012/08/22(水) 23:46:28.16ID:aV0Cb2Pj
「ベムさん、どこかお加減悪いの?」
何も知らぬからこそ聖女のように、夏目の妻は首を傾げた。
「え、いえ…何でもありません」
「そう?体調が崩れやすい時期だからお気をつけて」
夏目本人は今夜急な仕事があるということになっていて、夕方から不在だ。あってはいけないことが
これから起ころうとしているが、ただ一度だけの裏切りだからどうか許して欲しい。そう念じて砕けそうに
なっている心を宥めるしかなかった。

夏目の妻と優以に甘える形で、今夜はベロを預かって貰うことになった。
何もかも当初から目論んでいた通りだとはいえ、やはりベムの気は晴れない。夏目家を出て廃船に
戻る道すがらも足が重いままだ。
「何を今更、もうこうなったら仕方ないじゃないか」
そんな不甲斐ないベムの様子にやや腹立たしさを感じているのか、ベラは語調を強めてずんずんと
先を歩いて行く。
「そうか、仕方ない…んだな」
足を運び始めながら見上げた夜空はひたすらに黒い。
月どころか星もない空はこれまで見た中で最も黒く澱んでいるようだった。

廃船の甲板で、夏目は柵に腰を下ろして身動きひとつしていなかった。ただ静かに錆びついた足元の
辺りを凝視している。
この期に及んでもまだ困惑しているのは嫌というほど分かった。二人の気配でようやく上げた顔には
無理やり笑顔を浮かべているのが痛々しい。
「夏目さん、いらして頂けて嬉しいです」
「俺の方こそ…これでベムさんが少しでも助かるのであれば」
「恐縮です」
緊張しているせいか普段以上に堅苦しい会話になっている二人を見かねて、ベラが勢い良く背中を
押してきた。
「焦れったい、さっさと行きな」
「あっ…」
加減の一切ない力を受けて、思わずよろけて錆びた床につまづいた。反射的に手をついて座り込んで
しまったベムの目の前に差し出された大きな手はわずかに震えていた。
「大丈夫ですか?」
「ええ、何ともありません」
この手を取ったら二度と引き返せない。分かりきっていることが頭の中で渦を巻いていたが、今更立ち
止まってはいられなかった。
全ては身から出た錆でしかない。
0248絡新婦の刻 後編 6/152012/08/22(水) 23:47:12.09ID:aV0Cb2Pj
ベラが腕組みをして見守っている前で、ベムは恐る恐る夏目の手を取った。
「…ふふっ」
辛うじて聞き取れるほどの、微かなベラの笑い声が耳に届く。何も考えないようにして抱き込んでくる
腕に身を任せた。ふと夜空を見上げようとしたのだが思いがけず強く匂う夏目の体臭に男を強く感じて、
意識が全部絡め取られる。
抱き締められた途端に、女として欲情してしまったのだ。
「今は何もかも、忘れて下さい。俺もそうします」
囁かれる硬い声すらもう耳には別の意味として流れ込んできた。
「…そうですね、忘れましょう」
どのみち今夜一度きりのことだ、種族も立場も関係ないただの男と女になってこの時を愉しめれば
それでいい。うっとりと目を閉じかけたベムの髪が後ろからするりと解かれた。ベラの長い指が頬を
撫でる。
「さ、とくと女であることを堪能するんだね」
そのまま無防備になっていた首筋に滑らされる舌を感じて、身体が跳ね上がる。
「あっ…」
「甘いよ、ベム。このあたしがただ指咥えて見てるとでも思ってたのかい?こんな面白いコトはそう
ないからねえ」
挑発的な物言いをしながらもベラの両手はステッキと帽子を下に落とし、上着を脱がせて服の下に
潜っていく。
「か…からかうな」
思わぬことにやや慌てたベムだったが、何もかも承知のようにベラの動きは正確だった。服の下で
直接乳房を揉まれて身体の芯が一層熱くなる。
「あ…ぁっ」
思わず縋りついていた夏目から身を逸らすと、見せつけるように服がめくり上げられて乳房が外気に
晒された。それはまだ慣れてはいず、周知のあまり必死で抵抗をしたのだがベラの力には敵わな
かった。
「やめろっ」
「ほうら夏目、可愛いモンだろ。今のベムはこの通り完全に女さ」
服も脱がされ、わざと夏目の前に突き出す形でまた乳房がゆっくりと揉みしだかれた。既に快感を
貪欲に欲しがっている身体にそんなことをされたら堪らない。下腹からずくずくとこれまで感じたことも
ないほど激しい疼きが駆け上がってくる。
「も…やめてくれ、ベラ…我慢が…」
「おや」
緩く身を捩って懸命に逃れようとするベムを夏目が宥めるように抱き締めた。そして怖くないからと
背中や肩の鱗を撫でる。
0249絡新婦の刻 後編 7/152012/08/22(水) 23:47:43.36ID:aV0Cb2Pj
「…夏目さん」
「落ち着いて下さい、きっと俺が悪くないようにしますから」
よほど弱々しく見えたのだろう、夏目は目を合わせて力強く頷く。先程よりは戸惑いが少しだけ影を
潜めているのが見て取れて、それがベムの気持ちを静めた。しかし身体の方はますます熱を帯びて
いく。
「あ、ぅぅっ…」
未知の快感が次第に精神と身体を支配していく感覚が堪らない。その恐怖はまだどこかに残っていて
涙が一筋二筋と零れ落ちた。その水滴を夏目の唇が吸い取る。心地良さに恍惚としていると半端に
開いたままだった唇が塞がれた。
また新しい涙が零れる。
「ベムさん、本当に綺麗ですよ…」
「…そ、んな…こと」
ある程度時間が経ったこともあって、少しだけ張り詰めきっていた気持ちが緩む。それでも出来るだけ
笑みを浮かべるのが精一杯だった。その間もベラの密やかな笑い声が絶え間なく髪を震わせ、耳を
痺れさせる。
このまま、気が遠くなってしまいそうだった。
乾いた指先で乳首が緩く押し潰され、最初はただ乳房を撫でるだけだった手の動きが次第に乱暴とも
言えるものになっていく。それが更に身体を燃え上がらせた。
「あ、ぁ…」
「ベムさん、あなたは何でこんなに…」
ずっと辛うじて矜持を保ってきていた夏目の様子もまたベムの淫らさに煽られるように変化を遂げて
いた。余計なことなど考えることのない、ただの男と女になっていく。それを実感した途端に一層肌が
潤みを増した。
「もっと…触って下さい…」
「もちろんです、幾らでも」
快感に浸りきって誘惑をするベムの脳裏からは、最初の頃にあった後悔や罪悪感などのものなど
欠片もなくなっていた。今この時を心ゆくままに過ごせればそれで良かった。ここにいる三人が全て
そんな陶酔の魔に囚われて、正気を見失っている。
「…ベラ」
優しい男に存分に乳房を弄ばれ吸われながら、不意に甘く馨しい髪の香につられて顔を向けると
美しい女が満開の赤い花のように嫣然と笑っていた。
「いい顔だねえ、ベム。あんたのような堅苦しい奴はずっとそうしてなよ」
「…お前、も欲しい…」
「ふふ…っ、欲張りなことだ。でも悪くないか」
0250絡新婦の刻 後編 8/152012/08/22(水) 23:49:47.73ID:aV0Cb2Pj
涙と汗で濡れた頬をするすると撫でられ、唇を噛み合わせて気の済むまで唾液を交わす。夏目と
ベラ、一体どちらを抱いているのか、どちらに抱かれているのか分からなくなるほど感極まった身体が
更に妖しい変容を始める。
「夏目さん、…俺、にもさせて下さい…」
「え?」
二人の手で練られて淫らに作り上げられた女が、妖しく笑った。欲望にいざなわれるように膝立ちに
なると、ためらうこともなく目の前にあるスラックスに手をかけた。
「ベムさん、それは」
「いいんです、したくなりました」
思わず制止しようとした夏目を見上げて薄く笑いながら、生地を押し上げてしきりに存在を主張して
いる熱く硬い一物を曝け出すと目を閉じて頬を摺り寄せた。
「…素敵です、こんなになって下さって…」
うっとりとした声が喉から漏れた。
早くこれが欲しい。今のベムはすっかり本能だけが剥き出しになった浅ましく無心な女だった。手の
中に握った硬く脈を打つものがとても愛しい、出来る限り気持ち良くなって欲しい。そんな思いだけが
突き上げてくる。
「ン…」
舌を伸ばしてぬめった先端に触れた途端に、それは単体で生きてでもいるようにびくびくと震えた。
その反応が嬉しかった。拙い愛戯に感じてくれていると思うだけでもっと奉仕をしたくなる。
女はみんなこうなのだろうか。
愛おしくて丹念に先端の周囲をぐるりと舐め上げながら手の力を緩めて何度も扱く。その度に新しい
反応が返ってくる。まだ始めたばかりなのに限界が近いのだろう、焦ったような夏目の声が聞こえて
くる。
「…ベムさん、そんなにしたら」
押し留めようとしているのか、髪に指先が絡んできた。こんないいところで止められたくなくて一気に
口に含み込む。勢いがついていたせいか喉奥に猛々しくいきり立ったものが突き当たって、激しい
嘔吐感がせり上がってきた。しかしそれ以上に快感に支配されているベムにとってはそんなものなど
どうでも良かった。
ただ、自分たちの正体を知ってもなお親しくしてくれる、この優しい男にもっと淫らで執拗な奉仕をして
悦ばせたい。もっと感じ入って欲しい。ただそれだけが頭の中にあるだけだった。指や口腔内で扱き
上げている間もそれはどんどん膨張していく。
「ベムさん、お願いですから、もう」
先程よりもかなり切羽詰った声が聞こえたが、それでもベムは咥えながら上目遣いできっぱりと拒否の
意を示した。
0251絡新婦の刻 後編 9/152012/08/22(水) 23:50:26.94ID:aV0Cb2Pj
「…洒落に、なりませんから…」
「ふふっ、ベムはコレが好きなんだろうねえ」
しばらく見守っていたベラが、また行動を開始した。無防備になっていた背中に舌の感触がするりと
滑り落ちる。
「んぅぅ…っ」
極限まで敏感になっていた身体は、それだけで激しく震えた。
「気持ち、いいんだね。じゃあこれはどうだい」
言いながらもしなやかな指が戯れに身体を這い回り、やがてまだ履いたままで腰を締め付けていた
ものを緩めてくる。革生地の下で完全に濡れそぼっていた部分がようやく晒された。さっさと脱がせに
かかるベラの手つきはやたら的確だ。
「そら、脚をお抜きよ。今のあんたは裸でいるのが相応さね」
「…ぅ」
夏目に奉仕を続ける不自由な体勢で全部脱がされ、途端に羞恥が一瞬にして蘇る。しかし。
「離れて、下さい…ベムさん!」
焦っているせいもあって乱暴に髪が掴まれ、引き剥がされそうになった。ずっと耐えていたとはいえ
限界が訪れたのだろう。それでもベムは離れなかった。
「早く、離れ…!」
上擦った声と共に、一杯に頬張っていたものが激しく痙攣して一気に弾ける。
「ぐっ!」
放たれたものは全て飲み込むつもりだったが、あまりの量にとても受け止めきれず白濁が顎から喉、
胸元をべったりと濡らしていく。
「ああ…すみません」
「いえ、構いません。それより…」
顔や身体を濡らしているものがどれだけ自分を淫らに見せているのか、考えるだけで震えが来るほど
感じてしまう。荒い呼吸で肩が波打ち、声も途切れがちになった。それでも女としての欲求は際限なく
膨れ上がっていく。
「夏目さんが、欲しいのです……」
「ふふふっ」
ドレスを脱いで裸になったベラが後ろから抱きかかえて甲板に座り込んだ。そして腕を伸ばして膝を
開かせる。
「もっと脚を開きなよ、ベム…あんたの一番可愛いトコを存分に見せておやり」
「ああ…」
0252絡新婦の刻 後編 10/152012/08/22(水) 23:51:04.23ID:aV0Cb2Pj
ベラの柔らかく豊かな乳房が背中に当たっている。すっかり馴染みきっている感触なだけに安堵を
感じて、ふっとベムは微笑んだ。しなやかな長い指が下腹を這い回って触れられないままだった箇所を
探る。かつてはそこに男そのものの一物があった。
今となっては夢の夢にしか思えない。
指がわざと膨れ上がったクリトリスを摘み、焦れったく爪先で擦り上げてくる。もう限界まで追い上げ
られている身体はそれだけの刺激でもびくびくと切ないほど震えた。思わず自分でも手を伸ばして
自慰でもするように蕩けきっているそこを開き、指を差し入れて感じる部分を探して膣壁をあちこち
擦り続けた。
「ンッ…」
「随分な濡れようだねえ…」
満足そうに笑うベラの唇が髪に頬にと気紛れに触れる。花に引き寄せられるように唇を重ねて夢中で
舌を吸った。
「さ、夏目…あんたの番だよ。ベムをちゃんと女にしてやりな」
二人の女のあまりの嬌態に目を奪われている男に目を転じたベラは、それだけ言うと呆気なく身体を
離して傍らに座り込んだ。
「夏目さん、早く…」
錆びた甲板に身を横たえ、ベムは片手を差し伸べて優しい男を呼んだ。女たちを眺めているうちに
堪らなくなったのだろう、身につけているものを全部脱いだ夏目が屈んで頬を撫でてきた。もう片方の
手が再び勃ち上がった一物を扱いている。
「分かりました…いきますよ。ベムさん」
熱を孕んで上擦る声は完全に欲望に支配されている。自分も、ベラも、皆同じなのが嬉しくて微笑み
ながらまた涙が溢れた。ようやく全てのものが遮る壁を越えたように思えた。
涙で目が霞んで閉じかけた時、刺激を待ち詫びていた膣口に硬いものが押し当てられる。あまりの
衝撃に息が止まりそうになった。
「ゆっくり…しますから」
「あ…うぅっ」
宥める声がひどく穏やかで優しい。なのにゆっくりと侵入してくるものは想像もつかなかったほど猛々
しく、経験のないベムの内部を容赦なく切り裂いた。
膣内は充分に濡れそぼって蕩けている筈なのに、この凄まじい質量はとても受け止めきれない。
「んくっ…ぁぁあっ…」
ゆっくりとはいえ、信じられない激痛にベムは必死で喘いだ。甲板を爪で引っ掻き、髪を振り乱して
無意識にこの場から逃れようと足掻く。
「もう、少しですから」
この期に及んでもう逃がす気もないのだろう。うつろに浮き上がる身体が夏目にしっかりと抱き竦め
られて腰を固定される。
0253絡新婦の刻 後編 11/152012/08/22(水) 23:51:35.80ID:aV0Cb2Pj
苦痛が長引くのを感じて耐え切れずに強く目を閉じている間、とても長い時間が経ったような錯覚が
あった。
やがて全てを収めてから、ほっと息をついた男が話しかけてきた。
「苦しいでしょう、でも、これが男と女なんです」
「…そう、ですね…」
女の身体の中をはちきれるばかりに満たすものの存在があまりに苦しくて、わずかに身を捩るだけ
でも新たな苦痛が生まれて、今にも絶命してしまいそうな感覚だった。それでも、出ない声を無理に
絞り出してベムは微かに笑った。
次の瞬間。
「そろそろ、動きますよ」
ずる、と腰を引かれて痛みで喉が引き攣る。
「ひぁ…」
「すみません、でも我慢が出来ないんです」
今まで初めてのベムの為に随分耐えていたのが爆発したのだろう、ずっと優しくしてくれた夏目が
豹変した。最初の何回かはまだ比較的緩やかな突き上げだったものの、すぐに激しく未熟な内部を
打ち壊すほどの動きでベムを支配していく。
「やっ、ああああ!!」
メチャクチャに翻弄され、激しい苦痛で思考がぶつ切りにされる。それでも伸ばした腕はしっかりと
優しい男を抱き締めていた。
「ベムさん…」
「あぁ…もっと、して下さい…」
息も絶えだえになりながらうわ言のように呟くベムには、正気などもう残っていなかった。ただ本能
のみが苦痛を超越して暴れ回っている。
まだ快感など感じられなくても、それで充分だった。
最初から限界が近かったせいで、この激しく甘美な嵐のような時間が間もなく終わりを告げようとして
いる。突きの間隔が短くなった後、追い詰められたように夏目が身体を震わせて喘いだ。穏やかな光を
宿していた眼差しは獣のように猛り狂っている。
「離れ、て下さい!」
「…嫌です。全、部俺の中に…」
射精する直前に身体を離そうとした男を強く抱き寄せ、脚を絡めて引き留める。幾ら女とはいえ妖怪の
力に、人間の男が抵抗出来る筈もなかった。
「あっ…」
あえなく膣内を叩いていく精の熱い感覚に、ベムは妖しく笑った。女とはこんなに良い思いをしている
のだと思うと堪らない。このまま男に戻れないとしても、構わなかった。女でいる時間の何と素晴らしく
魅惑的なことか。
以前ベラが女になった途端に目覚ましい速さでそれまで以上の美を発散し始めたように、自分もまた
奇跡の女になれるのだ。
その実感が身体を満たしていく。
0254絡新婦の刻 後編 12/152012/08/22(水) 23:52:08.00ID:aV0Cb2Pj
「…ベムさん、本当にすみません」
少し時間が経った後、明らかに落ち込んでいる夏目がそこにいた。
「何故ですか」
なかなか引かない熱を持て余して、まだ甲板に寝そべっているベムが悪戯っぽい笑いで答える。
「だって、その…色々と乱暴にしちゃったし」
「構いません、そうして欲しいと言ったのは俺ですから。それに」
乱れた髪を掻き上げてゆっくりと身を起こしたベムは、以前の儚げな雰囲気ではなくなっていた。内部
から確実に何かが変わっている。
「俺はまだ満足していないんです…もう一度、お願い出来ますか」
「えっ?」
「女になると、こんなに気持ちがいいなんて…思わなかったんです」
立ち上がって近付くなり、夏目を押し倒すとわずかに勃ちかけているものを握った。ぺろりと先端を
舐めるうちにまた鎮まりきれなかった身体の熱が立ち戻る。
「ちょっと、ベムさん」
「今夜はまだ明けていないんです。いいですよね?」
また面白いことになってきた、としばらく事の成り行きを静観していたベラもすかさず寄って来る。人
ならぬ女たちの美しく妖艶な笑みに射抜かれたのか、夏目は声も出せないようだった。その代わり
のように握った一物が急激に硬さと大きさを増していく。
「現金なモンだ、すぐこんなにしてさ。そんなに女のベムは快かったかい?」
からかうようなベラの声が妙に柔らかい。
「今度は俺がします…夏目さんは何もしなくていいですよ」
一度抱かれたことで要領が何となく分かった。今度は何もかも自分からしてみたい。そんな思いで
更に丹念を重ね、手の中にあるものを大きく育んでいく。程なくしてそれは望む通りの大きさを取り戻し、
女たちを喜ばせた。
「夏目さん、いいですね」
一体何が起こるのかと黙ってされるがままになっている男を見下ろして、ベムは凄絶なほど妖艶に
微笑んだ。この恍惚の時をもっと何度でも感じたい。目くるめくような快感がこの先にあることをもう
知っていることがベムをより大胆にさせた。
一刻も早く欲しくて、焦らすことも忘れて跨った。垂直に据えた一物の上に腰を下ろそうとした途端、
先端が指で開いた膣口に擦れるぴりっとした刺激が背筋を突き抜ける。
「あ…うっ」
甘い声が喉から零れた。
0255絡新婦の刻 後編 13/152012/08/22(水) 23:52:43.44ID:aV0Cb2Pj
こんなものより、もっと深く、大きい快感がある。早くそれに浸りたくて、息を荒げて肌をわななかせ
ながらそろそろと腰を沈めていった。この侵入を男任せにするのと、自分からするのではやはり大きな
違いがある。熱く硬いものが擦れて熱を生み出す箇所まで全く異なるようで、それがベムを余計に
喘がせ、乱れさせた。
「…ああ、すご、いっ…」
愛しい物体を全て膣内に収めた後は、限りない陶酔と淫熱のひとときが待っていた。最初に感じた
苦痛は確かにまだ擦れる度に湧き上がったが、もう気にはならない。むしろ、より快感を引き出す為の
段階のように思えて夢中で腰を振り上げた。
「…ぅあっ!」
腰を入れる度に奥の奥まで突き当たる感覚が堪らない。ベムは完全に女でいることを堪能しきって
いた。月のない夜に光を弾く銀髪を振り乱して喘ぐ女の姿は何とも扇情的で、しばらくされるがままに
なっていた男が遂に煽られて動き出した。
「あ…やっ」
「ベムさん、あなたはとても素敵ですよ」
自在に跳ねる腰を掴んで下から打ち付ける度、小さな嬌声を上げて身をくねらせる姿は銀色の焔の
ようだった。
「ベム、随分なお愉しみようだねえ」
嬌態がよほど面白いのかくすくすと笑いながら、ベラがうっすらと汗を刷いた乳房を揉んでくる。男の
上で腰を振りながらうっとりとした顔で、ベムは腕を回して美しい女を抱き寄せた。ねっとりと深く舌を
絡ませ合う度に揉まれている乳房に尖った爪が突き刺さる。しかし既にそれは単なる刺激の一つで
しかなくなっていた。
痛みも苦しみもない、法悦の中にいる。
「う…んっ…」
「可愛いねえ…ベム」
「次は…お前だ…っ」
激しく揺さぶられながら、感極まった声が漏れる。そろそろ二度目が終わろうとしていた。傍らの女が
所在なく彷徨っている手を握り、より妖しい含みのある笑みを浮かべて見守っている。
「ああ、そうさ。こんないいコトを見せつけられちゃあね」
くすくすと笑う視線の先には夏目がいた。
「あんたの悦び方を見る限りじゃ、人間の男は相当イイみたいだ」
「…そ、うだ…夏目さんは、とても快くしてくれる…だからお前も…」
「ふふふっ、楽しみだ。ねえ夏目」
「……えっ」
この成り行きに驚いて目を見開く男に構うことなく、二人はまた唇を重ねた。
微笑みながら女たちが見交わしている眼差しの奥には、まだ決して醒めることのない欲望が黒く濃く
渦巻いている。その尽きなさは人ならぬ者ゆえか。
短夜の夏とはいえ、この夜が明けるまでにはまだかなりの時間がある。この淫らな宴はそれまで当分
終わりそうもなかった。
0256絡新婦の刻 後編 14/152012/08/22(水) 23:53:16.09ID:aV0Cb2Pj
数日後の午後、ベロを遊ばせる為に公園に行くと夏目に会った。
どこか気まずいような顔をしているのは多分ベムも同様だ。
「ベムさん」
「こんにちは、今日も暑いですね」
「はい、本当に」
まだ太陽が高いせいか、公園で遊んでいる子供たちは少なかった。それでも一人で元気に遊んでいる
ベロを眺めながら、二人は肩を並べて座る。
「この間は色々とすみませんでした」
正面を向いたまま、夏目が話しかけてくる。
「…いいえ、俺たちの方こそ御迷惑ばかりお掛けしてしまいまして」
「そんなことはありません…」
交わす言葉はいつもの穏やかな遣り取りだ。
あれだけの狂瀾の夜が明けてからは、気が済んだのか夏目もベムもまるで憑き物が落ちたように
元に戻っていた。ただし、ベムは相変わらず女のままでいる。こうなったらもう戻るすべもないのだが、
別段不都合もない。
「あなた方にこれから何があっても、俺は味方でいます。だから安心して下さい」
急にそんなことを言われて、つい間の抜けた顔をしてしまった。
「え?」
「えーと、その」
あの夜のことは忘れようとしても忘れられる筈がない。今後どう付き合っていけばいいのか夏目なりに
考えたのだろう。その試行錯誤が短い言葉の中に見えて、律儀さに微笑ましくなった。
「そうですね、ありがとうございます」
日差しが暑いのか、頬が熱いのか分からなくなってベムは帽子をより目深に被る。
「また…あんなことがあったら必ず俺に言って下さい」
その言葉だけは聞き取れない振りをしてわざと返事をしなかったが、それでいいと思った。

細い夕月に暈がかかっている深夜のこと。
「バイトかったりーな」
コンビニでバイトを終えた帰路、何となく夜空を見上げながら山田は呟いた。出所してからはベムと
夏目の力添えで真面目に働くようにはなったが、自堕落だった昔の癖がまだ完全には抜けきって
いない。
「辞めてぇけど、夏目さんの口利きだしなあ…第一兄貴にバレたら今度こそヤバいわな」
溜息をつきながらとぼとぼ歩く影が街灯に照らされて長く伸びる。
「あー、何か借りてえ。そろそろAV新作出てっかなあ…」
そう呟きながら伸びをしようとした時、目の前に黒い影がひらりと舞い降りた。
0257絡新婦の刻 後編 15/152012/08/22(水) 23:53:51.51ID:aV0Cb2Pj
「ぅわっ!」
驚いて腰を抜かしそうになったが、虚勢で声を張り上げた。
「何だよてめえ!俺を誰だと思っ…」
黒い影の人物はにやっと笑ったように見えて、それが余計に不気味だった。本能的な恐怖を感じて
後じさりしようとしたが、物凄い力で地面に引き倒される。
「いってぇ…」
したたかに頭を打ってくらくら目眩がしたが、黒い影はお構いなしにのしかかってくる。そして履いて
いるジーンズの股間を難なくくつろげた。
「え、ちょっと待…何してんだよ触んな!」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ山田に構わず、不意にやって来た黒い影は休むことなく作業を続けている。絶妙な
力加減で握られ、巧みで繊細な舌遣いで丹念に舐め上げられて、欲求がかなり溜まっていた一物は
簡単に大きくなった。
「まさかてめえ…えっ?」
暈のかかった月にぼんやり照らされた顔は、驚くほど美しい女だった。

夜勤があったので署に詰めて書類整理をしていた夏目の携帯が、その時不意に鳴った。
「はい夏目です」
『夏目さん…俺襲われちまったよぉ…』
山田からだった。
「こんな時間にどうした」
『だからさっき、誰だか分かんない女に襲われてさあ…もう婿に行けないっての』
「いいから簡潔に話してみるんだ」
確かについさっきその女に遭遇したのだろう、言葉はあまり要領を得なかったがその場の緊迫感
だけはひしひしと伝わってきた。しかし、次の山田の発言で思わず絶句する羽目になった。
『あんま顔とか見れなかったけど、なんか兄貴に似てたなあ…でもメッチャいい女でさあ…』
「え…?」

夜ごと月が形を変えるように、銀髪の妖怪の女もまた華麗な変容を遂げる。突如として開花した
妖艶さに引き寄せられ、自ら望んで絡め取られる男たちは束の間の淫らな夢を見る。




0258名無しさん@ピンキー2012/08/22(水) 23:57:34.23ID:aV0Cb2Pj
オチは元々公園シーンの筈だったけど、急に思いついて別パターンを追加
とりあえず山田スマン
0263名無しさん@ピンキー2012/09/06(木) 00:36:26.43ID:xq+x6hhJ
次にヤるとしたら夏目は律儀にゴム持参だろうが、すぐ足りなくなること請け合いだ
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