【その18】
「発想を変えてみるんだ。今のおじさんになにが受けるか……より、
“女子中高生がかわいくなるためになにが必要か”と考えるんだ。
 そうすりゃ、きっと今の『ステラ』にぴったりな企画が思いつくだろうさ。
 なんなら、昔の『ステラ』を見返して、その企画を練り直したっていい」
「そうか! それでいいんだ! ありがとうございます、高柳さん!」
水無月は、体中に電流が走るような衝撃を受けた。
青い鳥の寓話ではないが、企画の鉱脈は身近なところにあったのだ。
まずは、過去のバックナンバーとアンケート結果を読み返し、
人気が高かった企画を現代にマッチしたものに作り変えればいい。
そう考えたら、彼女は急に気分が気分が楽になった。
「それでは、私は編集部に戻りますね!」
失礼しますと頭を下げつつ、水無月はタブレットをひっつかむように駆けだしていった。
「あいつも、いい編集者になったじゃないか」
店を出ていく水無月の姿を見ながら、満足そうに微笑む高柳。
そんな彼女のファッションは、サッカー日本代表のレプリカユニフォームに、
太腿の半ばから下が露出したハーフパンツ。
そしてベリーショートの域を超え、五厘刈りにしたヘアスタイル……。
もちろん、化粧はリップクリームのひとつもしていない。
そう、彼女はファッション誌の編集者らしく、
20代後半から30代前半の女性に流行の兆しを見せている最新スタイル、
いわゆる“DSファッション”を完璧に着こなしていた。