麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第九幕
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1980年代を席巻した肌も露な美少女剣士たち!
その代表作たる「夢幻戦士ヴァリス」を中心にヒロインたちの淫らな宴を妄想するスレだ!
スレタイになっている麻生優子はいうに及ばず、時代を彩ったその他の『露出系美少女剣士』たちも
想うままにやってしまおう!
陵辱、触手、和姦、純愛、レズ大歓迎。
「その格好で本番ナシですか?」そう想って悔し涙を流した諸君!もう遠慮はいらない。
今こそその熱い思いを語り合おうではないか!
そんな熱い血潮を持つ文書きさん&絵描きさん募集中!!! ○名無しさんへお願い3カ条
一、スレの栄枯衰退の鍵は名無しさんが握るということ
過度の職人依存をしない。名無しさんが楽しく雑談していればスレが活性化する。
逆に職人を叩いたり、投下物をスルーしたりすればスレが衰退することを認識すべし。
一、派閥争いせざること
ネタ論争歓迎。ただし引き際を心得たること。○○派と派閥名乗らざること。
○○好きと名乗るべし。
一、荒らしはスルーすべきこと
職人叩きやコピペ荒らしなど、いずれはこのスレにも荒らしが来る可能性がある。
荒らしには「かまわず、きれず、レスつけず」を守るべし 皆様、大変お待たせしました〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第31章、本日完成いたしました。
予定していたよりも完成までに時間がかかってしまったため、
前スレが(容量不足が原因で)DAT落ちしてしまったのに気付いた後もすぐに新スレを立てる事が出来ず、大変申し訳ございませんでした。
新スレの即死防止を兼ねまして、早速SSを投下いたしたい、と存じます。 (1)
――――薄明の中。乳白色の闇に包まれて。
・・・・麗子・・・・麗子・・・・。
――――誰?私を呼ぶのは?
・・・・あなたには、まだ為さねばならない事があります。
――――無理よ。だって、私はもう・・・・。
・・・・いいえ、麗子。まだ、あなたは・・・・。 (2)
――――<暗黒界>。ログレス城地下。最深奥部。
「ううっ・・・・」
「大丈夫、優子?・・・・危ない所だったわね」
銀髪の少女に助け起こされつつ、優子は消耗しきった表情で頷いた。
目の前には、ヴァルナの放った渾身の呪文によって致命傷を負った醜怪な怪物、
<ヴェカンタ>の申し子たる<封じられし魔>が死に瀕した巨体を横たえ、
それでもなお、立ち上がろうとして血反吐の中で無様にのた打ち回っている。 (3)
「・・・・・・・・」
沈黙を保ったまま、断末魔の邪神を眺めやる、<ヴァリスの戦士>。
足元の岩盤の上では、異形の肉塊
――――つい先程まで己れの手足を絡め取り、口にするのもおぞましい行為を強要していた忌まわしい触手が、
傷付いた大蛇のようにのたくっている。
「麗子・・・・デルフィナ・・・・ドラゴ・・・・。みんな、コイツのために・・・・」
見苦しい足掻きを止めようとしない<魔>の姿を、
嫌悪と哀れみの双方が入り混じった眼差しで眺めやりながら、
蒼髪の少女は、胸甲の継ぎ目にあしらわれた飾り宝石にそっと触れた。
ひんやりとした指触りの深紅の宝玉の内側では、
一時的に物質としての形を失って幽体化した状態で、
<ファンタズム・ジュエリー>の五つの欠片が眠りに就いている。
(・・・・今度こそ、終わりにするわ・・・・) (4)
『グエェ・・・・グェエエエ・・・・』
己の身に何が起きようとしているのか?本能的に悟ったのだろう、
押し潰れた呻き声が一段と大きくなり、まるで命乞いでもするかのように惨めさを増した。
同時に、真っ赤に血走った眼玉が、逃げ場はないものか?と右往左往する。
・・・・だが、瀕死の重傷を負った躰は、巨大さがアダとなり、逃げ隠れ可能な場所など何処にも無かった。
否、それ以前に、彼がどれだけ必死に願おうとも、
萎えた四肢には身体を持ち上げる力など微塵も無く、もはや一歩たりとも動く事は叶わない。
ヴァルナの光の魔法がもたらしたダメージは勿論だが、
やはり、<古の封印>の破壊が早過ぎたため、充分に<ヴェカンタ>を蓄積出来なかった影響が大きかった。 (5)
それでも、生への執着を捨て切れずにいる、邪神・・・・に、あと一歩の所でなり損ねた哀れな生き物へ、冷めた眼差しを投げかけつつ、
優子は、魔道杖を構える銀髪の少女の手に静かに自らの左手を重ねた。
溢れ出る霊気に煽られて、手首に巻き付けられた白い布切れ
――――赤毛の親友が、息を引き取る瞬間まで身に着けていたバンダナ――――が、
まるで、『自分も此処にいる』と主張しているかの如く、バタバタと翻っている。
「さぁ、ヴァルナ・・・・終わらせよう」
杖を持つ、<夢幻界>の王女の指先が、ぎゅっ、と固く握り締められた。
翼を広げたドラゴンを模刻した魔道杖に、二人――――否、三人分の魔力が注ぎ込まれ、
先端部分にあしらわれた水晶の霊珠に純白の輝きが集っていく。
清浄な霊気は、<ヴァリスの戦士>にとっては、この上なく暖かく安らぎをもたらす光であると同時に、
彼女たちの前でのた打ち回っている闇の申し子にとっては、確実な滅びを約束する死の刃に他ならない。
完全なる破滅を目前にした<魔>は、車に轢かれた瞬間のカエルのような潰れた悲鳴を発しつつ、
我が身の不幸に対して、運命に対して、あらゆる世界とそこに生きとし生ける者全てに対して、呪いの言葉を吐きかけた。
――――彼の怨念が天に通じ、三界を律する諸々の法則を捻じ曲げた・・・・という訳では決してなかっただろうが。 (6)
『――――――――待っていたよ、この時を』 (7)
キィイイイィンッッッ!!!!!!
唐突に、優子の胸元・・・・形の良い脹らみを覆う、黄金色の甲冑に嵌め込まれた宝石飾りが強烈な輝きを放ち、
深紅の宝玉と同じ、真っ赤な色の光が、あたかも迸り出る鮮血の如く溢れ出す。
「な、何っ!?」
驚愕の表情を浮かべる、蒼髪の少女。
その直後、彼女の五感
――――より正確に言えば、<魔>が繰り出した卑劣極まる責めによりもたらされた昂ぶりから、
完全に解放されていた訳では決してない、性感――――を、鋭い衝撃が刺し貫き、
直後に、悪寒にも似たゾクゾク感と化して下半身へと襲い掛かった。
つい先刻味わったばかりの甘美な敗北からの立ち直りの途上にあった蜜壺が燃え上がり、
膣壁の奥に新たな淫熱を生じて、子宮粘膜から半透明な愛液を湧き立たせる。 (8)
「はぁくぅうううッ!!こ、これは、一体っ・・・・ひはぁあああッ!!」
膝頭がガクガクと揺れ動き、脚の力がすっと抜け落ちてしまう。
一体、何が起こったのか?把握する暇とて無いままに、自力で立っていられなくなった少女は、
傍らに立つヴァルナにしがみつく事で、かろうじて転倒だけは免れたものの、
その情けない姿勢から一歩も動けなくなってしまった。
「なっ・・・・!?いったい、何が・・・・うぁああぁッ!?」
パートナーの突然の変調に慌てふためきつつも、
反射的に優子を助け起こそうとする<夢幻界>の王女。
だが、蒼髪の<戦士>の胸元から迸る深紅の光条がその華奢な身体を一薙ぎした途端、
目の前の少女と同様に、彼女もまた、
得体の知れない快美な衝動に全身を貫かれて、あられもない悲鳴を放ち上げてしまった。 (9)
「い、いやぁッ!!・・・・何が、どうなっているのですかッ!?・・・・くはぁああぁッ!!」
一瞬にして、握力も感覚も消え失せてしまった指の間から魔道杖が零れ、
カラン、カラン、と乾いた音を立てて足元へと転がり落ちる。
次の瞬間、銀髪の魔道士自身もまた、ガクン、と膝をついたかと思うと、
全身をブルブルと痙攣させ、口元から火の息を吐きながら、岩肌の上に突っ伏した。
勿論、支えを無くした優子の体もまた、地面へと投げ出され、
ゴツゴツとした硬い岩盤に背中をしたたかに打ちつける羽目に陥ってしまう。 (10)
「あっ・・・・く、くぅうッ!!何故、急に・・・・ふはぁああン!!」
「ひぃあぁッ!!あ、熱い・・・・アソコが、火傷したみたいに熱く・・・・あっあっ、やぁあああッ!!」
起き上がる事もままならず、甘美な衝動に悶え啼く、二人の<戦士>。
カラダの芯から湧き立つ淫気が交感神経を炙り、性感帯を煽り立てる。
つい先刻まで、<封じられし魔>の触手によって嬲り回されていた優子は勿論、
ログレスの幻覚攻撃によって弄ばれ、幾度と無く絶頂へと昇り詰めてしまったヴァルナも、
未だカラダの奥では肉悦の残り火が燻り続けていた。
理性によって辛うじて抑え付けられていた、少女たちの性への欲求を、
不可思議な光とそこに宿った魔力は的確に絡め取り、揺り動かし、コントロール不可能な領域にまで増幅させていく・・・・。 (11)
「はううっ・・・・いやぁ、どうしてッ!?身体がヘン・・・・!!」
半ベソをかきながら、<夢幻界>の少女は、高々と振りかぶった腰を打ち揺らした。
犬の様に這いつくばった姿勢のまま、片手を股間に伸ばすと、
極薄のショーツの中へと細指を突き入れ、火照り切った恥肉をクチュクチュと掻き回す。
「ううっ・・・・だ、駄目よ、気をしっかり持ってッ!!」
必死にパートナーを制止しようと試みる、<現実界>の少女だったが、
彼女とて、淫気に冒されて、呼吸を荒々しく乱れさせているのは同じである。
尻餅をついた拍子にW字型に大きく開脚した下半身を閉じる事も叶わず、純白のプリーツ・スカートをたくし上げ、
露わになった下穿きもろとも、乙女の大事な場所を鷲掴んで、狂ったように捏ね回している。 (12)
「んはぁあッ!!だ、だめぇ・・・・見ないで、見ちゃダメェッ!!」
舌足らずなよがり声を漏らしつつ、駄々っ子の如くさかんにかぶりを振る、銀髪の魔道士。
ピンク色の花弁の間に分け入った指先は溢れ返る蜜に濡れてビショビショになり、
ビクビクと痙攣し続けるカラダの下に滴り落ちた体液は、水溜りを作り上げている。
(ハァハァ・・・・ゆ、優子の前で、こんなはしたない姿を・・・・んはぁああッ!!)
色素の薄い頬を真っ赤に紅潮させながら、ヴァルナは羞恥の涙を浮かべ、啜り泣いた。
三界のうちで最も信頼出来る友であり、憧憬と敬愛の対象でもある<ヴァリスの戦士>のすぐ傍で、
発情した雌犬の如く、腰を振りたくり、淫猥にくねらせているのだと思うと、
恥ずかしさと情けなさとで頭の中が一杯になり、意識がぼうっとなってしまう。
(ううっ・・・・み、見られている・・・・わたくしの恥ずかしいトコロ、優子に全部・・・・)
心の臓が、ドクン、ドクン、と、早鐘のように律動を刻み、
まるで、全身の血管を流れる血液が一滴残らず沸騰してしまったかの如く、体が熱く火照り始めた。
開き切った汗腺からは甘酸っぱい芳香を帯びた汗粒が一斉に噴出し、
桜色に染まった肌をカンヴァスに、無数の水玉模様を描き出していく・・・・。 (13)
(ああっ・・・・ヴァルナ、あんなに乱れて・・・・んふぁああッ!!)
一方、優子の方も、秘唇をグショグショに濡らし、香しいフェロモンを湧き立たせている点では、
<夢幻界>の王女に負けず劣らずだった。
強いてパートナーとの相違点を挙げるとすれば、
下穿きの内側に直接指を突き入れ、秘所に触れる事だけは頑として拒み続けている所だろうか?
もっとも、シルクに似た極薄の素材で形成されたショーツは、じゅくじゅくと分泌され続ける牝汁に濡れまみれて、
目の前で喘ぎ続ける銀髪の魔道士のそれに優るとも劣らない惨状を呈していた。
包皮の狭間からぷっくりと身を起こしている陰核も、
パックリと花弁を開いて、モノ欲しげにヒクついている膣孔も、
溢れ返る蜜液にまみれて、殆ど透き通りかけている布地越しに丸見えの状態である。 (14)
「あぅくっ・・・・くぅん・・・・あっ・・・・んくぅあああッ!!!!」
こうなってしまっては、下着を穿いているかどうか?など全く意味を為さない。
・・・・否、むしろ、本来は、布地の内側に位置する乙女の秘密の花園を他人の目から覆い隠すために存在する筈の着衣が、
欲情に火照り、牝汁を垂れ流しているそれと混然一体となって、
より煽情的な視覚イメージを形作っている、と言っても良いだろう。
「はぁああッ!!・・・・だ、だめぇッ!!我慢出来ない・・・・くはぁあああッ!!」
口元をついて漏れ続けるよがり声も、
ヴァルナのそれと変わる所無く、カラダの奥底から湧き立つ淫熱に蕩け切っていた。
とめどなく湧き出ずる熱い涙滴にふやけ切った双眸は、
まるで酒に酔ったかの如く、トロン、とした光を湛えつつ、空中をあてど無く彷徨っている。 (15)
「あっあっああっ・・・・き、気持ち良いッ!!」
硬くしこり切った陰核を、クリッ、クリッ、と転がすたび、甘い痺れが全身を包み込んだ。
電気の鞭でしたたかに打ち据えられたかの如く、背中が反り返り、
子宮の内壁が、キュウウウンッ!と収縮して、抗い難い疼痛感を撒き散らす。
「だめぇッ!!ダメなのに・・・・気持ち良いのが止まらないよぉっ!!!!」
息苦しさと官能の昂りが無秩序に混じり合う中で、
優子の精神はフワフワとした浮遊感に包まれていった。
いつしか、鼻息は、ムフン、ムフン、と甘く鳴り響くようになり、
高鳴る鼓動は沸騰した血流をカラダの隅々に至るまで運び入れては、体温をグングンと引き上げる。
快楽に対する抵抗感が希薄化していくにつれ、
普段は殆ど意識する事の無い、自虐の感情・・・・被虐への欲求が、
ゾクゾクするような戦慄きとなって意識の中を駆け巡り、性感を高めていった。 (16)
(はぁあぁ・・・・優子、あんなに蕩け切ったカオしてる・・・・きっと、わたくしも・・・・ひはぁああッ!!)
下半身全体に広がる淫靡な波動に酔い痴れながら、
<夢幻界>の王女は、秘所をまさぐる手指の動きを一層淫らに加速させた。
陰唇粘膜は果汁を溢れさせ、突き入れられる指先を奥へ奥へと呑み込んでいくかのような動きを見せる。
捏ね回される花弁は熱く火照り、淫靡な締め付けで侵入者を手離そうとしない。
(あひぃいいいッ!!ら、らめぇ・・・・イクッ!!イッてしまうッ!!
ヴァルナが見ているのに・・・・わたし、わたし・・・・ひぃはあぁあああッ!!!!)
瞼の裏側に、真っ白な火花が、パチッ、パチッ、と瞬くのを感じつつ、
<現実界>の少女もまた、くなくなと力無くかぶりを振り続けていた。
強烈な快感によって、意識は混濁し、理性も思考もとうに千切れ飛んでしまっている。
雌犬よろしく愛液を垂れ流す膣襞は、食い込んだ下穿きの布地を美味しそうに噛み締め、
幾多の戦いを潜り抜ける中で鍛え上げられた、しなやかな手足の筋肉は、
快美な電流が生み出されるたびに、ここぞ、とばかりに自己をアピールして、ビクン、ビクン、と卑猥な痙攣を繰り返していた。 (17)
「んはあぁあッ!!も、もう・・・・らめぇッ!!」
「ひくうぁッ!!イク、イッちゃうッ!!くはぁ・・・・ああああッ!!」
快楽に蕩け切ったヨガリ啼きが、重なり合い、共鳴し合う。
エクスタシーに憑かれた二人の少女たちは、<戦士>の矜持も、乙女の純潔もかなぐり捨てて、
悲鳴とも嬌声ともつかない雄叫びを上げて悶え狂い、
ただひたすら、押し寄せる牝の悦びに五体を弾ませ、手足を打ち震わせていた。
理性を以てしても感情を以てしても、押し留める事など到底不可能な法悦が、
カラダの中心で続けざまに炸裂し、衝動の奔流となって怒涛の勢いで媚肉へと雪崩れ込んでくる。
自分が自分でなくなってしまうかのような転落感が眩暈を誘い、
気も狂わんばかりの快楽の嵐が子宮の内奥部で竜巻状に渦を巻きながら、
優子とヴァルナの性感を絶頂の極みへと追い立てていく――――そして、次の瞬間ッ!!!! (18)
(・・・・なッ!?<ファンタズム・ジュエリー>がッ・・・・!!)
前後左右に激しく揺れ動く黄金色の胸甲の継ぎ目
――――丁度、鳩尾の真上のあたりに位置する、美しい飾り宝石から、
ひときわ鮮烈な深紅の輝きが発せられる。
同時に、その内部に幽体の状態で収納されていた筈の、純粋なる<ヴァリス>の結晶体が、
次々に外へと飛び出し、物質化しながら空中へと飛び去っていった。
「お、お願い、もどってッ!!」
快楽惚けした思考の中にあっても、さすがに、これは危険だ、と感じたのだろう、
<ジュエリー>に向かって、反射的に手を伸ばし、立ち上がろうと試みる優子。
だが、エクスタシーの頂きに達した直後の下半身がまともに言う事を聞く筈も無く、あえなく膝から崩れ落ちてしまう。
無力感と情けなさに歯噛みする少女・・・・その脳裏をかすめたのは、強烈な既視感――――。
(以前にも同じ事が――――あれは、たしか・・・・) (19)
『・・・・おや、思い出してくれたのかい、私との逢瀬を?』
(ッ!?)
少女の意識に直接語りかけてくる、存在し得る筈の無い"声"。
理解不能な出来事の連続によって混乱の極みに達しつつも、
<ヴァリスの戦士>は、反射的に"声"のした方向
・・・・遠ざかっていく<ファンタズム・ジュエリー>の軌跡の先を仰ぎ見た。
その、刹那ッッッ!!!!
五つの<ジュエリー>が強烈なエネルギーを放出し、
闇に閉ざされた不浄なる墓所に、烈日の如き光と熱が降り注ぐ。
あまりにも強く烈しいその輝きに、思わず目元を覆う、優子とヴァルナ。
一時的に視覚を失い、混乱する二人の頭の中に、
静謐さに満ちた、だが、人間的な温かみなど一片も感じさせない、冷え冷えとした思念が侵入してきた。
『良くここまで辿り着けたものだ。
君に賭けた甲斐があったというものだよ、優子・・・・』 (20)
「ま、まさかッ!?」
愕然とするあまり、瞳を灼く眩い光も無視して、両目を見開いた蒼髪の少女。
凍てつく白夜のような、純白の輝きの向こうに、
その場所には・・・・否、世界の何処にも、存在している筈の無い、青年は、佇んでいた。
優子よりも幾分背の高い、均整の取れた体躯。
端正な面立ちと強い意志と理知の輝きを湛えたエメラルド色の双眸。
<ジュエリー>の欠片から放射される強大な霊気に煽られて宙を舞う、プラチナ・ブロンドの髪筋。
足元まである水色の長衣を纏った出で立ちは、紛れも無く――――。 (21)
「ア・・・・アイザードッ!?ど、どうして・・・・あなたがここにッ!!
あの時、わたしを庇って、ベノンに殺された筈じゃ・・・・!?」
忽然と眼前に現れた青年の姿が信じられず、掠れかけた声で問いかける<ヴァリスの戦士>。
対する、<暗黒界>の魔道士は、玲瓏たる微笑を湛えつつ、淡々と言葉を紡ぎ出した。
「機が熟するのを待っていた、というのが、最も正確だろうね。
ログレスを筆頭とする邪魔な連中の目を欺くために、
肉体を捨てて、魂だけを<ファンタズム・ジュエリー>に移した、というカラクリだよ」
「・・・・なっ!?そ、それじゃあッ!!」
予想だにしていなかった答えに、思わず、絶句する優子。
言葉を失ったパートナーに代わって、銀髪の少女がアイザードの前に進み出たものの、
ドライアイスの如き視線に射すくめられた彼女の面は、今にも卒倒しそうな程、青白く引き攣っていた。
かろうじて発する事の出来た問いかけも、舌鋒鋭い詰問、という形容には程遠く、不安と恐れに震え慄いている。 (22)
「な、何故です?何故、そのような策が必要だったのです・・・・!?」
フン、と尊大に鼻を鳴らす、プラチナ・ブロンドの元<夢幻界>人。
まるで、まともに答える必要すら感じない、くだらない質問だ、とでも言いたげな表情で、
目線も口調も微動だにさせず、ただ口元にだけ、皮肉っぽい微笑を浮かべながら、回答を寄越す。
「・・・・概ね、君の想像している通りだよ、ヴァルナ。
フフッ、<夢幻界>にいた頃と違って、随分とモノ分かりが良くなったじゃないか。
――――あるいは、君のその変化は、優子と行動を共にしてきたためかな?
何しろ、以前の君と来たら、私がどれだけ手を尽くそうと、
誰が時空の統率者として最もふさわしいか?という当然の疑問すら抱こうとはしなかったんだからね・・・・」 (23)
「アイザード!!ま、まさか・・・・!?」
驚愕に両目を見開く、ヴァルナ、そして、優子。
だが、元<暗黒五邪神>の魔道士は両者の上げた声にならない悲鳴を無視すると、
冷え冷えとした視線を、足元で無様に蠢き続けている醜悪な怪物へと移動させた。
「まぁ、いずれにせよ、君たちには礼を言わせて貰うよ。
生みの親である私のために、実に良く働いてくれた・・・・
君たちの頑張りがあったからこそ、私は、そこに転がっている、死にかけの腐肉のカタマリを手に入れる事が出来る訳だし。
・・・・実は、最初の予定では、封印はログレスに解いて貰うつもりだったんだけどね、
麗子の出方を少しばかり読み違えたせいで、その選択肢は放棄せざるを得ない事態に陥ってしまったんだ」 (24)
「あの時は、さすがの私も少し焦って、柄にも無い三文芝居を打つ羽目になってしまったよ。
いやはや、あの娘・・・・麗子には手を焼かされ通しだったね、ハハハ――――」
最後はいささか苦笑気味に言葉を締め括った青年は、
次の瞬間、出現した時と同様に、掻き消えるようにいなくなり、
――――空中に浮かんだ<ファンタズム・ジュエリー>との一体化を遂げた。
そして、衝撃に打ちのめされた<ヴァリスの戦士>たちが為す術も無く見つめる前で、
降り注ぐ光の矢へと姿を変え、眼下に這いつくばる怪物を目掛けて、急降下していく。
「やめてえェェェッッッ!!!!!!」
その意味する所を悟った、優子とヴァルナ、二人の悲鳴をバックコーラスに、
五つの欠片は、彼らの真の主に命じられるがまま、次々と<魔>のたるんだ皮膚を貫いていく。
直後に解き放たれた、強大な<明>の力は、滅びに瀕していた邪悪な魂を瞬時に屈服させると同時に、
消滅寸前だった肉体に、恐るべき勢いで、生命エネルギーを吹き込んでいった。 (25)
『グォオオオォォオオオオッッッ!!!!』
先刻までの弱々しい唸り声では無く、
<封じられし魔>本来の、底知れぬ邪悪さと荒々しい欲望を内包した雄叫びが、
不浄の闇に閉ざされた地下空間に響き渡る。
本来ならば、<夢幻界>の聖石を構成している純粋なる<明>のパワーと、
<魔>の醜怪な肉体の基となっている<ヴェカンタ・オア>とは決して相容れない存在同士の筈である。
だが、(ヴァリアを除けば)おそらく、三界の誰よりも<ファンタズム・ジュエリー>の性質を熟知しているアイザードの手にかかれば、
<ジュエリー>から放たれるエネルギーを用いて、正反対の性質を有する<暗>の申し子を救命する事など造作も無い、と言っても過言では無い。
驚愕に凍りつく二人の少女の前で、
腐りかけの爬虫類の死骸を思わせる、醜く爛れた巨大な肉塊は、見る間に生気を取り戻し、蘇生していく。
のみならず、周囲に漂う<ヴェカンタ>までも取り込んだそれは、
骨格や筋肉、内臓器官を再構成し、重厚な漆黒の鎧までも作り上げて、
巨人――――否、かつてログレスが夢想したに違いない、世界を完全に無に帰す邪神の姿へと変貌を遂げてしまったのだった・・・・。 (26)
『ハハハッ!!素晴らしい、実に素晴らしいよ・・・・このカラダはッ!!
まさに神の肉体と言って良いだろう!!・・・・そうとも、今や、私こそが神ッ!!
穢れに満ちた旧き世界を粛正し、無に帰した上で、完全なる世界を産み出す、新しき創造主なのだッ!!』
大地を踏み締めて立ち上がる、黒鉄の魔神。
ギリシア彫刻のように厳めしく、荘重な雰囲気さえも漂わせる相貌から、
プラチナ・ブロンドの魔道士の勝利宣言が高らかに響き渡った。
「そ、そんな・・・・」
己れの身を犠牲にしてまで自分を救い、道を指し示してくれた恩人、
と信じて疑わなかった青年からの最悪の裏切り行為に、
呆然と立ち尽くしたまま、遥か頭上を見上げる事しか出来ないでいる、蒼髪の少女。
「こ、ここは危険だわッ!!一旦、地上へ出ましょうッ!!」
ヴァルナの叫びも耳に入らない様子で、その場から動こうとしない。
――――と、漆黒の巨人の胸元・・・・おそらくは、五つの<ジュエリー>を意匠としているのだろう、同心円状に配置された五つの宝玉の周囲から、
のたくる大蛇にも似た、無数の触手が伸びてきて、二人の<戦士>へと襲い掛かってきた。 (27)
「あうッ!!」「きゃあああッ!!」
突然の急襲に回避もままならず、
雁字搦めに縛り上げられてしまう、優子とヴァルナ。
まるで、蜘蛛の巣に絡め取られた蝶の如く、
なけなしの力を振り絞った抵抗も空しく、二人の身体はズルズルと引き摺られていく。
『ほう・・・・これは、何とも・・・・』
その光景に、厳めしく引き結ばれていた巨神の口元がふと緩み、
・・・・まるで、アイザード自身が嗤っているかのような、辛辣な笑みが浮かび上がる。
『肉体を奪われ、魂を支配されてなお、優子を犯したい、という欲望だけは捨て切れぬのか?
・・・・フフッ、良いだろう、<魔>よ。
新しき神の恩寵を以て、貴様の最後の望み、叶えてやろうではないかッ!!』 (28)
「ひィッ!!」「い、いやァアアッ!!」
為す術も無く、胸元の宝玉の所にまで連れ去られてしまう、少女たち。
――――だが、そこはまだ終着点では無かった。
一切の物理法則を無視して、触手の群れは、彼女たち二人を、宝玉の内側・・・・邪神の胎内へと引き寄せる。
終末の巨人の腹の底、三界を律する因果律さえ及ばぬ永劫の牢獄の奥で、
今度こそ、誰にも邪魔される事無く、<ヴァリスの戦士>を犯し、穢し尽くす――――そのために・・・・。
――――――――TO BE CONTINUED. 以上、第31章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます〜。
なお、(最初に書き忘れてしまいましたが)本章は、
(概ね)ZOL先生のコミック第4巻P.124〜P.136に相当する部分をエロパロ化したものです。
ただし、最後の部分のみ、それよりも少し後のページの内容を踏まえた上で、
コミック本編とは少し異なる描写としていますので、ご注意下さいませ。 さて次回ですが、3月末から4月中旬ぐらいを目途に、
不定期連載の『戦士集合!』の第10章をお送りしたい、と考えています。
ただし、毎年の事なのですが、この季節は一年のうちで仕事が最も多い時期にあたりますので、
状況によっては、やむを得ず、5月以降に順延となる可能性もございます。
その際には、何卒ご容赦の程、お願い申し上げます。
それでは、本日はこの辺で失礼します〜。 お待たせしました〜。
不定期連載『戦士集合!』第10章、本日完成しました。
只今より、投下作業を開始いたします〜。 (1)
――――<鏡面世界>。鏡の間。
『アッ・・・・クハッ・・・・ウッアァアアアッ!!』
あられもない乙女の嬌声が、陰鬱な空間に響き渡る。
岩肌が剥き出しとなった地面に、四つん這いの姿勢で両手をつき、
交尾中の雌犬の如く、高々と振り上げた下半身をさかんに打ち揺らしているのは、
新たに捕囚に加わった、サイド・テールの少女・・・・アシャンティの守護者たる<レダの戦士>。
適度な豊かさを帯びるしなやかな肢体は銀色の汗滴によってベットリと覆われ、
あられもない喘ぎが漏れるたび、ビュクビュクと跳ね躍っている。
女神レダから与えられた<戦士>の証・・・・ラピス・ブルーの光沢を帯びた聖なる甲冑は、
今やその大部分が剥ぎ取られ、惨めな女囚の周囲に無造作に打ち捨てられていた。 (2)
ぐちゅッ・・・・ずりゅッ・・・・ずちゅッ・・・・じゅちゅるるッ!!
覆い隠すモノのなくなった禁断の花園
――――つい先刻、無法な凌辱者に踏み荒らされ、無残にも散らされてしまったピンク色の秘花弁は、
グロテスクな外見の偽根によって現在も貫かれており、
冷酷なる責め具で肉襞を蹂躙される、女性としてこれ以上は無い、屈辱感と敗北感を与えられ続けている。
『アハハッ、良い声で啼くようになったじゃないかッ!!』
サイド・テールをむんずと掴み、サディスティックな哄笑を放ち上げる、<変幻戦忍>。
メタリック・シルバーの戦闘スーツの腰には、特注のペニスバンドが装着されており、
牝壺に向かって、荒々しいリズムを刻みながら淫猥な抽送運動を繰り返していた。 (3)
『ひあッ・・・・んく・・・・んああッ・・・・くはぁあああッ!!』
絶え間なく漏れ続ける喘鳴には、官能の色が滲んでいた。
電流のような快感が高々と突き上げられた下半身から上半身へと流れ下り、更に手足の先端へと行き渡っていく。
男根を模した漆黒の責め具を押し込まれ、捏ね回されている陰唇粘膜は、
つい先程破瓜を迎えたばかりだというにも関わらず、早くも淫熱に蕩けかかり、半透明な蜜をじゅくじゅくと溢れさせていた。
『ほら、もっと腰を上げなよッ!!子宮の奥までグチャグチャにしてやるからさッ!!』
情け容赦なく、ピストンを繰り出しつつ、アスカは、目の前の桃尻に、ぺしッ!と平手を見舞う。
途端に、括約筋が、キュウッ、と縮まり、尻肉が、プルン、と弾んだ。
嗜虐の欲望を刺激せずにはおかない反応に気を良くした女忍者は、
ディルドーの律動を、更に早く、力強いものへと変えていき、哀れな獲物を嬲り尽くそうと試みる。 (4)
『あ・・・・あぁんッ!!あうッ・・・・うふぁあああッ!!』
感極まったよがり声を発しつつも、必死にかぶりを振る、サイド・テール娘。
それでも、少女の膣孔は敏感に反応し続け、愛液を垂れ流してしまう。
鋭敏さを増した下半身の感覚は、もはや、どんなに僅かな変化であろうと見逃す事無く、
腰椎の許容する限界まで跳ね上げた尻を、凌辱者の眼前でプルプルと痙攣させずにはいられなかった。
『アハハッ、なんて情けないザマなんだいッ!!
<ヴァリスの戦士>と並び称される<レダの戦士>も、一皮剥けば、タダの牝ってコトかいッ!?』
<変幻戦忍>のテンションもまたウナギ昇りで、留まる所を知らぬかのようである。
けたたましい哄笑を放ちながら、腰を遣うだけでは飽き足らず、
小刻みにヒクヒクと戦慄いている菊門の窄まりにまで指を伸ばし、皺孔の表面をいやらしくなぞり始める。 (5)
『い、いやぁッ!!そこは、だめぇッ!!』
反射的に下半身を捻って逃れようとするものの、
特大のディルドーによって深々と刺し貫かれている状態では夢物語に過ぎなかった。
逆に、無理な動きをしたせいで、より一段と深い所まで漆黒の偽根の侵入を許し、
最も敏感な場所を焼け火箸で突き抜かれるかの如き、激烈な痛みと性感を感じさせられてしまう。
『ああッ!!イヤッ・・・・もう、イヤァあああッッッ!!』
更に、アナルまでもが邪悪な凌辱に曝される。
たったの指一本――――だが、媚肉を徹底的に犯し抜かれ、膣内はおろか子宮の奥まで疑似男根によって占領されている状況でのそれは致命的だった。
鍵のかかった門扉をこじ開けるようにして狭穴に突き入れられた指先は、
女体の他の箇所では生み出し得ない独特の快楽を少女に与え、僅かに残っていた理性の欠片まで粉々に打ち砕いてしまう。 (6)
『アッアアッ!!や、やだッ・・・・しゅごい、しゅご過ぎるぅッ!!あはぁアアアアッ!!』
悲痛な叫びともあられもない喘ぎともつかない、絶叫が響き渡った。
一杯に張り出した肉傘の盛り上がりと、ここまでリアルに作り込む必要があるのか?疑問に感じられるくらい、実際の男性器に近い形状に設えられた、鋼鉄の張り形の感触に、気が狂いそうになる。
火照り切った蜜壺は、憎むべき仇敵のイチモツを受け容れるたびに歓喜し、大量の愛液を垂れ流していた。
ひと突きされる度に、うなじの周辺がカッカと火照り、
今にも、ポキリ、と折れそうな急角度で弓なりにしなりきった背筋に、ゾクゾクッ、と悪寒が走る。
まるで、肉体のみならず、精神までも犯され、穢し尽くされていくかの如き感覚に、我知らず、涙が零れ落ちる――――恥辱では無く、喜悦によって涙腺から押し出される、熱い涙が・・・・。
――――その一部始終を、陽子は、屈辱に震えつつ、ただ眺めている事しか出来ずにいた。 (7)
「フフッ、どうだい、自分とウリ二つの『人形』がヤラれてる様子は?
所詮はニセモノって言ってしまえばそれまでだけど、あたしは結構オツなモンだと思ってるんだけどねぇ」
歪んだ笑みを浮かべつつ、ライディは、形の良い耳に口元を寄せ、囁きかけた。
くぅッ、と、悔しげな声を漏らし、囚われの少女・・・・朝霧陽子は精一杯の眼力を込めて、エルス大陸の女戦士を睨みつける。
「お〜っ、コワイコワイ。あんなにたっぷりとエネルギーを吸い取られたってのに、まだそんなカオが出来るなんて、さすがに<レダの戦士>サマは鍛え方が違うようだねぇ」
大仰な仕草で驚いてみせる、<雷の戦士>。
勿論、本気では無く、顔面には嘲りの笑いが張り付いたままである。 失礼しました。
どうやら、新種の連投規制に引っ掛ってしまったようです。
投下作業を続行します。 (8)
当然と言えば、当然だろう。
目の前のサイド・テール娘――――アシャンティの<戦士>陽子は、
地面から生えた漆黒のクリスタルの中から頭だけを出して、
身体の残りの部分・・・・しなやかに伸びた手足も、やや小ぶりだが美しくまとまったバストも、
程良くくびれたウエストも、キュッと引き締まった形の良いヒップも、皆全て、
<鏡使い>の邪悪な魔力によって創造された、黒水晶の拘束具によって縛められ、固められてしまっていた。
無論、彼女の意のままに出来るのは顔の筋肉だけで、それ以外は、文字通り、指一本動かせない。
生きながらにして、硬く冷たい墓碑の下へと埋葬されてしまったのも同然の、
滑稽なまでに惨めな境遇に陥っていたのである。 (9)
加えて、陽子は、ライディとアスカによって<鏡使い>の許に運び込まれて以来、
邪悪な魔道の技によって身体に宿る生命力を容赦無く搾り取られていた。
冷酷非情な・・・・というよりも、むしろ、人間的な感情とは無縁な、という形容する方がふさわしい、<鏡面世界>の支配者ではあったが、
鏡の中に捕えた<戦士>からのエネルギー吸収は、
彼女の姿形と能力をコピーした魔生物を一体生成するに足る分を奪い取った時点で、一旦、打ち止めとするのが常のやり方だった。
『人形』は生み出された際だけではなく、活動時にも一定量のエネルギー供給が必要である。
一人の<戦士>から同時に複数体の生成が不可能という訳では無いのだが、
数が増えれば増える程、オリジナルにかかる負荷は増大していき、
限界に達した時点で、<戦士>自身は人事不省、『人形』は行動不能に陥ってしまう。
その点を考慮すれば、一度に生成し活動させる事が可能な数は一体のみ、というのが、概ね妥当なラインと言えるのだが・・・・。 (10)
『クスクス、ほら、見てごらんよ。また、新しいアンタが生まれて来るわ』
「うう・・・・くうッ・・・・」
ハァハァと荒く息を注ぎながら、ライディの指差す方向を眺めやる、サイド・テール娘。
視線の先に立ち並ぶ、自らのカラダが埋め込まれているのと同じ形状の闇のクリスタル――――全部で五柱あった――――を確認し、小さく呻き声を漏らす。
一番左端・・・・今、アスカに責め抜かれている『陽子』が入っていた石棺が空なのは当然として、
二番目から四番目には、自分と寸分違わぬ面立ちと背格好をし、ラピス・ブルーの甲冑まで身に纏った少女――――
囚われ人から奪ったエネルギーを用いて創造された三体の『人形』が目覚めの刻を待っている。
問題は、一番右端の筐体だった。
先刻、確認した時には、右隣に立つクリスタルと同様、何も入っていなかった筈の黒水晶の石棺は、
今、その内部に妖しい輝きを宿していた。 (11)
『これで5体目。いやはや、<鏡使い>サマも容赦が無いねぇ』
身動きを封じられたオリジナルの<レダの戦士>の目の前で、
漆黒の筐体の内奥で生まれた不可思議な光は、次第に収斂していくと共に、人間の形へと変化していった。
その様子を見つめるサイド・テール少女の表情は険しさを増す一方で、
激しい消耗によって、顔色は今にも失神しそうなくらいに蒼褪め、額には脂汗まで滲んでいる。
首から下の全身を異形の拘束具によって固められていなければ、
おそらく、立っている事すら出来なくなり、地面に膝をついていた所だろう。
(ううっ・・・・吸われていく・・・・あたしの命が・・・・)
胸郭の間から飛び出してしまうのではないか?と思える程の勢いで、心臓がバクバクと跳ね回る。
途轍もない不快感に襲われて、視界は霞み、耳鳴りさえも聞こえてくる。
それでも、邪悪な魔力は陽子を捉えたまま離そうとはせず、
貪欲に生き血を啜るヒルのように、若々しいその肉体と魂から養分を吸い取っていく。 (12)
「・・・・」
とうとう、顔を上げている事さえ叶わなくなってしまった少女を、
皮手袋をはめた<雷の戦士>の手が引き摺り上げ、ガクガクと揺さぶって強制的に正気付かせる。
『ほら、へばってないで、ちゃんと見てやりなよ。
アンタの娘、いや、妹ってコトになるのか?・・・・まぁ、とにかく、ご誕生の瞬間をねぇッ!!』
僅かに薄目を開けた陽子が、焦点の合わない双眸を前方へと向けると、
丁度、黒水晶の石棺を満たしていた不吉な霊光がゆっくりと消え去り、入れ代わりに、黒い人影が出現する所だった。
衰え切った視力ではディテールまでは掴めないが、
既に四度、同じ光景を瞳に灼き付けていた彼女には、それが己れを模して造られた『人形』だという事は容易に理解可能である。 (13)
(ううっ、また、生み出されてしまった。
あたしのニセモノ・・・・優子たちと戦わせるための木偶人形が・・・・)
最後の一体の生成が終了したためだろう、生体エネルギーの収奪は一旦止まったものの、
敗北感に打ちのめされた<レダの戦士>は、ガクリ、と力無く項垂れた。
捕囚の身となり、<鏡面世界>の支配者の前に引き据えられた直後、
陽子は、<変幻戦忍>に凌辱され続けている『人形』――――最初に作られた一体――――を含めた魔生物の一団は、
自分達を救出するために此処にやってくるであろう、優子と妖子、キャロンの三人を捕縛するためのクローン兵士である旨を、<鏡使い>本人から聞かされていた。
自らの能力をコピーした五体、共に捕縛されたレムネアから同様に複製された一体、
ヴァニティ城から移送されてきた<アルテラの三戦士>とシルキス、そして、アスカとライディ・・・・
都合12体に及ぶ複製戦士を以て、<ヴァリスの戦士>を迎え撃つのだ、と。 (14)
(いくら優子たちでも、12体もの<戦士>を一度に相手にしたら・・・・)
・・・・いや、それ以前に、あの心優しい蒼髪の少女には、
たとえ敵が作り出したニセモノだと分かっていたとしても、
自分やレムネアと同じ姿形をした相手を躊躇い無く斬り伏せる事など到底出来ないだろう。
むしろ、『五人いる中の一人は本物の陽子で、洗脳されているだけかもしれない』などと疑心暗鬼に囚われて、己れの力をセーブしてしまうおそれすらある。
――――無論、<鏡面世界>の狡猾な魔道士は、
そこまで計算に入れた上で、この悪辣な作戦計画を練り上げているに違いない。
髑髏の口から発せられた無機質な言葉を反芻しつつ、サイド・テールの少女は、黒水晶によって縛められている柔肌に戦慄を生じずにはいられなかった・・・・。 (15)
――――<現実界>。東京・青山通り。それなりに品の良い、ホテルの一室。
「一体、ココは何処なんです、麗子?」
設えられた調度品が物珍しいのか?キョロキョロと室内を眺め回しながら、
時空移動の転移先としてこの座標を指定した赤毛の側近に向かって問いを発する、<幻想王女>。
念のため、ドアのオートロックがきちんと作動しているかどうか?確認していた<ヴァリスの戦士>は、
主君を振り返ると、小さく肩をすくめてみせた。
「見ればお分かりの通り、東京です。
・・・・と言っても、私や優子が暮らしていた<世界>とは別次元に存在している、東京ですが」 (16)
「あなた達が暮らしていたのとは違う・・・・?」
きょとん、とした表情を浮かべるヴァルナ。
無論、<夢幻界>を統べる女王として、銀髪の少女は、
多元宇宙――――三界には、<現実界>の名で総称される夥しい数の<世界>が存在しており、
その中には無数の平行世界(パラレルワールド)も含まれている、という事実を知識としては知っている。
だが、実際に、<現実界>に足を踏み入れた経験はほぼ皆無と言って良く、
<現実界>を構成している、個々の<世界>の内情について関心を抱く事さえも稀だった。
勿論、<ヴァリスの戦士>である優子が暮らし、
また、<夢幻界>の住人として転生する以前の麗子が人間として過ごしていた<世界>・・・・『地球』は、数少ない例外に属している。
しかしながら、それと隣り合って存在するパラレルワールドについては、
興味の対象だったとは言い難かったし、また、敢えて興味を持たねばならない必要性も無かった、と言っても良いだろう。 (17)
「左様です。
――――そして、同時に、私たちが今居る、この東京は、
私たちを血眼になって捜している筈の<ドリームハンター>・・・・綾小路麗夢がかつて居住していた『地球』に存在しているのです」
「ッ!?」
赤毛の少女の言葉に、思わずぎょっとした表情になるヴァルナ。
だが、すぐに、彼女の口元に浮かんでいる悪戯っぽい微笑に気が付くと、
何か思案あっての行動に相違ない、と、考え込む顔つきになる。
目の前の<ヴァリスの戦士>が、自分に向かってこんな風に笑いかける時は、
何かしら良いアイデアを思い付いた場合が多かった。
(麗夢が居住していた・・・・どういう事でしょう?この<世界>に、一体何が・・・・?) (18)
「お分かりになりませんか?」
薄いクチビルに含み笑いを湛えたまま、麗子は主君の顔を覗き込んだ。
優子たち<戦士>を除く、ヴァニティ城の住人――――生粋の<夢幻界>人からなる女王の臣下たち――――の面前でこんな態度を取ろうものならば、
たちまち、君臣の間柄を弁えない無礼極まる行為、と非難の集中砲火を浴びるのは避けられないだろうが、
幸か不幸か、今居る場所は<現実界>であり、客室内には自分達二人以外の人間は誰もいない。
「・・・・つまり、今、この『地球』には麗夢が存在した痕跡は残っていない、という事でしょうか?」
「ご明察」
破顔一笑すると、赤毛の少女は、ヴァルナの前を横切って、窓際へと歩み寄った。
林立するビルの向こうに一際高く直立している、
東京を代表するモニュメントの一つである赤い電波塔に向かって懐かしげな眼差しを送りつつ、
銀髪の女王に対し、この地を避難先に選んだ真意を語りかける。 (19)
「ヴァニティ城が敵の手に落ちてしまった今、
三界広しと言えども、此処よりも安全な場所は存在しないでしょう。
何故ならば――――この<世界>が、彼女を拒絶するからです」
「な、成る程、確かに・・・・!!」
麗子の言葉に我知らず身を乗り出し、<幻想王女>は何度も頷いた。
確かに、目の前の少女の言う通り、麗夢の存在が跡形も無く消え去ってしまった『地球』には、
<ドリームハンター>は普通のやり方では帰還出来ない。
強引に戻ろうとするならば、その行為は<世界>を構成する因果の法則に干渉するものとなり、
<世界>そのものからの反発を招く結果となるのは避けられないだろう。
「・・・・勿論、麗夢以外の者が追手として送られてくるならば、話は別です。
しかしながら、優子たちが敵の本拠地と思われる<鏡面世界>への侵入に成功している今、
新たな刺客を差し向ける余裕は、おそらく、彼らにも無いでしょう」 (20)
「では、その間に、ヴァニティ城を奪回するための策を練るのですね?」
興奮した様子で麗子に詰め寄ろうとする、ヴァルナ。
さすがに苦笑しつつ、<ヴァリスの戦士>は主君を押し留めた。
「ええ、左様です。
ですが、その前に、ヴァルナさまは少しお休み下さい。
ヴァニティ城からの時空転移で、随分と魔力を消耗なさっている筈・・・・このままではお身体に障ります」
「わかりました、麗子。そうさせて貰います」
信頼する側近の説明に安堵したのか?
それとも、彼女自身、ヴァニティ城の居室にある物とは異なる、コンパクトで機能的な寝台に横になってみたくて仕方が無かったのか?
<夢幻界>の女王は、あっさりと進言を聞き容れ、ベッドへと潜り込んだ。
そして、どうやら、実際にかなりの疲労が蓄積していたらしく、
ものの数秒と経たないうちに、スースーと規則正しい寝息を立てつつ、深いまどろみへと落ちていく。 (21)
「あらあら、ヴァルナったら――――」
無邪気な表情を浮かべて熟睡している、銀髪の少女の寝顔に向かって、
麗子は、くすっ、と、小さく微笑みかけ――――そのまま、音も無く立ち上がると、姿勢を正して深々と一礼する。
「・・・・申し訳ございません、我が君。
しばらくの間、お傍を離れる不忠をお許し下さい」
頭を下げたまま、思考を巡らせる赤毛の少女。
――――ヴァニティ城での麗夢の襲撃は、明らかに自分を狙ってのものだった。
でなければ、自分には<戦士>であるシルキスや<アルテナの三剣士>を差し向けながら、
ヴァルナの許には侍女たちしか送らなかった事の説明がつかない。
女王の拉致を試みたのは、おそらく、シルキスや茜たちを使っての拘束に失敗した場合の、言わば保険、
彼女を人質として自分に降伏を迫る算段だった、と考えて間違いないだろう。 (22)
「・・・・私とした事が、どうして、もっと早く気付かなかったのかしら?」
自分を責めたとて問題の解決には何ら寄与しないのは重々承知の上で、
それでもなお、強い自責の念を感じざるを得ない、赤毛の少女。
(敵の真の狙いは、<夢幻界>ではなく、私自身を含む、各世界の<戦士>たち。
だとすれば、今、一番危険なのは、<鏡面世界>に向かった優子たちだわッ!!)
ようやく頭を上げた麗子だが、表情は固いままだった。
ひと呼吸置いて、精神を集中し、漆黒の愛剣を実体化させると、
客室内の壁に掛けられた室内鏡に向き直り、空間転移の準備に入る。
背後で完全に寝入っているヴァルナ程ではないとはいえ、
ヴァニティ城からこの<世界>に移動した際の負荷は彼女にも圧し掛かっており、
消耗した力は未だ回復し切っていなかったが、今はそんな事は気にしてはいられない。
むしろ、事態は一分一秒を争う程深刻化しているのではないか?――――そんな不安がしてならなかった。
(待っていて、優子・・・・すぐに行くわッ!!) (23)
――――<鏡面世界>。
「くっ・・・・はぁっ!!」
ガクリ、と地面に膝をついた優子は、ハァハァと苦しげに肩で呼吸を繰り返した。
すでに腕は筋力を失い、指先の感覚は半ば以上無くなっている。
それでもなお、これだけは手放すまい、と握り締めている<ヴァリスの剣>を支えに、必死に立ち上がろうとするものの、
長時間の激闘によって蓄積されたダメージと疲労、そして、周囲に立ち込めた禍々しい瘴気は、
少女の心身から容赦なくエネルギーを搾り取り、もはや、満足に身動きする事すら叶わなくなっていた。 (24)
(ううっ・・・・妖子、キャロン・・・・!!)
僅かに残った気力を懸命に振り絞って、前方を眺めやる。
視線の先には、おそらくは、二人して背中を寄せ合いながら戦っていたのだろう、
深紅のチャイナドレスを無残に切り裂かれた<魔物ハンター>と幼い体躯を覆う深紅の甲冑に幾つもの刀傷や打撲痕を刻み付けられた<リバースの剣士>とが、
気を失い、折り重なるようにして地面に倒れ伏していた。
幸い、二人共、浅くだが呼吸はあり、生命に別条は無いように見えるが、
大量に浴びたどす黒い負の魔力によって生気を奪われ、意識を取り戻す気配は全く窺えない。 (25)
(・・・・・・・・)
今にも消え入りそうな眼差しを彼女たちの周囲に転ずれば、
色も形状も様々な防具を身に纏った数体の躯が散乱し、あるいは、戦闘不能状態に陥って昏倒していた。
中の何体かは、カラダに大きく穿たれた破孔から、血飛沫では無く、忌まわしい漆黒の瘴気を噴き上げている。
(・・・・結局、わたしたちを襲ってきた中には、
陽子やレムネア・・・・敵に囚われた筈のホンモノの<戦士>は一人もいなかった。
もしかして、今までに襲ってきたアスカやライディも、その正体は・・・・) (26)
「フフッ、さすがは、三界最強と謳われる<ヴァリスの戦士>。
これだけのエネルギーを失って、まだ意識を保っていられるなんてねぇ」
もはや戦闘能力を喪失したと言って良い蒼髪の少女の前に立ち、
足元に蹲る彼女の満身創痍の姿に薄ら笑いを浮かべる、<雷の戦士>。
もっとも、余裕のあるセリフとは裏腹に、一時間近くにも及んだ激闘の結果、身に纏った魔法金属の鎧は傷付き毀たれ、右手に携えた愛用のロングソードに至っては、柄元から三分の一程度を残して刀身が叩き折られてしまっている。
「くっ・・・・ううっ」
霞みかけた双眸で、必死に眼前の敵少女を睨む優子。
殆ど本能だけで、愛剣を手繰り寄せ、身構えようとするものの、
一瞬早く、背後から忍び寄った<変幻戦忍>によって力萎えたその腕は絡め取られ、後ろ手に捩じ上げられてしまった。
すかさず、エルス大陸の<戦士>が進み出して、
地面に突き立てられた<ヴァリスの剣>を引き抜くと、ゴミでも放るかの如く、無造作に投げ捨てる。 (27)
「あ・・・・ああッ!?」
残された最後の抵抗手段が呆気無く失われてしまった事実に、愕然となる優子。
・・・・もっとも、敵の手に触れられたというのにそれに反発する障壁すら発動できない程、消耗しきった状態では、
蒼髪の少女に剣を振るう体力が残っていようがいまいが、
武器としての機能を発揮可能だったかどうか?甚だ疑問と言わざるを得なかったが。
「へへっ、散々粘ってくれたけど、もうおネンネの時間だよ。<ヴァリスの戦士>サン!!」
精根尽き果てた表情の<戦士>に向かって囁きかける、<変幻戦忍>。
メタリック・シルバーの忍び装束には大小十数カ所にも及ぶ裂傷が走り、幾つかの傷口からはどす黒い瘴気が立ち昇っていた。
生身のカラダであれば、激痛と出血によって、立っている事すらおぼつかない程の大怪我を負っている筈だったが、
『人形』である彼女にとっては、せいぜい動きが多少鈍くなった程度の影響しか現れてはいない。 (28)
「そーゆーこった・・・・ま、あたしとしちゃあ、その前に、ココまで手こずらせてくれた借りをお返ししてやりたい気分なんだケド、
オリジナルには出来るだけ傷を付けるな、って命令されてるんでね」
(・・・・オ、オリジナルには、って・・・・?)
ライディの言葉を反芻する優子。
・・・・だが、靄がかかった状態の少女の思考には答えに行きつく時間は残されてはいなかった。
半分以下の長さになったロングソードを思い切り良く放り捨てた<雷の戦士>は、
フリーになった右手で拳を握り、二つ名の由来である雷の力・・・・プラズマ化した電撃を纏わせる。
――――ドスッッッ!!!!
鳩尾に深々と食い込む、冷酷なまでに狙い澄ました一撃。
無論、満身創痍の上、体力も気力も底を尽き、更に、アスカによって自由を奪われた身体では、回避の術とて無かった。
正確無比な打撃を急所に叩き付けられた<ヴァリスの戦士>は、肺腑に残っていた呼気を残らず搾り出され、
苦悶の声を発すると同時に、ぐっくりと手足を弛緩させてしまう。
(ううっ・・・・ごめん・・・・みんな・・・・麗子・・・・っ・・・・) (29)
「――――やれやれ、やっとおとなしくなってくれたようだね。
・・・・よぉし、コイツはあたし達が<鏡使い>様の所に連れて行くから、
まだ動けるヤツは、<魔物ハンター>と<リバースの剣士>を運べ、分かったなッ?」
ライディの命令に、虚ろな表情を湛えた二体の『人形』・・・・片腕を斬り落とされた『陽子』と肩口から脇腹にかけてザックリと袈裟斬りにされた『レムネア』が、ノロノロと起き上がり、妖子とキャロンに向かって近付いていく。
それらを確認した、<雷の戦士>は、
<変幻戦忍>に抱き止められたまま、意識を失っている蒼髪の少女の顔を覗き込み、サディスティックな笑みを浮かべた。
「ククク・・・・今ココで、オリジナルであるアンタに手を出す訳にはいかないケド、
<鏡使い>様にお願いして『人形』を作って貰ったら、その分、たっぷりと愉しませて貰うよ。
<ヴァリスの戦士>サマの肉人形、一体、どんなカオであたしに奉仕してくれるのか?想像しただけでゾクゾクしてくるねぇッ!!」
――――――――TO BE CONTINUED. 以上、第10章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存します〜。
途中、新手の連投規制に引っ掛かった為、投下作業が中断してしまいましたが、
何とか無事に完了出来てホッとしています。
おそらく、エロパロ板への画像認証導入が見送りになった、その代わりに、というコトだろうと思いますが、
2chも段々と不便になってきたな、というのが正直な気持ちです・・・・。
さて、次回ですが、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第32章をお送りいたします。
ただし、目下、本業の方が繁忙を極めており、
当分の間、土日も満足に休みが取れない状況が続く事が予想されますので、
大変申し訳ございませんが、発表時期に関しましては、7月中という事でご了承をお願い申し上げます。
それでは、今夜はこの辺で〜。 登場キャラの数が増えてきて、読んだこと無いのまで出て来ると想像しにくいねw
しかし、なんだかんだでオリジナル=優子っていうのが良いです。 皆様、大変お待たせしました〜。
7月ももう今日で終わり、というギリギリのタイミングになりましたが、
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第32章、本日完成いたしました。
早速、投下を開始します〜。 (1)
<暗黒界>。帝都ヴェカンタニア。
ゴゴゴゴゴ・・・・ッ!!
凄まじい地鳴りと共に、大地が鳴動し、巨大な亀裂が走り抜ける。
天地を圧するかの如き威容を誇っていた<暗黒王>ログレスの居城が、基礎部分から揺さぶられ、
数多の<戦士>たちの攻撃にもしぶとく耐え抜いてきた、城壁が、塔が、堡塁が、次々に倒壊し、崩れ落ちていく。
「な、何だッ!?」「一体、何が起こっているのッ?」
上空の艦艇群を粗方駆逐し終えた後、地上へと降下し、
帝都防衛のために踏み止まった最後の<暗黒界>軍と激闘を繰り広げていた、<ヴァリスの戦士>の大集団
・・・・ヴァリアによって導かれた<戦士>の魂を身に宿した、幾千もの<現実界>の少女たちも、
つい今しがたまで干戈を交えていた敵軍の将兵と共に、眼前の光景に等しく息を呑み、呆然とその場に立ち尽くしていた。 (2)
ズゴゴゴゴゴ――――ッ!!!!
<明>と<暗>いずれの陣営に属する者であるかを問わず、
幾万もの瞳が原初的な恐怖を湛えつつ仰ぎ見る、その遥か彼方では、
帝城の地下から巨大な黒い影が這い出し、<三界>に存在する全ての<世界>に響き渡らんばかりの恐るべき産声を上げた。
『ウォオオ・・・・オオオオオ――――ッッッ!!!!!!』
超高層ビルには及ばないものの、身の丈は優に百メートルを超えていただろう。
濛々たる砂塵の奥から姿を現した巨人は、重厚な黒鉄の鎧に包まれた胸を傲然と反らしつつ、
足元の地上に集った数万もの軍勢を、まるで、地べたを這う蟻の群れでも見下ろしているかのような、冷然たる眼差しで睥睨する。
彼らには知る由も無かったが、目の前に出現した怪物は、
<暗黒界>そのものの起源となった<封印されし魔>の肉体に<夢幻界>の至宝たる<ファンタズム・ジュエリー>を埋め込まれた異形の存在。
<三界>の創世以来、一度として実現する事の無かった、最強にして最悪の魔道兵器であり、
<ヴァリス>と<ヴェカンタ>、二つの魔術体系において禁忌とされている秘義を極めた男の最高傑作だった。 (3)
『全時空の民よ、見るがいい――――今日、新たなる支配者が誕生する光景をッ!!』
漆黒の巨神の口元から、大音声が降り注ぐ。
強烈なノイズとハウリングのせいで、殆どの人間や亜人間の聴覚器官には、声というよりも単なる騒音としか聞き取れなかったものの、
頭の中に入った途端、その金切り声は、この上なく力強い言葉
・・・・己れの才覚に対する傲岸なまでの自負と己れ以外の者全てに対する軽侮と蔑みの感情に満ち溢れた、冷酷な宣言へと変換される。
<夢幻界>の<戦士>達は勿論、<暗黒界>の将兵の間にも、声の主が、<暗黒五邪神>の一柱を占めた男だと気付いた者は皆無だったが、
アイロニーに満ちた語感から、在りし日の彼を連想した者ならば幾人かはいたかもしれない。
もっとも、巨神――――アイザードが、第一声に続いて言い放ったのは、
かつての部下たちに対する憐憫など一切感じさせない、冷酷きわまる処刑宣告だったのだが。
『不浄なる<暗黒界>よ・・・・全ての<世界>の先駆けとなり、我が新世界の贄となれッ!!』 (4)
『ぬぐぉおおおお・・・・ッ!!』
天に向かって突き上げた右手に、凄まじいまでの魔力が凝集していく。
本能的に危険を感じた<暗黒界>の者たちが、指揮官も兵も関係無く、潮の引くように後ずさりする。
勿論、その程度の行動では、直後に起きたカタストロフィから逃れる事など、到底叶わなかったのだが。
『ヴァリアの穢れから生まれた、<暗>の諸力よ、我が許に来たれッ!そして、我が糧となるが良いッ!!』
アイザードの声に呼応するかの如く、
支配者にして調律者でもあった<暗黒王>ログレスを失い、行き場を無くしていた<暗>のエネルギーが邪神へと群れ集っていく。
ゴォオオオッ!という、唸り声にも似た、不吉な風鳴りが響き渡るたびに、
膨大な量の負の魔力・・・・<ヴェカンタ>が吸い寄せられ、結集し、凝縮されていった。
禍々しい光景を目の当たりにするや否や、
<暗黒界>の軍兵は、まるで蜘蛛の子を散らすかの如く、四方八方へと散開し、無秩序な潰走を開始する。
一方、<夢幻界>の軍勢は、と言えば、未だ統制を保ちつつ、その場に踏み止まって、
未知の脅威――――おそらくは、今まで相対していた、艦隊や軍団などとは比べ物にならない程、強大かつ危険な敵を迎え撃たんと身構えていた。 (5)
『――――笑止。貴様ら如き虫ケラに、この私を止める事が出来るとでもッ!?』
巨神の貌に、はじめて人間的な表情・・・・嘲りと蔑みが浮かんだ。
同時に、高々と突き上げた拳の先に、信じ難い程の密度で群れ集っていた<ヴェカンタ>が、
あたかも闇そのものを凝縮したかのような、どす黒く濁った刀身を備える、漆黒の大剣へと変貌していく。
『有象無象共め、身の程を知れッ!!』
獅子吼と共に振り下ろされる、終末の邪剣。
膨大な魔力が一気に解放され、大気を薙いだ剣圧が凄まじい暴風と化して、
地上にある全ての物体・・・・城も、都市も、人間も、怪物も、大地そのものさえも、一切合財を吹き飛ばしていく。
「うわぁああッ!!」「飛ばされるぅッ!!」
「ひぃぎぁあああッ!!」「た、助けてくれ〜ッ!!」「」
あちこちで響き渡る断末魔の悲鳴は、戦意を失い、無様な逃走を開始していた<暗黒界>の住人たちのもの。
・・・・だが、アイザードは、泣き喚きながら命乞いを繰り返す、かつての同胞の姿には眉一つ動かす事無く、無慈悲な殺戮を断行し続けた。
あまつさえ、さほど遠くない過去には、自分自身も臣下の一人として伺候した経験のある、<暗黒王>の居城を、
まるで、巨大な鋤で均すかの如く、更地へと変えていく。 (6)
・・・・無論、<夢幻界>側の者達とて、無事で済んだ訳では無い。
たしかに、密集陣形を取り、めいめいが隣の者と肩を寄せ合うようにして衝撃波への備えを固めたおかげで、
彼女たちが受けたダメージは最小限に留まっていた。
それでも、最前列で剣圧に曝された者は一瞬にして全身を切り刻まれ、
そこから数列の間にいた者・・・・おおよその人数にして百人近くが、
風圧で空中高く放り投げられた直後、重力の法則に従い、身体を地面へと叩き付けられて、
各所で肉片と血飛沫の花を咲かせつつ絶命している。
「うあぁあッ!!」「ウソでしょ・・・・こんなの、信じられないッ!?」
致命傷を免れた少女たちも、
仲間たちのあまりに惨たらしい最期と、圧倒的な破壊と死とを撒き散らす、理不尽なまでのパワーを目の当たりにして、立ち竦むしかなかった。
・・・・無理も無いだろう。
眼前の怪物は、たったの一度、剣を薙ぎ払っただけで、
今までの数時間に及ぶ<暗黒界>の軍勢との死闘による戦死者の数を遥かに上回る損害を与えてしまったのである。
歴然たる彼我の戦力の差を痛感させられては、
いかに<ヴァリスの戦士>といえども、ショックを受けないではいられなかった・・・・。 (7)
――――巨神の体内。触手牢の獄中。
「あ、あんなに大勢の<戦士>を、いとも簡単に・・・・」
映し出された外界の光景に戦慄しつつ、恐れに満ちた言葉を漏らしたのは、
銀髪の少女・・・・<夢幻界>の王女ヴァルナも同じだった。
外の世界にいる同胞たちとは異なり、(今の所は)直接的な危害を加えられている訳では無いものの、
黄金の甲冑に包まれた華奢な肢体には、
生物なのか無生物なのかすら判然としない、無数の触腕が絡み付き、自由を奪っている。
得意の呪文を詠唱して邪悪な縛めを振り解こうにも、
肉蛇たちには何らかの呪式が施されているのか、どんなに意識を集中し魔力を練り上げようとも、何の影響も与えられずにいた。
加えて、たとえ拘束から逃れる事が叶ったとしても、
周囲は、出入り口はおろか、窓一つ見当たらない完全な密閉空間、脱出する方法など皆目見当もつかない。 (8)
『おやおや、ヴァリアが寄越した有象無象共は兎も角、
ヴァルナ、聡明な君までもが、まだ私に勝てるかもしれない、などという妄想に憑りつかれているのかい?』
唐突に話しかけられて、思わず、両眼を瞬かせる、囚われの少女。
声の主は、かつて、(母である<幻想王女>ヴァリアその人を除けば)<夢幻界>で最高の術者と言われた青年
――――己れの果てしなき野望のため、最初に生まれ育った故郷を、続いて、寝返った先の<暗黒界>までも裏切り、
<三界>の全てに死と破壊を撒き散らそうとしている、プラチナ・ブロンドの魔道士。
ただし、今の体は仮初めのものに過ぎなかった。
彼の肉体は戦いの最中に失われ、魂もまた、融合した<ファンタズム・ジュエリー>と共に<封印されし魔>の体内に没した。
今ここに存在するのは、眼前に投影されている魔道スクリーンの画像と同じく<ジュエリー>の力によって構成されたホログラムに過ぎない。
実際、少女の目に映るカラダは半ば以上透き通り、時折、陽炎のようにユラユラと不安定に揺らめいていた。 (9)
『いい加減、諦めて、負けを認めたらどうだい?
どのみち、旧き<世界>は・・・・<夢幻界>も、<暗黒界>も、<現実界>も、
全て私の得た神の力の源――――新たなる<ファンタズム・ジュエリー>へと変成されて消え去る運命だ。
もはや、結果が動くコトなどあり得ない・・・・君たちがどう足掻いたところでね』
「・・・・」
思わず、口ごもってしまう、ヴァルナ。
無論、『あなたは間違っている』と言い返すべきなのは理解していた。
自分は<夢幻界>の女王ヴァリアの娘であり、同時に、<ヴァリスの戦士>の一人でもある。
母であるヴァリアも、彼女によって戦う術を与えられた<戦士>たちも、
絶望的な状況にあってなお、未だ滅亡に瀕した全ての<世界>を救うべく、抵抗を継続している以上、
己れ一人が真っ先に屈服して良い筈が無い・・・・。
――――だが、断固として反論しなければならない、と急き立てる心情とは裏腹に、
少女のクチビルは動きを止めたままだった。
現実問題として考えれば、アイザードの言う通り、逆転の可能性は殆ど無い。
現時点でさえ、戦力には圧倒的な隔たりがあるのだ。
ましてや、<暗黒界>が分解され、<ジュエリー>の生成が始まってしまえば、
時間の経過と共に差は開く一方となってしまうに相違ない・・・・。 (10)
「・・・・たしかに、あなたの言う通りかもしれない」
沈黙に囚われたヴァルナの代わりに答えを返したのは、
彼女と並んで触手牢に縛められている、もう一人の<ヴァリスの戦士>――――優子。
激闘に次ぐ激闘によって、美しく光り輝いていた黄金色の甲冑は薄汚れ、
しなやかに伸びた手足にも、力を失った甲冑では防ぎ切れなかった打撃が、青黒い内出血となって醜く点在していた。
傷付き、毀たれた、胸甲や肩当ては、いつもならば、とっくに自己修復が始まっている頃合いだったが、
甲冑を構成している<ヴァリス・オア>そのものにもダメージが蓄積しているらしく、
損傷を受けた防具は何時まで経っても再生する事無く、無残な姿を晒し続けている。
・・・・だが、少女の心は、未だ折れてはいなかった。
「でも――――それでも、わたしはあなたを認めない。認める訳にはいかないッ!」
見る影も無くやつれ果て、蒼白を通り越して土気色に近付きつつある顔色とは裏腹に、
薄青色の瞳には、一体何処からこれだけの気力が湧いて来るのか?不思議に思える程の気迫が込められている。
・・・・否、目だけでは無い。
カサカサに乾き切った血色の悪い唇から紡ぎ出される声音にも、
もはや、ロクに動かす事さえ叶わなくなった両手の指が握り締めている拳にも、
体力の衰えこそ隠せないものの、未だ希望を捨てるのを好しとしない、精一杯の抵抗の意志が宿っていた。 (11)
『やれやれ、キミの頑固さは筋金入りだね・・・・』
大仰な仕草で肩をすくめてみせる、プラチナ・ブロンドの魔道士(の立体映像)。
ヴァルナの傍から掻き消えたかと思うと、
次の瞬間には、優子が囚われている磔刑台・・・・無数の肉蛇によって構成された、おぞましい拘束具の脇に現れ、
色とりどりの分泌液に濡れまみれた肉壁の中に浸かっている、ロングストレートの蒼髪を掬って、鼻先に近付ける。
『フフ、何とも言い難い、心地良い匂いじゃないか。
この醜い連中に好き放題にされて、体液が染み付いてしまっているよ。
・・・・キミも嗅いでみるかい?』
そう、耳元で囁きながら、アイザードは、無造作に掬い取った髪筋を、身動きできない少女の鼻先へと運んだ。
唯一、自由になる双眸に強い嫌悪の感情を浮かべて目の前の青年を睨みつける<ヴァリスの戦士>。
だが、無論、そのような行為は何の意味も持たない。
べとついた汗と混じり合う、ねっとりとした不気味な粘液の感触とオー・デ・コロンを数十倍に濃縮したかの如き強烈な刺激臭とが、
大挙して彼女の嗅覚器官に侵入し、粘膜襞に覆われた神経網を占拠していく。 (12)
「ううっ・・・・くっ・・・・ひ、卑怯者・・・・ッ!!」
露骨極まるセクハラ行為を受けて、切歯扼腕する優子。
・・・・だが、鼻腔から吸い込んだ妖しい分泌液の成分が呼気と共に気道を滑り降り、呼吸器を満たしていくにつれ、
彼女の表情は、一転して、困惑の色を帯び始めた。
(ひゃううッ!?な、なに・・・・苦しい・・・・お腹が・・・・どうしてッ!?)
今や襤褸切れ同然のプリーツ・スカートをかろうじて繋ぎ留めている、傷だらけのベル
ト・・・・その丁度真下、下腹部のあたりに、冷たい感触が急速に充満していく。
<夢幻界>の加護を享けて戦っている間はその種の問題とは無縁でいられたために、久しく覚える事の無かった感覚
――――だが、<現実界>の一少女だった時分には、(当然)ごく日常的に慣れ親しんできた、
生理的現象・・・・すなわち、尿意。
「うううっ・・・・おしっこ・・・・も、漏れちゃう!!ダ、ダメよッ・・・・こんな場所でェッ!!」
お腹の上で重石でも乗せられたかのような圧迫感
・・・・我知らず、額に汗が滲み、視線が宙を泳いだ。
反射的に両脚を捩り合せ、放出欲求を堪えようとする蒼髪の少女だったが、
意識しまいと足掻けば足掻く程、逆に膀胱への圧力が強まってしまう。 (13)
「ど、どうしたの、優子ッ!?し、しっかりして下さいッ!!」
生まれつき、排泄という行為には無縁である<夢幻界>人のヴァルナが、狼狽しつつ声を発した。
無論、プラチナ・ブロンドの魔道士は、ニヤニヤと下卑た笑いを浮かべつつ、怒りと羞恥にカオを赤らめた蒼髪の少女を眺めている。
二人の視線の先で、しなやかな腹筋がピクピクと痙攣し、美しい逆三角形を描くビキニ・ラインがザワザワと粟立っていった。
「あ、あううッ・・・・ア、アイザード・・・・あなたって人は・・・・何処まで卑劣なのッ!?」
下半身の切迫感を必死に堪え、声を振り絞る優子。
だが、限りなく強い非難の込められた言葉の調子とは裏腹に、その声音は今にも消え入りそうな程弱々しい。
無論、詰られた青年魔道士は、痛くも痒くもない様子で、ククッ、と鼻で笑い飛ばすと、
急に何かを思い付いたらしく、(残念ながら、音までは再現出来なかったらしいが)ホログラムの指先を使って、パチン、と指を鳴らす仕草をした。
――――次の瞬間、触手の群れが一斉に動き出し、
囚われの<戦士>の両腕を、バンザイのポーズに引き摺り上げ、同じく両脚をMの字型に開脚させて、
背面座位の体位・・・・否、この場合は、まるで幼子が親に手伝って貰いながら用を足す時のような、恥ずかし過ぎる姿勢と言い直した方が妥当だった・・・・を強要する。 (14)
「うっ・・・・くううッ!!なんて・・・・ひ、卑怯・・・・なッ・・・・!!」
屈辱的な体位を強制された口惜しさ故だろう、
蒼髪の少女の声は完全に引き攣っている。
だが、目の前に佇む魔道士の悪趣味な思いつきは、まだ終わりでは無かった。
股関節が許容するギリギリの位置まで、恥ずかしすぎる体勢を強いられつつ、
前方へと突き出されている、乙女の最も大切な場所
・・・・今や、それを覆い隠す唯一無二の存在となった、プリーツ・スカートの切れ端に、
数本の触腕が絡み付き、一斉に引っ張り始める。
ビリィイイイイイッッッ!!!!
既に、少女の身体を覆う<ヴァリスの鎧>は、度重なる戦闘と凌辱によって幾度と無くダメージを受けた上、
エネルギーの枯渇によって自動修復能力すら機能しなくなっている。
防具としては勿論、単なる衣服としての機能すら殆ど喪失していたスカートは、
短い断末魔の悲鳴を上げて、いとも簡単に引き裂かれてしまった。
ちなみに、覆い布の下にあるべき下穿きは、
アイザードによって肉体を奪われる直前、<封じられし魔>が最後の意志を振り絞って行った報復行為によって破り取られたまま、再生出来ずにいる
――――つまるところ、今現在、彼女の禁断の花園は、一糸まとわぬ無防備状態に置かれている、と言って良かった。 (15)
「あうっ・・・・い、いや・・・・み、見ないでェ・・・・」
屈辱感に加え、羞恥心までもが圧し掛かり、我慢の限界を突破してしまったのだろう、
思わず、口惜し涙を浮かべてしまう、蒼髪の少女。
生白い股間を控え目に飾る、未だ殆ど縮れを生じていない若草の茂りを、生暖かい微風がやわやわとそよがせた。
肉蕾を開花しかけている上つきの大陰唇の底部に見え隠れするのは、
先端部を尖らせた魚のくちばしを連想させる形状の排泄器官――――尿道口。
キリキリと出入り口を食いしばっている肉突起は、
プルプルと震え慄きつつも内部からの水圧に良く堪えていたが、とうに限界に達しているのは明白だった。
『フフッ、ヴァルナ、よく見てみたまえ。これが、放尿、という行為たよ。
肉体機能を維持するためのエネルギーや栄養分を、食物や水分の摂取によって体内に取り込む必要のない、
君達<夢幻界>人の感覚にはちょっと理解し難い行為かもしれないが』
愉快そうなアイザードの説明に続いて、ヴァルナを拘束していた触手群が、彼女もろとも、優子の正面へと移動する。
のみならず、銀髪少女に目の前の<ヴァリスの戦士>と同じポーズを取らせると、
あろうコトか、先刻、彼女に対して行ったのと同様、排泄欲求を刺激するフェロモンを含む分泌液を強制的に吸引させた。 (16)
「ふがっ・・・・な、何ッ・・・・この感覚っ?お腹が張って・・・・ふひぁあッ!?」
生まれてこの方感じた事の無い感触に戸惑いの表情を浮かべる、<夢幻界>の王女。
排泄という生理現象自体に馴染みが無いため、今、自分が置かれている状況がどのようなものか?今一つ把握できかねている様子ではあったが、
それでも、(<現実界>の常識では)何か途轍もなく恥ずかしい行為とされている行いを強要されているのだけは理解出来たのだろう、
優子に向かって、一体どうしたら良いのか?と、必死に問いかける。
「ダ、ダメよッ!!身を任せてはダメッ!!た、堪えて・・・・我慢してッ!!」
叫び返した蒼髪の少女だったが、
ヴァルナの痴態を眼前に見せつけられたせいだろう、彼女自身の抵抗は急速に衰えつつあった。
最初はゆっくりと、次第にストローク間隔を縮めながら、カクン、カクン、と腰が跳ね躍り、
時折、瞬間的に緩んだ窄まりの隙間から、ごくごく少量の飛沫が、ピュッ、ピュッ、と飛び出してしまう。
「ふあぁあッ!?が、我慢って、一体、どうやれば・・・・はぁうううッ!!」
僅か数メートルの距離を隔ててた先では、
未知の感覚に侵蝕されつつある<夢幻界>の少女が素っ頓狂な悲鳴を発し続けていた。
滑稽な姿ではあるが、今まで排泄という行為をした事の無い人間に向かって、
人前で粗相をするな、我慢しろ、などと言った所で、具体的なやり方など分かる筈が無い。
オロオロしている間に、膀胱内に溜まった水分は呆気無く限界を突破してしまい、
純白のショーツを穿いたままの股間――――優子と違い、彼女は<封印されし魔>からの直接的な性的暴行には曝されていない――――から、
微かにアンモニアの刺激臭を漂わせる黄色い液体を、勢い良く迸らせてしまう。 (17)
「あひぃいいいッ!!ひゃ、ひゃめて・・・・誰か、これを止めてェッッッ!!」
湯気を立てる聖水が、純白のショーツを、瞬く間に黄色く染め抜き、小さな滝となって流れ落ちていった。
下半身を席巻する未知の快感に、蕩けた表情を浮かべながら全身を脱力させる、銀髪の魔道士
限りなく無様でありつつ、何とも形容し難い艶めかしさを帯びた、その甘美な悲鳴が、
もう一人の少女の耳朶の奥で響き渡り、致命の刃となって、崩れかかっていた抵抗の意志にトドメを刺す。
「ひっく・・・・わ、わたしも・・・・もう・・・・ら、らめぇえッ!!
へはぁああッ・・・・ガマンできないッ!!漏れる、漏れひゃうううッ!!」
必死に欲求を押し殺し、堪え続けてきた優子の哀切過ぎる最後の叫び・・・・。
不自由な形に拘束された手足がビュクビュクと痙攣し、
限界まで膨張し切った膀胱が、ぶじゅるッ!と惨めな音を立てて決壊する。
最低最悪の恥辱に、声を失った絶叫を放ち上げ、そして・・・・。 (18)
ビシャアアアア・・・・ッ!!!!ジョロロロロ――――ッ!!!!
ヴァルナと異なり、覆い隠す下着とて無い、剥き出しの尿道口から見事な黄金色のアーチが噴出する。
カラダの芯で熱く煮え滾っていた欲情が、解き放たれたヨロコビによって一気に爆ぜ、歓喜の叫びを放った。
憎んで余りある宿敵の目の前で失禁してしまった敗北感と無力感は勿論、
友であり同志であり同じ魂を分かち合った姉妹とも云うべき存在と連れ立って、ブザマ過ぎる痴態を晒している己れへの禁忌感と背徳感が、
壊れかけた心の内奥で混然一体となり、めくるめく被虐の官能と化して開花を迎える。
「はぁっ、はぁっ・・・・んく・・・・ぁふ・・・・ふはぁあぁっ・・・・」
長い長い放尿がやっと終わった時、
蒼髪の少女は、精も根も尽き果てたカオで、甘やかな余韻に浸っていた。
焦点の合わない視線の向こうでは、意識の途切れた<夢幻界>の王女が、同様に忘我の境地を彷徨っている。
優子自身も、カラダの中が空っぽになったかのような虚脱感に襲われて、今にも昏倒してしまいそうだった。
だが、プラチナブロンドの魔道士は、ヴァルナには与えた束の間の休息すら彼女には許そうとはせず、尚も執拗な言葉責めを繰り出してくる。 (19)
『・・・・どう、こんな浅ましい姿を晒しても、まだ世界を救うつもりかい?可愛い戦士さん』
「ううっ・・・・くぅ・・・・」
『まぁ、万に一つ、未だ抵抗の意志が残っていたとしても、だ・・・・
<ファンタズム・ジュエリー>を無くした今、キミがどんなにけなげに立ち向かってきたところで、
私の指一本分の力さえ発揮出来はしないだろうけどね・・・・』
何か、私の話に間違っているトコロはあるかな?
――――と、冷ややかな口調で、敗残の<戦士>の耳元に囁きかける、アイザード。
力なく、俯いたままの少女は、しばらくの間、黙りこくっていたのだが。 (20)
次の瞬間――――彼女の右手
・・・・血と汗が浸み込んだ小さな布切れが巻き付けられた、右手が、ヒクン、と脈を打つ。 (21)
「・・・・確かに・・・・もう何も無いかもしれない・・・・でも・・・・。
・・・・でも、わたしは・・・・あの時・・・・麗子に約束したのよ・・・・」
うすほんやりとしていた双眸に、微かな火が灯った。
ほんの僅かばかりの・・・・だが、決して弱々しくは無い、光を前にして、
アイザードの形の良い眉根が、初めて、むぅっ、と怪訝そうに寄せられる。
『麗子、だと?』
「そう・・・・"全部、わたしが背負うから"って・・・・」
力を失って弛緩しきっていた表情が、ゆっくりと精彩を取り戻していく。
驚愕の感情にとらわれ、無意識のうちに、一歩、後ずさるプラチナ・ブロンドの青年。
蒼髪の少女は、小さく微笑みながら、誰に語りかけるでもなく、独白を続ける。
「麗子は、言ってくれたわ・・・"前に進んで"って・・・・。
ふふっ、そうよね・・・・わたしに出来るコトなんて、それぐらいだよね・・・・」
『・・・・・・・・』 (22)
『な、何故だ・・・・?』
今や、魔道士の相貌には、はっきりと狼狽が見て取れた。
・・・・否、そればかりか、目の前で起きている事態が信じられない、とでも言いたげに、
何度もかぶりを振りつつ、さかんに両目を瞬かせる。
『どうして・・・・そんなカオが出来る?
この期に及んで、何故、そんなに穏やかに笑っていられるんだッ!?』
「だって・・・・わたしは、まだこうやって・・・・守り続けるコトが出来るんだもの・・・・。
世界を救う、なんて大それたコトじゃなくて
・・・・麗子との約束を守るっていう、ささやかな・・・・だけど、一番大事なコトを・・・・」
『・・・・な、何ィ・・・・ッ!!』
次の瞬間、ホログラムが盛大にひしゃげ、立体映像全体が、グシャリ、と形を失った。
たっぷり一呼吸分の間を置いて、再構成されたホログラムは、
今まで一度も目にした経験の無い、憤怒を煮え滾らせ、
さながら地獄絵に描かれた、魔性の獄卒のような形相を浮かべている。 (23)
『おのれ・・・・あくまで、私に・・・・
サザーランドの魔道装置の中にひしめく無数の魂の一つにすぎなかったお前を選び出しヒトの形をくれてやった、
云わば、生みの親たる私に、刃向う、というんだな・・・・?
・・・・フン、どうやら、私は、またしても、キミの意志の力を見くびってしまったらしい・・・・』
――――その誤りだけは認めてやろう、
そう、吐き捨てるように呟くと、青年魔道士はどす黒い憎悪の宿る眼差しで優子を睨めつけた。
怒りの深さを物語るかの如く、ホログラムの末端部が、ピクッ、ピクッ、と震え、映像全体がハレーションを起こしている。
かろうじて、声だけは冷静さを保っていたが、
口調には、全てが自分の思い通りに運ばない現状への悔しさとそれによってもたらされた、隠し切れない苛立ちが籠っていた。
『・・・・だが、もはや一切の容赦はしないッ!!
どんな手を使ってでも、貴様の意志をへし折り、跪かせてやるッ!!
新たな神となったこの私を拒んだ罪を、徹底的に思い知らせてやるからなァッ!!』 (24)
『まずは、こうだッ!!』
やおら、長衣の袖をはためかせると、
アイザードは、背後・・・・外界の情況を映し出している魔道スクリーンを振り返った。
モニター画像の中では、あたかも優子の意志が乗り移ったかの如く、
恐るべき攻撃を受けてなお、屈伏を良しとしない<ヴァリスの戦士>の一群が、
隊伍を整え、白刃を煌めかせ、倒れた仲間たちの躯を踏み越えて、巨神の許へと攻め寄せようとしている。
『どいつもこいつも、サザーランドで飼ってやった恩を忘れたのかッ!!
ええい、私に楯突く愚かさを分からせてやる――――<アースクエイク>ッ!!!!』
魔道士の叫び声と共に、暗がりに閉ざされていた空間内が、
突如として、まばゆい光・・・・<ファンタズム・ジュエリー>の発する純白の輝きに包まれる。
何百、いや、何千ものカメラからフラッシュの放列を浴びせられたかのような強烈な閃光を受けて、思わず、両目をつぶる蒼髪の少女。
その直後、彼女の耳朶を、大地が鳴動し引き裂かれる、凄まじい地鳴りの音と無数の人間たちが発する断末魔の絶叫が激しく打ち叩いた。 (25)
『フハハハッ!!どうだ、思い知ったか、恩知らずの反逆者共めッ!!
・・・・おっと、折角のショーなのに、だんまりを決め込むのはやめて欲しいなァ。
立派な特等席を用意してあげたんだから、せいぜい楽しんでもらわないとねッ!!』
嘲笑を浴びせられ、不承不承、瞼を開ける、蒼髪の少女。
視野を覆い尽くしていた強烈な輝光は幾分エネルギーを減じていた。
何とか焦点を結ぶのに成功した優子の双眸がとらえたのは、
<暗黒界>の大地を司る精霊力・・・・暗黒五邪神ガイーダの力によって完全に鋤き返され、風景を一変させた荒野、
そして、そこかしこに横たわる、無数の<戦士>たちの姿・・・・。
「ひ、非道い・・・・みんな・・・・!!」
『フン、非道い、だと?・・・・いやいや、これはまだ序の口に過ぎないよ。
彼女たちには、もっともっと入念に、私に刃向った代償を支払って貰う必要があるからねェッ!!』
憎々しげに言い放つと、プラチナ・ブロンドの魔人はスクリーンに向かって何事かを念じた。
被写体が切り替わり、漆黒の巨人の胸元が開口して、
内部から、先刻、優子とヴァルナを拘束したのと同じ形状の触手の大群が吐き出される様子が画面へと映し出される。
無論、ターゲットは、<アース・クエイク>の直撃を受けて、動く事もままならずにいる、哀れな少女たち
・・・・ただし、今回、彼らに与えられた命令は、手足を拘束し、カラダの自由を奪い取れ、などという、中途半端なものでは有り得なかった。 (26)
「ヒィッ!!」「あうッ!!」「な、何だッ!?」
「ヨ、ヨロイが・・・・<ヴァリスの鎧>がッ!!」「ダ、ダメェッ!!」
岩場のあちこちから、<戦士>たちの悲鳴が響き渡る。
邪神の腹から伸びる、数え切れぬほどの触腕は、先端部に矢尻のような突起が生えていた。
無抵抗な両手両脚に絡み付き、動きを封じるのに成功した彼らは、
続いて、聖なる甲冑の弱点・・・・黄金色に光り輝く胸甲の接合部分に嵌め込まれている深紅の宝玉に、
忌まわしい突起を押し付けると、そのまま、鋭利な刃先をドリルよろしく回転させて、
<ヴァリス・オア>の結晶体をガラス玉か何かの如く、いとも簡単に割り砕いてしまった。
「はあぁあ・・・・な、何、コレ・・・・!?」
「・・・・な、何故ッ?いったい、何がどうなってるのッ!?」
深紅の宝石が無残に砕け散ると同時に、
少女たちの無垢なる肉体を包んでいた<夢幻界>の防具は砂糖細工のように粉々になってしまう。
だが、恐るべき槍先によって胸元を貫かれつつもなお、彼女たちは生きていた・・・・否、生かされ続けていた。
標的の体躰を刺突した瞬間、触手の胴は物質としての実体を失って、
物体と霊体の境界線上にある、ぼんやりとしたエクトプラズム状態へと変化していた。
当然、五臓六腑をはじめとする身体器官の損傷など一切無く、傷口からは血の一滴すら流れ落ちてはいない。
――――だが、彼女たちは、すぐに気付く事になる。
串刺しにされてなお、自分達が生き長らえている理由・・・・そして、それを命じたアイザードの真意に。 (27)
「ああっ・・・・な、何・・・・体が動かない・・・・!?」
「ち、力が・・・・抜ける・・・・吸い取られていく・・・・!!」
半霊体の肉槍に貫かれた少女たちから漏れる、絶望の呻き声。
黄金の甲冑を喪失し、ヴァリアの加護も届かなくなってしまってなお、
田楽刺しにされた彼女たちが生命を繋いでいられるのは、
アイザードにただちに生命を奪うつもりが無かったからに過ぎない。
勿論、自らを新たなる神と称する青年にとって、
彼女たちは、嫌悪すべき旧世界の遺物であり、地べたを這いずる醜い害虫同然の存在に過ぎず、
最終的に生かしておくつもりなど毛頭無い。
だが、その一方で、捕囚たちの肉体に宿る<ヴァリス>のパワーは忘れ去るには魅力的すぎた。
一人分のエネルギー量はたかが知れているが、
生き残った全ての<戦士>の力を収奪できれば、<ジュエリー>の生成も随分と捗るに違いない・・・・
それが、彼女たちを(ひとまずは)助命した、理由の第一だった。 (28)
――――加えて、理由は、もう一つ存在している。
「くっ・・・・アイザード・・・・わたしに屈服を強いるために、みんなを・・・・!!」
スクリーンに映し出される惨劇の数々を、悔し涙を浮かべつつ見つめ続ける優子。
きつく引き結ばれた口元は無念さを噛み締め、
徐々に生命力を吸われ、緩慢なる死への道を強制的に歩まされ続けている同胞に対する、慙愧の想いに打ち震えている。
卑劣極まりないやり方で屈伏を強いる魔道士への怒りは、
同時に、深い絶望と無力感・・・・<ヴェカンタ>の黒い炎となって、自分自身をも焼き焦がしていく。
(ごめんなさい・・・わたしの力が足りなかったばかりに、皆をこんな目に遭わせてしまって・・・・)
みすみす、相手の術策にはまるだけだ、と分かっていても、
木霊する叫び声を耳にし、死への恐怖に歪む表情を目にするたび、
心の中では、強い自責の念と共に、負の感情がどうしようもなく高まっていく。
・・・・その様子を眺めやり、くつくつと陰惨な笑いを漏らしながら、
邪悪の権化と化した青年は、更なる残酷なアイデアを思い付き、即座に実行に移すのだった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています