「シナモ〜ン遊ぼう!」

最初はただの日常だった

「うん!モカちゃんちょっと待ってて〜」

今日もいつも通りに時が過ぎる・・・はずだった

「それじゃあ今日は何して遊ぼうか?」
「それなんだけどね。私、新しいドレス作ったから、またモデルやってくれる?」
「えー?僕男の子なのに・・・」
「だって、シフォンはジッとしてくれないし、アズキは会う機会少ないんだもん」

モカと二人きりで遊ぶときは、時々こういうことが起こるのだ
シナモンに新作のドレスを着せて、おしゃれを楽しむ遊び
前にコレのせいで“ある事件”が起きたこともあったが、今も変わらずドレスを作ってはこうしてシナモンに着せていた

「本当にシナモンはよく似合うわよね〜。正直男の子とは思えないぐらいにドレスにマッチしているわ」
「そうかな〜?」

シナモンは鏡の方に向くと、そこには可愛らしい自分がいた
確かにモカの言う通り、見事にはまっている
気が付けば、自分が男だということも忘れてしまうぐらいに鏡を見入ってしまっていた
そして思わず、「僕が男の子じゃなくて、女の子として生まれてきた方が良かったのかな?」と考えていた
その時だ
鏡の方から不意に謎の声が聞こえてきたのは
思わず反応するも、モカにはこの声が聞こえていないようだ