100倍…ただでさえ無敵なスーパーガールの、更に100倍強いって…なんだか想像がつかない。
 …って、あれ?
 「…綾門さん、戦車は?」
 あれだけ巨大だった戦車が見当たらない。
 確かに綾門さんが少しづつ小さくしていったはずだけど…
 疑問に思う僕に、綾門さんはちょっと悪戯っぽく微笑んだ。
 「…更級君に問題…。戦車はどこだと…思う?」
 そう言って、綾門さんは両腕を腰に当てて僕を見下ろしてきた。
 探してみろってことなんだろうけど…でもあの巨大だった戦車がどこに…
 普通に考えれば、戦車を隠すなんて出来るはずはないんだけど、僕の目の前にいるのはスーパーガールを軽々と凌駕する存在なわけで…だったらもしかして…
 「綾門さん、少し前屈みになってもらっていいかな?」
 まさかとは思いつつも、物を隠している可能性が一番ありそうなその深い胸の谷間を見るために、綾門さんにお願いしてみた。
 …いや、決してただ単に胸の谷間を見たかったわけじゃないですよ?
 でも、そんな僕の予想はどうやら当たっていたようだった。
 綾門さんはちょっとわざとらしく困ったような、それでいて嬉しそうな表情を浮かべると、
 「…ちょっと…待って…」
 そう言って自分の爆乳に両手を添え、
 ムギュムギュムギュ…
 その爆乳をゆっさゆっさと上下に動かすと、その中から何かが押し潰される音が聞こえた。
 更に綾門さんは、両腕で爆乳をグイッと持ち上げると、自分の顔をその爆乳の中に埋めてしまった。
 あまりに巨大すぎる爆乳による、セルフぱふぱふ。
 改めて、成長した綾門さんの胸の巨大さに、僕はただただ驚かされてしまう。
 「…んっ…」
 そして顔を上げた綾門さんの口元には、銀色に光る小さなビスケットのような物が見えた。
 え?もしかして、あれが……
 「あ、綾門さん、今咥えてたの!」
 もぐもぐもぐ…
 そんな僕の言葉などお構いなしに、綾門さんはもごもごと口元を動かして、
 ごっくんっ
 「…どうしたの、更級君?」
 綾門さんはいかにもわざとらしく、無表情になりながら可愛く小首を傾げて見せた。
 ああ…証拠隠滅されてしまった。
 がっくりとした僕を見て、綾門さんは今度はなんだか嬉しそうに笑顔を浮かべて僕を見ている。
 「…くすっ、更級君、私にしかできない破壊方法…どうだった?今の私には…大きな戦車も小さなビスケットと…変わらないよ…」
 確かに200tはある戦車を、最後はビスケット感覚で食べてしまうなんて…こんなこと綾門さんにしかできないだろう。
 そんな、あまりに強くて、あまりに可愛いスーパーガールな彼女に僕はゆっくりと近づくと、力の限り抱きしめた。
 「さ、更級君!?」
 急に抱きしめられ、さっきまで微笑んでいた綾門さんは驚いたような声を上げた。
 どんなに凄まじく成長しても、やっぱり綾門さんは攻められると弱いんだなぁ…
 「綾門さん、やっぱりすごいね…こんな可愛くて無敵な女の子が僕の彼女だなんて…信じられないよ…」
 彼女の凄さに、僕はただただ抱きしめる事しかできなかった。
 そんな僕を、綾門さんもその大きな身体で優しく抱き返してきた。
 巨大な爆乳が、僕の顔を軽々と埋めてしまう。
 「…更級君…こんな私のを彼女にしてもらえるなんて…自分でも信じられない…よ…。ううん…彼女じゃなくても…メイドさんでも…奴隷だっていいから…更級君の側にいられるなら…私、なんだってするよ…。
どんなお願いだって…この力で叶えてあげる…。更級君を困らせるものがあったら塵一つ残さないで消滅させるし…世界が欲しいっていうならすぐに征服してプレゼントするし…それどころか今の私なら…宇宙だって征服しちゃうよ…」
 抱きしめられた状態から無理やり顔を上げると、潤んだ瞳で綾門さんが見下ろしている。
 「綾門さん…僕の一番のお願いは…ずっと一緒にいて欲しいことだよ…」
 僕は、そんな無敵な彼女の頭にどうにか腕を伸ばして顔を下げてもらえるようにすると…ゆっくりと唇を重ねた。