教育熱心な母親が、自慢の息子と娘をそれぞれサッカー選手やバレリーナとして成功させるため、
禁断の呪術を使って、目障りなライバルになりそうな他所のサッカー少年とバレエ少女の首を挿げ替えてしまう。

サッカー少年は首から下がバレエ少女のものとなったせいで、サッカー選手という将来の夢が断たれてしまうが、
幼い頃からバレエの訓練を受けてきた少女の体のバネのおかげで新たな才能を得て、サッカー少女として活躍するようになる。

バレエ少女は首から下がサッカー少年のものとなったせいで、バレリーナの夢が断たれてしまった上に、
バレエそのものが女性向けとされているおかげで習う事のできる場所が少なくなり、加えて体のバネも失われたため、
バレエを続けることそのものが困難になるが、それでも諦め切れず、男性バレエダンサー(バレリーノ)になるため、
人一倍努力するようになる。

そして時は流れ、母親の自慢の息子はプロサッカーチームから目を付けられるくらいの将来有望な高校サッカー選手となり、
自慢の娘は将来プリマドンナになる事を確実視されている天才バレエ少女となった。

ある日高校の練習試合があり、強豪男子サッカー部と名門女子高サッカー部の対戦が行われ、
名門女子高サッカー部のキャプテンは、あのサッカー少女だった。
そして結果は何と、女子高サッカー部の勝利に終わった。
その試合を見ていた母親は、サッカー少女の名前や顔などとっくに忘れ、息子のチームの敗北もたかが練習試合と軽く見ていたが、
当の息子は相手チームのキャプテンの実力をまざまざと見せつけられ、完全に心が折れてしまい、それが原因でサッカーを止める事となる。
そして、プロサッカーチームのエージェントも試合をしっかり見ており、サッカー少女は女子プロサッカーチームにスカウトされる事となる。

その後、高校生バレエの発表会で、天才バレエ少女と元バレエ少女の男子高校生が出会い、互いにバレエの腕前を見せ合う事となるが、
男子高校生の華麗なダンスに天才バレエ少女は心を打たれ、彼のパートナーとして一緒にバレエを踊りたいと夢見るようになる。
そして、将来2人は結ばれる事となり、元バレエ少女の男性は天才バレリーノとして世界中で名を馳せるようになり、
天才バレエ少女はプリマドンナの夢は叶わなかったものの、パートナーとして踊る夢は実現し、結婚後は引退する。

ちなみに、挫折してサッカーを諦めた息子は後にニートとなるが、自分を負かしたサッカー少女にベタ惚れしてしまい、
一念発起して司法試験に合格した後、女子プロサッカー選手となった元サッカー少年に結婚を申し込み、粘り強いアタックの末、
見事ゴールインし、弁護士兼女子プロサッカー選手のヒモとなる。

息子と娘の結婚式を見届けた母親は、子育てが一段落付いた事で暇になり、息子と娘のアルバムを見て過ごす日々が続くが、
ある日、昔の写真に見覚えのある少年と少女が映っている事に気付き、それらが息子の嫁と、娘の夫のそれぞれにそっくりであり、
昔呪いで首を挿げ替えた子供達と同一人物であると理解してしまった事で彼女は発狂し、痴呆老人と認定され山奥の病院に隔離される。

おわり。