須賀くんと二人きりの部室で暫く。
須賀くんがやけに静かだなと思っていたら、眠ってしまっていました。
全く、と呆れたポーズをしながら須賀くんに歩み寄った私は、彼の手から滑り落ちていたスマートフォンを拾い上げると、恐る恐る開いて見ます。
悪いことだと分かっていても、止められません。
……そこにあったのは、須賀くんが阿知賀の玄さんと宥さんの二人と腕を組んでいる写真。
満面の笑みの三人が、そこにいました。

………どうしたことでしょうか。
私は何とも言えない不快感に襲われ、深く嘆息をつきました。
須賀くんをフッたのは確かに私です。
ですが、フラレて半年も経たないうちに、新しい相手を見つけるのはやりすぎじゃあないでしょうか?
諦めずにアタックしてはくれないのでしょうか?
今なら、きっと笑顔で受け入れて、須賀くんだけの女にしてほしいと言い切れるのに。
…自分がどんな顔をしているのか、私は分かりませんでした。
ただ、部室内に鍵があって、内側から鍵を閉めてしまえば誰も入っては来れないことを確認して、鍵をかけました。

須賀くんを揺さぶると、彼はあっさりと目を覚まし、そして慌てふためきました。
まぁ、私だって目を覚まして目の前にいるのが全裸の異性なら、同じような反応をします。

「ちょ、和!?なんで裸なんだ!?制服は!?」
「須賀くん、恋人が欲しいんですよね」
「あ、いや、それは……」

須賀くんに抱き着くと、優しく抱き止められました。

「優希や咲さんにはおもちはありませんよ?」

親友二人を引き合いに出した私は、きっと卑怯ものでしょう。
ですが………。