【パチンパチン】ブラックラグーンVOL.16【バシィッ】
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0001名無しさん@ピンキー2012/07/25(水) 23:16:00.15ID:gmeHEpt7
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【現在】ブラックラグーンVOL.13【ドライブ中】
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【ベーグル】ブラックラグーンVOL.12【チョコパイ】
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【死人と】ブラックラグーンVOL.11【舞踏を】
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【デレデレ】ブラックラグーンVOL.10【子猫ちゃん】
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【銃と】ブラックラグーンVOL.9【弾丸】
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【ずるいぜ】ブラックラグーンVOL.8【まったく】
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【アミーゴ】ブラックラグーンVOL.7【タコス】
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【尻か?】ブラックラグーンVOL.6【尻よ
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【今晩はが】ブラックラグーンVOL.5【抜けてるぜ】
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【言いたく】ブラックラグーンVOL.4【ねェな】
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【むしろアニメが】ブラックラグーンVOL.3【ブラクラ】
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【ふたりはブラクラ】ブラックラグーン vol.2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098608817/

ブラックラグーンでハアハア
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2chエロパロ板SS保管庫
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0230名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:13:00.01ID:S+fHl7Kp
薄暗い外、雨音、温い空調。全身の疲労と不自由な感覚に目を開ける。
今この瞬間が昼なのか夜なのかわからない。夜と言われても信じるし、昼と言われれば納得する。それくらい意識は朦朧としている。

「…ん」

身を捩り、開けっ放しの部屋の扉に目を移す。人気が無い。この家の主は外出しているのだろう。
確認をしようと思えば出来る。足は動く、ただ腕は動かない。後ろ手に縛られているからだ。
ここが何処とも見当の付かない場所であれば、チャンスは逃すまいと持ち前の運動神経を活用し部屋から飛び出し
家主が居ないことを確認したら刃物かライターでも探すところだ。けれどここは愛しい男の部屋。

「…何処行ったんだ。あのバカ」

ベッドの上で身体を仰向けに持ち直し、天井をぼんやりと眺めながら呟く。

「…早く…帰って来い…ロック」

目を瞑り部屋の主の名を呟く。切なく艶のある声は雨音に紛れて消える。

――――――――

この異常な光景の始まりは半日前と言えばいいのだろうか。
先日起きたロアナプラ全体を巻き込んだ殺人メイドVS合衆国の後遺症が未だに残り、仕事がやり難くなっている中
止めに大型の台風やらなんやらで仕事のほとんどが流れていった。機材、銃器等の在庫確認、或いはメンテナンス。
流れたスケジュールの調整や雑務と言われるものまで全てやりつくし
本格的に仕事と名の付くものが無くなった末、事務所のボスから自宅待機を言い渡されたのだ。
有り余った突然の休暇に事務所の用心棒レヴィと、水夫兼経理事務担当のロックは困惑しながら
いつもの一杯をやりに酒場へ出向くが外はかなりの暴風雨。酒場のマスターも何で来たんだ、と言わんばかりの顔をするが
そもそもこんなときに店開けている方もどうなのかと雑談を交わす。
雨音の激しさと、風と言うべきなのか凄まじい轟音にそろそろお開きになるはずだったが呑み足りない、付き合え!と絡む女。
困惑しつつも満更ではない男。その場でいくつかのボトルを購入して全身濡らしながら男の家へと向かう。
二次会でも変わらず呑み耽るレヴィにその辺にしとけと忠告をするロック。
そんなことで呑む勢いが変わるはずも無く、一緒に呑み明かす。
0231名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:15:43.78ID:S+fHl7Kp
ロックは御手洗いにとリビングを離れ、用を足し戻るとレヴィが邪悪な笑顔を向けてきた。
只ならぬその笑顔に若干引きつつも、どうしたの?と問う。レヴィはリビングの隅に放置してあった紙袋の中身をテーブルにぶちまけていた。
勝手に人様の家のもの漁るなよ、と言いたい所だがそこはもうどうでもいい。
そんな野暮なことを言う時期はとっくに過ぎた。ぶちまけたそれらを指差しへらへらと詰りだす。

「おいおいロック!何だぁこれ!?お前こんな趣味あったのかよ〜レベッカ姉さんに隠し事なんて無しだぜ?」
「こんなって…あ。あー…やっぱそういう中身だったか…。ハァ」
「?どういうことだよ」

ぶちまけられたものは乗馬用の鞭、蝋燭、縄、ギャグボール、対人用の首輪、クリップ。そして何故か日本のSMビデオ。
レヴィから見たらそれは過去に仕事で関わった商売道具たちだが、それらを相棒の男が持っているとなったらからかわずには居られなかったようだ。
だが相棒、ロックの反応がイマイチというかどうにも微妙だ。

「ローワンに押し付けられたんだよ。先日のお礼だよ!受け取ってくれ!!ってさ。まだ紫の煙草1カートン貰った方がマシだよ…もうー」
「お礼って、お前何やったんだ?」
「発注の数字、間違えたって言ってさ。何とかしてくれって泣き付かれちゃって。
前回同じことやらかしてダッチにきつく言われたみたいで…。あの時俺が電話に出なかったどうなっていたんだが」
「成程。あんときのミスはお前がアホだったから、じゃなくてローワンを庇ったからってわけか。このお人好しめ」
「…まぁそんな流れでこんなもの貰ってきたってわけさ。どうせそっち系のグッズか何かだと思って放置していたんだ。想像通り過ぎてため息しか出ない」

そう言ってテーブルに錯乱された縄の束を手に取り、飽きれた顔をする。そんな彼を余所にレヴィはビデオを手に取りまじまじと見つめていた。

「興味あるなら持って帰って良いよ」
「いらねーよバカ。それに日本語じゃねーか、これ」
「俺が訳してあげるよ」

酔っ払いの戯言のつもりだったがレヴィは何故か納得したような顔をして

「あー、だったら今ここで見ながら訳してくれよ」
「え!?…じょ、冗談だったんだけど」
「何でそんな顔赤くしてんだよ。暇つぶしにはもってこいだ」
「…」

もしかして誘っているのでは?とロックは思うもレヴィの顔を見ていると、その昔友達のお兄ちゃんが持っている
怪しい本やらビデオやらをこっそり見ようと集まったときの学友達の顔を彷彿とさせた。
何だか妙に悲しいような空しい感覚になった。しかし…特殊な性癖とは言え中身はれっきとしたアダルトビデオである。
内容は拉致監禁から始まり、ご丁寧に縛り上げる工程までしっかりと映されていた。鞭で叩かれ、溶けた蝋に咽び泣く声が響き渡る。
成人向け雑誌のグラビア等でこういった女性の姿は見たことあるものの、実際映像で見るのは初めてだった。
痛々しいなぁ、とロックがぼんやり眺めるてる横でレヴィは袖を引っ張り興味津々に問う。

「なぁ、今の何て言ったんだ?」
「え、っと…あれは…」

何でこんなことしてるんだろう…と途方に暮れる。
その一方でますます過激になっていく内容にいくら興味の無い世界であっても無反応というわけには行かなかった。
ビデオの映像を見つつも視線はレヴィの身体にも向けられる。
…レヴィもこんなことをした?された?
男を嬲り罵ったのか。男に嬲られ、罵られたのか。吊るして玩具で攻め抜いた?吊るされて玩具で攻め抜かれた?
映る女優の顔が、レヴィの顔へと頭の中で変換されていることに気付く。
今俺はどんな顔しているのだろう、とロックは手で口元を覆い隠す。
酷く身体が熱く感じる。それは酒のせいなのかそれとも今眺めてるビデオのせいなのか。
レヴィはどんな顔しているのだろう、と躊躇いつつ目を移す。
0232名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:17:23.88ID:S+fHl7Kp
「どうした?…中学生みたいな顔しやがって」
「……レヴィ。人のこと…言えないんじゃないか?」

一見、何も動じてないように見えた。レヴィはたまにこういう顔を、目の色を見せる。
普段は皮肉を込めた笑みばかりだが、稀に見せる穏やかで艶やかな微笑
視線は逸らさずに真っ直ぐ見つめるのに、今にも消えてしまいそうな潤んだ瞳。
その瞳を初めて見たのは警察に連行されたPCの中だったな、と思い出す。
身体を重ねる夜に一瞬そんな顔をする。愛くるしい顔。

「ロック、どっちがいい」
「どっち?」
「しばくか、しばかれるか」

レヴィはソファから立ち上がり、机に置かれた縄を手に持ち問う。先程の潤んだ目から挑発的な目の色へと変化する。
返答に一瞬詰ったが、BGMとしてテレビから流れる女の悲鳴と肌が打たれる音に迷いは消え、答えを出した。

「レヴィを縛りたい」
「…ハハッ!しばくかしばかれたいか聞いたってのに、縛りたいって!!意外だな!」
「あ、そっか…。でも叩いたりするよりかは身動き取れない状態のレヴィを眺める方が楽しそうだなって。」
「…ふん、お前結構向いてそうだな」
「そう?でも眺めてるだけじゃ、レヴィはつまらないか」
「さぁ?どうだろうね、やってみなきゃあわからねぇ」

会話は不穏で怪しさ一直線なのに、何処か朗らかな雰囲気なのがまた可笑しいものだとロックは思う。
しかし、縛りたいとは言ったものの初めてすることだ。今見たとはいえきちんと出来るのかどうかと早々に悩む。
一方レヴィはタンクトップを脱ぎ捨てホットパンツもショーツも躊躇い無く剥いでいく。一瞬にして裸体を曝け出した。

「ちょ…!!レヴィ待って!なんでいきなり脱いでんだよ!」
「おいおい、まさかあのビデオと同じ事しようとしてたわけじゃねーだろ?」
「いや、そんなことしないけど!!何も言わずに淡々と脱がないでくれよ!」

先程見ていたビデオの冒頭は、帰宅途中のOLらしき女性を数人で囲み、薬品を含めた布を鼻から下に押し付け気を失わせていたように見えた。
勿論芝居であることはわかっていたし、そんなことする気はさらさら無い。第一そんな気を失わせるような薬品手元にあるわけがない。
気になったのはレヴィの口振りだった。

「…もしかして、そういうのしたことある?」
「ないことはない」
「それ…大丈夫…なわけないよね」
「死に掛けた」

無茶なことする馬鹿が相手だと大変だった、とアルバイトの体験談のように語る彼女に今からする行為を本当にしていいのかと迷う。
本当はしたくないんじゃないかと。普通にするセックスでさえ嫌悪しているんじゃないかと思う節すらあるのに。
0233名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:19:36.62ID:S+fHl7Kp
「…レヴィ」
「乗り気じゃねぇ、って面してるぞロック。さっきは意気揚々と弄ぶ気満々だったのに」
「ん…」
「…そんな顔するなよ。見たくねぇ」

頬をほんのり赤く染め、強気な彼女が見せる優しい顔にいつもと明らかに違う感情が芽生える。
立ち上がりレヴィを強く抱きしめ、同時に深く口付ける。奥へ奥へと。
ロックを受け入れるように、包むように絡まっていくレヴィの舌。
唇を離しテーブルに置かれた縄の束を解きながら、ビデオで見た光景を思い出す。

「こういう時ってやっぱり命令口調のほうがいいのかな」
「あんたがやり易いようにすればいいさ」
「そっか、じゃあ…背を向けて、手を後ろにして?」

レヴィは言われるままロックに背を向け、腕を後ろに持っていく。
確か手首に布を巻いていたな、と思い出し持っていたハンカチをあてがう。
多分痕が付かないようにという処理なんだろうと、手首に縄を掛けていきながら一人理解する。
自分の記憶、映像で見た女の縛り方を照らし合わせ確実にレヴィの自由を奪っていく。
魅力的な曲線を描いていたレヴィの身体は、荒縄で妖しく卑猥な姿へと変わり果てる。
特に乳房はより一層大きさを強調され、正面から見ると思わず表情を崩してしまいそうになる程に。

「こんな感じかなぁ…レヴィ、痛くない?」
「ん…」
「違和感ある?」
「…そうだな。皮の拘束具とか手錠とかそんなんばっかだからなぁ」
「日本のSMって縄ってイメージだけど海外って違うよね」
「さっきのビデオ見てたときはさすがジャパニーズとか思った」
「さすがって?」
「面倒なことする変態だなーって。こんな縄でいちいちぐるぐる巻きつけるなんてあたしだったら頼まれてもやりたくねぇ」

会話のテンションは普段のそれと変わらないように思えたが、明らかにレヴィの顔は赤く火照っている。その様子にロックは抱きしめたくて堪らなかった。
いつもと違う夜、いつもと違う彼女の姿に最初は戸惑っていたはずなのに脈が速くなり興奮している自分が居た。
どうすればいいかわからなかったはずなのに、机にばら撒かれた淫猥な装飾品に自然と手を伸ばす。

「レヴィ、首輪付けるね」
「…ノリノリじゃねーか。やっぱ興味あったんじゃねぇの?」
「そうかもね。さぁこっちへ」

彼女に良く似合う赤色の首輪を装着し、手綱を強めに引っ張りこちらへ来るように促す。行き先は寝室。

「…っ!あ、あんま引っ張るなよ」
「ちゃんと付いてきて」
「…ああ」

レヴィは一歩一歩慎重に歩く。すぐそこのはずなのに足がふらつく。辿り着くまでに時間が掛かったように思えた。
ようやく部屋に辿り着いたかと思ったら、ベッドではなくそのまま部屋の隅にある姿見の前へと引っ張られる。

「…な、何すんだよ」
「ちゃんと自分の姿を見て、レヴィ」

卑猥で美しい全身が映るように、とロックはレヴィの斜め後ろの位置に立つ。
逸らした顔を無理やり掴み、鏡の中の自分を見るように強いる。
映る自分自身の身体を認識し、鏡の中のロックと目が合う。その瞬間身体の芯が燃え上がる感覚に襲われる。凌辱的な自分の姿なんて別にどうってことない、と思っていた。
それなのに酷い羞恥心を覚え混乱した。理由なんてひとつしかない。愛する男の前だから、だ。自覚があるからこそ恥ずかしく、身体が疼く。
0234名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:21:27.07ID:S+fHl7Kp
「どうしたの?やっぱり恥ずかしい?」
「……」
「質問に答えろよ」

いつもより強い口調で問うと同時に、尻を平手で叩く。
力は入れずに軽く、パチンと鳴る程度の可愛いもの。まるで小さい子供に駄目でしょう、と優しく躾けるかのように。それなのに

「ひっ…」
「答えろよ」
「あっ…はっ、恥ずかしい…」

息は荒く顔はますます赤みを帯び、潤んだ瞳は今にも涙がこぼれそう。
そんなレヴィの姿にロックは興奮を抑えられずに居た。もっと、と。

「恥ずかしいんだ?慣れてるんじゃなかったの?」
「…も、もう随分昔の話だ…。ただの…し、仕事だ」
「ふぅん、ただの仕事か。仕事でもこんな風だったのかなぁ…妬けちゃうな」
「……そんなこと…ねぇ」

その言葉に嘘はなかった。夜の仕事はいかに魅せるか、顧客を満足させられるか。
それだけだった。不本意に感じ取った快楽は、後に自己嫌悪と過去に植えつけられた性への憎しみへと変貌し苛立たせた。
けれど今は違う。自らロックを求め、貰えるものは何だって欲しいと望むくらいだ。優しい言葉、抱擁、体温、快感全て。
そして今、ロックの手で与えられる羞恥、痛みすらも欲しいと願っている。
その願いは言葉に出せない代わりに、不安定な息遣いとして漏れていく。

「可愛いねレヴィ。すごく可愛い」
「……う」

鏡に映るレヴィの目を見つめながら賛美を送る。
ロックは知っている。優しい言葉や扱いを受け入れる方法を知らなかっただけで心から喜ぶ彼女を。
そして同時に悪戯心が芽生えた。どうしたらもっと、と。
どうしたらこんな顔をもっと見れる?もっと涙で濡れ、恥ずかしそうに…苦しそうに、と。
ロックは右手をレヴィの股間に伸ばし、中指と薬指で小陰唇を割り膣口に潜り込ませた。
出し入れを繰り返し淫らな音が外の雨音と共に響きわたる。ぐちゃぐちゃとやたら耳にはっきりと届く。
そして余った左手の指先で乳首を転がす。人差し指の腹でゆっくり優しく撫で、赤黒く染まり硬くなった処を思い切り摘み上げる。

「ひぃ…!あ、ああっ……ふぅ」
「無茶苦茶濡れてるよレヴィ。縛って指で弄っただけでこんなになるんだね」

夢心地のような快感の波から、刺すような痛みへの変化にレヴィの腰は艶かしく揺れる。
0235名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:23:17.61ID:S+fHl7Kp
「うぅ…ロック……」
「なぁに?」
「…もっと……滅茶苦茶に…して…」
「どうされたいんだ?」
「……」
「黙っていたらわからないだろう」

バチン!と今度は手に力を入れて尻を叩く。
待ち望んでいたかのような狂喜に近い喚声を上げるレヴィに、ロックは思わず厭らしい笑みをこぼす。
もう1発、もう1発と激しく叩きだす音とレヴィのわめき声に理性が決壊していく。真っ赤に色づいた尻をもっと、と。
ロックは赤くなった尻を優しく撫で頬にキスをした後、リビングへと向かいぶちまけられた小道具たちを袋に入れ寝室へ戻る。
姿見の前で涙目で息を荒くしながらも大人しく待つレヴィに愛しさが込み上げたが、一瞬でその愛しさは痛めつけるための糧となった。

「黙っているなら俺が思いつくことを好き勝手にやらせてもらうけど?」
「……」
「そう、わかった。何も言うことは無いんだね」

そう言うと小道具の中からギャグボールを取り出し、指でレヴィの口をこじ開け装着した。その際レヴィは一切抵抗しようとはしなかった。
…こいつの好き勝手が欲しい、と。どうなるのだろう、と与えられる快楽への期待と恐れ。
呼吸はさらに荒くなっていく。同時に下半身の疼きがより一層激しくなっていくことも感じた。
ロックは俯き掛けたレヴィの髪を鷲掴み、再び顔を鏡へと向かい合わせる。
髪を引っ張られる痛みに苦痛の声を漏らす。くぐもる呻き声にロックの背筋はぞくりと震える。
苦痛を与えているのが俺自身だ、という事実に優越感を覚えた。堪らない、と。

「んぐっ…ふぅう……ふっ」
「似合ってるよ、これ」
「ふっ……」
「…その目、すごく良いね。夜の仕事もこんな感じだったの?」
「んん……!」

レヴィは髪を引っ張られる痛みを無視し、首を大げさに横に振る。言葉の自由を奪われた今、身体を使って否定することしか出来ない。
鏡に映る自分を他の誰かに見せた事など無い、と涙を堪え必死に訴える。…或いは、あったとしても認めたくないと言わんばかりに。
信じて欲しい、と訴える切ない目とは裏腹に高揚するロックの加虐心。
小道具のひとつであるクリップを持ち出しロックは口を歪めた。ごく最近見たであろうロックの微笑み。趣味の悪い賭け事をしているときの顔。

「どっちから付けようか?右?」
「んっ…んんぅ……!」

先程責められなかった右の乳首を優しく撫でた後、口に含み強く吸い付く。
絶妙な刺激に思わず溜息を漏らす。気持ち良い、と伝えたいのに伝えられないもどかしさに頬を涙で濡らした。
0236名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:26:00.80ID:S+fHl7Kp
「じゃあ右に付けてあげるね…レヴィ」

耳元で静かに低い声で囁くと躊躇い無くクリップで乳首を挟みこんだ。
いくらそれ専用に作ったものであってもある程度の激痛が走る。一瞬の痛みに悲鳴をあげた。

「っ…ふぐぅう!!…ううぅ」

痛い、と身体を使って拒否しようにも大げさに動けば動くほどに痛みと自由を奪われ、締め付けられる感触が増していく。

「もう片方も付けなきゃね」
「んん…」

にこりといつものように腑抜けた人の良い笑顔を向ける。先程見せた悪い微笑みとは違う普段どおりの、見慣れた笑顔だった。
それだけにいつもと違う夜の交わりの中で見せられると背筋に緊張が走る。

「んぅ…ふぐっ……」
「レヴィ、鏡を見るんだ」

命令、というには口調は少し弱いものの普段のロックからはあまり聞かない低くはっきりとした声に、レヴィはただただ従った。
毛羽立つ縄で縛られ、猿轡を噛まされ乳首を甚振られ、そして鏡に映る卑猥な自分を見ろと強制される。
双方が同じ感情を抱く。堪らない、と。
もっと見たいとロックは思う。もっと痛めつけてくれとレヴィは乞う。全てが欲しい。

「レヴィ……愛してるよ?」
「んっ…ううっ」

後ろから強く抱きしめ耳元で愛を囁く。普段から甘い言葉を投げかけるけど、決まってぶっきらぼうにかわされてしまう。
照れ隠しとわかるものの最初は何だか悲しく感じたし、今でもレヴィからの返答が欲しいと思っている。
今、彼女は言葉を奪われているから返答なんて出来ないのはわかっている。その代わり無理矢理こちらに顔を向けさせて反応を堪能する。
いつもはぷいっとそっぽを向かれるため中々表情を確認できずにいた。
だけど今はどうだ。顔は赤く染まって今にも涙で溢れそうな潤んだ瞳。切ない表情。
愛おしい。ずっと見ていたいと思う程に。泣いてしまいそうになる程に。

「…んんっ……ふうっ」
「可愛い……」

我慢できず零れる涙。憎まれ口ばかりでいつもかわしていたことを酷く後悔する。
優しい囁き、想いを与えてくれる彼が愛おしい。きつく縛られた身体を強い力で抱きしめられ、中毒性のある甘い言葉に
身体中が性感帯と言わんばかりに熱くなる。伝えられないもどかしさを目で訴える。
それはロックをさらに高揚させるには充分だった。
着衣を乱さずに責め続けたロックはネクタイをするりと外すとレヴィの目を覆い隠した。同時にボタンを二つほど外し、開放感を味わう。
目隠しされた途端にレヴィは首を横に振り抵抗し始めた。
先程まで大人しくされるがままを貫いていただけに不思議に感じ、抱きしめた腕に一層力を入れ耳元で囁く。
不意にきつく抱かれたせいか苦しいと言わんばかりの吐息を漏らす。

「…もしかして怖い?」
「ふぅっ……ん」
「見えないのはイヤ?」
「……んん」

子供のように弱々しく頷く。しかし確認しただけで彼女の意思を汲むかどうか別の話のようだ。ロックは力を抜きレヴィの頬を叩いた。
突然のことでレヴィは驚き肩を震えさせる。追い討ちを掛ける様に、いきり立つ男根を身体に擦り付けられる。ここにはもう二艇拳銃は居ない。居るのは哀れで可哀想で愛おしい女。
0237名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:27:40.08ID:S+fHl7Kp
「……リクエストは聞いたよね?なら大人しく俺の言うこと聞けよ」
「ううっ…ふぅう…」

冷たく言い放つと首輪の手綱を予告無しで力強く引っ張りベッドへと押し倒した。
そして無理矢理レヴィの体勢を整え始める。うつぶせにし、膝を立てさせ尻を高く突き上げさせた。
日焼けした肌とは真逆の真っ白とまでは言わないが、みずみずしく淡い肌色をした桃尻。そのコントラストに改めて愛しさを覚えながら優しく撫で回した。
レヴィは息を漏らしながら腰をゆらりと動かす。誘う揺らめきは昼間に見せる美しき銃使いとはまた違った麗しさ。
時々ロックは思う。このまま時間が止まれば、と。
今までベッドの中で交わり自分の腕の中で寄り添い、眠る彼女を眺め妄想を巡らせていた。
このまま命を落とすことも無く、二人で最期まで緩やかに生きていられたらと。
口に出して伝えることも無く、お花畑満開な夢物語に自分自身を心の中で嘲笑った。
今、激しい雨の中で仕事の行方も目処もあやふやなままで尚且つ愛しの女が完全に自分の手の上で、彼女の自由も命も自分だけのものであることが堪らなく嬉しいのだ。
本当に時間が止まってふたりだけの世界なのでは、と錯覚するくらいに。
非日常、夢心地な部屋の空気にロックはもう最初の戸惑いすら忘れ鞭を取り出した。
乗馬用の鞭だ。ピンと張った皮の感触に少しだけ冷静さを取り戻しつつ、鞭の先端でレヴィの尻を撫でた。
何が自分の尻に触れているのか理解して、一瞬だけ腰がびくりと動き小刻みに震えた。

「気持ちいいかどうか聞きながら力入れて叩くよ。わかった?」
「んぅ……」

静かに縦に頷く。力を入れないようレヴィの尻に鞭を軽く叩き付けた。ペチンと軽快な音が妙にいやらしく聞こえる。

「レヴィ、痛い?」
「んん…」

躊躇も無く首を横に振る。痛くない、と。取り戻したはずの冷静さが少しずつ失われていく。
自覚しつつも手は止めるつもりなんて無かった。彼女の普段の格好から跡が残らない場所に、と慎重に考慮したはずなのに。
パチン、バチン、と音は少しずつ大きくなる。音が重く低く鋭さを含む度にレヴィの呻き声は大きくいやらしさを増していった。
ロックは叩く度に、痛い?と問いかける。レヴィは横に首を振る。
問いかけを止め気の向くままに叩きたいと一瞬だけ頭を過ぎり、そしてその一瞬を一振りに込めた。
バシッ、と一際大きな音で叩き付けるとレヴィは身体を捩らせ喚き叫んだ。大きく身体を揺らし、何か訴えようとしている痛々しい呻き声。
ロックは一瞬の欲望に負け理性を飛ばし、思う全て打ち付けたことを後悔した。痛みに呻き泣くレヴィの尻を優しく擦った。

「レヴィ…ごめん、痛かったよね」
「ふぅう…ん」
「……痛くない?……気持ち良いの?」
「んっ…ふぅう」

気持ち良い、と意思表示をするがその意思とは反対を示すかのように目隠しをしたネクタイが涙で滲み隙間から雫が頬を伝い落ちていく。
口元はギャグボールの僅かな隙間と穴から唾液が溢れ垂れていた。表情はわからずとも顔色は終始真っ赤に染まったままで艶かしく動く腰。
興奮を覚えながらもそれ以上に大きな不安がロックに押し寄せた。彼女の過去を唐突に思い出し、行為の最中に詰ったことを酷く後悔した。
0238名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:29:37.39ID:S+fHl7Kp
「レヴィ…もう止めよう。酷いことを、酷いことを言ってごめん……」

ギャグボールを外し、レヴィの口元を解放した。涎でベトベトになった球体は妙に艶やかに見える。荒い呼吸をゆっくり整えレヴィは弱々しく口を開く。

「はっ……はぁ、ロック……何で止めるんだよ?」
「これ以上何をするか、何を言うか俺自身判らないんだ。歯止めが利かなくなりそうなんだ」
「……そんなに楽しめてんならよ、いいじゃねーか。もっと……してくれよ、ロック…」
「レヴィ……さっき嫌って言ったでしょ?」
「そう聞こえただけだろ。大体口が塞がっててそんなこと聞こえるわけねぇだろ」
「俺には聞こえた。泣きながら嫌だって叫ぶように…」

レヴィはバツの悪い顔をした。何で、と。何故わかった、という顔。叫んだわけではない。全部嫌だったわけじゃない。
優しい言葉の後に強くなる痛みは確実に快楽へと変換されていった。それと同時に、鞭を叩く力が増すたびに過去を思い出してしまった。
血の繋がった父と呼ぶべき男に奪われたこと、言われも無い罪で嬲られたことを。
思い出してしまったからこそ、レヴィは願った。その記憶を塗りつぶしてくれ、と。

「…ロック頼む、続けてくれよ。……今だけ忘れさせてほしいんだ、這い蹲って生きたこと」
「レヴィ?」
「ロックだけがいい……ロックだけのもので居たい…」

縋る様に、喉の奥から絞り出すようにモノで居たいと乞う彼女に息苦しくなる程の愛しさを感じた。
日本で子供との戯れで見せた笑顔を眺めたときに薄らと感じ取った。彼女の叶わぬ夢、汚れすぎて真っ暗に写る現実。
ロックは目を隠していたネクタイを外してレヴィの瞼に軽く口付けを落とし、目尻から頬に流れた雫を丁寧に舐め取った。
ひとつも無駄にしたくないと。

「言ったよね。俺が弾丸でレヴィが銃だって。俺はレヴィのものだし、レヴィは俺のものだ。
誰にも触らせたくないし、俺もレヴィ以外の誰かのものになんかなりたくない」
「……」
「意地悪はお終いにする。もう充分可愛い姿を見れたし」
「…一人満足してんな、バカ」

見つめ合ったかと思うと、その偶然に堪えきれずクスクスと笑い始めるロック。
ふざけんなと言わんばかりにレヴィは上半身を必死に起こしロックの唇を軽く吸い付く。
拘束されているのに器用に身体を動かすレヴィに思わず収めたはずの加虐心が擽られる。

「この縄は解かないでおくよ」
「……そうしてくれ」
「ああ、でもこれは外そう。さっき考え無しに押し倒しちゃったから痛かったでしょ」
「…結構痛かった」
「素直でよろしい」

けっ、と照れ隠しに顔を逸らす姿がいつものレヴィらしい、と今のあられもない姿とのギャップにまた笑いが込み上げる。
ますます面白くない、と言わんばかりに睨み付けられロックは軽い謝罪を口にしながら乳首に挟んだままのクリップを外した。
鈍い痛みから解放された安堵と悦びに小さく吐息を漏らしゆるりと腰を揺らした。
魅惑的な動きに耐えられず、その足を無理矢理広げ秘所に顔を近づけ隠れていた蕾を舌で転がす。

「あ…っ、おまっ、お前……!」
「お前って言うなよ、レヴィ」
「……っ、シャワー浴びてねぇ…のにっ……ひっ」
「それは俺も一緒だよ?」

容赦なく責め立てる姿に、例え物理的に痛めつけることを止めても根本的には大して変わらないことを知るとレヴィの身体は静かに温度を上げた。
蕾から閉じた小陰唇へと移動し入り口に吸い付き、時には舌を出し入れする。
執拗に吸い付く力と出入りする舌の動きに強弱を激しくつけながら、饐えた女の匂いに高揚していった。
鏡の前に立たせた時点でロックは硬く反り起っていたため、挿れたい衝動がまだかまだかとはち切れんばかりに膨れ上がる。
0239名無しさん@ピンキー2013/11/11(月) 22:32:16.62ID:S+fHl7Kp
「入れるよ?」
「……いれて、…ください……」
「レヴィ、その言い方良いね。可愛い」
「……もっと、もっとほめてくれよ……」
「いいこだね、レヴィ」

褒めてと涙目でせがむレヴィに賞賛の言葉と、愛しさから頬に口付けを与えると充分過ぎるほどに濡れきった膣へと容赦なく挿入した。
どろどろの感触にきゅうっと締め付ける膣内にロックは思わず声を上げる。

「……はぁ…レヴィっ……!」
「ふぅ…あ、ああ……ロック…もっと、おく……ついてぇえ……っ!」

普段は力強く華奢な腕でロックの背中を抱きしめ、腰を自ら打ち付けていたが下半身はいくらか自由に動いても
それを補助する腕を縛られているため力が上手く入らず、奥へと強引に誘うことが出来ずにいた。
レヴィの言葉は普段通りに戻っていたがロックも配役を忘れ、普段通りに彼女の願いに答える。
ただ身体はまだ覚えていた。もっと、と願ったあの衝動を。ロックは激しく高く突き上げていく。
寝心地を重視したその辺のものよりしっかりとした造りのベッドは、通常の行為よりさらに大きく軋んだ。

「ひぁあああああっ!あっ…ああっ、…ふぁ……んぁ…はぁ」
「はぁっ…はぁ……ああ…レヴィ……レヴィ…っ」

限界を超える瞬間、レヴィを強く抱きしめる。
ただただ荒い息遣いと愛する女の名を呟きながら、合図を送る余裕も無く静かに熱く溢れていき、奥深くに生温く流れていった。
そこから先は余り覚えていない。
ただレヴィは縄を解こうとするロックに、解かないでとせがんでそのまま彼の腕に抱かれ眠りに着いた。
―――――――――

「…暇だ」

雨音は数時間前よりは静かになったような気がする。風の音もだいぶ大人しくなった。
静けさに落ち着かずに身体をベッドの端から端へと転がしてみたり、或いは腹筋を使って起き上がってみたりした。
くだらない暇つぶしの行動だが、レヴィは少し恐れている。
一人残されたこの部屋で、縛られた状態で放置されたこの状況に身体の疼きを感じ取っているからだ。
自分から解くなと言ったものの、ロックはどんな意図でほったらかした?と考える。そうやって都合の良い、独りよがりの妄想が広がり行き着く先が怖かった。
しかし恐れと裏腹に体勢をうつぶせへと変え、神経を敏感な箇所に移す。腰が再び妖しい動きを始める。

「ん…ふ……ロック……」

数時間前の情事を思い出し、自身を慰め始めた。そして願う。この家の主が帰ってくる瞬間を、その後待ち受ける事柄を。
拘束を解いてひたすら抱き合って過ごすかもしれないし、或いは……。

雨音は徐々に静かになり、代わりに聞きなれた革靴の音が近付いた。


−おしまい

長く読みにくい文章を投下してしまいすいませんでした。
0248名無しさん@ピンキー2014/02/25(火) 02:37:18.50ID:yc0Speo8
BLACK LAGOON10巻発売決定か
0250名無しさん@ピンキー2014/03/05(水) 11:35:20.00ID:rHYZP01v
>>249
マジ
0251名無しさん@ピンキー2014/03/06(木) 22:52:19.18ID:ooHgJHfn
やっと不足してたレヴィたんが補えるのかあ。本誌読んでないからwktk
0252名無しさん@ピンキー2014/03/07(金) 23:58:10.13ID:meOaWLyT
同人でいいからロックとレヴィがヤってる話描いてくれ広江先生
0253名無しさん@ピンキー2014/03/08(土) 11:27:24.28ID:+KywfG6h
連載終了後に補完本としてそういう本出してくれたら完璧だな
何年先になるかは解らんが
0254名無しさん@ピンキー2014/03/13(木) 15:54:24.84ID:GcD55mM8
真夜中にフラバ起こして気を紛らわす為にボリス相手に色々ヤる姉御受信したが、今手元に原作が無いから他の細かいシチュが決められん。
02572542014/03/14(金) 00:39:57.26ID:XM3nQNSr
>>255
反応戴けて感謝感激。全裸は風邪の原因になるから携帯からざっくりと投下。結局、色々していません。


【真夜中の悪い夢】

自分の寝起きをする部屋と扉を一枚隔てた向こう側から微かに聞こえる慟哭。ハリケーンがくる季節になると半月に一度は聞こえてくる哀しみに溢れる慟哭。

「…ボリス、いるか?」

呼ばれれば返事もせずに即座に扉を開け、そこにはベッドの上へ上体を起こして両手を顔に当てている『彼女』はいつも見る気丈な姿とは正反対で。

「どうしましたか、大尉」
椅子にかけてあったブランケットを彼女の肩にかけようと近寄るとその腕を掴まれ、反射的にその顔を見つめる。その涙で濡れた頬が少し弛むと同時に掴まれた腕を引っ張られ、彼女の腕の中へ強引に収められる。
…最も、体格差があるので多少押し倒している風に見えなくもない体勢だが。


「悪い夢を見た。アフガンの夢だ。今更…だな」
「…ここはロアナプラですよ、大尉。"あの場所"ではありません」
「そうだな。今だけでも悪夢を忘れさせろ」
「…貴女がそう望むのでしたら」

ふ、と淋しげな微笑みを浮かべた彼女の癖のある髪に指先を絡めるとそのままどちらからともなく、そしてお互い遠慮がちに口付けを啄むように交わしていく。柔らかな胸元を服越しに優しく撫でればそれだけで吐息は漏れ、更に口付けを求めてくる彼女の首筋に指先を這わせる。

「さ…っ、最後まではさせんぞ?」
「貴女が落ち着けるまで、貴女が安心するまでこうしていましょう」

彼女の傷痕はなぞらぬようにしながら胸元を揉み、程好く筋肉が付いた臀部から背中を撫で上げる。指先がなぞる度に熱を帯びた吐息が自分の耳を擽ると衝動に駆られるが気にせず、ひたすら彼女の悪夢を打ち消す為だけに愛撫を続ける。

優しい愛撫の甲斐もあってか彼女が僅かに身動ぎすればそれだけで淫靡な水音が暗い部屋に響き、それを聞くと一瞬理性が弾けそうになる。

「ボリス?」
「…何でしょう」
「最後までさせんと言ったな」
「………はい」
「悪いな、無理そうだ」

聞き直そうとした瞬間には腕をまた掴まれて今度は自分が彼女の下敷きにされている。
窓の隙間から入ってくる灯りに照らされた彼女は自分と二人だけの時にしか見せない淋しげな、儚げな、それでもどこか悪戯めいた微笑を浮かべている。

「明日は昼からの予定だろう?」
「ちゃんと睡眠を摂れるのでしたら構いませんが」

こんな体勢では逃げられる筈もないと諦めつつ、この後に見られる彼女の乱れた姿を思うと自分の顔も自然に綻ぶ。

「悪い夢を見なくて済む位に満足をさせますよ、大尉」
「たまには名前で呼ばれたいモノだな、この堅物が」
彼女の重みを体に受けながら、次の日の予定でずらせるモノが何かを考えつつ。

「それはまた次の機会までとっておいても?」
「まあ仕方ないな、許してやろう」


暗がりに重なり合う影。声を圧し殺してでも貪るように自分を胎内に収める彼女の事を、自分の上官ではなく既に愛しい人だと思っている事にボリスは気付きながら、相手が満足して果てるまで、フラッシュバックが消え失せるまで、その長い夜は続く。


-FIN-
0259名無しさん@ピンキー2014/04/07(月) 09:48:02.81ID:sOFCpI87
ええね。ボリスええね。
あー。原作が燃料が足りない。
0260名無しさん@ピンキー2014/04/07(月) 09:53:37.24ID:NWgIMzVS
9巻のあと若干幼時退行して若様と一緒じゃなきゃ眠れなくなっちゃうロベルタ
若様も少し困りつつ頭撫でてあやしながら寝てあげるみたいないやらしくないのが読みたい
0262名無しさん@ピンキー2014/04/25(金) 03:08:15.05ID:wfYsKn7g
【女の憂鬱はいつも同じ】※90年代後半として考えて下さいませ※

「…ンだそりゃ。体脂肪率を測る機械、だァ?」
そうだよ、と相変わらずどこも掴み所のない声音で四角い箱から何やら怪しげな機械を取り出しながらロックはにっこりと笑いかける。
「今さ、日本でこれ開発中なんだってさ。ベニーに頼まれてどうにか取り寄せたってワケだ、壊すなよ?」
事務所の床に置かれた"ソレ"を訝しげに見るレヴィを眺めながら、更に言葉を続ける。
「体脂肪…ま、つまりは太っているかどうかってのを数値化するって言ったら理解出来るだろレヴィ?」
「はんっ、アタシが太ってるとでも言いたいのかよロック〜??」
「言ってない言ってない」
ガチャ、と扉が開いて入って来たのは久しぶりに見る顔。
「ハァイ、ロック♪そんなのと遊んでないでこれから遊…」
「おいエダ黙れ」
「あーヤダヤダ、すぐに噛み付くんだからこいつ…って…あれ?それって」
「体脂肪計だよ、エダ。"貴重"な試作品らしいんだけど測ってみるかい?」
女二人、暫しの沈黙。同時に目線を合わせてロックの方を向いた瞬間。

「ねぇちょっとロック?今日はこっちまで来て頂戴と言っていた筈だけれどまだなのかしら?」

扉をノックもせず、優雅な足取りで入って来たのは【ホテル・モスクワ】のバラライカ。相変わらず背後に控えるはボリス。
事務所に入って床に置かれた物を一瞥すると喉の奥で笑い、手慣れた仕草でスイッチを入れて自分の体脂肪率を測る。
「…ふむ、この数値だと最近少し怠けている事になるのか?」
「バラライカさんの基本数値までは知りませんよ、オレは…」
救いを求めてボリスに視線を送っても逸らされる。つまり、ここで言ったらヤバいのだろう。

「それもそうねぇ…あ、そうそう。レヴィ、エダ?」
「「ふぁ、ふぁいッ!!」」
「設定はしておいてあげるわ、少しロックを借りるからその合間に測ってみたら楽しいんじゃあないかしら」
ククッ、とからかうような笑みを浮かべながら二人の方へ爪先で体脂肪計を滑らせてやる。
「汗だくになってから汗を拭き取ると変わるって本当かしらロック?」
「えー、はい、そうらしいですけどオレまだ測ってすらいないモノでして…それより今日は何を?」
「あっちに着いたら教えてあげるわ、行きましょ」

仕事モードへと入っていく二人の背後、レヴィとエダは小さな声で相談をする。
「太っていた方が夜になったら酒を相手にたらふく奢る、でいいな?」
「ったりめーだ。奴等が行った後で測る。逃げるんじゃあねぇぞエダ?」
0263名無しさん@ピンキー2014/04/25(金) 03:09:41.38ID:odHj4Cx3
── 二時間後 ──

「ただいまー、あれ?二人して何か汗だく……と言うより何かその、部屋に充満する匂いがなんか、こう…アレなんだけど?」

「自分だけじゃあ無理ってコトもあんだよ」
「レヴィの方が案外体脂肪率あったわよねぇぇぇぇぇぇぇぇ♪♪」
「お前が何で自分より少ないのかが意味不明過ぎんだよ!!」
「落ち着け…で、痩せようとまぁ色々汗だくになってみた、と言う事かな?」
ぐったりした女二人の隣を通過し、体脂肪率計に寄って操作ボタンを押す。

「…予想通りだなー、バラライカさんが一番体脂肪率低いみたいだね。あ、バラライカさん?」
「たまには彼女達に奢られるのも楽しそうね?夜になったら迎えに来てあげるわよ、またね」

扉の陰に消える姉御をちらりと見、機械を箱にまた入れるロックを見て、二人は諦めの入った深いため息をつく。


「姉御に負けたんじゃあ仕方ないよな、うん」
「もっとココ落とせよお前よー」
汗だくな半裸の女二人が人目を気にせず露になっている胸元をお互いに揉みしだく。

夜まではまだ長い。
このまま襲われるか逃げるか思案しつつ、ロックはレヴィの胸元に視線を無意識に送っていた。

「痩せたいなら手伝おうか?」
「いいねぇロック、精々レヴィを哭かせてくれよォ」
「出来るんならね」
「哭かせてくれよぉ、ロックー?エダの痛ぇんだよ」

事務所から矯声は静かに静かに流れる。ダッチとダニーはため息をつきながら車のキーを回しイエロー・フラッグに向かう事にした。後で顔を合わせた時、どう言ってやるかを思案しながら。

-fin
0266名無しさん@ピンキー2014/04/30(水) 01:38:41.30ID:lPfQNoGB
>>265
汗だく補完してみました。

「レ〜ヴィ?ねぇねぇ、何でアンタの方が体脂肪率高いのかねェ〜??」
「エダ、うるさい黙れ」
「やっぱり胸にしか栄養行かなかったせいとか〜?だから負けたんじゃね、アタシにさぁ」
「…なッ!?」
「まぁ、ロックはそんなん気にしないと思うから大丈夫だろうけどね〜」
「おいエダ」
「…あ?いきなり人の胸まさぐんじゃねぇ…って、ちょ、まっ」
「お前の胸も大きくしてやりゃ体脂肪率でデカいツラ出来ねぇだろうが?あぁ?」
「やっ…ちょ、そこ弱……こっちだってやってや…」
「…ッ、いきなりそんなトコまさぐんなエ…ダ……」


………

『ありがとうロック』
「いいの録れてたかい、ベニー」
『これがあればしばらくは二人を抑えられるよ、本当に助かった』
「イエロー・フラッグですらしおらしい二人が見られたからこっちも楽しかったよ、礼金は後で相談してくれるかい?」
『今日は何か用事あったのかい、ロック』
「…バラライカにまた召喚されてるんだよ、ちょっと色々干からびてくる」
『健闘を祈っておくよ…』


このしばらく後、闇オークションに二人のキャットファイト映像が流れたとか流れなかったとか。
0267名無しさん@ピンキー2014/04/30(水) 01:39:29.87ID:XxPDR+ij
>>265
汗だく補完してみました。

「レ〜ヴィ?ねぇねぇ、何でアンタの方が体脂肪率高いのかねェ〜??」
「エダ、うるさい黙れ」
「やっぱり胸にしか栄養行かなかったせいとか〜?だから負けたんじゃね、アタシにさぁ」
「…なッ!?」
「まぁ、ロックはそんなん気にしないと思うから大丈夫だろうけどね〜」
「おいエダ」
「…あ?いきなり人の胸まさぐんじゃねぇ…って、ちょ、まっ」
「お前の胸も大きくしてやりゃ体脂肪率でデカいツラ出来ねぇだろうが?あぁ?」
「やっ…ちょ、そこ弱……こっちだってやってや…」
「…ッ、いきなりそんなトコまさぐんなエ…ダ……」


………

『ありがとうロック』
「いいの録れてたかい、ベニー」
『これがあればしばらくは二人を抑えられるよ、本当に助かった』
「イエロー・フラッグですらしおらしい二人が見られたからこっちも楽しかったよ、礼金は後で相談してくれるかい?」
『今日は何か用事あったのかい、ロック』
「…バラライカにまた召喚されてるんだよ、ちょっと色々干からびてくる」
『健闘を祈っておくよ…』


このしばらく後、闇オークションに二人のキャットファイト映像が流れたとか流れなかったとか。
0270名無しさん@ピンキー2014/05/22(木) 21:09:53.90ID:eyS4T4Mr
うむ。レヴィかわいかったなー。
「あんたの彼氏」「あんたの男」は否定しないのなw

以下オマケマンガ的ノリで。

グレーテル「ぶーぶー!ひどい、ひどいわ!お兄さん!!」
ロック「えっ、急になんだい」
グレーテル「私の『お礼』にはドン引きしたくせに、デコメガネのキスにはあんなに赤面するなんて!」
ロック「いやその俺はロリコンってわけじゃないし、そもそもあの『お礼』は、かなり性的に倒錯してないとヒくと思う…」
グレーテル「メガネ!メガネのせいなのねっ!?」
ロック「何でそうなる?」
エダ「あらぁ、面白いこと聞いちゃった〜。メガネが好きなら、今夜あたしとつき合わない?色男〜」
ロック「それはサングラスだろ。いや、そういう問題じゃなくてだな」
ジェーン「んふふ、だからみんな一緒に楽しもうって言ったのにぃ。ね、今からでも…」
ロック「うわー!?だから、そういう趣味はないっ!両方の意味で!!」
雪緒「岡島さん、そうだったんですか……」
ロック「違うからね!?……あの、物陰から日本刀のお兄さんが睨んでて、物凄くコワいんだけど…」
ロベルタ「………」
ロック「………」(いや、だから、この人の場合、メガネとかメイドとか以前の問題だよね?)
バラライカ「んちゃ!」
ロック「……ツッコんでほしいんですか?メガネに?中の人ネタに?」
0272名無しさん@ピンキー2014/05/24(土) 22:56:02.68ID:ThPjVpoP
【1】: 家事を行おうとする制服姿を目にする

【2】: 「メイドさんメイドさん」

【3】: 「いけません坊っちゃま…♡」

【4】: 小一時間経って一旦離れて小一時間経つと再び【1】へ


【フ】: 「RPGどこだっけ……」
0273名無しさん@ピンキー2014/05/27(火) 21:52:02.66ID:Z9zUUfGI
赤面するレヴィが可愛すぎて。

限定版開封中にフトモモに傷つけてしまった悲しい
0275名無しさん@ピンキー2014/05/28(水) 13:50:43.76ID:EB+MJMzG
おいおいレヴィがいじらしいなんてアーメンハレルヤピーナツバターだ
0276名無しさん@ピンキー2014/05/29(木) 01:04:38.31ID:Ot+w05iy
レヴィ、ロックのこと好きすぎだろ。
フォンとサシで話してるシーン、言い回しが回りくどいけど
「ロックってば色々あって落ち込んでて、らしくないの。
 あなたの一件に首つっこめば元の調子に戻るんじゃないかと思うんだけど、
 意気投合しすぎて、あなたに取られちゃったら後悔してもしきれないわけ。
 協力する前に確認しておきたいんだけど、あなたロックに惚れて近づいたんじゃないでしょうね。
 もしコナかけるつもりだったらただじゃおかないんだから」
って言ってるも同然でワロタ。
ロック、もうちょっとレヴィにラブ波を送ってやってよ……フォンのチューで真っ赤になってる場合じゃないぞ!
0277名無しさん@ピンキー2014/05/31(土) 12:40:24.35ID:+69LqZDV
ロックがマルチリンガルと聞いてのエロなし小ネタ。作品投下までの箸休めにどうぞ。

レヴィ「ヘイヘイ、ロック!どうしたんだよ、テレコとマイクなんぞ持って。カラオケか?何歌うんだ?」
ロック「違うよ。これは勉強」
レヴィ「ケッ、そんな暇があったら、いい加減武器の一つも扱えるようになりやがれ」
ロック「そう言うなよ。これもある意味『俺の武器』のメンテナンスみたいなものさ」
レヴィ「メンテナンスぅ?」
ロック「習得してても使ってない言語はサビつくからね。たまに自分で喋った声を録って、聞き直して、発音とかをチェックするんだ。」
レヴィ「自分の声なんか聴いて何か面白いのかよ。ナルシストか、てめェは」
ロック「いや、だから……人の話聞いてた?勉強だって言ったろ。もう、ジャマしないでくれよ」
レヴィ「ケッ、面白くもねぇ。さすがインテリ様々だぜ」

数日後
ロック「うーん……どこいっちゃったんだろ」
レヴィ「何やってんだロック。探しものかよ?」
ロック「ああ。語学の勉強に使ってたレコーダーなんだけど、どこかいっちゃって」
レヴィ「何だよボンヤリしてんなぁ。まあ、アレだ。てめェの声よりもっとゴキゲンなナンバーでも聞いてろって神サマが言ってんのさ」
ロック「ゴキゲンなナンバーねぇ。そういえば、レヴィは最近は何聴いてるんだ?」
レヴィ「へっ?」
ロック「ここのところ、ずっとヒマなときはイヤホン突っ込んでるじゃないか」
レヴィ「べ、べつに人がナニ聴いてようが構わねェだろ、真似すんな!日本人ならエンカでも聞いてがれ!!」
ロック「………」
レヴィ「…な、何だよそのツラは。か、貸さねーからな!」
ロック「………そういえば最近、レヴィのイヤホンから音漏れ聞かないよな」
レヴィ「い、イヤホン変えたんだよ!!」
ロック「………流石に『Rock 'n' Roll』とかいうオチはベタすぎるし、うまくないと思うんだけど」
レヴィ「う、うるせェんだよ!その話題をやめねぇと、額に穴開けてイヤホン捻じ込むぞ、バーカバーカ!!」
0280名無しさん@ピンキー2014/06/10(火) 23:18:11.26ID:V6YxJMfZ
フォンがらみのエロなし小ネタ。はてなようせい。

フォン「そういえば、あなた中々器用なことやってたわよね」
ロック「え?」
フォン「ほら、あの死体処理屋の彼女の」
ロック「あ、あー。アレか」
レヴィ「ああ?何の話だよ」
ロック「チャルクワンの下宿のことだよ。ソーヤーが始末を忘れた話はしたろ?その時、声帯つけてなくってさ」
フォン「それで、彼の背中で筆談やってたのよ。………こんな風に」こしょこしょ
ロック「うわわわわわっ!?ちょっ…予告なしに触るのはやめてくれ!!」
レヴィ「………へぇ。おいロック、てめェ随分とゴス女と仲良くやってんじゃねェか」
ロック「そんな事は…ベニーは彼女連れだし、フォンは初対面だしで、あの場は他に選択肢がなかったんだろ」
フォン「あれ?いつもやってるわけじゃないの?仲がいいんだと思ってた」
ロック「そりゃ顔見知りではあるけど…俺、彼女にチェーンソーで真っ二つにされかけた事あるんだぞ」
レヴィ「デカパイ女と一緒にな。誰のおかげで胴体繋がってると思ってやがる」
ロック「分かってるよ、感謝してるってば」
フォン「色んな意味で驚きね。彼女との因縁もそうだけど…どこで背中に書いた文字を読む訓練を?」
ロック「訓練というか…まあ、一種の遊びだよ。学生時代に酒の席でそういうゲームが流行ってたんだ。
背中に文字を書いて、当てられたら一杯飲む。外させたら一杯飲ますっていう」
レヴィ「ワケわかんねェ。日本人の学生ってのは随分とアホな事で喜んでんだな」
フォン「なるほどね。………じゃあ、さっきのは判読できた?」
ロック「………か、からかうのはよしてくれって言っただろ………」
レヴィ「………おい、ロック!!」
ロック「な、何だよ…?」
レヴィ「ちょっと背中貸せ」
ロック「………嫌だ!!」
レヴィ「何でだよ、オラ!大人しく背中出せっ!!」
ロック「嫌だよ!!煙草の持ち方が不穏すぎるだろ!!」
レヴィ「チッ……。オーライオーライ。ほら見ろよ、火種は消したぜ?イイ子だから背中出せ、な?」
ロック「嫌だったら嫌だ!!何でカトラス抜いてるんだよ!!」
レヴィ「ギャーギャーうるせェなあ!!素手ならいいんだろ、素手なら!!」バリバリ
ロック「痛い痛い痛い痛い痛いッ!!引っ掻くなあッ!?」
レヴィ「さーて、何て書いたか分かるかな?ボーイ?」
ロック「分かるか!!ああもう、ヒリヒリする…風呂入る時に絶対しみるぞコレ…」
フォン「ねえ…ひとつ聞きたいんだけど」
ロック「…ああ、何?」
フォン「…あなた達って、いつもこうなの?」
ロック「………ご想像におまかせするよ……」
フォン「ちなみに、私からは正解が判読できたけど…」
レヴィ「余計なこと吹いてんじゃねェぞ、このデコメガネ!!言ったら殺す!!」
フォン「…だ、そうよ。ところで彼女、落し物には備えておくタイプみたいね」
ロック「…まあ…その……ヒントをどうも」
0281名無しさん@ピンキー2014/06/11(水) 23:45:55.46ID:ycDhqU3G
このあと一緒に風呂入って傷痕を確認するんですねわかります
0282名無しさん@ピンキー2014/06/12(木) 16:46:38.41ID:KiP6JjBi
山ほど銃弾を受けた社用車はレヴィの下宿の近くまで健気にも走ってくれた。
停車したものの、エンジンを切ると2度と動かない事は保証できる。

「ロック、お前はどうするんだ」
「事務所の前だと目立つし、車をドックに置いてから今晩はそのままあっちで休むよ」
「ああ、じゃぁな」
「うん、おやすみ」

彼女はドアに手をかけ、車から降りる動作をしかけてやめた。

「どうかしたのか?」
「........いや、別に」

助手席に座ったまま目を合わせようとしないレヴィを一瞥して、つい口元に浮かぶ笑みを押し殺した。

「レヴィ?」

呼ぶと素直にこちらを向く彼女の頬に手を当ててゆっくり口づける。
それはほんの少しの躊躇もなく受け入られ、珍しくも彼女のほうから身を寄せてきた。

「....中学生じゃないんじゃなかったの?」
「あたしのどこが中学生に見えンんだよ」
「棚上げかよ...いいけど...」

「じゃな」

さっさと車を降りて振り返りもしない。
残念だ、暗くなければ耳まで赤いしかめっ面を楽しめたのに。
0286名無しさん@ピンキー2014/08/08(金) 00:30:47.43ID:3nDIYKrw
保守あげ
0287名無しさん@ピンキー2014/08/18(月) 16:03:18.62ID:PtVdbYSE
保守
0291ロクレヴィ 雨2014/08/19(火) 13:12:14.45ID:06+ICi1y
いつだって一番欲しいと思うものは、手に入らなかった。
いつだって手に入りそうになって、するりと指の間をすり抜ける。
欲しいと望めば望むほどいつだって、それはあたしを裏切るんだ。
その度に傷付くのが辛くて、馬鹿らしくて、いつしか望むのを辞めちまった――…
ここ数日ずっとバケツをひっくり返した様な雨が降り続いている。
ロアナプラは本格的な雨季に入った。
仕事が休みなく入っていれば何も考えなくて済むのだが、そう都合のいい事は起こらない。
突然の先方の依頼のキャンセルにより、望まぬ長期休暇を手に入れてしまい、暇を持て余していた。
雨の日は嫌いだった。
何か無くても気分が鬱々としてくる。
余計な事を考えてしまう。
おまけに何もする事がない。
余計に鬱々とする。
散らかった部屋の片隅で、窓を打つ雨の音を聴きながら、レヴィはベッドに横になっていた。
トレーニングも飽きたし、カトラスのメンテナンスも終えた。
イエローフラッグに繰り出すのも悪くないが、時間が早い上にこの雨だとあまり外に出たくない。
「あー…クソだりぃ…」
この鬱憤を晴らしたくて声を出してみるものの、先程から同じ言葉しか出てこない。
はぁ、と溜息をついて不意に目についたカトラスを手に取った。
――子供の頃、手に入れたくても入らなかった銃。
これを手に入れたくて、やれる事なら何でもやった。
金さえあれば、容易く手に入った。
金は何より自分を裏切らないし、銃を手に入れた事によって力も手に入れる事ができた。
唯、金があっても力があっても、手に入らないものはあったが…。
「あああー…クソっ!やってらんねぇ…」
誰に対してイラついているのか。
自分は何がしたいのか。
何だかよく分からない内に腹を立て、ベッドの上で暴れた。
――この雨の所為だ。
この鬱々とした気分は雨の所為なんだ。
決してアイツの所為じゃ……。
「…って、何でロックが出てくるんだよ!」
…コンコン
「うわ!!!」
突然のノックの音に飛び上がる。
「おーい、レヴィ居るんだろ?開けてくれ」
今まさに考えていた相手の突然の訪問に戸惑い、即座に動く事が出来なかった。
再び、おーい、と声をかけられて我に返ると不機嫌そうにドアを開けた。
そこには酒瓶を両腕いっぱいに抱えたロックの姿があった。
「何の用だよ、ロック、こんな大雨の中。家にシャワーあんだろ、わざわざ外にシャワー浴びに行ったのか?」
随分とずぶ濡れなロックの姿を見て、溜息交じりの屁理屈。
「ひとりで部屋に籠ってるのも飽きてきてね。どうせレヴィの事だから部屋にいると思って、二人で飲もうと思ったんだ」
そんな事はお構いなしにへらへらと笑みを浮かべて、ロックは部屋に入ってきた。
随分と勝手な奴だ…、ブツブツと文句を零しながら、レヴィはドアを閉めた。
「ところでさ…さっき俺の事、何か言ってなかったか?俺の名前を叫んでた気がするんだけど…」
「…馬っ鹿!!何で手前の事なんか!ついに頭がイカれたか?」
嗚呼、結構大声で言ってたんだな…と恥ずかしさが込み上げて、それを隠す為にロックを罵倒する。
そこまで言わなくても…じゃあ空耳だったのかな…、なんて呟きながらロックはグラスを探す。
「…グラスはあたしがやっとく。手前はさっさとシャワーでも浴びやがれ。部屋中水溜りが出来たらかなわねぇ」
「そう?じゃあ遠慮なく借りるよ」
さっさと行けとばかりにタオルをロックに投げつける。
ロックはそれを片手で掴むと、シャワールームのドアの向こうへ消えて行った。
レヴィはそれを見送ると、グラスを2つ手に取り机に置いた。
雨は未だに強く降り続いている。
突然の訪問者に最初こそ戸惑ったが、この鬱憤が少しでも晴れる様な気がして悪い気はしなかった。
0293ロクレヴィ 雨2014/08/20(水) 15:52:40.93ID:zFqIY7c6
ネットに繋がらなくて、続きが投稿出来なかった。
本当にスマン。
では、続きをどぞ。

★★★★★
雨が降る音に混ざって、シャワーの音が聞こえる。
ロックが抱えて来た酒瓶を机に並べ終えベッドに腰掛けると、程なくしてシャワールームのドアが開いた。
「…レヴィ。大変だ」
「あ?何がだよ」
神妙な顔つきで、ロックがドアから顔だけを出してこちらを見つめてくる。
「…着替えがない」
なんだそんな事か、とレヴィは呆れて溜息をついた。
「別にパンツ一丁でも構わないさ。別にそんなん見飽きる程見てる」
「…うーん。何か複雑だな…」
ブツブツと何かを呟いているロックを見ていたら、何だか笑いが込み上げてくる。
「あんたもあたしの裸なんか見飽きる位見てるだろ?何なら全裸でも構わないぜ?」
「ばっ…いや、履くよ…」
はぁ、と大袈裟な溜息をついて、ロックはやっとシャワールームから出てきた。
首にタオルをかけて、身につけているのはパンツのみ。
いつものホワイトカラーな格好から1番かけ離れている。
そうそう、男はそれでいいんだよ、とレヴィがケタケタといかにも面白いという風に笑っている。
ロックはもう一度深く溜息をついて、椅子に腰掛けた。

ロックが持ってきた酒瓶は、全部で7本。
いつものバカルディから始まり、あっと言う間に1本2本…となくなって行く。
酒の肴には最近出回る与太話や、噂話、同僚の話。
最初からこうしていれば鬱々とする事もなかった…と今更になって思う。
ロックと下らない話をするのは、愉快だ。
それにこれだけの酒があれば最高にいい気分になる。
先程の鬱憤は何処へやら…いつの間にか機嫌が良くなっていた。
そんなレヴィを見て、ほくそ笑むロックも何だか楽しそうだった。
不意に暫く見つめられていた事に気付いて、レヴィは尻の居心地が悪くなって目を逸らした。
一気にグラスを煽る。
冷たいはずの液体が熱くなって喉を通って行く。
先程から酒は飲んでいるはずなのに、急に身体が熱を持った様な気がした。
窓の外に目をやると、先程よりも雨が強くなった気がする。
空がいつの間にか暗くなっていた。
0294ロクレヴィ 雨2014/08/20(水) 15:58:51.89ID:zFqIY7c6
「雨止まないなー…」
ロックが呟く。
レヴィは肯定する様に、何も言わず窓を見つめている。
座っていた椅子から腰を上げて、ゆっくりとベッドに腰掛けていたレヴィの隣に座る。
ギシ、とスプリングが軋む。
ロックの動きに合わせる様に、レヴィが座っていた所も沈む。
ロックもレヴィと同じ所を見つめている事は、彼を見なくても分かった。

「雨の日って、気分が滅入るんだよな。別に何でもないのにさ」
「ああ…」
そうだな、とレヴィはロックの事を見ずに続ける。
窓を眺め過ぎてまた鬱々とした気分がふつふつと湧いてくる。
段々気分が滅入って来て、レヴィは視線を窓からロックの横顔へ移した。
ロックはゆっくりとグラスを手の中で傾けながら、視線をカランカランと音を立てる氷に集中させている。
気だるそうに伏せられた瞼。
思った以上に長い睫毛が薄っすらと影を作っている。
少し酒で濡れた唇が、何か言いたげに微かに開いては閉じる。
何度目かに開いた唇から、ふと零れた言葉。

「…飲もうって言ったのは口実なんだ。何か凄くレヴィに会いたくなって…」
何か変だよな、そう言うとロックは苦笑して持っていたグラスを傾けた。
琥珀色の液体が、ロックの唇に吸い込まれて行く。
目を逸らす事が出来なかった。
ベッドのスプリングが微かに軋む。
吸い寄せられて行く…。


これは本能なのか。
それともこうする事が自然な流れだったのか。
酔っている所為かもしれない。
もしくは雨がもたらした憂鬱がそうさせたのか…。
いつの間にか、彼の唇に自分の唇を重ねていた。
0295名無しさん@ピンキー2014/08/20(水) 16:15:17.73ID:vViXbGn6
ぶつ切りすんなマナーも守れないのか
とっとと自分の居場所()にお帰り
0296ロクレヴィ 雨2014/08/20(水) 16:27:01.39ID:zFqIY7c6
何時間そうしていたのだろうか。
或いは数分、数秒の事だったのかもしれない。
そっと触れるだけの口づけ。
それだけなのに身体中が炎に包まれた様に熱くなった。
頭がクラクラする。
酔いにも似たこの感覚は、酒によるものなのかこの行動によるものなのか…レヴィには分からなくなっていた。
確かに分かるのは、唇から伝わる少し高めのロックの体温と微かな震えだけ。
そっと唇が離れる。

離れて分かったのは、震えていたのは自分だった事。
目の前の彼が目を丸くして固まっていた事。
「…レヴィ…?」
この行動の意図を聞きたいのだろう。
戸惑いがちにロックが名前を呼ぶ。
そんな事答えられる訳が無い。
自分だって…分からない。

「…レヴィ?」
もう一度彼が名前を呼ぶ。
レヴィは何も答えない。
何も言わずに、ただ俯くレヴィを不思議に思ったのだろうか。
離れていた顔の距離がまた近付いた。
ロックがレヴィの顔を覗き込む。
「あっ…」

彼が微かに声を上げるのとほぼ同時に、レヴィはまたロックの唇を奪った。
彼は分かってしまったのだろう。
眉を顰めて辛そうな泣きそうな顔をして、頬を朱に染めた彼女の顔を。
それを隠すように彼女が口付けた事も。

――いつだって一番欲しいと思うものは、手に入らなかった。
いつだって手に入りそうになって、するりと指の間をすり抜ける。
欲しいと望めば望むほどいつだって、それは彼女を裏切る。
その度に傷付くのが辛くて、馬鹿らしくて、いつしか望むのを辞めてしまった――…
――はずだった。
0297ロクレヴィ 雨2014/08/20(水) 16:30:56.21ID:zFqIY7c6
「ん…」
戸惑うロックの唇を舌でそっと舐める。
それが合図だったかの様に、彼の唇が微かに開く。
それを見逃す訳が無く、そろりと彼の口内へ侵入するレヴィの舌。
唇よりも熱を持つ粘膜の間をゆっくりと進む。
彼の舌が後から追いかけて来るのが分かる。
行き止まりに追い詰められた舌が絡め取られる。
二人分の唾液がねっとりと絡みつき、その感触に思わず背中が震える。
酸欠で倒れそうになる身体を支える為、ロックの肩に両手を添える。
ぐらりと身体が傾き、ロックの身体がベッドに沈む。
彼に覆い被さるように、レヴィの身体が彼に重なる。
押し潰された胸に、タンクトップ一枚の布を隔てて彼の体温がレヴィに伝わる。
いつの間にか彼の掌がレヴィの頬に添えられていた。
たどたどしく優しく触れる彼の掌に、胸の奥がぎゅっと詰まる。
思わずその手に自身の手を重ね、力強く握った。
―手に入れたいと望んでしまった。
金でも力でも手に入らないものなのに。
自分が望むものはきっといつかこの手をすり抜けてどこかに行ってしまう。
…でも、望んでしまった。
この気持ちに気づいた時から、傷付く事は初めから分かっていたのに。
それでも…例え後で傷付いても。
―欲しい。
あたしは…この男が欲しい。
いつしか諦めたあの日から初めてこんなにも欲しいと望んだのだ。
もし傷つく事になったとしても…ロックだったら…それでもいいと思った。
はぁ、と熱っぽい息を零して互いの唇が離れる。
レヴィを見つめるロックの目は何か言いたそうにしていたが、レヴィは無言で首を振った。
今は何も言うな、とレヴィの目は訴えていた。
レヴィは不意に頭をもたげる。
目線の先には雨。
窓を打ち付ける程酷い降り方をしている。
「…雨の所為だ。こんな雨が降ってる所為で余計な事を考えちまったのさ。だから、ロック。何も考えンな。あんたは目の前で物欲しそうにしてる女をファックすればオーケーだ」
苦し紛れの言い訳。
素直に言う事が出来たらいいのに…しかし、出てくるのは自分を卑下した様な屁理屈。
こんな日に会いたいと思った女にいきなり2度も唇を奪われ、揚句にファックしろなどと。
―雨が降る。
外ではない。
自分の中だ。
土砂降りで前が見えない。
ロックが今目の前でどんな顔をしているのかも…わからない。


0298ロクレヴィ 雨2014/08/20(水) 16:42:00.76ID:zFqIY7c6
ぶつ切りの意味が分からない。
スミマセン。
0301ロクレヴィ 雨2014/08/22(金) 09:19:21.10ID:PH1ia0lB
「…そんな事はできない」

ロックの喉から絞り出されたのは否定の言葉だった。
さらに土砂降りが酷くなる。
やっぱり手に入らないものなのだ。
自分が手に入れたいと強く望む程…。

「そっか…そうだよな…こんな淫売となんか
「そうじゃない!!」

雨音も遮る、部屋中に響く声。
次の瞬間塞がれた唇。
嗚呼、何でこんな事してるんだろう。
今すぐに突き飛ばして帰ってしまえばいいのに。
嬉しいと思ってしまう。
錯覚する。
あたしはこいつに求められて居るのだと。
これ以上惨めになりたくないのに…離れられない。
そっと唇が離れた時、ロックの顔を見て、レヴィは愕然とした。
「ロック…お前何て顔してるんだよ…」
悲しそうな、泣きそうな、苦しそうな、辛そうな顔。

――何であんたがこんな顔をするんだ?

暫しの沈黙。
外の雨の音だけが冷めた部屋を満たし、熱が冷めた身体に湿った空気が纏わり付く。
そんな事は決してないのに肌寒くさえ感じる。
ロックが重く閉ざしていた唇を開く。
声にならない言葉が唇を動かして、何度も唇を引き結ぶ。
幾度と無く繰り返す姿を、レヴィは冷めた目で見ていた。
ロックになら傷付けられる事も構わないと思っていたのに、自分を傷付ける言葉を言われるのではないかと恐れている。
今更になって怖いと感じている―…そんな自分が惨めで馬鹿らしくて笑える。
レヴィはロックから目を逸らすと、雨の音に紛れてそっと苦笑した。

「レヴィ…」

喉の奥から搾り出したな掠れた彼の声に、弾ける様に目線を戻した。
彼は何かを決心した様な、怒った様なそんな顔をしていた。
何を言われるんだろう…知らず知らずの内に背筋に力が入る。

「…レヴィ…そんな事二度と言うな…。お前は淫売なんかじゃない。粗末に抱いていい女じゃないんだ。お前は俺の――」
外の雨がまた強くなる。
ロックの言葉に雑音が入る。
五月蝿い。
しかし、外の様子とは裏腹にレヴィは安堵が混じる笑みを浮かべていた。
たどたどしく彼の両肩に手が添えられ、二人の距離が近くなる。

「なぁ、ロック」
「ん?」
「言葉だけじゃ分かンねェ…」

最後まで言い切る前に唇をまた塞がれた。
今度の口付けは穏やかなものだった。

――嗚呼、これでやっとあたしは…

二人でそのままベッドに倒れ込む。
その頃には彼女の雨も止んでいた。
0302ロクレヴィ 雨2014/08/22(金) 09:29:19.38ID:PH1ia0lB
ロックの首筋に暫し顔を埋める。
湿気の所為か酔っている所為か、彼の肌は少し汗ばんでいる。
レヴィはそっとそこに口付ける。
微かに反応する皮膚。
そのまま舌でそっと舐め上げると、ロックの唇から吐息が零れた。
それに気を良くして、彼の肌の上に舌を這わせる。
首筋から胸板へ。
舌が這う速度に合わせたかの様に、ロックの鼓動が早くなる。
胸板から先端へ。
口に含むと、彼の喉の奥で呻く様な吐息混じりの声が聞こえた。

「声出したって構わねェぜ?ベイビー」
微笑混じりにロックに問い掛けるが、彼は嫌だと目だけで訴えてきた。
あっそ、とレヴィは呟くと、再び口に含む。
柔らかく舌で包み込んでいたと思えば、舌先を尖らせて弾く。
刺激を与える度にロックは従順に反応し、その反応や呻く様な声で耳を刺激され、レヴィは身体の中心に熱が集まるのを感じた。
ふわり、と柔らく豊かな乳房にロックの手がタンクトップの上から触れる。
やわやわと自由に形を変えるように刺激を与えられると、レヴィも堪らず吐息を零した。
主張し始めた先端を指先で摘ままれると、弾ける様に背中を反らす。
タンクトップを捲り上げられそのまま脱がされると、直に触れる手が彼の熱を伝える。

「あっ…………」
指先で今度は直に摘ままれると、思わず口に含んでいた先端を離し仰け反った。
その瞬間を見計らって、ロックはレヴィを腰に当てた手で引き上げ、乳房の先端を口に含む。

「んっ……」
「レヴィこそ…声出してもいいよ」
「っ…」
顔が一気に熱くなる。
それを隠す為に、ロックの耳に舌を這わせる。
耳の縁をゆっくりなぞり、内側へ。
時々甘噛みすると、ロックの短い吐息がレヴィの先端を掠めると、レヴィが微かな刺激に反応する。
彼の手がレヴィのホットパンツのベルトを外し、いつの間にか下着だけの姿になっていた。
そろりそろりと触れるか触れないかのタッチで、彼の肌の上を滑っていくレヴィの指。
胸板から程よく締まった腹、腰骨をなぞってその存在を主張する熱の塊へ。
薄い布越しにそれに触れると、レヴィの胸に沈められていた彼の掌に力が篭った。
掌で根元から先端へ撫で上げる。
その度に掌を押し返す様に反応するそれを、レヴィは楽しむ様に弄んでいると、彼の手がレヴィの熱の中心に移動した。
下着越しに指を動かすと、すでに滲み出た蜜がくちゅ…と卑猥な音を立てる。
小さく主張する突起を親指で擦り上げられるとレヴィの身体に小さな電撃が走った。

「んあっ……」
思わず出てしまった女の声に、レヴィは下唇を噛み締めて眉を顰める。
そんな事はお構いなしにロックの指はレヴィを攻め立て、与えられるゆるゆるとした刺激に堪らず腰を揺らした。

「…足りない?」
彼が問いかける。
足りないに決まってる、でも、そんな事を口にしたら目の前の男をただ喜ばすだけ。
先程はあんな顔をしていたのに、今は口角が上がっている。
――悔しい。

「…くだらない事言ってンじゃねェ…さっさとお前のコック突っ込めよ。それともビビっちまったか…っぁあ!」
「そういう言葉は、今は聞きたくないね」
下着の隙間から中へ差し込まれた指が、言葉を遮る。
零れそうな程潤った入り口は簡単にロックの指を受け入れ、いきなりナカを掻き回されてレヴィの腰が浮いた。
堪らず彼にしがみ付く。
縦横無尽に動き回る指がざらりとした所に触れると、腰が跳ね上がると同時にレヴィの唇から吐息と共に声が漏れた。
何度かそこを擦り上げると、レヴィは目を潤ませて首を振った。
0303ロクレヴィ 雨2014/08/22(金) 09:33:21.86ID:PH1ia0lB
「あっ…ロック…っ」
「レヴィ…いいよ。イけよ」
「いや…だ…ロック…っん…ひとりはいやだ…」
押し寄せてくる快感の波に抗い、すがりつく様に口付ける。
そんな彼女の姿を見て諦めたのか、ロックはゆっくりと指を引き抜いた。
素早く彼女の下着を剥ぎ取ると、自身が身に着けていたものも放り投げる。

「あ…」とロックが声を上げて、ベッドを離れ机に置いたままの財布を手に取る。
その様子をレヴィは訝しげにただ見つめ、いそいそと彼がベッドに戻る。
その指にはラテックスが摘ままれていた。

「…よぉロック。随分と準備がいいじゃねェか」
「あー…まぁ、日本人男性の身だしなみ、かな」
「ふぅん…」

レヴィには彼に尋ねたい事が沢山あったが、とりあえず今は黙っておくことにした。

「…あーあ、萎えてンじゃねェか。別に着けなくても出来やしねェよ」
「そんな訳にいかないだろ。俺はレヴィを大切に扱いたいんだ」

突然の恥ずかしい言動に一瞬驚くが、悪い気はしない。
しかし、気恥ずかしい事には変わりなく、レヴィはほんの少し溜息をついて頭を掻いた。

「仕方ねェな。手伝ってやるよ」

彼をベッドに押し倒し、間髪入れずに勢いが無くなりかけているソレを口に含む。
ゆっくりと舌が裏筋をなぞり、先端をこねる様に這い回る。
くびれを焦らしつつ一周し、舌をソレに添えながら口をすぼめて頭を上下させると、彼の吐息が段々と荒くなり、ソレは勢いと固さを取り戻した。

「レヴィ…もう我慢出来ない」

切なげに眉を顰めてレヴィの頭を撫でていた彼が呟く。
もう少し彼の反応を愉しみたかった気もするが、仕方ない。
自分ももう、限界だ。

彼は起き上がると先程取り出したラテックスをレヴィの唾液で濡れたそこへあてがう。
素早く装着させると準備が出来たと言わんばかりに、今度は彼がレヴィを組み敷く。
溢れるのをもう止められないとばかりに潤ったそこへ、ゆっくりと沈められる。
全部が彼女の中に収められると、二人は深く息を吐いた。
ゆるゆると彼の腰が動き出す。

ゆっくり抜けないぎりぎりのところから、またゆっくり沈み込む。
動かす度に結合部からはぐちゅ…と卑猥な音が聞こえ、耳を塞ぎたくなる様な羞恥心がレヴィを煽る。
内壁の敏感な部分を擦られて、仰け反るレヴィをそっと抱き締める腕。
羞恥心と快感でレヴィの手が彼の背中に爪を立てる。

「あっ…ロック…ロック…っ」

譫言の様に名前を繰り返す彼女の額に、ロックはキスを落とす。
優しくしたいと思うロックの意思とは裏腹に快感を求める身体がレヴィを責め立ていた。
熱い体液の中を掻き回すとレヴィの内壁が波打ち、彼を締め付ける。
限界が近い。

「レヴィ…」
「ぁあっ…ロック…もう…」
「一緒に…いこう…レヴィ」

どちらからともなくお互いの唇を貪り、声にならない声をあげてレヴィは意識を手放し、ロックは白濁色の欲望を薄い膜の中に吐き出した。
0304ロクレヴィ 雨2014/08/22(金) 09:37:46.14ID:PH1ia0lB
薄暗いところから意識が戻ってきた時、なんとも言えぬ倦怠感と心地よさがレヴィを満たしていた。

「あ、起きた?」
視線を移すと、優しい眼差しでレヴィを見つめるロックの姿。
何度も髪の間に差し込まれては抜けていく指先と、暖かな掌が心地いい。
そう言えば、彼はいつから自分を見ていたのだろう?もしかして…ずっと?
考えれば考える程恥ずかしくなって、レヴィはいつの間にか自分に掛けれられていたタオルケットの中に潜り込んだ。
眠たそうに起きたかと思えば、急に真顔になったり赤くなったり隠れたりする彼女を不思議そうな顔で眺めるロック。
「どうかした?」と聞いてみるものの、彼女は潜ったまま「何でもねェ…」とぶっきらぼうに返すだけだった。
困ったもんだと溜息を付いて、ロックは窓に目をやる。

「あ、レヴィ」
「何だよ」
「雨、止んでるよ」
その言葉を聞いてモゾモゾと這い上がって来たレヴィも、窓の外を眺めた。
あれだけ激しく降っていた雨もいつの間にか止んでいて、雲の隙間には星が見えていた。

「明日もしこのまま晴れたら、気晴らしに買い物でも行こう。一緒に」
ロックが楽しそうに話す。
きっと一緒だったら楽しいだろう。
隣にロックが居れば、きっと何でも。

「ああ、それもいいかもしれねェな…。でもまた雨だったらどうするンだよ?」
ロックが微かに唸る。
そして、答えを待っていたレヴィを抱き締めて耳元で囁いた。

「その時は…こうやって二人で抱き合って眠ればいい。二人で居たら余計な事も考えなくて済むだろ?」
手に余る程の甘い台詞に嫌味の一つでも言ってやろうかと思ったが、辞めた。
余りにロックが優しく微笑んで居たから。
やれやれだとでも言いたげにレヴィは眉尻を下げた。

「オーライ。そう言うからには考える暇与えンなよ」
「オーケー。もちろんさ」
そう言ってまた笑いながらレヴィを抱き締めるロック。
少し遅れてレヴィも彼の背中に腕を回した。
雨の日は嫌いだった。
でも、ロックと居られるなら雨の日も悪くない…そんな事を考えている自分に、やきが回ったかな…なんて笑ってしまう。

「さて、そろそろ寝るだろ?シングルベッドで二人で寝るのは狭いから帰るよ」
起き上がろうとする彼の背中に回していた腕に力が入る。

「レヴィ?」
「このままでいい」
離れたくないなんて女々しい事は言えない。
その代わりに触れるだけのキスを落とすと、観念した彼が、身体の力を抜いた。

「仰せのままに。お姫様」
再びレヴィの背中に片手を回し、そっと頭を撫でる彼の温もりを感じながら、ゆっくりと瞼を閉じる。
明日目覚めた時には、横で安らかに眠る彼を見る事が出来るだろう。
そう考えるだけで、雨でも晴れでもどちらでもいいと思えた。
こんなにも安らかな気持ちで眠るのは初めてかもしれない…堕ちて行く意識の中、そっと彼の背中を撫でた。

いつだって手に入れたいと強く望んだもの程手に入らなかった。
でも…やっと手に入れた。
例えそれが自分を裏切る事があったとしても、傷付けるものだったとしても、守っていこう。
今この瞬間、確かにあたしは幸せだったから――



0305名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 10:25:13.13ID:6ItOKUuz
ぶつ切りやめろって言われてるのにわかんないかなあ?
それとも、読み手は女性の書き手の投稿だから大事にしなければならないけれど
男性の書き手の投稿であれば何を言ってもいいと、自分は女性だから許されるとでも思ってる?
0306名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 10:53:56.11ID:PH1ia0lB
ぶつ切りの意味がわからない。
次から気を付けるので、教えて欲しいです。
0307名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 10:59:45.92ID:6ItOKUuz
連載とか作家様気取りかwwww
天然ぶってれば許されると思うなよwwww
0308名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 11:01:22.22ID:PH1ia0lB
わかりました。
もう書きません。
ありがとうございました。
0309名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 11:07:51.30ID:6ItOKUuz
とか言ってほとぼりが冷めたころにしれっと戻ってくるんだろw
0310名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 12:05:17.28ID:PH1ia0lB
そうかもしれません。
書きたい気持ちは変わらないので。
ただ、ここのルールを分からずに載せてしまったのは失態だと思っております。
お目汚し失礼いたしました。
ルールが理解できたらまた載せさせて頂きます。
すみませんでした。
0311名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 16:00:15.51ID:BSZlh4i9
ぶつ切りっていうのは一気にまとめて投下しなかったからじゃないかな?
ちゃんと理由書いてるし、職人さんは気にする事ないと思う
ロックの腕の中で幸せに包まれるレヴィご馳走様でした
また書いてくだされ
自家発電のエネルギーになります
0312名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 16:36:16.64ID:ulQP7nMz
>>310
煽ってるやつ気にしないでいいよ。
ぶつ切れの何が悪いんだ。
久々の投下が甘い話で嬉しかったよ。
また書いて欲しいよ。
レヴィの素直なところが可愛らしかった。
0313名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 20:39:15.19ID:3GI5JfW3
ぶつ切りなんて今までもそれなりにあってそれで文句も別に無かったのに、なんで今回だけ絡むの
ぶつ切り禁止なんてどこの星のマナーよ
少なくともここのマナーじゃないからね
ここの常連なら書き手を失うリスクと常日頃から向き合ってるはずだから
個人的不満をマナーなんて的外れな単語で盛ってまで攻撃なんてしない
0314名無しさん@ピンキー2014/08/22(金) 20:43:22.85ID:3GI5JfW3
書き手さんはGJ、ありがとうございます
どんどん書いて下さい
0315名無しさん@ピンキー2014/08/23(土) 00:09:32.40ID:fhYsu5/Y
久々投下でGJでした
食指が動いたらまた投下して下さいね
0316名無しさん@ピンキー2014/08/31(日) 22:15:41.66ID:Pla3ukFR
皆さんフォローありがとうございます。
拙い文章に感想まで…感無量です。
性懲りなくまた書きました。
今は携帯しかなく、文字数制限もあるので明日休憩時間にでもPCから投下したいと思います。
よろしくお願いします。
0317名無しさん@ピンキー2014/08/31(日) 22:48:57.61ID:Vss/zU3P
>>316
おおおお!楽しみにしてるぜ!俺も自家発電中です
ここの主旨とは異なるから投下しないけど人様のSSは糧になるよ〜
0319ロクレヴィ アカイアト2014/09/01(月) 09:16:12.59ID:8wsLE41l
酷く乾いた喉が水分を欲して目が覚めると、そこは見慣れた自分の部屋の天井ではなかった。
まだ酔っているのだろうくらくらする頭を抱えて、唸りながら体を起こし、ゆっくりと辺りを見渡す。
身体にかけていたタオルケットがするりと落ちる。
きちんと整えられたベッドに、これまたきちんと壁にかけられたワイシャツとその襟元にかけられたネクタイ。
今、この部屋唯一の明かりであるサイドテーブルの小さな読書灯の下に置かれた、見慣れた腕時計。
それらでこの部屋の主が分かり、いつの間にか強めていた警戒心を解いた。
よくよく耳を澄ましてみると、少し離れたところで微かな寝息が聞こえていた。

何でここに居るのか…回らない頭で考える。
ああ、そうか。
あのデコメガネをイエローフラッグに引きずり出し、話をしながら飲んで…あいつがいつまでたっても酔った素振りを見せないから、自棄になって競う様に大量に飲んだ。
珍しく一人では歩けない程に酔って、この部屋に担ぎ込まれたのは覚えている。
その後…思いっ切り床に胃の中のものをぶちまけた。
少しソファーに横になって、シャワーを借りて…ロックと四つ目が話す声を聞きながらシャワーを浴びて………ん?
その後はどうした?
記憶がない。

――あー…もう考えるのはやめだ。

更にくらくらしてきた頭を押さえながら、喉の渇きが限界になった身体は水分を求めて、主を起こさない様に静かにベッドから降りる。
しかし、この安物のベッドはその努力を完全に無視して、一際大きくスプリングが悲鳴をあげる。
びくり、とレヴィの身体が跳ねる。

「ん…レヴィ?起きた?」
ロックの寝ぼけた声。ソファーから身を起こし片手で目をこすりながら、中腰のまま彼の方を見て動けないで居るレヴィに視線を向ける。
「…お、おう」
気の抜けた返事をするレヴィに、ロックは、「水?」とだけ尋ねる。
「…ん」
「分かった。とりあえず座ってていいよ。…その体制じゃ疲れるだろ?」
喉の奥で笑う声に、レヴィのかっと顔が熱くなる。
「…う、うるせぇ!!黙って持って来い!このアンポンタン!」

スプリングも何もかもお構いなしにどかっと不機嫌に腰を下ろすレヴィを横目に、「はいはい」と子供を宥める様な口調で奥の薄暗い闇の中へ消えていくロック。
ガラスのぶつかる音と、冷蔵庫が開く音。
そして水が注がれる音が薄暗い方から聞こえてくると、水の入ったグラスとボトルを持って、彼の姿が読書灯の小さな光を借りて段々と現れた。
はい、とグラスを差し出す彼に無言のままレヴィは受け取る。
唇にグラスの縁を当てると、一気に煽った。
粘膜同士が張り付きそうな位渇いていた喉を、冷たい水が潤していく。
あっという間に水は無くなり、それを見た彼がボトルをレヴィに向かって少し傾ける。
ボトルの口にグラスを近付けると、再び透明な液体がグラスの中を満たした。
3杯目の半分を喉に流し込んでやっと渇きから解放されたレヴィは、サイドテーブルの上に飲みかけのグラスを置いた。

「もう要らない?」
「ああ…サンキュ」
そう言うや否や飲みかけのグラスを手に取ると、彼は一気にそれを飲み干した。
水が彼の唇に吸い込まれていく光景に、目を奪われる。
柔らかな唇の隙間にあっという間に消えてしまう水。
見られていることに気付いた彼は「あ、飲んだらまずかった?」と問う。
いや別に…と呟く様に言うと、レヴィは視線を逸らした。
0320ロクレヴィ アカイアト2014/09/01(月) 09:24:55.45ID:8wsLE41l
――そう言えば、こいつ、デコメガネとキスしたんだっけ…

水の冷たさで若干頭が回る様になり、見つめていた唇で思い出した。
あの時は何てことない事だと思っていたが…やはり面白くない。
二人を話合わせたのは自分だが、今後ロックがこの件に関して首を突っ込むとして考えると、二人の距離が近付く訳で。
元は外の世界で生きてきた二人だ。
くっつかないとも限らない。
ロックは自分を「銃」と呼び、自身の事を「弾丸」だと言った。
都合の良い様に考える事も出来るが、まぁ捻くれた考えをすれば「替え」は幾らでもある。
他の銃でも弾丸に火を付ける事が出来るし、弾丸がなくなれば他の弾丸を装填すればいい。

――だからと言って、あたしは他の弾丸を装填する気は……無い。

彼がレヴィを此処、ロアナプラで生きるために必要としている事は分かる。
しかし、唯一無二な様でいて、曖昧な関係。
愛だの恋だのを語った事はない。
しかし、レヴィがロックを強烈に求めている事は確かだった。
「恋い焦がれる」なんて言葉は生易しい、言うなればそれは…依存。
薬物依存にも似た、強烈な感情。
例え自分の「替え」があったとしても、誰にもロックの「銃」はやらせない。

――誰にも渡さない。

逸らしていた視線をロックに戻す。
彼は持っていたグラスに再び水を注いで、サイドテーブルに置いた。
ぼんやりと光に照らされて、今にも闇に消えてしまいそうな横顔。

――釘を刺すなら…今か。

空になったボトルを持って再び闇の中へ消えていくロックの手首を鷲掴み、自分の方へ強引に引き寄せる。
バランスが崩れた彼の身体は、スプリングを軋ませながらベッドに簡単に沈む。
ロックが何か言う前に彼の身体を仰向けに反転させて、腰の上に跨る。
何も言わずに強引に唇を塞いだ。
閉じたままの彼の唇の間を舌が這い、3度目の往路でようやく少し開いてレヴィの舌を受け入れる。
歯茎を上から下へ順序良く辿っていくと、ロックの舌に絡め取られ、更に深いところに誘われていく。
突然押し返してきたと思えば、今度は彼の舌がレヴィの口内に侵入し、再び舌が絡み合う。
何度かお互いの口内を行き来し、酸素を求めて唇が離れる。

「…どうした?レヴィ」
息も整わない内にロックが問う。
むっとした顔でレヴィが応える。
「…分かってる癖に言わせンな、馬鹿」
再び唇が重なった。
0321ロクレヴィ アカイアト2014/09/01(月) 09:27:59.17ID:8wsLE41l
服を脱ごうとして、レヴィはやっと自分が何も着ていない事に気が付いた。
やっと思い出した。
そういやシャワーを浴びて逆上せて倒れたのだ。
運んだのは恐らくロックだろう。
女が真っ裸で部屋に居るのに、こいつは手一つ出さなかったと言うのか。
全く…生真面目と言うか奥手と言うか…。
それとも…自分に魅力が無いとでも言うのか。
思わず溜息が出る。
その様子を不思議そうな顔で見つめるロックの服を、レヴィは呆れ顔のまますっかり全てを脱がしていく。
女の自分よりも綺麗なんじゃないかと思ってしまう位真っ白で傷がない肌は、指を滑らせれば驚く程滑らかで。

「…女みたいな肌してんな」
「五月蝿い。焼けにくいんだよ」
本人は気にしているのか、少しむくれた顔でレヴィを見上げる。
滑らせた指先が突起に触れると、ロックは眉を顰めて唇から微かに吐息を零す。
感度も女並みだな、なんて軽口を叩いたら流石に萎えるだろうか。
レヴィの股の下で熱を放ち、彼女を押し上げんばかりに自身を主張し始めたソレに配慮して、喉まで出かかっていた言葉を飲み込む。
突起を摘ままれてぴくりと身体を震わせながら、何とか余裕を装おうとレヴィの豊かな胸の膨らみに手を伸ばすロックの姿に彼女の身体の中心が疼いた。
そっと右の突起に舌を這わせながら、左は優しく指先で刺激する。
その度にレヴィの胸をやんわりと揉んでいた彼の掌に力が入り、熱の塊が跳ねてレヴィの濡れて疼く入り口に当たる。
ぴちゃ、と響く小さな水音が、見なくても十分に入り口から愛液が滲み出ている事を知らせた。

「なぁ…ロック」
「…っ…ん?」
「我慢でき…ねェ…」
「ちょ…レヴィ…待っ」
ロックの制止も聞かずに、ゆっくりとロックのモノをレヴィのナカに沈める。
慣れていなくても零れんばかりに濡れたそこは、簡単にロックを受け入れる。
奥に沈み込んでいく度に、内壁が擦れて堪らない。
根元まで沈めると、二人の唇から溜息が零れた。

「まだ着けてないってのに…待てって言ったじゃないか…」
ロックが不満を漏らす。
「…病気なんざ持ってねェよ」
お互いの体温を直に感じる事が自分はこんなにも嬉しいのに、目の前の男と来たらかなり不満気。
寧ろ怒っているようにも見える。
男は着けてない方が気持ちいいんじゃないのか?

「そういう事じゃない」
「じゃあ何だってンだよ...ああアレか、ガキか。孕んだってあんたに迷惑は
「違うって言ってるだろ!」
レヴィの言葉を遮った怒鳴り声に、思わず口を引き結ぶ。
何に怒っているのか分からない…男が喜ぶ事をしただけなのに。
怒鳴ったっきり何も言おうとしない彼を見つめる。
もしかして…もう自分の事が必要でなくなってしまったのだろうか。
だったら納得がいく。
後が面倒臭くなるから着けずにはやりたくない、直接繋がるなら他の奴がいい…そういう事なんだろう?

――あんたにとっちゃあたしはもう…
0322ロクレヴィ アカイアト2014/09/01(月) 09:30:53.05ID:8wsLE41l
「レヴィ…お前はそれでいいのか?」
そっと頬に彼の掌が添えられて、いつの間にか逸らしていた視線を戻すと、穏やかで優しく真剣な顔で真っ直ぐレヴィを見つめるロックがいた。
「…いいって言ってンだろ」
「そういう事じゃない…俺でいいのかって聞いてるんだ」
「…何が言いてェのかわかんねェ」
ロックが溜息を着く。
ゆっくりと息を吸い込んで、吐く。

「お前が病気だろうが孕もうが、最後まで面倒みてやる自信はある。ただ……そうやってやる俺の立場はなんだ?お前にとっての俺は何なんだ?」
嗚呼、そうか。
自分はロックの側に居る理由や立場を求めるのに、ロックには何も伝えていなかった。
曖昧な関係を続けてしまったのは、自分にも原因があったのだ。
こんな簡単な事にも気付く事が出来ずに、誰にも渡さないなんて独占欲を剥き出しにしても、何処かお門違いで。
しかし、それを伝えてしまうと何かが壊れてしまいそうで。
それでも…ロックを求めずにはいられない。

――言うなら…今か。

身体さえ繋げてしまえば、他の奴に盗られる事はないと思った。
しかし、例え繋がったとしてもお互いの意思が別々の方向を向いて居れば、それは唯の一夜限りの「過ち」にしかならない。
そんなのは全くと言っていい程意味のない事。
そんな事でロックを奪われない様にするなんて、到底無理な話。
そんな関係に未来は、無い。

「…あたしはあんたの銃だ。他の奴の銃になんかなる気はねえ」
頬に添えられていた掌に、自らの掌を重ね、力強く握る。

「…弾丸に火を付けるのはあたしだ。他の奴になんか渡さねェ」

剥き出しの独占欲。
普段なら意味が無いとドブに切り捨てるような感情は、一度溢れてしまったが最後、止められない。
止まらない。
真っ直ぐに射抜く様に見つめていた彼の瞳が、柔らかく歪む。

「もう火なんてとっくに着いてる。レヴィ、お前が着けたんだ」
「…何度だって焚き着けてやるさ」

そう言うや否や、どちらからともなく二人の唇が重なった。
止められなくなった感情は、行動にも出るらしい。
貪る様にロックの唇に噛み付く。
彼の口角から滴る唾液さえ惜しくて、舌で絡め取り、飲み込む。
レヴィの中で萎えかけていたロックのモノが再び熱を持ち、膨らんで内壁を拡げていくのにさえ感じてしまう。

「…んっ…はぁっ」
背中が快感にぞくぞくと震え、思わず唇を離し仰け反るレヴィ。
身体の動きに合わせて揺れる胸を、ロックの掌が鷲掴む。
主張し始めた先端を彼の親指が擦り上げると、レヴィの中が痙攣し一層甘い声を上げた。

「…あぁ……っ」
軽い絶頂から脱力したレヴィの身体は、そのまま彼に覆い被さる。
肩で息をする彼女の頭を、優しく撫でるロックの手。
「…イっちゃった?」
唇に弧を描いて意地悪な質問をする彼に、悔しくて「…っるせ」と息も絶え絶えに悪態をつく。
ふと視界に入った真っ白な首筋に、レヴィは吸い寄せられるように唇を寄せる。

「んっ…っ」
ロックの眉が歪み、唇が引き結ばれる。
レヴィが唇を離すと、首筋には小さな朱い痕が残っていた。
そっとその痕を彼女の指先がなぞる。
0323ロクレヴィ アカイアト2014/09/01(月) 09:34:36.84ID:8wsLE41l
「あーあ…そんなとこにつけるなよ…見られるだろ」
困っている、けれど嫌じゃないといった表情で、ロックがレヴィを見やると、彼女は悪戯をした子供の様に笑っていた。

「やったらやり返されンだよ、バーカ」
そう言って彼の胸板へ手を付き、ゆっくりと腰を動かし始めたレヴィの表情は、無邪気なものから妖艶なものへと変化する。
ゆるゆると前後するだけだった動きは上下へ。
ロックの眉が歪み、二人の息が荒くなっていく。
部屋中が二人の二酸化炭素で満たされていく。

「っ…レヴィっ…」
「…あっ…ロック…っああ!」
我慢できなくなったロックの両手がレヴィの腰を掴み、彼女を突き上げる。
身体の奥が痺れる様な快感に、背中を反らせて悶えるレヴィ。
その扇情的な姿に、ロックは息を飲む。

「もっと…もっと突いてくれ…っロック…っ」
気上した肌。
潤んだ瞳。
熱い吐息。
懇願する唇。
そのレヴィの全てが、ロックを掻き立てて欲情を煽る。
汗ばんだ二人の肌が張り付く事にさえ、欲情する。
理性が崩壊する。

「レヴィ…レヴィ…っ」
譫言の様に名前を繰り返し、腰を打ち付ける。
揺さぶられる度にレヴィの唇から溢れる、普段の彼女からは想像できない嬌声。
身体の奥を突く度に、内壁がうねり、痙攣し、ロックを刺激する。
目の前で動きに合わせて激しく揺れるレヴィの乳房の先端に、身を起こして無我夢中でむしゃぶりつくと、一層高い声が響く。

「ああっ…っ…」
彼ににしがみついたレヴィの手が、与えられた激しい絶頂に耐え切れず爪を立てる。
その痛みさえ欲情を煽るものでしかない。
間髪なく与えられる刺激に、ロックもそろそろ限界だった。

「…っレヴィ…ダメだ…そろそろ…っ」
眉をキツく顰め、大粒の汗を滴らせながらレヴィを見つめる瞳。
引き抜こうとする彼の腰に、レヴィの両の脚が絡みつく。

「このまま…頼む…ロック…」
熱に浮かされながらも、必死で彼にしがみついた。
「今まで散々汚されてきた身体だ…どうって事ねェよ」
「そんな事…言うなよ」
「ホントの話さ…だから…あんたので…塗り潰してくれよ。あたしは…あんたに汚されたい。あんたのものにして欲しいんだ」
0324ロクレヴィ アカイアト2014/09/01(月) 09:35:37.72ID:8wsLE41l
レヴィの腕の力が抜けて、お互いを見つめ合う距離に収まる。
苦しそうに上下していたレヴィの肩が、大きく息をすると同時に動いて、呼吸を整える。
真っ直ぐに見つめる潤んだ瞳が、ロックを離さない。

「あんたはあたしの弾丸で、あたしはあんたの銃だ…そうだろ?…ロック。あたしはあんたを…死ぬまで誰にも渡さねェ。あんたもあたしを…死ぬまで離すな」

額に汗を浮かべて、潤んだ瞳でニヤリと笑う彼女は、とても綺麗だった。
最高に美しくて最高に危険な女。
とんでもないものに捕まってしまった…いや、手に入れてしまったのか…ロックは今更になって気付く。
どうしようもなく自分が彼女を求めている事を。
今までこの気持ちをどうして無視してこれたのか…今になっては分からない。
ただ、この気持ちは恋とか愛とかとは比べ物にならない位激しいもので。
目の前の彼女をぐちゃぐちゃにしてしまいたい様な、壊れる位抱き締めたい様な、なんとも言えない感情。
「愛してる」なんて言葉では到底伝え切れない。
レヴィの背中に回っていた彼の腕に力が篭る。

「……ああ。お前が嫌がっても決して離さないさ」
もう、後戻りは出来ない。
そう理解したロックの動きが再び激しくなる。
感情の全てをぶつける様に、激しく。
レヴィに全てが伝わる様に。
それに応える様にレヴィの中はきつくロックを締め上げて、痙攣する。

「…レヴィっ…っ!」
「ロック…ロック…あああっ!」
再び絶頂を迎えて痙攣するレヴィの中に、ロックは白濁色の欲望を吐き出した。
自分の中に暖かい熱がどくどくと波打つのを感じながら、微睡みに身を任せてレヴィは瞼を閉じる。
再び薄っすらと瞼を開け見つけたのは、傷一つない彼の肌に映える朱い痕。
実体化した感情が、ロックの皮膚に残っている。
我ながら馬鹿な奴だと、レヴィは心の中で笑った。

――別にやり返したくてキスマークなんざ付けた事は、絶対言ってやんねェ。

こんな痕ひとつで彼を縛ろうなんて、浅はかな事は分かっている、けれど。
この痕が消えなければいいのに。

消えなければ、いい、のに。

いい、の、に。


レヴィは、微かに残っていた意識を微睡みの中へ手放した。




次の日は最悪だった。
頭の中でシンバルがなるわ、腰は痛いわで散々だった。
別にロックが悪いわけでは無いのにずっと謝ってくるし、デコメガネを匿ってもらっている酒屋に行くと、目ざとくロックの赤い痕を見つけた奴は、「あら、この緊急事態に随分ね」なんてほざく。

気分は最悪だったが、まぁ、悪くない。
思い出せば随分と恥ずかしい事を言った気もするが、ロックはそれに応えてくれたのだ。
上々じゃないか。
これで四つ目に盗られるなんて、気を揉まなくていい。
後はロックがデコメガネの一件で、らしくなってくれれば、ノープログレムだ。
まだ倦怠感が軽く残る身体に、ほんの少し嬉しく思いながら隣にいるロックを見やる。
少し調子を取り戻した様に見える彼を、レヴィはこれで良かったのだと唯一無二の相棒を眺めていた。


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