「ちょっと待って、シャワー、そう、シャワー浴びさせて、お願い」
「え、まだ洗ってないから汚い、だめ…」
「お願い、ねえ、お願いだから…」

「ごめんなさい。怒らせるつもりもなかったし、その覚悟もしてきたつもりなんだけど…」
「こういう時、お酒が飲めたらなあ、って思うわ。もちろん生徒に飲ませるわけにはいかないけど」
「…………笑わないで聞いてくれる?私、初めてなの」
「そうよね。信じられないのも当然よね。こんな歳で初めてなんて」
「でも本当なの。信じて」
「私、中学からずっと女子校で、男の人と知り合う機会がなくて」
「教師になってからもずっと、男子生徒とどう接していいのかわからなくて。とにかく、
ナメられちゃいけないと思って」
「だから普段はコンタクトなのに、学校ではキツめのメガネにしたり、アップで髪をまとめたり」
「あえて口うるさい女教師を演じてみたり、ね」
「でも、本当はミコト先生みたいに、男の子をうまくあしらえる人がうらやましかった」
「そんな中、キミだけは街中でメガネを外して、普通にしている私を見つけてくれた」
「だから、うん。ごめんなさい。素直に言います。こんな私ですが、よろしくお願いします」
「でも、本当に初めてなの。可笑しいかもしれないけど、優しくしてくれると……嬉しいな」
「私、教師失格よね。修学旅行先で、生徒と2人で抜け出してこんなところに来てるなんて」
「お願いします。私を、教師じゃなくて、女に……してください…………」