牙狼<GARO>でエロパロ 第二章
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前スレ
牙狼<GARO>でエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1318429553/
新スレたてました(前スレは989でdat落ちした模様)
テンプレ案も何も決めないまま前スレ落ちちゃったけど必要ですかね?
職人様方の素敵な作品をお待ちしております >>91
レオカオってそうだよね
普通に考えたらプラトニックで終わっちゃうと思うんだけど
ひとつだけ、関係まで持ち込めるかもしれないという道筋を無理矢理見出して
妄想で遊んでる 落ちまでたどり着けなかったり、時間が取れなくてでいくつか止まってる >>96 途中でもあげてくれ下さい!
前レスでも途中の話があったから大丈夫。
書けないのでぜひお願いします。 >>96-97
せめてキリでもよければいいんだけど、そうでもないんだわ
カオルはウェディングドレスが着たいのかな
魔戒の人々がどういう結婚式をするのか分からないけど 誰もいらっしゃらないのかね。
>>98 メシアの衣装は花嫁衣装を意識したと
どっかで聞いたことあるけど、あれに近いカンジなんだろうか。
>>100
一応いるよ
1期のカオルメシアの衣装なら『冴』じゃないかな
儀式用の礼服って設定で、ウエディングドレスをモチーフにしたと書いてあるよ
涼しくなってきたからか、またいろいろ妄想してる
シグマ兄さんが来なかったらどんな感じだっただろうとか >>101
>シグマ兄さんが来なかったらどんな感じだっただろうとか
ぜひ!
そのシチュエーション、ほんと想像しちゃいます
鋼牙が旅立つ前に、カオルにいい夢見させてあげてください〜 >>98
結婚式自体ないと予測してたよ。>魔戒の方々
いや、でももしあったとしたらやっぱりかなり独特の、カオルが「えええ!そんなことするの!?」
みたいな儀式とかあったりしたら楽しいかもしんない。
…そこで指南、と。
>>101
あのドレスは龍崎先生の趣味かと思た。 >>104
自分も結婚式みたいなものはないかなと思った
元老院とかに「結婚しました」って報告、系譜に書き加えて終わり、みたいな
>>102
何度か書いてみたんだけど、文章が… 魔戒の人達に結婚式という風俗慣習があるのかどうかまずわからんけど
やるとしても衣装はもっと地味目な気がする
リアル「儀式」なイメージ
メシアの衣装は単にバラゴ様の趣味なんじゃないかとw
ウェディングモチーフで製作されたのはムックか何かに書いてあったね あのメシアの衣装どうしたんだろうかねぇ
キバ撃破に駆けつけた時にはセーター着てたけど。
ゴンザが処分したんだろうか。 気の早い話だけど、約束の地から鋼牙が帰って来た日の夜に期待
夜じゃなくてもいいけど 最終回のラスト、鋼牙が帰ってきた(?)シーンは昼間みたいだったけど
約束の地から帰ってくるのはEDの歌詞のように夜明け頃が理想なんだよね
ええ、もちろんその流れで勢いのままに、とか期待してますよ いいねいいね、ガジャリ契約履行帰還後の流れ
でも鋼牙に一回眠らせてあげて!w 何言ってんや!
鋼牙が抑えられないんや!カオルが寝た方が良いよって言っても
聞く耳持たない狼なんや!
な〜んてね 鋼牙が出張から帰って来る、はいいチャンスなんだけどなぁ
閑岱から帰ってきた時もだし、今回もだし
使徒討伐から帰ってきた時はシグマ兄さんが恨めしかったわw でもシグマ兄さんがいたからカオルの顔を切られた時の鋼牙のあの表情が見られたわけで >>113
RR(使徒ホラー討伐)→1話のこと
鋼牙に破滅の刻印つけるのでも、二人が再会して時間が少しでもあったらって >>111
オレが悪かった。オレが間違ってたよヽ(;▽;)ノ
今、職人さんいないのかな?
雑談もいいけどちょっと寂しい >>119
うん(^-^*)(・・*)(^-^*)(・・*)
クオリティも気立てのよさもここがいいよね(^O^) 映画情報解禁一気にきたな。
ネタバレはあちこちでされそうな悪寒w
地方民だからこんな時困るぜ。あと4ヶ月待ちだなんてorz
二次創作とかやりにくそうだな。
観てきた人のとか影響出てそうでなんだかな。 地方民だけど先行行くよw
ネタバレ嫌ならネットから離れるしかないよ
やりにくい、書きにくいとは思うけど映画未見で嘘になっちゃってもいいから
妄想でも創作でもばんばん披露してほしい。
萌えはいいものだ。疲れも飛ぶわ。
…と休日出勤から帰って思った。 二次、やりにくいかな?
二次創作なんて所詮は嘘だよ
本編と展開が違うからダメだってことにはならないでしょ
映画本編を踏まえた物なら公開まで投下はしないのが当然だと思うけど
>>123
嫌なら自衛はするべきだけど、見てきた方も公開まではネタバレは控えるべきだと思う
自分も行くけど公開まではバレスレ以外では話さないし書くつもりもない
中の人'sの仲の良さに普通に萌えてしまった
可愛らしさに和んで妄想も創作意欲も鎮静化する >>127
出たもなにも監督も似たようなこと言ってるじゃん
自衛しかないって
ネタバレ嫌なら最終的にはそれしかないけど何か? 書いても今度の話や設定がかけ離れてたらどうしようもないか
所詮二次なんて嘘なんだろうが、それ故に近づけたいと思うからさ..
未見とのその辺の差はやりにくいと思う
いろいろなモチベは下がるよな。 言葉足らずだったけど勿論ネタバレする人が最悪最低なの前提でね >>126
その当たり前ができない人がいるんだよ
嫌がる人がいるからわざとやるとか チャンネルかえれば見ずに済む、って話なら
嫌なら見るなでいいけどそうはいかないもんね 行けない者は黙れと言いたい。
場所わきまえてネタバレはやるから、その辺はわかってるし。 MAKAISENKIの時だってネタバレらしいネタバレは無かったわけだし、
住人の良識に期待でいいんじゃないの?
少なくとも職人さんにはネタバレ厨は居なかったんだし
俺らが色々言ったってしょうがない 行った人からしたらネタバレネタバレ言われるのはうるさいよ
確かに暴論というのは認める。すまん。
だが血眼になってネタバレ禁止言われるのが嫌なんだ。
ここやシブの職人達に影響が出ないか心配だ。
雑音に気にせず書いて欲しい。 ネタバレ禁止と言われるのが嫌だとかただの我が儘
弁えてるならネタバレ禁止と言われても不満はないと思うけど
先行行った側からしても不快
映画に絡んだ話じゃないとダメな訳でもあるまいし、心配されなくても書く人は書くよ
投下する雰囲気じゃなかったら投下はしないだろうけど してもいないのにネタバレネタバレがウザイだけだと思うけど
あまり言ってると意地悪したくなるのが現れるよw ここの職人さんは元々ネタバレとか特殊な嗜好とかに一言書いてくれる
マナーのいい人がほとんどなのに
なんでこんな流れになってるんだろう
MAKAISENKIで騎士排除派がたくさんいるのにびっくりした辺境の魔戒法師の気分…… 自分がちゃんとしてるなら気にしなくていいんじゃないの
ただ嫌な思いしたことある人ならちょっと神経質になるのも仕方ないしその気持ちはわかるし、
どうにかできるのもなら協力したい。故意にやる人からの自衛は難しいものだし いやーそこまで気にするならマジで2chは止めといた方が。
もちろんネタバレするアホ垂れが悪いんだけどあまりに神経質ならさ。 そうじゃない
ネタバレ禁止が当然なのと同じくらいに、誰でも自衛はしてるだろうし、ある程度の諦めもあるんじゃないかな。
そしてマナーのいい人の方が多いのもわかってるけど言いたくなる事もあるんだろう。
その気持ちもわかるよということだけなんだけど 2期の先の鋼牙とカオルを見たい
この二人だけという訳ではないけど
本当は映像が一番だけどね お久しぶりです
鋼カオで一本投下します
・ネタバレなし
・二期終了後のイメージ
・相変わらず適当設定
特に注意点はないつもりなんですが、
鋼牙がたとえ一瞬でもカオル以外を見るのは許せない、という方の精神衛生には微妙に悪いかもしれません
なお今回も無駄に長いです……お急ぎの方には申し訳ない
NGワードは「ペンダント・パニック!」でよろしく
ではいきます カオルのアトリエから程近い場所にあるこじんまりとしたカフェ。
最近お気に入りにしているそのカフェの窓際の席で、カオルは朝の出来事を思い出してため息をついた。
「何しに来た」
その日の朝冴島邸を訪れたカオルに浴びせられた第一声は鋼牙の冷たい言葉だった。
「何しに、って……特に用事はないんだけど」
用もないのに冴島邸を訪れるのはいつものことだ。
というか、何か用事があってくることのほうが珍しいくらいで、そんな風に聞かれるとは思わなくてカオルは戸惑った。
ただ一つわかったのは、鋼牙は非常に機嫌が悪いらしいということ。
「用もないのに来たのか」
「だって、そんなのいつものことじゃない。
っていうかそういう言い方ってないんじゃないの?」
「うるさい。邪魔だ、帰れ」
「な、なによそれ! ……いいよ、わかった。帰ります、帰ればいいんでしょ!?
しばらくこっちには来ないから安心して! じゃあね、お邪魔しました!!」
そう言ってろくに挨拶もせずに冴島邸を飛び出してきたのだ。
そんなことがあった後ではなかなか絵に集中することも出来なくて、
昼過ぎには早々に描くのを切り上げてお気に入りのこのカフェにやってきたというわけだった。
鋼牙が時につっけんどんにも思える態度を取るのは今日が初めてだったわけではない。
出逢ったばかりの頃はそれはもうひどかったなぁ、とカオルは記憶を辿る。
……うるさいとか、邪魔だとか、あっち行けとか、挙句の果てには消えろとまで、色々言われたっけ。
だけどそれから色々あって、お互いの気持ちを通わせあうようになってからは
そんな風な態度を取られることもなくなってたのに。
「邪魔だ、帰れ」なんて、そんな風に言うことなんてなかったのに。
鋼牙、どうしたんだろう。何があったのかな……。
鋼牙がただ意地悪でそんなことを言うとは思えないし、
帰れって言ったのだってきっとなにか理由があるはずで。
鋼牙があんな風に言ったってことは、なにか大変なことでもおこってるんじゃないのかな……。
鋼牙が自分を遠ざける理由が必ず何かあるに違いない、ということは
冷静になってみればカオルには容易に察することができた。
鋼牙が自分を遠ざけねばならなくなる理由など、仕事柄一つや二つでは済みそうに無い。
そしてそれがどんな理由にせよ、鋼牙にとってはおよそ不本意なものであるはずだった。
それなのに売り言葉に買い言葉で鋼牙自身を責めるような物言いをしてしまったことがただただカオルには悔やまれて。
「……はぁ。なんであんな風に言っちゃったんだろう……」
本当なら今すぐにでも謝りに行きたい。
行きたいけど、鋼牙の言葉を思えばきっと今鋼牙に会いに行くのは止めた方がいいはずで。
……ゴンザさんに伝言を頼もうかな?
でも、やっぱり直接鋼牙にごめんなさいって言いたいし。
それにそのためだけに電話しても今朝の鋼牙の様子じゃ出てくれるかもわかんないよね……。
またあんな声で何の用だ、とか言われたらうまく答えられる自信もそんなにないし。
ああでも、やっぱり早く謝っちゃったほうがいいよね……。 堂々巡りを続ける思考のまま啜ったコーヒーはすっかり冷め切っていて、
ここに来てからかなり時間がたってしまっていることにカオルは気付いた。
いつのまにか外の景色は夕闇に沈み始めていて、秋の日はつるべ落としという言葉がよぎる。
……いつまでもここでぼんやりしててもしょうがないし。今日は帰ろ。
カオルは席を立つと身だしなみを整えようと化粧室に入る。
鏡の前に立ったところでカオルは洗面台のところにあるペンダントに気付いた。
……ペンダントなんて落とすものなのかな……。
でも放っておくわけにもいかないし、お店の人に預けておいたほうがいいよねきっと。
そう思ったカオルがそれを手に取ったとき、異変は起こった。
ペンダントから禍々しい邪気があふれ出す。
え、とカオルが気付いたときにはもう遅く、カオルの体はあっというまに邪気に飲み込まれた。
渦巻く邪気で何も見えなくなり、金縛りにあったように体が動かない。
(今夜はあなたの身体ってわけね)
妖艶な女の声が邪気に混じり、カオルの目に映る景色は一変した。
真っ黒い邪気から、広さの感覚を奪われるような真っ白な空間へ。
その場所はカオルにはなんとなく見覚えがあるものだった。
かつてメシアに体を奪われたときと同じ、内なる魔界。
(できればもっとグラマーな身体がよかったんだけど……ま、こんなのもアリかしら)
再び声だけが真っ白い空間に響く。
あなたいったい何者なの、と叫びかけてカオルはその疑問を飲み込んだ。
こんな芸当ができるものの心当たりなどカオルには一つしかなかった。
(ホラー……!)
そう言うと、カオルの声が聞こえたのか目の前に黒い霧の塊が現れた。
みるみるうちにその霧が濃さを増して人型を形作る。
豊かな乳房、くびれた腰、すらりと長い手足を持つそれは、そこだけ見れば魅惑的な女の姿だったかもしれない。
だがその背に生えた蝙蝠のような翼が、刃のように鋭く伸びた爪が、全身を覆う鉄灰色の硬質な皮膚が、
その人型が決して人間ではないことを如実に物語っていた。
かつてカオルも見たことのある人魚のホラーにも似たぎょろりとした目と裂けた口を持つ顔がカオルを覗き込む。
(あら、あなた魔戒法師でもないのになんでホラーを知ってるのかしら……って、やだ、もしかして……)
(な、何よ……?)
ホラーは何かを思案するかのように更にまじまじとカオルの顔を見つめる。
それからぱちりと瞬きをして確認するようにカオルへと語りかけた。
(……黄金騎士の女っていうの、あなたね?)
(っ!!)
ホラーから飛び出した言葉はカオルを動揺させるのに十分だった。
(やっぱり。セディンベイルから話は聞いてたけど、本当にこの町にいたのねぇ。
ふふ、こんなの呼ばわりしちゃってごめんなさいね?
あの黄金騎士を虜にした女の体なんて、ちょっと面白そうじゃない。
あなたの体、今から存分に使わせてもらうわ)
(使うって、どういうこと!?)
(黄金騎士を食べるために、あなたの身体を借りて近づくってこと。
あ、つまり、この場合の『食べる』っていうのはダブルミーニングよ?
男としての彼を味わって、それから彼の肉体と魂を――)
(そ、そんなのわざわざ言わなくていいから!!
っていうか何言ってるのよ!やめて、私の体返して!!) (だーめ。あなたにはちょっと眠ってもらうわね。心配しないで、後でちゃあんと起こしてあげるから)
(そういうことじゃなくて!! ちょっと!! そんなのダメ――)
(うふふふ、おやすみなさい……)
ホラーの指先がカオルのつけていたペンダントにふれる。
恐怖に身を竦ませたカオルの額にこつりとホラーの額が当てられて、カオルの意識はふつりと途切れた。
カオルが次に気付いたときも、周囲は相変わらず馬鹿みたいに広い真っ白い空間だった。
(あ、れ……、私……)
(あら、自分で起きたの?ちょうどよかった、そろそろ起こそうかと思ってたところだから)
響いた声にカオルは一瞬で状況を思い出した。
そうだ、私ホラーに身体を奪われて、それで、鋼牙が危なくて……!!
(危ないなんて人聞きの悪い。彼に最高の快楽を教えてあげるだけよ。
“死んじゃう”くらいに気持ちいい、とびっきりの快楽をね……)
声と共に周囲の景色がぼんやりと変わる。
カオルの目の前にはアトリエの風景が広がっていた。
視点はおそらくイーゼルのあたり、とカオルは思う。
そして正面のベッドの上には『カオル』と、そして『カオル』に半ば押し倒されている鋼牙の姿があった。
『カオル』の胸元に揺れるペンダントは、今朝からカオルがつけていたものではなく、化粧室で見つけたそれ。
『カオル』が艶かしい手つきで鋼牙の黒い戦闘服の留め具を外していく。
それを鋼牙は制止もせずに受け入れていた。
(鋼牙……!)
(ね?そろそろ起こさなきゃっていうのはこういうこと)
(なんでこんなもの見せるの!?)
(んー、かいつまんで言うと、後であなたの魂をおいしく頂くためってところかしら)
(っ!?)
(偏食ってよくないでしょ?
もちろん私が好きなのはいい男だけど、だからって女は食べないなんて贅沢は言わない主義なの。
寝取った男を食べるのはこのうえないご馳走だけど、愛する人を寝取られて絶望に沈む女っていうのも
それはそれで結構いけるんだから。
ふふふ、暗く染まったあなたの魂の味も楽しみね)
カオルの質問に流暢に答えながらも『カオル』の姿をしたそのホラーは
手を休めることなく鋼牙の服のファスナーを下ろし、その鍛えられた胸に指を這わせた。
つっとその指が鋼牙の肌をなぞると鋼牙がぞくりと身震いをする。
(ふふ、敏感なのね、彼)
(やめて……!!)
(そうそう、あなたのその声が聞きたかったの)
『カオル』が鋼牙にしなだれかかるように身を寄せる。
潤んだ瞳で鋼牙を見上げるその表情はカオル自身から見てもどきりとするような色気があって、
カオルは悔しさと焦りの混じった悲鳴を上げる。
(ダメ……ダメだよ鋼牙!そいつは、そいつは……!!)
(何を言っても無駄よ?今のあなたの声は私にしか聞こえないんだから)
ぎゅっとカオルは唇を噛み、ある存在を思い出した。
そうだ、ザルバならきっと、あれがホラーだって気付くはず! (ザルバ、ザルバ、聞こえる!?お願い、返事をして……!)
(あの失礼な魔導輪なら今はここに居ないみたいよ?)
(え……)
(今朝会ったときにちょっとご挨拶したから、今はまだ鼻が効かないはずなの。
だから、もしここにいたとしてもあなたに気付くことはないわね、きっと)
鋼牙の胸に指を滑らせていた『カオル』が少しだけ体勢を変えた。
「鋼牙ぁ。なんだか熱いの……」
『カオル』が鋼牙の首筋に唇を這わせる。
ちゅう、と吸い付いたそこに赤く痕が出来た。
声も出ないほどに動揺したカオルに、『カオル』の瞳が勝ち誇ったように向けられる。
実際の仕草としては『カオル』がイーゼルのあたりをちらりと見たようにしか見えなかっただろうが、
ホラーの瞳が明らかに自分を見ているのだとカオルにははっきりとわかった。
「カオル、お前、さっきから自分が何をしているかわかってるのか」
「そのつもりなんだけど。……お願い。鋼牙と一つになりたいよ……」
(あらあら、大事にされてるのねあなた。
私としては、問答無用で襲われてもよかったんだけど……。
私の吐息を受けてまだこんなに理性が残ってる男なんて珍しいのよ?
さすがに魔戒騎士最高位ともなると中身もそこらの男たちとは違うってことかしら。
……私がホラーだって見抜くことができてないのが致命的だけどねぇ?)
(それはあなたが私の身体なんか使ってるから……!)
(うふふふ、たしかにそうね。私としても、彼に怪しまれないためにあなたの身体を使ってるわけだし?
だって黄金騎士を『食べる』機会なんて滅多にないんだもの。
せっかくなら人間の身体で彼をたっぷり味わってから、その魂と肉体を食べたいじゃない)
(やめて……!!)
(ふふ、あなたが頑張ればやめてあげてもいいわよ?そうね……じゃあ、こんなのはどうかしら)
そう言うとカオルの目の前に黒い霧の塊が現れる。
その塊はすぐに丸く形を成し、ホラーの頭部を模した面となった。
(これを手に取れたら、あなたの魂をそこから出してあげる。せいぜい頑張りなさいな)
それだけ言うと、カオルの視界の向こうで『カオル』は鋼牙に更なる攻勢をかけた。
着ていたワンピースをするりと脱ぎ去ると下着姿のまま鋼牙の裸の胸に自らの身体を寄せ、
艶かしい手つきでレザーパンツの上から鋼牙の雄への愛撫を施していく。
「っ……、カオル……」
(感じやすい割りにあんまり表情には出さないのね。そんなところも彼の魅力なのかしら)
ホラーの声が響く。
けれどカオルにしてみれば、ホラーのその言葉は事実を表したものとは到底言い得なかった。
カオルにとっては、鋼牙の様子は十分表情に出ていると言っても過言ではない。
困惑したように眉間に皺を寄せる鋼牙の表情は、鋼牙が感じているときのそれだった。
(鋼牙、鋼牙……! 気づいて、あれは、私なんかじゃない……!!)
(ほらほら早くしないと“本番”が始まっちゃうわよ?)
目の前の面を掴む努力ならカオルはさっきから必死にやっている。
しかし、相変わらず金縛りにあったように身体は思い通りに動いてくれない。 カオルがもがいていると目の前に映し出されている鋼牙がすっと『カオル』の頬に手を伸ばした。
鋼牙がカオルに口付けるときのいつもの仕草。
……鋼牙が鋼牙自身の意思でカオルの姿をしたホラーに触れようとしている。
そのことがカオルには耐えられなかった。
(鋼牙、やだよ、やめて、鋼牙ぁぁぁ!!)
絶叫と共に渾身の力を振り絞る。
そして。
何かが砕け散る音と共にカオルの拘束が解け、その手にホラーの面を手にしていた。
(取れ、た……)
だが希望もその一瞬だけしか続かなかった。
(やだ、……やだ、何これ……!!)
面から指先を伝ってカオルの中に黒い何かが入り込んでくる。
自らが侵食されていくおぞましい感触にカオルは悲鳴をあげた。
(まあ、ほんとに取っちゃったの?……あらあら、かわいそうな子)
(いや、いやぁ……!!こたえて、どういうことなの……)
(ここから出してあげるとは言ったけど、身体を返してあげるなんて一言も言ってないでしょ。
あなたは今からホラーになるのよ)
目の前の景色がゆがんでいく。
ホラーの姿となった自分が自らのアトリエへと出現するのだと、カオルは絶望的な気分の中で悟った。
今にもカオルに口付けようとしていた鋼牙が突然室内に渦巻きだした邪気に気付き、『カオル』から身を離して
その身体を背後に庇う光景をカオルは見ていることしかできなかった。
自分をにらむ鋼牙の瞳はホラーを前にしたときの戦士の目だった。
(鋼牙!!)
届かないと理解しつつも呼びかける声は醜い威嚇の声にしかならなくて。
目の前に突き出された魔戒剣の鋼色の輝きをカオルは間一髪で避けた。
既に魔法衣を羽織った鋼牙から逃げるように窓から外へ飛び出す。
逃げなきゃ。そして、何とか鋼牙に私だって気付いてもらわなきゃいけない。
……でも、どうやって……?
悠長に考えている暇はなかった。
最強の魔戒騎士たる牙狼の称号は伊達ではない。
背後に迫り来る気配は確実に距離を詰めてきている。
慣れない身体で逃げ続けるのは到底不可能だった。
ざっと空気を裂いて魔戒剣の先が背の翼の先端を引っかき、その痛みにつんのめるように
カオルは目の前の倉庫へと飛び込む。
ホラーの瞳は闇の中でも不自由なく物体のありかをカオルに示したが、
今のカオルには大して助けにもならなかった。
一つきりの入り口から入ってくるのはホラーを狩る定めに生きる者。
鋼牙に自らのことを伝える術も思いつかないままに退路を断たれ、カオルは壁際で立ちすくんだ。
(あらあら、万事休すね)
頭の中でホラーの声が響く。 (っ……! お願い鋼牙!! 気付いて!!)
(ほらほらどうするの?このままだとあなた、黄金騎士に殺されちゃうわよ?
今の彼、『カオル』を傷つけられそうになって大層ご立腹みたいだし)
(っ!! 鋼牙!本当の私はこっちなの!!鋼牙!鋼牙ぁ!!)
(せいぜい頑張りなさい。彼を『食べ』終わったら、あとであなたも食べてあげるから)
凍りついたように動けなくなっているカオルを前に、鋼牙は隙一つ見せることなく距離を詰める。
くるりと頭上に魔戒剣で円を描き、次の瞬間には金色の狼がその場に姿をあらわしていた。
黄金騎士・牙狼。
当代最強の魔戒騎士が、左手を前に出しその手の甲に牙狼剣の切っ先を添える独特の構えを取った。
今まで何度この剣に命を救われてきただろう。
だがその切っ先は今、自分に向けられている。
逃げても何の解決にもならないことも、逃げ切れるはずがないこともわかっていたけれど、
カオルは逃げずにはいられなかった。
敵を見る目で鋼牙が自分を見ているということに耐えられなかった。
鋼牙が足を踏み出した瞬間に壁伝いに走り出す。
生来のそそっかしさからか足元に置かれていた何かに躓いてひどく身体を打った。
躓いてこけるホラーなんて相当滑稽だろうな、などと思う間もなく金属質の足音が響き、カオルは這うように逃げる。
だが抵抗もそこまでだった。
背後の気配が鎧の重さを感じさせないほど俊敏な跳躍を見せカオルの正面に回りこむ。
一瞬立ち止まったところを一気に詰め寄られ、左手一本で首を掴まれて倉庫の壁面に縫いとめられた。
ぎりぎりと首を締め付ける左手を外そうともがくけれど、両手はむなしく鎧に覆われた手首をひっかくだけだった。
ソウルメタルの鎧に触れている首と掌が焼けるように痛い。
霞む視界の正面で、闇に輝く緑の瞳が恐ろしい形相でこちらを睨みつけていた。
(……こう、が……)
右手に構えられていた牙狼剣が止めを刺すためにすっと引かれる。
カオルはぎゅっと目を閉じて最後の瞬間を待った。
しかし次に聞こえてきたのは牙狼剣に自らの肉身を切り裂かれる音ではなく、ガシャンという音だった。
首を締め付けていた手が外され、がくりと膝から崩れ落ちたところを支えられてゆっくりと地面に下ろされる。
カオルはおそるおそる目を開けた。
そこにいたはずの黄金の狼の姿はどこにもない。
かわりに鎧を解いた鋼牙が片膝をついて青い顔で自分を覗き込んでいた。
「カオル……」
(え……)
「カオルなんだな」
問いかけの形を取ってはいるものの確信したようにそう訊ねる鋼牙にカオルはこくこくと首を縦に振った。
気付いて、くれた……。
鋼牙は一瞬瞑目し、そして次に目を開いたときには普段の顔色を取り戻していた。
「待ってろ、すぐに助ける」
再びカオルはこくこくと頷いた。
大丈夫。鋼牙がそう言ってくれるなら、必ず、助けてくれる。
今まで何度も自分を守ってくれたときのものと同じ声、同じ眼差しに、カオルはどうしようもなく安堵していた。
カオルがしっかりと頷いたのを見届けて、鋼牙は立ち上がり振り返った。
いつの間にか倉庫の中にワンピースを身に付けた『カオル』が立っていた。
「鋼牙、どうしたの?うしろに、まだホラーが……」
「……正体を現せ」
「鋼牙?いったい何を言って――」
「長々と問答するつもりはない。カオルを開放しろ」 ホラーの姿をしたものを背に庇いカオルの姿をしたものに魔戒剣を向ける鋼牙の姿は
本来ならば異様な光景であるはずだった。
困惑した表情の『カオル』と、それをにらみつける鋼牙の間でつかの間時が止まる。
その静寂を破ったのは『カオル』の方だった。
「……ふふ、うふふふ、あはははは……!!なんでわかっちゃったのかしら」
カオルの姿をしたものがカオルではありえない声で笑った。
「でもあなたに私が斬れる?大事な大事なカオルの身体が、あなたに……」
「斬るのはカオルじゃない、お前だ……!!」
そういうと鋼牙は躊躇いもなく『カオル』に向けて突進した。
その首めがけて魔戒剣を突き出し――繰り出された刃から逃げるようにその身体からペンダントがはじけとんだ。
制御を失ってがくりとくずおれたカオルの肉体を鋼牙は抱きとめる。
カオルの身体を操っていたペンダントが物理の法則を無視してその質量を増していく。
現れたものは内なる魔界でカオルが見たとおりの姿をしたホラーだった。
「何故……どうして……!?」
鋼牙はもはやホラーの問いに答えることはなかった。
頭上に掲げた魔戒剣で光の円を描く。
金色の輝きが再び鋼牙を包んだ。
「ま、待って……!この子の身体は後でちゃんと返すわ!あなたの肉体と魂も諦める!
だから一度でいい、この子の身体で、私にあなたを味わわせて――あ、あ、あああああ!!!!」
ぼう、と牙狼剣から放たれた緑の炎に包まれたホラーが断末魔の悲鳴を上げた。
同時にカオルが閉じ込められていたホラーの姿がさらさらと砂のように崩れていく。
そこに残ったのはカオル自身が身につけていたペンダントであった。
そっとそれを拾い上げて自らの唇に押し当てると、倒れ伏しているカオルを抱き起こしてペンダントを掛ける。
いつかもこうしてカオルの魂を肉体に戻したことがあったなと思い出しながら鋼牙はカオルの唇に口付けた。
「……ん……」
ふわふわと漂っていたカオルの意識がゆっくりと覚醒する。
あれ、ここ、鋼牙の部屋……?
「カオル……」
鋼牙の声が聞こえてカオルがそちらに顔を向けると
これ以上はないほどに安堵を滲ませた鋼牙がベッドの傍に座っていた。
もぞもぞとブランケットから自分の腕を出して確認する。
いつもどおりの、自分の両腕。
体を起こそうとしてふらりと体勢を崩しかけ――鋼牙の腕に抱きとめられた。
「……無理をするな」
そういって覗き込んでくる鋼牙の姿に、本当に助かったんだと言う実感がこみ上げて
カオルはじわりと涙を滲ませて鋼牙に抱きついていた。
「っ、ひっく、……鋼牙……鋼牙……!」 自分の存在を、鋼牙の存在を、確かめるように鋼牙の胸にしがみつく。
鋼牙は一際強くカオルを抱きしめると、自責と悔恨を滲ませた声ですまなかったと囁いた。
そのまま鋼牙自身もベッドに乗り上げる。
ヘッドボードに背を預けて自らの脚の上にカオルを抱きなおすと、
次第に落ち着きを取り戻し始めたカオルが身じろぎして鋼牙の肩口に顔を摺り寄せた。
「……何があったのか、聞いてもいい?」
カオルの問いかけに答えて、鋼牙はぽつぽつと今朝からの出来事を話し始めた。
明け方ごろ、カオルを襲ったホラーと一度交戦したこと。
その最中一瞬の隙を突いてホラーが姿をくらまし、その際に浴びせられた毒のために
ザルバはホラーを追えなくなり、また鋼牙自身にも毒のもたらす媚薬の効能が現れはじめ、
カオルを守るために朝屋敷を訪れたカオルを遠ざけたこと。
日が落ちてからザルバを置いて再びホラー捜索に出たところ、
朝のホラーに襲われかけている『カオル』を見かけ、それを倒して『カオル』を助けたこと。
『カオル』をアトリエに送り届けるだけのつもりが中に通され、あとはカオルの見たとおりだ、ということ。
「……おそらく俺の目の前で『カオル』を襲っていたものは、ホラーの操る抜け殻だったんだろう。
そしてその抜け殻を利用して、今度はお前の魂をそこに封じ、俺に殺させようとした。
……ザルバはそう言っていた」
「そうだ、ザルバは大丈夫なの?」
「心配ない。今はもう休んでいるが……会うか?」
「ううん、無事ならいいの。もう寝てるなら起こしちゃ悪いもの。
……鋼牙はどうしてホラーの姿にさせられてた私のことがわかったの?」
「牙狼剣がお前の姿を見せてくれた……お前の姿が映ったんだ。
そのとき初めて何が起こっているか理解した。
俺が刃を向けているのがおまえだということも、カオルの姿をしたものの正体も、
そして、……お前の目の前で、俺が奴と何をしていたか、ということも。
……すまない、カオル。本当にすまなかった」
そういい終えると、鋼牙はカオルから視線を逸らした。
話している間だけでもこっちを向いていてくれたのは、鋼牙の誠実さの表れなんだろうな、とカオルは思う。
眉間に皺を寄せてぐっと口を引き結んだ鋼牙の様子は合わせる顔がないという言葉を文字通り実践しているようであった。
「鋼牙、こっち向いて? 私、別に怒ってたりなんかしないのに。……助けてくれて、ありがと」
「だが、俺はお前ではないということにも気づかずに、お前の目の前で……」
「しょうがないよ。だって、実際に体は私のだったんだし。
それに、鋼牙は最後にはちゃんと私のこと気付いてくれたじゃない」
「しかし……お前は、それでいいのか」
何故自分を責めないのかと暗に問う鋼牙に、カオルは別の質問で返した。
「ね、鋼牙。鋼牙は、ホラーに色々されてたとき、気持ちいいなって思った?」
「…………ああ」
苦い沈黙のあとに搾り出すように鋼牙は答える。
優しい嘘をつけるほどの器用さなど持ち合わせていなかった。
「じゃあ、あれが私じゃないってわかってても、鋼牙は受け入れた?」
「それはない」
今度は即答だった。
「……ホラーにされてたのとおんなじくらい気持ちよくても?」
「当たり前だ。お前以外とそういうことをする気はない」
その言葉にカオルの瞳がみるみる潤んだのに気付いて鋼牙は言葉を継いだ。 「……すまない。今更何を言っても信じられないだろうな」
「やだ、鋼牙、違うの、そうじゃないよ。……私、幸せだなあって。
鋼牙の気持ちはずっと私に向いてたってあらためて聞くと、恥ずかしいけど嬉しいっていうか」
「え……」
思いがけないカオルの言葉に鋼牙は言葉を詰まらせた。
「鋼牙が今言ってたのって、そういうことだよ?」
「それは確かにそうだが」
「それにさっきも言ったけど、鋼牙は本当の私に気付いてくれた。
だから、本当にもう気にしなくていいんだよ、鋼牙」
「……赦して、くれるのか」
「うん。っていうか、最初から鋼牙を責めるつもりなんてないもの。
助けてくれてありがと、鋼牙……」
そういってカオルは微笑むと甘えるように鋼牙の胸元に頬を擦り付けた。
赦されていると自覚した途端にカオルを求める気持ちが自らの内に湧きあがり鋼牙はぐっと奥歯をかみ締めた。
今回の顛末を受けて、自らの肉欲を戒めなければと思ったばかりのはずだった。
それでなくても今のカオルは魂を肉体に戻されたばかりの状態であるわけで、
カオルの身体に負担を掛けるようなことは避けるべきだ、と理屈ではわかっている。
しかし信頼しきったように自分に身を預けているカオルの感触に、
その全てを抱きしめ、奥の奥まで触れたいという欲望が首をもたげてきているのも確かだった。
「鋼牙の匂いがする……」
「すまない、まだ着替えてもいなかったな」
「あ、ううん、嫌とかそういうのじゃないから。それに、その……お風呂なら後で一緒に入ろ?」
“後で”一緒に入ろう?というやや遠まわしなカオルの誘いの意味に気付き、鋼牙は驚いたようにカオルを見つめる。
「私だって、あんなの見せつけられて悲しかったし怖かったし、……寂しかったんだよ。
あ、鋼牙を責めてるわけじゃなくて、そのときはそう思ったっていう話。
だから、鋼牙が私に気付いてくれたとき、すっごくうれしかった。
今だってそう。鋼牙にぎゅってしてもらえるのってすっごく幸せだなあって。
こうやって、鋼牙の匂いとか、声とか、体温とか、そういうのを一番近くで感じていいのは
自分なんだって確かめたいの。
鋼牙に抱いてもらえるのは私だけなんだって、確かめたいの……」
「……カオル……」
「……ごめん。やっぱり変かな、そういうの。
あ、っていうか、鋼牙も色々疲れてるよね!
ホラーと戦って、そのままここまで私を連れて帰ってきてくれたわけだし、鋼牙も早く寝たいよね――」
「カオル」
「な、なに?」
「俺は別に構わない……いや、正直お前に触れられるのはかなり嬉しい、と思う。
だが魂が体に戻ったばかりでお前のほうこそ消耗しているはずだ。……あまり無理をさせたくない」
「ちょっとくらいなら付き合えるはず!……それに今は、鋼牙を感じてるほうが早く元気になれそうなの」
……鋼牙の心は決まった。
明かりを落とした部屋に衣擦れの音が響く。
鋼牙がカオルのワンピースをするりと滑り落とすとカオルは一度ふるりと体を震わせて
それからそっと鋼牙の衣に手を伸ばした。
一つ一つホックを外していき、ファスナーを開けて前をはだけさせる。
鋼牙は脱がされるままにカオルの行動を受け入れ、自分はそのままカオルの下着を解いていった。
一糸纏わぬ姿になったカオルを抱き寄せるとその身体は逆らわずに鋼牙の裸の胸におさまる。
触れるだけの口付けを交わして鋼牙がそっと顔を離すと、瞳を伏せたカオルに指先で首筋の一点を撫でられた。
「カオル……?」
「あ、ゴメン。……大した事じゃないんだけど」
そう言うとカオルは反対側の首筋に顔を埋めた。
唇のやわらかな感触が触れ、啄ばむようにいくつもの口付けが落とされる。
同じ場所に何度も吸い付くその様子に鋼牙は怪訝そうにカオルの名を呼んだ。
「カオル?」
「……上手くつかない……」
「?」
「キスマーク。……だ、だって!!私の身体だったんだから、あのホラーにできて私に出来ないはずがないのに、
私だけ出来ないのって悔しいじゃない。
それに。……ホラーがつけた痕が残ったままなのって、やっぱり落ち着かないっていうか……
鋼牙を取られちゃったみたいで」
その言葉でようやく鋼牙はカオルが何を気にしていたのかを悟る。
「もう、そんな顔しないで?本当に、大した事じゃないし――」
「……吸い付く面積を出来るだけ小さくしてみろ。舌を使ってもいい。
あとは皮膚の薄そうなところを狙って、思いっきり吸い付け」
「ん……やってみる」
謝罪の代わりに口にしたのは、カオルの欲することへの助言。
鋼牙の言葉を受けてカオルは再びゆっくりと鋼牙の首筋に唇を寄せた。
鋼牙の肌に湿った感触が触れ、それからちりりとした痛みが走る。
カオルがおそるおそる唇を離すと、果たせるかな、鋼牙の肌にぽつりと赤い花びらが舞っていた。
「……できた……」
本当に痕が出来ていることに感動の声をあげたカオルは
今度はホラーが鋼牙に残していった痕へと吸い付いた。
同じように、温かく柔らかなカオルの唇と舌の感触のあとにかすかな痛みが鋼牙にもたらされる。
「……上書きしちゃった……!」
カオルは恥ずかしそうに笑って、それから鋼牙の胸に抱きついた。
「カオル?」
「……なんだか、鋼牙がすぐ痕つけたがる理由がわかった気がする。
ね、鋼牙。……今日は、いっぱい痕つけても、いいよ……?」
普段はキスマークをつけられると困った顔をするカオルがそんな風に言い、鋼牙は驚いた様子で一つ瞬きをした。
「……いいのか」
「うん。いつもそうだとちょっと困るかもだけど。……きょ、今日だけだからね……?」
「……あまり俺を甘やかすな、カオル……」
嘆息交じりにそう言いつつも、免罪符を得た鋼牙はカオルの首筋に赤い花を咲かせる。
吸い付かれた場所を恥じらいながらも嬉しそうにそっと指で撫でるカオルがどうしようもなく愛おしくて。
鋼牙は自らも衣服を全て脱ぎ捨てると優しくカオルを押し倒し、
そのままカオルのあらゆる部分に口付けを繰り返していく。
「はぁ……、ぅ……っん……」 鎖骨に。胸に。腕に。おなかに。鋼牙の唇が触れるたびに切ない吐息がカオルから漏れる。
唇だけではない、鋼牙の指が、髪が、吐息が肌に触れるたびに鋼牙を求める気持ちがあふれ出すようだった。
そこかしこに赤い痕を刻んでいく鋼牙の唇がとうとう足の付け根まで降りてきて、
カオルは次に触れられるであろう場所への期待に胸を膨らませる。
しかし鋼牙はにやりと笑うとカオルの体をひっくり返した。
え、と思う間もなく鋼牙の唇がカオルの背筋を下から上になぞり上げる。
「ひあぁぁっ……!」
びくんと大きく体を震わせたカオルがうつぶせのまま顔だけを背後の鋼牙へと向けると、鋼牙とばっちり目があった。
「何を期待してたんだ、カオル?」
「……もう!」
全部鋼牙に見透かされていた恥ずかしさにカオルが涙目になって抗議の声をあげると鋼牙は罰の悪そうな顔をして謝った。
「すまない。少しからかいすぎた」
鋼牙はカオルのお尻に左右に一つずつ痕を付けると背後からカオルに覆いかぶさる。
カオルの肌とシーツとの間に鋼牙の腕が差し込まれ、カオルはそのままゆるく抱きしめられた。
脚の間に鋼牙の剛直がぐっと押し当てられて、その感触にカオルはふるりと身を震わせる。
そんな風にしたってごまかされないんだから、と更に抗議の声をあげようとしたけれど、
カオルが口を開くよりも鋼牙が次の言葉を口にするほうが早かった。
「カオル」
「……鋼、牙……?」
耳元で囁く鋼牙の声は驚くほど真剣で。
カオルは何も言えなくなり、ただ鋼牙の名を呼んだ。
自分を抱きしめる鋼牙の腕の力がきゅうっと強くなる。
「お前の目の前であんなことをしていたとわかったとき。
……俺は今度こそ、お前を失ってしまうかもしれないと思った」
「そんなこと、考えてたの……」
「こうしている今でも、お前に赦されたことが夢ではないかと思う」
「夢じゃないよ。そんなに自分を責めなくていいんだよ、鋼牙……」
「カオル……本当に、お前に触れても、いいんだな」
「うん」
背後の鋼牙を振り返ってカオルが恥ずかしそうに微笑む。
鋼牙は詰めていた息を吐き出すと己の分身をカオルの秘裂に擦り付けた。
「ん、あぁ……っ、この、まま……?」
「俺としてはこの体勢でもいいんだが……」
「や……やぁっ……」
既にしとどに濡れているカオルの中心は鋼牙のものが擦れるたびにちゅくちゅくと音をたてて蜜をまとわりつかせ、
既に鋼牙を受け入れる準備が整っていることを伝えている。
それでもカオルはいやいやと首を横に振った。
鋼牙を受け入れることを拒んでいるわけではない。
ただ今日は……あんなことがあった後では、鋼牙の顔をよく見られない格好で抱かれるのは
ひどく寂しい気がしていた。
「わかってる。……そう言うと思った」 そう言うと鋼牙はカオルを抱きしめていた腕を緩めて体を離した。
出来た隙間でカオルは寝返りを打つと正面から鋼牙と向かい合う。
……やっぱり、後ろからされるよりこっちの方がいい。
そんなことを思いながら再び覆いかぶさってくる鋼牙に腕を回そうとするけれど、
自分で思う以上に体力が削られているのか、持ち上げる腕がひどく重い。
鋼牙に触れていたいと願う気持ちとは裏腹に、この調子では揺さぶられ始めたとたんに
回した腕なんて解けてしまいそうだった。
腕を持ち上げるほどの体力も残っていないのに抱いてほしいとせがんだ自分が
あのホラー以上にどうしようもなく淫らな女に思えてきて、カオルは羞恥に消えたいような気分にすらなる。
「きゃっ……」
くるりと鋼牙とカオルの上下が入れ替えられた。
自らを支えることなど出来ずにカオルは鋼牙のたくましい体にぺたりと肌を密着させて倒れこむ。
カオルの胸のふくらみが鋼牙の胸板とカオル自身に挟まれて柔らかく押しつぶされた。
「無理をさせてすまない……これで大丈夫か?」
鋼牙の声には、カオルの淫らな欲求――少なくともカオル自身にはそう思えた――を軽蔑するような響きは
微塵も感じられなかった。
ただひたすらにカオルを求め、そして気遣う言葉。
溶かされてしまいそうに熱いのにどこまでも優しく響く鋼牙の声に
カオルは泣きそうになりながら頷いて、鋼牙にすがりついた。
鋼牙の手がカオルの腰を少しだけ持ち上げ、ぬちゅり、とカオルの蜜口に鋼牙の切っ先があてがわれる。
ゆっくりと鋼牙に中を押し広げられていく感触をカオルは吐息を震わせながら受け止めた。
「……うごくぞ」
「うん……」
はじめのうちはゆったりとしていた鋼牙の動きが段々と激しくなっていく。
ずっずっと突き上げられるたびにカオルの体が鋼牙の上で揺れた。
硬くなっている胸の頂が鋼牙の肌にこすれる痛みを頭の片隅で感じながらも
それをはるかに圧倒する快楽の波にカオルの思考は霞んでしまう。
「すごい、な」
「あ、ああっ、……んっ」
自分の身体だというのに自分の意思とは関係なく戦慄き、震え、鋼牙に翻弄される。
自らの身体を自分ではコントロールできないという意味ではホラーに奪われていたときと変わらないのに、
そのときとはまったく違う喜びがカオルを満たしていた。
「はあ、あぁん……っ、ひあぁっ……!?」
お尻をくるりとなでられて、その途端背筋を駆け抜けた快感にカオルは思わず身体を仰け反らせた。
あまりにもあからさまな反応に鋼牙は楽しそうに口の端を持ち上げると
今探り当てたカオルの感じる動きを何度も繰り返す。
「あっ、あっ、だめ、だめぇぇ……っ」
だめ、なんて嘘だった。
もう何にも考えられないくらい気持ちよくて。
「やあぁっ……あっ、ああぁっ……!」
「っ、……、嫌、か……?」
「んん、違……あぁっ!……やめ、ないでぇ……!!」 カオルは鋼牙の首筋に埋めていた顔を必死で持ち上げて鋼牙に懇願した。
耐えるように眉を寄せて息をあげている鋼牙と視線が絡まる。
ホラーに見せていたものとは比べ物にならないほどに切なく甘く、そして余裕などなくただひたすらにカオルを求める
鋼牙の表情に、カオルは泣きたいくらい幸せだと思った。
「……一緒にいこう、カオル」
「んっ、うんっ……」
喘ぐようにこくこくと頷いてカオルは力の入らない腕で鋼牙にすがりつく。
本当は今すぐにでも達してしまいそうなほどに快感が襲ってきている。
それでも、どんなにカオルがもう無理、我慢できない、と思ったときでも、
鋼牙が一緒にいこうというときには必ず鋼牙は一緒にいかせてくれた。
なにより、一緒に、と言ってくれる鋼牙の気持ちが嬉しかった。
「あっ、あっ、……ふぁぁ!」
「は……っ、カオル……!」
「っ……こうがぁ、あっ、あんっ、……ああぁぁっ!!」
「……っ、く、ぅぁ……っ!」
互いの身体と心を震わせて、二人は同時に上り詰めた。
くたりと身体を鋼牙に預けたカオルの息が整うのを待って、それから鋼牙はカオルの体を軽々と抱き上げる。
「鋼牙……?」
「後で一緒に入る、と言ってただろう」
その言葉にカオルはようやく一緒にお風呂に入ろうと鋼牙に言ったことを思い出した。
「えっと、……誘っておいて非常に申し訳ないんだけど。
私もう動けそうになくて、だから、その、鋼牙だけで入ってきて……」
「……? だから一緒に入るんだろう。心配するな、全部洗ってやるから」
「そうじゃなくて。その。……い、一緒に入っても、私もう鋼牙になんにもしてあげられそうにないっていうか……」
カオルの言葉に鋼牙は一瞬きょとんとしたような表情を見せ、それからわずかに笑った。
「……お前、俺のことをどれだけ狼だと思ってるんだ」
「だ、だって!鋼牙と一緒に入って何にもないことのほうが少ないくらいだし……」
最後まですることはそう多くないにせよ、吐息を震わせて鋼牙にしがみつくはめになったことなんて
もう数えていないほどだ、というのがカオルの言い分だった。
「今夜はもう無理そうなのは見ればわかる。安心しろ、本当に洗うだけだ」
「……うん。ゴメンね。……ありがとう」
それから数十秒後。
バスルームの鏡に映る、赤い花弁を体中に散らされた自らの姿にカオルは絶句することになるのだが、
そのことにカオルは未だ気付いてはいなかった 以上です
サキュバス的な色っぽいホラーを出して鋼牙を誘惑させたいと思ったはいいけど
実際に書くとなるとマジで身の程知らずだった……
あ、投下間隔が延び延びなのは私の場合映画との齟齬が怖いとかじゃなくて単に遅筆なだけなのです
幸い映画祭に見に行くことが出来たのですが、今のところ映画公開まではバレを含む話を書くつもりはないです
ご心配の方が多いようなので先にことわっておきます
まあ、自分の遅筆っぷりではそもそも映画までに一本投下できるかも怪しいんですが……w
お付き合いありがとうございました 投下ありがとう!
職人さんがいて良かった
映画祭行ったら書くのが止まってしまったけど、自分も頑張って仕上げたい…
(自分の場合は映画の内容と関係なく、映像自体見ると満足してしまうのと体調的な理由)
後ほど落ち着いて読ませて頂きます
生放送のカオルの人が可愛すぎ 職人さんありがとう!
映画に関してはネタバレを書く内容ではないんじゃないかなあ。
映像見ないとなんのこっちゃだろうし。
カオルの中の人のような人ってなかなかいないよね。可愛いし面白いし魅力的。
監督が撮る彼女とはまた違っていて非常に良かった。 >>147-161
GJ
カオルが他の人とのパターンは作れるけど、鋼牙が他の人とっていうのはなかなかないね
SSの投下があることが嬉しい
>>163
あれを見たら元気になるだろうなと思ったよ >>166
いいね!
嫌がってみせながらもやがて…ってやつですね
鋼牙のキャラでどうやってそこにもってくか、が問題だ 上であったメシア状態カオルが鋼牙を攻めるって見たい。
積極的なカオルがみたいんだぜ。
悲しいかな文章までに至らないんだ(泣) 人がいて良かったw
>>167
イヤイヤ言いながら流されちゃう…的なのです
でも自分が妄想するカオルはいつもこんなかも
そこへ持ってくのは良かったんだけど、その先が違う方向に行きそうで保留にした
>>168
自分が分かればいいってものならいいけど、他の人も見るとなると投下を迷う
でも>>168の妄想は見たい
攻めのカオルもいいね >>169
ソフトS鋼牙とイヤイヤ流されカオルが大好き人間です!
そこへ持ってったんならもうOK!! どの方向でもいいから連れてってください〜
投下を切にお待ちしております 「カオルは俺のものだ!」って、劇中にちゃんとカオル本人の前で言えよ鋼牙!
全然関係ない場所で中の人が言ってどうするよorz 何かこうね、鋼牙って無自覚に色々自信ありすぎるんだなあと思うと
ちょっとそこ座れと問い詰めたくなる
それにしても「カオルは俺のものだ」「今だけです」にはちょっとnynyした 中の人の発言だけど鋼牙相当自信があるんだなと思ったw
でもカオルの中の人は身長でレオを選んだとかやっぱ裏話面白いww
非常に2828できる回で保存した 三角関係のスピンオフ、ちょっと見てみたいw
カオルが怖い顔したとか、烈花のヤキモチとかも面白い話だった 「カオルは俺ものだ」とジェラS鋼牙がいると聞いて!
職人さんお願いします!!全裸で土下座!! 劇外では「鋼牙に逢いたい鋼牙に逢いたい」「カオルは俺のものだ」なくせに
劇中はお互い素直になれないとかどんだけ妄想族を萌え死にさせる気ですか!! ネタが浮かんだけど、メモっぽいのでどうしよう…
長編と良作品が続くと上げるのを躊躇うです(汗) >>177
ぜひ!
自分もどうしようと思うことばかりだけど、同じような人がいて良かった。 思いついたプロットを書く
↓
文章能力に長けた職人様の降臨を待つ
↓
(゚∀゚)ヒャッホウ 誰か保管庫管理してくれる人とか居ないのかなあ
前スレの作品が埋もれてしまうのは寂しい >>177
他のスレだとSSとまで行かないような小ネタの書き込みもあるし、前スレにもそんな感じのあったような…?
是非投下して欲しいけどSSとして書き始めたとかなら待ってる カオルが誤って媚薬を飲んでしまう、みたいなのが浮かんだけど
カオルじゃなくて鋼牙が飲んでしまうパターンはどうなんだろうか
鋼牙がやらかすのってあまりないような
浮かんだだけでSSまでは持って行けそうにないんだけどさ
嫌がる人がいるとは思うんだけど、レオが飲んでしまってカオルに…とかも浮かんでしまった
ごめん 長編もいいけど短編や荒削りな作品がみたいです。
次に続きにくいのですかね? >>183
ここだと短編は何レスくらいだろう?
書くと長くなりがちだから気になる 個人的には4レスくらいまでが短編と思ってる
これが書きたかっただけ、なネタを書くと自分の場合だいたい4レス目までに収まるからなんだけど、
これって長すぎるんだろうか 面白ければエロければ、短編でも長編でも全然オッケーで〜す!
>>183
荒削り、の定義がいまいちわかりませんが・・・
文章がなってないのは勘弁です。
下手くそな文章だと、いくらエロそうなこと書いてても全然エロれまっせ〜〜ん
その点、ここの職人さんはレベル高いといつも思っとります >>186みたいのがいるから挙げてくれる人が減るんだよ
勘弁して欲しいのはあなたの方 >>185
4レスなら長いとは感じないな。
投下テンプレさえ守ってもらえればなってなかろうが基本何でも歓迎するね。
短編どころか小ネタでも妄想トークだけでもツボに入る時もある。
レベル高くても萌えが合わなかったらごめんなさいする。それだけは読み手にまかせてもらえれば。 >>185、>>188
ありがとう、参考・目安にしてみます
読み手の好みと書き手の好み・その時書きたい物が噛み合うとは限らないね
でも初見でパスしても後から見返して読んだりもする このスレは金岡カオ以外はダメな流れなの?
前スレはなんでも大丈夫な感じだったけど… >>190
そんなことないでしょう
カップリングやシチュエーションがこうじゃないと嫌だって人もいるかもしれないけど、嫌ならスルーしてって
話になってるんだし、そういうのは気にしなくていいと思う
反応は薄いかもしれないけど書けるなら投下して欲しい
自分は基本的に鋼牙カオルだけど他も有りだし、烈花とか翼と邪美とかもあったらいいのにと思ってるよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています