ガンダムヒロインズMARK ]Y [無断転載禁止]©bbspink.com
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0001名無しさん@ピンキー2016/02/13(土) 12:36:34.15ID:P5MOE7O9
語るも良し!エロパロ書くも良し!
ガンダムの娘ッ子どもで妄想が膨らむ奴は集え!

ガンダム以外の富野作品やGジェネ、ガンダムの世界観を使った二次創作もとりあえず可!
で、SSは随時絶賛募集中!

■前スレ
ガンダムヒロインズ MARK ]X
http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1385961055/

■関連スレ
ガンダムビルドファイターズでエロパロ
http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1381888018/
0161名無しさん@ピンキー2017/06/17(土) 18:56:30.41ID:y94ozgDU
>>159
よくわからんが、このスレって荒廃してるの?
とりあえず定期的な投下はあるようだが
0162名無しさん@ピンキー2017/06/20(火) 16:49:22.70ID:hCImE1Ki
現状は投下してくれるのが>>158さんだけの過疎スレ
最近はほぼないけど以前はもっと昔に投下してくれてた
ISAPさんて人を引き合いに出して>>158さんを腐す奴がいただけ
0163名無しさん@ピンキー2017/07/22(土) 06:54:45.50ID:OGTg/epW
髪コキください
ルールカの髪コキください
0164名無しさん@ピンキー2017/07/25(火) 06:14:33.22ID:RAp4laex
https://youtu.be/89dPkOm-t1Y
大阪日本橋オタロード【ガンダム】コスプレ野郎
0166フェニックステイル第26話後編投下終了2017/08/13(日) 19:07:04.66ID:T9VPRf8x
『兄貴! このドラッツェの奴、まだ生きとるでっ!』
『ほんまかイーデン!』
 闇の戦場。戦死者たちの呼び声が今もさざめく古戦場、かつて宇宙要塞ソロモンと呼ばれた宙域の片隅に光が瞬く。
 外部操作。コクピットハッチ強制開放。
 傷ついた機体でひとり漂流していた自分に差し伸べられた、ジオン軍パイロットスーツの逞しい大きな手。バイザー越しに霞んで見えた、髭をたくわえた力強い笑顔。
『み、味方か……。助けて、くれたんか……?』
『坊主、もう大丈夫やで。機体の方も――、まあ、すぐに誘爆はせえへんやろ。……動けるか?』
 応急手当と応急修理。
 かろうじて動けるようになったMS-21C《ドラッツェ》がMS-06F《ザクU》とMS-09R《リック・ドム》に導かれながら動き出したとき、彼らは遠く離れたソロモンに広がる巨大な核爆発の閃光を見た。
『なんや、あの光!?』
『あ、ああ……! ガトー少佐……さ、作戦の第一段階が……あかん。もう艦隊が、転進してまう……! 今なら……いま行けば……いま行けばまだ、『星の屑』に間に合う!
 フリートの皆と一緒に、連邦に一太刀浴びせられる……! おっちゃん、おおきに! ワシは行くで!!』
『このアホッ!!』
『ぐっ!?』
 急加速しようとした瞬間、鈍い衝撃が傷ついた体にまで突き抜ける。ザクUがドラッツェへ組み付くようにして止めていた。
『お前みたいな死にかけ坊主がっ、そないボロボロな機体と身体で何するつもりや! デラーズの旦那がこのうえ何するつもりか知らんけどなっ、こんだけ派手にやらかしてもうた後や、連邦軍はここから本気で殺しに来るで!
 そないな鉄火場へ、坊主みたいなくたばり損ないが今から行っても、ただ犬死にに行くだけやぞ!!』
『せ、せやけどっ。今……今戦わな、もう連邦は倒せへん! ここで……ここで戦わんかったら……死なへんかったら……ワシは、……ワシは今まで、何のために――』
『覚えとけ坊主ッ!』
 ザクUの両手がドラッツェの両肩を握って止める。モノアイの光がモニター越しに真正面から瞳を射貫いた。
『ええか。死ぬことが戦いなんとちゃう! どんなキツうてもな、苦しゅうてもな――生きることが、最後の瞬間まで生き抜くことが戦いやねん!!
 その戦いの意味が、今の坊主にはまだ分からちゅうんなら……坊主のその命、……ワシが預かるっ!!』
『兄貴! それは!?』
『ええのや! イーデン、ええのや!!』
 言を半ばで制止しようとしたリック・ドムのパイロットを振り切り、ザクUのパイロットは思いをそのまま吐き出していく。
『もうな、ワシは……ワシはもう、沢山やねん。こんな坊主が、わざわざ好んで死にに行くような……そんなんはな、もう、ええねん。三年前に、終わっとるねん……死ぬための戦争は……もう、終まいや』
「――おっちゃん……?」
 自機の両肩を握りしめたザクUのマニピュレーター越しに、接触回線とモノアイカメラに映る装甲板の向こうで、微かに震える嗚咽の影を、そのとき確かに感じた。
 同時に警報が鳴り響く。レーダーが迫る多数の機影を捉える。コンペイトウ方面から、怒濤のごとく押し寄せるMS隊――艦隊を焼き払われ、復讐の怒りに燃える連邦軍MS隊だ。まともに戦えるような数ではない。
「…………」
 今あそこに飛び込めば、確実に死ねるだろう。うまくやれば、一機や二機は道連れに出来るかもしれない。
 その方向へメインスラスターのスロットルを開こうとしたとき、再び衝撃がドラッツェの機体を揺らした。
 ドラッツェに右手はない。整備所要が大きい脚部とともに右前腕部は省略され、40ミリ固定機関砲に置き換えられている。原型機であるザクUF2型同様に残っているのは左手だけで、ザクUがその左手を掴んでいた。力強く。
0167フェニックステイル第27話2017/08/13(日) 19:09:05.01ID:T9VPRf8x
『来い! ワシらと! 戦え! 生きるために!! イーデン!!』
『応!!』
 リック・ドムが二門のジャイアント・バズを両肩に構える。迫り来るジム改の編隊を目掛けて、矢継ぎ早に380ミリ砲弾を叩き込んだ。
 すべてを呑むほどの巨大な閃光が爆ぜた。つい今し方、核の炎が要塞外縁と受閲艦隊を焼いたばかりだ。すわ第二の核攻撃か、と連邦軍MS隊が怯んで編隊を乱す。
『やかましいわおんどりゃあ!!』
 先陣を切って突撃したRGM-79N《ジム・カスタム》が、照明弾の閃光の中から頭部を蹴り潰されて吹っ飛んだ。
『今や! 撃ちまくれ!! 退けや雑魚どもおおお!!』
『いでもうたるどごるぁぁぁ!!』
 文字通りにジム・カスタムを蹴散らしながら、ザクUに続いた二機は薄れゆく閃光の中で無茶苦茶に乱射した。
 ジム・カスタムは頭部を潰されながらも、それでも盾でザクUの胴を殴りつけた。だが半端な打突は撃力が足りず、盾の爪部も装甲を破れない。逆にザクU左肩のスパイクアーマーを食らって、機体ごと跳ね飛ばされた。
 隊長機の頭部を潰されて混乱する連邦軍のRGM-79C《ジム改》が90ミリのジム・マシンガンで、これまたデタラメに応射してくる。
 だが三機は一気に敵陣へ突き刺さっていた。連邦軍の応射は数発がジオン機を掠めてその装甲板を穿ったが、それとほぼ同じ弾数が取り囲む友軍機へと突き刺さっていた。それだけで数機が損傷し、後方へ沈んで戦列を離れる。
『アホが見るぅぅぅ、豚のケツぅぅぅぅぅッ!!』
 指揮系統の混乱と同士討ちに怯んだ連邦軍MS隊のただ中を突き抜けて、三機は暗礁宙域を全速力で突破していく。
 編隊にスナイパータイプのジムがいたらしく、数発のビームが機体の真横を追い抜いて掠めた。回避が一瞬遅れれば爆散していただろう。
 ビームの追撃もやがて途切れ、追いすがる熱源も消えた。助かったのか――誰もがそう思いかけたとき、ザクUが不意にガクンと速度を落とした。編隊から脱落していく。
「なっ!?」
『あ、兄貴!?』
『――アカンな、これは。どうも、さっきの打たれ所がアカンかったらしいわ』
 連邦軍が乱戦の中で叩き込んできた、90ミリ弾幕。その一弾が超硬スチールの装甲を破り、機体内部の流体パルス構造を傷つけていたのだ。
『ああ。これは、もう――アカンかもわからんのう』
 コクピットであらゆる緊急対処手段を試しながら言ったその声は、ひどく平板なものに聞こえた。
0168フェニックステイル第27話2017/08/13(日) 19:09:10.56ID:T9VPRf8x
 そして同時にザクUから、機銃弾の破孔が火を噴いた。脚部推進材タンク付近。ザクUはそこからパイロットの操縦を無視して最大出力を全開、軌道を大きく捻って明後日の方向へ飛び去っていく。
『兄貴! 脱出してくれ!!』
『いや、これもアカンな……さっき盾でブン殴られたとき、ハッチの装甲が歪んでしもうたんやの』
「そんな――」
『まあ、ええわ。最後の最後に、坊主を一人拾えたしな――ま、こんなもんやろ。ほな、達者でな』
 ドラッツェは、その瞬間にスラスターを開いていた。
 簡易MA級とも言われる巨大な加速力を全開し、制御を失ってネズミ花火のように暴走するザクUへ一気に食らいつく。同時に左腕部の小型ジェネレータが唸り、固定式のビームサーベルを発現させた。
 一撃離脱、光刃一閃。
 ドラッツェのビームサーベルは一刀にして、正確にザクUの胸部装甲を焼き切っていた。そのまま飛び去っていくドラッツェの後ろへ追従し、リック・ドムがその手を開く。
『兄貴、今やッ!!』
『――!』
 ボルト爆砕、座席射出。
 サーベルが切り裂いたギリギリの隙間を縫って、射出座席が吹き飛んだ。相対速度を合わせたリック・ドムがその掌中に収めるや、機体を回してザクUに背中を向ける。
 ついに機体中枢まで火が回ったザクUが爆散したのは、まさにその瞬間だった。
 破片と爆熱がリック・ドムの装甲を叩き、跳ね返っては冷たい宇宙へ拡散していく。
『兄貴……?』
 リック・ドムの十字レールを動いたモノアイが、恐る恐るに自らの掌中を覗き込む。
『――やれやれ、イーデン。どうやらワシは、また死に損ねてしもうたらしいのう』
『兄貴!!』
『いやあ、助かったわ。九死に一生得てしもうた。坊主――いや、もう坊主とは呼ばれへんな。やるやないか。名前、なんちゅうのや』
「……デティ。……デティ・コイヤー軍曹や……」
『そうか、デティ。ようやってくれたの。ワシはドッツィ。ドッツィ・タールネン少佐。人呼んで《キャリホルニヤの悪夢》や。せやけど、階級はええねん。もう、ええねん』
 ドラッツェがリック・ドムと機体を並べる。リック・ドムの誘導に従って彼らの母船を目指しながら、今まで感じたことのない不思議な安らぎを覚えていた。
『デティ。ワシら、もう兄弟やで。桃の畑はあらへんけど、今日からお前も義兄弟言うやつや。イーデン、ええな?』
『おう。なんも異論ないで』
「――兄弟……?」
『せや。これからは、兄弟のために生きる。デラーズ・フリートのデティ・コイヤー軍曹は、今日で戦死や。今日からお前は、キャリホルニヤの悪夢の末弟、デティ・コイヤー軍曹なんやで』
「兄弟、か……」
 次第に爆光と火線の勢いも静まって遠のいていくソロモンと、未だ青い光をたたえる地球を交互に見ながら、デティは解き放たれたようにふっと優しく微笑んでいた。
「……おう。分かったわ、……兄ィ」
0169フェニックステイル第27話2017/08/13(日) 19:09:32.56ID:T9VPRf8x
 デティ・コイヤー軍曹のヘルメットは、あの日からずっと同じものを使い続けている。膝の上でバイザーに映りこむ自分の姿も、三年前と同じに見える。
 だが、違うのだ。
 三年前の自分に無く、今の自分にあるもの。
 自分は今から、それを守りに行く。
「イーデン……ワシは行くで。エゥーゴのクソ女の毒牙から、兄ィを守りにな! お前はここでワシらのMSを、しっかり見張っとってくれや」
『お、おう……』
 勢いよく啖呵を切りながら、デティは自身の足下を見下ろした。行動方針は決定した。勢いに任せた激情から、冷静さを取り戻しながら呟く。
「さて、……どうするか、やな」
 連邦軍との戦闘に敗れてから収容されるまでの間に、デティは戦艦ジャカルタの威容をその目に留めていた。ジャカルタはマゼラン級をも上回るであろう大型艦である。極端な省人化が進んだ形跡もない。
 つまり全体の乗員は相当数に達しており、なおかつ誰もが互いに顔見知りというわけではないということになる。
「こいつの出番やな……」
 愛機のリニアシート下からデティが取り出したのは、地球連邦軍の制服一式だった。少し嫌そうな顔でデティはそれを見る。
 万一の潜入工作用に常備していたものだ。ジオン出身者も少なくないとはいえ、それでもやはりエゥーゴは連邦軍系の組織らしい。格納庫内にも連邦軍の制服姿がちらほら見える。これで紛れ込むのは容易だろう。
 艦内へ潜入さえ出来れば勝機はある。
 だが当然ながら、ジオン残党軍のMSパイロットとして損傷機に残された自分たちは注目の的だ。監視も付いているだろう。まさか連邦軍制服のままここから飛び出し、そのまま監視を誤魔化して潜入するわけにも行くまい。
 どこかコクピットの外で着替えて、しかも監視を誤魔化しきれるほどに印象を大きく変える必要がある。
「…………」
 思案の末、デティが次にごそごそとシート下から取り出したのは、長い赤毛のかつら――女性用ウィッグだった。
 先ほど連邦軍制服を取り出したときよりも、さらに嫌そうな顔をしながら、それでもデティは意を決したように顔を上げた。
0170フェニックステイル第27話2017/08/13(日) 19:09:49.67ID:T9VPRf8x
 湯煙の中を熱いシャワーが、白い女体のみずみずしい肌に弾け散っては流れ去る。
 湯浴みするのは金髪の美しい娘だ。均整の取れた長身はよく鍛えられて引き締まり、それでいて女体の要所要所には、余りあるほどに豊かな雌の甘みを蓄えている。
 殊にひときわ目を引くのが、胸元でたわわに実る巨大な乳房だ。文字通り男の手にすら余るその巨乳に、いま彼女自身が自らの手を掛けていた。
 女性としては長身である彼女の掌であっても、乳房はさらに大きく重く、とうてい包みきれず両手に余る。
 その白い柔肌の巨大な乳房に、彼女自身の十指が重く沈み込んでいく。
「……んっ、……」
 張りのあるたっぷりの乳肉が歪み、わずかに甘い痛みが乳房の芯から彼女を刺した。だが彼女は構わず、己が双球を握りしめていく。
 彼女の乳房をその見事な大きさよりも際立たせているのは、白肌と鮮烈なコントラストを成す黒褐色の乳輪だった。
 ほんの昨日までみずみずしい桜色をたたえていた左右の頂は、今や黒々とした褐色に染まっていた。あまつさえその全体にぶつぶつと浮き上がった腺の数々が、わずか一夜の情事が彼女にもたらした決定的な肉体の変化を何より雄弁に物語っている。
 それはあたかも胎内に子を宿した、妊婦の乳首のそれだった。
 握力を強めるに従い、黒い乳輪の中にぷつぷつと何か、白い汁が滲み出てくる。
「……んっ、……」
 彼女がさらに掌へ力を込めると、ついには張りつめた果実を握りつぶしたかのように、黒い乳輪から白い母乳が噴き出した。
 堰を切ったように溢れる母乳が、乳輪から迸ってはシャワーに洗い流されていく。自らの乳房を強弱を付けながら何度も握り、尽きることなく溢れる母乳をただひたすらに搾り出しながら、金髪の美女はひとり呟く。
「……ちくしょう」
 彼女の脳裏に蘇るのは、魂にまで焼き付いた二つの光景。
 憎き地球連邦軍の標準的量産MS、RGM-79R《ジムU》。その一機とビームサーベルを抜き払っての格闘戦の最中、彼女をコクピットもろとも貫いたメガ粒子の奔流。
 灼熱の中で塵も残さず蒸発したはずの彼女は、無傷で目覚めた。そしていけ好かない男と思っていたMS隊長と、自ら望んで男女の交わりを果たしたのだ。
 それは彼女にとって鮮烈な恐怖と、そして何よりも屈辱の記憶だった。それ以外の何者であるはずもない。
 だがそれらの瞬間を思うとき、彼女の股間で女陰が甘く疼いて啜り泣くのだ。
 本来であればその圧倒的な物理力で、彼女の肉体と生命を宇宙の塵に還していたはずのメガ粒子の暴威。
 確かに彼女のパイロットスーツを瞬時にすべて焼き尽くした閃光の中で、そして処女を奪われながら膣内で爆ぜるように放たれた大量射精の中で、彼女は確かに絶頂を迎えた。
 倒錯した、究極の快楽。
 あまりに鮮烈なその残滓が、今も彼女の雌を疼かせるのだ。
 対流のない無重力空間でシャワーを循環させる風圧の中で、青い瞳の眦に光る滴も流れ去っていった。魂の奥底から、彼女の搾り出す言葉とともに。
「ちくしょう――」
0171フェニックステイル投下中断中2017/08/14(月) 01:38:58.61ID:Ome7d6RV
中途半端な位置での停止、申し訳ありません。
しばらく投稿しない間にまた連投規制が強化されたようで、現状ではお手上げです。
そろそろ2chでのSS投下も潮時なのかもしれません。
0172フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:03:09.86ID:TZ37+qF0
 マイン・ハフナーが目覚めた場所は、戦艦《ジャカルタ》に複数存在する医務室の一つらしかった。戦闘後に艦内へ収容され、そして隊長との情事の後、再び気絶した自分はここへ搬送されたようだ。
 彼女が気づいたとき、すでに室内は無人だった。体調も悪くはないように思えた。どす黒く変色して母乳を滲み出させる乳輪と、飲ませる赤子のあてもない母乳をひたすら作り出しては溜め込むように変わり果ててしまった乳房以外は。
 備え付けのシャワー室で母乳の処理を済ませたマインは、誰かが室内へ用意してくれたらしい衣服を身に付けた。
 下着にはご丁寧にブラジャーもあった。ただしMSパイロットである彼女が常用するスポーツタイプのものではない。妙にパッドの分厚いそれは授乳期の母親向けのそれだったが、あらかじめ測っていたかのようなジャストサイズでマインの乳房を包み込んだ。
 ただし上着として用意されていたのは、意匠が気に食わず、彼女が今まで決して着ようとしなかったノースリーブの女子エゥーゴ制服だ。
 少し嫌そうな顔をした後、他に選択肢がないことを確認してから、やむなく袖を通す。とにかく人前に出られる格好になったマインは部屋から出ようとした。
 医務室のドアを開けた瞬間、目の前に若い女が立っていた。
「おはよう、ハフナー少尉。意外と早いお目覚めね」
「――シャノン……っ」
 視界へいきなり飛び込んできた女の顔を、マインはきっと睨みつけた。
 額できれいに切り揃えた黒い前髪と眼鏡の下の、冷たい知性を宿した青い瞳は鉢合わせに驚いたような様子も見せない。ただ、どこか突き放すような距離感を持ってマインを見つめている。
 単純に上の視点から人を見下すだのといったものともまた違う。マインにとって彼女のそれは、実験動物を見る研究者の無感情な視線に思えた。
 シャノン・ヒュバート少尉は、リアンナ・シェンノート少尉率いる戦艦ジャカルタ第二MS小隊所属の女性パイロットである。そして彼女はMSパイロット資格と同時に医師資格を持ち、戦艦ジャカルタの軍医を兼務するという異色の才媛であった。
 年はマインとそう大きく離れていないはずだ。しかしその感情を他者に感じさせないほどに抑えた仕草が、マインをしてシャノンをいけ好かない女に思わせていた。
 そしてビームサーベルにコクピットごと貫かれながら生還したマインを診断したのも、彼女だった。マインの肩越しに室内の机上を見やり、シャノンはそこに置かれたままの診断書に大げさなため息を吐いてのける。
「『2月26日から三日間は面会謝絶で絶対安静』……私はそう診断書を出しておいたはずだけど?」
「はっ。三日だぁ? おいおい勘弁してくれ、あたしはそんなに寝てたのかよ。道理で体が鈍ってるわけだ。先生どいてくんな、リハビリにちょっくら一汗流してくるよ」
 そう軽口を叩きながら脇を抜けようとしたマインの前を、無言のままでシャノンが塞いだ。面倒くさそうにマインが睨む。
「ハフナー少尉。今日はまだ2月26日よ」
「あたしの三日は早いんだよ」
 二人はそのまま温度の噛み合わない視線で睨み合う。痺れを切らしたマインが次の動きへと移る手前で、シャノンが腕組みしながら身を引いた。
「止めないのか?」
「止めて聞きそうな気配がないもの。私もここで病院送りにされたくはないからね」
「――そうかよ」
 道を開けたまま肩を竦め、くすり、と微笑むシャノンを、マインはいっそう強く睨みつけた。勢いよく床を蹴り、リフトグリップを掴んで身を委ねる。
0173フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:04:33.82ID:TZ37+qF0
 無重力の通路を泳いで流れ去りながら、しかしマインは次に行くべき場所を決めかねていた。
 指揮系統上の上官であるMS隊長、ベリヤ・ロストフ大尉への報告は必要ないだろう。彼とはつい先ほど最低の形で言葉と、そして肉体と欲望を交わしたばかりだ。
 自身の膣奥深くに放たれた、白く粘ついた熱い欲望。それを子宮で受け止めながら達した、精神を狂わせるほどの快楽の極致。その片鱗を思い出してマインは震える。
 ――少なくとも今はまだ、あの男と会いたくない。
 会えば自分がどうなってしまうのか、マインはそのときの自分の姿がまったく想像できなかった。それは彼女に芽生えた、また新たな恐怖だった。
 といって、ティターンズと連邦軍の攻撃で壊滅した故郷の資源衛星から一緒にエゥーゴへ参加した、彼女を『姉御』と慕う二人の舎弟のところへ行くのもはばかられた。
 マインら三人は同じく復讐を誓う同郷の同胞として団結し、ベリヤ率いるジャカルタMS隊主力に対抗心を燃やしていた。
 だが連邦軍ジムUとの一対一の戦いで無様に敗れたうえ、自ら望んでベリヤに犯され、あまつさえ昨日まで処女であった自分が乳房から母乳を噴き出す体にされてしまっているのだ。
 合わせる顔がない。
 今の自分にはどこにも行くべき場所がないことに気づきながら、しかし一カ所に留まることも出来ず、マインはただ人の気配を避けるようにジャカルタの艦内を漂っていく。
 そんな彼女のくすんだ視野に、見慣れない女性士官の姿が不意に飛び込んできたのはそのときだった。
 長い赤髪を泳がせる、地球連邦軍制服の可憐な美少女だ。程良く膨らんで制服の上衣を押し上げる胸元といい、しなやかに伸びた健康的な四肢といい、男たちの視線を集めるには十分以上の魅力を発揮している。
 だが何より強く男たちを魅了するであろうものは、その可憐な仕草だった。
 いかにも自信なさげに伏し目がちな表情、震える睫毛、弱い自らをなんとか守ろうと抱きしめるような腕の動き。
 それらは強い男たちの庇護を必要とする、か弱い女のアイコンをひどく直接的に表現しており、それゆえ目ざとい男たちを惹きつけずにはおかない。
 それらすべてが、現状に直結していた。
「君さ、ホントに可愛いねー。この艦にまだ君みたいな美少女がいるのを見落としてたなんて、俺らもほんとチェック不足だったって言うか、申し訳ないねー」
「あ、あの……っ、こ……困り、ますっ……わ、わたし……今から、行かなきゃ……いけない、ところが――」
「へー、どこ行きたいの? 俺らが連れてったげるよぉ」
「…………」
 マインの視線の先で、その美少女士官に二人の男が絡んでいる。彼らも連邦軍士官制服だが、こちらも見慣れない顔だ。少なくともMS隊の所属ではない。
 二人は彼女の退路を塞ぎながらパーソナルスペースを潰して大きく押し込み、少しでも顔を背けて逃れようとする彼女に、耳元へ息のかかる距離から話しかけている。
「じゃあさ――ちょっと俺らの部屋、寄っていこっか」
「――えっ」
 笑顔のまま、男たちが切り出した言葉。その裏に潜む意味を悟って、少女がさっと青ざめる。咄嗟に逃げようとした彼女の退路を、一人が即座にさっと塞いだ。
「俺らの部屋、すぐそこだから。熱くてクセになるドリンク出してあげるよ。ちょっとだけ、ちょっとだけ休憩していこうよ」
「やっ、やめっ――」
 一人が手首を掴んで拘束し、一人が手際よく部屋のドアを開ける。彼女が恐怖と絶望に涙を浮かべたとき、マインは一歩を踏み出していた。
「おう。お前ら、ドコの者だ?」
「――何?」
「あっ――」
 長身の金髪美女から凄みを乗せて話しかけられ、男たちは明らかに鼻白んだ。目を瞬かせた後、一人が相方に耳打ちする。
「マイン、……マイン・ハフナーだ。第三MS小隊長の」
「じゅ、『十人殺しのマイン』か!? さっきの戦闘で、死にかけてたんじゃ――」
 編成間もないジャカルタ隊にあっても、マインたちの無鉄砲なまでの喧嘩っ早さは広く知れ渡っていたらしい。二人が怯んだところへ間髪入れずに畳みかけた。
「あっ!?」
 マインはぐい、と少女の腕を掴み取るや、自分の方へと奪うように引き寄せる。彼女を抱き寄せながら、ドスの利いた声とともに男たちを睨んだ。
「ウチの者に訳の分からんちょっかいかけてんじゃねぇよ。失せろ」
0174フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:05:30.44ID:TZ37+qF0
「い、嫌だなハフナー少尉、……MS隊の子だったんですか……早く言ってくださいよ」
「知るかよ、阿呆。おい、行くぞ」
「あ、――は、はいっ」
 あっさりとマインの眼光に押し負けて、男たちが道を譲る。少女の手を強引に引きながら角を曲がるとき、彼らの悔しげな舌打ちが遠く聞こえた。
「クソッ。なんだよ、見ない子だなと思ったらMS隊かよ」
「でも、だったら逆に良かったな。だってMS隊の女って、全員『大尉のお手つき』なんだろ。そんなのへうかつに手出しせずに済んで、命拾いだぜ」
「…………」
「……あ、あの――っ」
「――ん?」
 その声も遠ざかって聞こえなくなった頃、少女が上目遣いに見つめているのにマインは気づいた。たどたどしく話しかけてくる。
「た、……助けてくださって、ありがとうございます。は、ハフナー少尉? が、助けてくださらへんかったら、……私、今頃――」
「もう普通に喋っていいぞ。あたしは別にジオンなんざ何とも思ってないからな。そのジオン訛り、無理に消そうとしなくていい」
「あうっ……!」
 必死の演技もマインにたやすく見破られて、少女は涙を浮かべたままきゅっとその場に縮こまる。
「お脳とチンポが直結してる猿でもなけりゃ普通に分かる。お前、さっき収容したジオン残党のパイロットだろ。なんで連邦の制服なんか着て、こんなところをうろついてる?」
「あ、あの、……その、こ、これは――」
「ハッキリ喋れや!!」
「はううぅっ!!」
 はっきりしない仕草で、我慢の限界へたやすく達したマインの拳が壁を叩く。少女は自分が殴られたように縮こまった。
「あたしはなぁ! お前みたいな、いちいちハッキリしない女が一番嫌いなんだよ!!」
「う、うう……堪忍、……堪忍や、お姉さん……ぶたんといて……ぶたんといて……」
「分かったよ。殴らねえから、さっさと言えって。……言えっつってんだろうが!!」
「ひっ――ひいいっ!! あ、あんな……う、うち、実は――」
0175フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:06:53.60ID:TZ37+qF0
「――なるほどな。長年世話になった隊長のオッサンが、ジャカルタの艦内でどうも危ない。そういう虫の知らせがあったと。んで、チビのくせに乳だけデカい栗毛の女が怪しいから、まずはとにかくそいつのところに行きたい。
 それでわざわざ連邦軍に変装したうえ、さらに女装してまでやってきた、と」
「……せ、せや……」
「そうか。……まったく、義理堅いこったな」
 マインが受けた説明をまとめたところ、デティ・コイヤー軍曹と名乗った連邦軍女性士官の正体は、ジオン残党軍の男性パイロットらしい。連邦軍装も女装も、艦内への潜入工作のための偽装だそうだ。
 ただ連邦軍装の方はともかく女装の方は、顔立ちも体格もすべてがあまりに自然すぎて、まったく変装に見えないのだが、本人がここまで必死に言うのだから女装なのだろう。
 とりあえずそういうことにしておける度量の広さがマインにはあった。
「よし。とにかく分かったぜデティ。お前が言ってるのその女ってのは、ジオン残党のむさいおっさんに興味津々な変態マニアのエロ女なんだろ? そんな救えねえ奴、ジャカルタ広しといえど一人しかいねえ。案内してやるよ」
「え、ええの……?」
「おう。任しとけ」
 どうせ他に行くところもないしな。
 言葉の後半を飲み込みながら、マインは目的へ向かって身を翻した。
「こっちだ。来いよ」
「おおきに、……おおきに、姉さん!」
「いいってことよ。気にすんな」
 涙混じりに微笑むデティへさっぱり笑って手を振りながら、ところで今、マインが気にしていることが一つある。
 涙を拭きながら可憐な希望の笑顔を浮かべる、女装美少年コイヤー軍曹の顔面から、マインはそっと視線の高さを下げる。
「…………」
 連邦軍制服上衣の胸元でたゆんと揺れる、二つの膨らみがそこにある。
 上官をしてジャカルタ最大級とまで言わしめた、マインの巨乳に比べれば二周りは小さい。それでも一般的な尺度にすれば、男の掌に包んでもたやすく溢れるだろうその大きさは、見事な実りであるに違いなかった。
 こんな余計な主張をするものさえ胸にぶら下げていなければ、先刻の男二人に捕まることもなかったのでは、とも思えるほどだ。
 ――だが女装ってことは、これも作り物なんだよな。パットか?
「あ、姉さん? ――ひあうぅっ!?」
 だからマインはデティが通路の交差点で止まったとき、背後からその二つの膨らみを両手に大きく握りしめていた。
「…………」
 生っぽい。柔らかい。もちもちの弾力がぎっしり詰まったたっぷりの肉感が、人肌の温もりを添えながら食い込む指を跳ね返してくる。
 制服の下にはブラジャーのたぐいまで身につけているらしい。本格的だなと感心しながら、マインは手を休めることなく二つの膨らみをさらに揉みしだいていく。
 つい先ほど、マインが自らの巨乳から母乳を搾り出していた時の手つきで揉み搾る。本物の乳房なら乳首があるはずの位置を探ると、確かにそこには小指の先ほどの突起を捉えた。
 マインはそこを指先の腹で擦りあげ、摘みあげるようにして指で左右とも責めたてる。耐えかねたように切なげな声を上げながらデティが左右に身をよじった。
「あッ――あ、ああ……っ、あああああ……っ! あ、ふぅ……ッ。あ、あかん……お姉さん、あかん……こ、こんなん……っ、うち、うち、もうあかん……! 堪忍や……堪忍してぇな、……いやぁ、やめてぇ……!」
「ん、……んん? おう、悪い悪い。でもな、これパットだろ? なんでお前が変な声出してんだよ――あ」
 言いながらマインは、自分の巨乳もデティの背中で大きく潰れていたことを思い出す。
 今はこんな見た目でも、彼は男――なるほど、こっちか。
「悪かったな。その偽乳がどういう風になってんのか、ちょっと気になっちまったもんでな。しかしそれ、ずいぶん本格的な質感と感触だな」
 さっと身を離したマインの前で、半ば膝から崩れながらデティは喘いだ。焦点の合わない瞳にいっぱいの涙を溜めて、怯えきったように説明する。
「……せっ、せ、せやろ……? あ、あんな。うちもな、変装用にな、……よそのサイドでそこらじゅう探してやっと、この偽乳パッド見つけてきたんやねんで……?」
「へえ、そんなにか。すげえ情熱だな」
0176フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:07:00.64ID:TZ37+qF0
 真っ赤に赤面して少し涙目になりながら、それでも必死の早口でデティはまくし立てた。だが、デティの胸の膨らみを貪り尽くしたマインは素直に納得してただ頷く。
「そうか、最新技術はすげえな。それ、あたしの本物の乳と大して変わらねえぞ」
 あたしの乳を背中から押しつけただけでここまで興奮するような童貞じみた反応をするようでは、その偽乳も普段はさぞ良からぬ別目的で使っていたのではないかともマインは思ったが、わざわざ口には出さないことにした。黙って認識を書き換える。
 デティ・コイヤーとかいうこのジオン兵は、相当重度の女装マニア(童貞)なのだな。
 世の中にはいろんな人間がいるのだ。そしてこちらに害がない限り、マニアと変態は放置するに限る。
 しかし、となれば事は変態対変態である。こいつならあのリアンナとも、案外いい勝負が出来るのでは無かろうか。残念ながら、自分はそんな戦いには到底ついて行けそうにないが。
 それにしても。
「最近の女装道具ってのは、ずいぶん出来が良いんだなあ」
 どうでもいいことに感心しながら掌をにぎにぎと動かすマインは、きゅっと肩を縮めて胸元と股間を守ろうとするデティを連れて、リアンナの私室方向へと流れていった。
0179名無しさん@ピンキー2017/08/18(金) 23:03:32.55ID:lluI54dB
ルールカかルイスの髪コキください
0181名無しさん@ピンキー2017/08/20(日) 19:39:38.61ID:ZXGoec4b
カールルイスで髪コきって物理的に出来るの?
かなり短髪だったような気がするんだが
0184名無しさん@ピンキー2018/01/20(土) 19:09:27.86ID:uUbThqr6
ルー・ルカの髪コキみたい!!
0186フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:31:50.64ID:pVlbX2Og
「さて、――仕上げですね」
 多数のモニター群が一面の壁を埋め尽くす密室。そこに余すところなく映し出されているのは、エゥーゴ戦艦《ジャカルタ》艦内の各所だ。
 通常であればここは、艦内の保安警備要員によって操作されるべき場所に思える。
 しかし今それらのモニターを見つめているのは、ジャカルタ本来の保安警備要員ではない。
 ここにいるのは、思い思いの姿勢を取ったMS隊のパイロットたち――それも、全員が若く美しい女性たちだった。
 そもそもこの部屋自体が正規の《アイリッシュ》級戦艦の規格に含まれておらず、艦内図にも載せられていない。
 ここはジャカルタ乗員の中でもごく一部の限られた者たちだけが存在を知る、言うなれば秘密の小部屋であった。
「あらあら、メイヴ。またリアンナの悪い癖ですか」
 真っ直ぐの豪奢な金髪を靡かせながら呟いて、華やかな影が室内前方をすうっと過ぎる。
 均整の取れた肢体に豊満な甘みを宿した美女は、画面群の一室に蠢く二人の影を眺めて悪戯っぽく微笑んだ。
 二つ連なった画面には、ブラジャーを掴んだままプルプル震える旧ジオン公国軍パイロットスーツ姿の巨漢と、
その磨り硝子のドアひとつ隔てた向こう側で気持ちよさそうにシャワーを浴びる童顔の巨乳美少女が映し出されている。
「――彼女が志願してくれたおかげで、我々は《ルスラン・フリート》と交渉するための『裏口』を容易に入手できます。
 リアンナの奇矯な趣味も、今回ばかりは我々の利にかなうということですよ、ルチア」
 室内後方のコンソールに付いていた、メイヴと呼ばれた褐色の女性が口を開いた。
 その胸元は慎ましやかだが、すらりとした群を抜くほどの長身と、南方系の涼やかな美貌は同じく目を引く。
 メイヴは何の感情を見せることもないまま、ただ画面群をじっと見ている。
 いずれ劣らぬ美女美少女たちの中、輝くばかりの金髪に豊満な女体を併せ持って正面に立つルチアと、黒髪黒肌にすらりとした長身で陰に控えるメイヴ。
 二人の美女はさながら、ジャカルタMS隊に輝く太陽と月である。
 寡黙で感情と存在感を表に出すことは少なくとも、彼女ら一党の背後で必要な動きをことごとく掌握しては細やかにこなすメイヴが、
半ば畏敬を込めて『メイド長』と渾名されているのも、至極もっともな説得力があることだった。
 そしてメイヴが『メイド長』なら、ルチアはたとえ直接にそう呼ばれることはなくとも、間違いなく『第一夫人』だった。
 この一室に集う女たちの間で、その序列は鮮烈に刻みつけられている。
 ジャカルタ軍医を兼務する第二小隊パイロット、シャノン・ヒュバート少尉はそんな二人を視界の隅に留めつつも、画面の中で沈痛な面持ちのまま通路を流れていく戦友、マイン・ハフナー少尉を追っていた。
 マインは二人の舎弟を従えてエゥーゴに参じた、旧ルウム宙域の鉱山衛星出身の荒くれ者だ。
 顔立ちは整ってはいるがとにかく目つきと態度が悪く、それでいていっそ下品なほどに乳房は大きい。
 ルチアの豊満なバストをも上回るそのインパクトで、艦内の男たちから下賤な話題を一身に集めていたのがマインだ。
 もっともそんな軽口が本人の耳に入れば、胸倉を掴み挙げられ、物陰へ連れ込まれて痛い目に遭わされることになっただろうが。
 そんな彼女は先日のMS戦で、自機のコクピットを敵機のビームサーベルに貫かれた。
 機体の誘爆こそ免れたものの、リニアシートを含むコクピット主要部は完全に蒸発。通常であれば金髪の爆乳美女の肉体は、メガ粒子の奔流の中で骨も残さず塵に還っていただろう。
 だが、そうはならなかった。
 マインに秘められたとある特殊な因子の発動が、彼女の肉体と生命を、ガンダリウムγ合金すら蒸発させる超高熱の中で守り抜いたのだ。
 そして、その反動で彼女は発情し――嫌ってさえいた男に自ら懇願して処女を貫かれ、さらに想像を超える快楽の絶頂で、その膣内へと大量の射精を受け止めた。
 シャノンはその情事の一部始終を観察し、記録し、分析していた。何の感情もなく、ただ淡々と――その事後の状況も含めて。それが彼女の使命だからだ。
 そんなシャノンの柳眉が、ぴくりと動く。薄い唇が言葉を紡いだ。
「ん、……あの連邦制服の少尉、――見ない顔ですね」
 マインの行く手でジャカルタの男性士官二人に絡まれていた、長い赤髪の少女だ。連邦軍士官制服を着ている。彼女もまた、この部屋に集った女たちに劣らぬほどの美貌を備えていた。
 マインは男たちから彼女を助けて連れ出し、二人はそのままリフトグリップで流れていく。
0187フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:32:22.34ID:pVlbX2Og
「確かにそうですね、シャノン。密航者? ――いや、……」
 言いながら端末を操り、メイヴはMS格納庫を拡大する。満身創痍で収容されたジオン残党MS三機のうち、コクピット内にパイロットを残すのは一機だけになっていた。
 電話を取って現場の整備兵に聞いてみれば、ドラッツェのパイロットがどうも腹の具合を悪くしたという。
 そして少し目を離した間に、マインと謎の少女士官は意気投合したらしかった。二人揃って再びリフトグリップを握り、進路を変えながら移動していく。
 その二人が向かう先に、リアンナの居室はあった。メイヴはひとり得心し、静かに頷く。
「――なるほど。繋がりましたね」
「どうしますか?」
 話の流れを読んだシャノンが、素直にメイヴへ質問を投げる。
 保護したジオン残党兵の少佐を色仕掛けで落とす、などというリアンナの計画は馬鹿馬鹿しくなるような代物ではある。
 だがその手の技能は彼女の十八番でもあり、また古典的なだけに一定の効果は確実に期待できる手段だ。
 ここで邪魔を入れられるのは、決して面白い話ではない。
 さて、どうするか――
 ルチアの口元に不敵な笑みが浮かんでくるのを横目に、シャノンはふっと息を吐いた。
0188フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:33:51.49ID:pVlbX2Og
「ふふ、おじさま。いいお湯でしたわ――」
「は、はおっ。はおおおおおーーーッッ!!」
 剥き出しの肩から湯気を溢れさせながら、栗毛の美少女は禿頭の巨漢を狙って迫り来る。
 幼ささえ感じさせる肢体へアンバランスに、そして豊かに実った胸元の果実がふたつ、歩を進めるたびたわわに揺れる。
 白い肌を湯上がりの熱に火照らせながら、無防備な女体にバスタオルひとつ巻き付けて迫り来るリアンナへ、ドッツィは両手を振り回しながら悲痛に叫んだ。
「あ、アカン!! 頼む、服着て! 後生やから!! まず服着てや!! 湯冷めして、風邪っ! 風邪引いてまう!!」
「あら? おじさまの方こそ、殿方の大切な部分が、こんなに大きく熱くなってしまっておりますわよ。
 いけませんわ、お風邪を召されてしまわれたのではなくて? ああん……早く、何とかしませんと……」
 リアンナは蠱惑的な視線を向けつつ、今やノーマルスーツの上からもその存在を確認できるほどに堅く盛り上がったドッツィの巨砲に舌をなめずる。
 互いに息のかかる距離まで追いつめ、そっと手を伸ばしてきた。
「ハオーーーッ!!」
「あぁんっ!?」
 蛇に睨まれた蛙と化したドッツィは、それでもその手を跳ね除けた。声を絞り出しながら、迫る少女を押しとどめる。
「あ、アカン! アカン……こ、こんな、会うたばっかりのオッサンに、いきなり……いきなりは、アカンっ。
 あのな。お、女の子は、もっと、自分を大切にせなアカン……!! せ、せやないと。せやないとな……」
「くすくす。そうでないと、――どうなりますの?」
「……せ、せやない、と――」
 そうリアンナが問うた瞬間、風が揺れた。
 巨獣のごとき身のこなしで跳躍するや、ドッツィは瞬時に少女を壁際へ組み伏していた。巧みに関節を極めて完全に動きを封じ、彼女の死命を制する位置を確保している。
 ドッツィはその耳元から、今までの狼狽具合が嘘のようにドスの利いた声を吹き込んだ。
「世の中、まともな男ばっかやあらへん。――何されてまうか、わからへんのやで」
「あら、あら。うふふ――」
「一年戦争の時分、ワシは地球方面軍におった」
 腹の奥底深くで澱のように溜まった、決して溶け出すことのない何かを搾り出そうとするかのようにドッツィは言った。
「北米や。荒れ果てた戦場で生きる術をなくした地元の女の子が無理に稼ごうとして、荒んだ兵隊にほんまに惨い目に遭わされるところも、嫌っちゅうほどなんべんも見たわ」
0189フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:34:38.53ID:pVlbX2Og
 乾いた大地に広がる爆撃の瓦礫。コロニー落としが遙か高空まで巻き上げた塵に覆われ、晴れることのない曇天。
 HLVから荒野に降り立つ軍靴。故郷を遠く離れた地球の重力、コロニーの人工環境とはかけ離れた荒れ狂う天候に戸惑う公国兵たち。
 敵地。
 ゲリラ化した連邦軍の残存部隊と、市民に溶け込む地元民兵の抵抗。突然の狙撃で倒れる戦友、脈絡なく炸裂する仕掛け爆弾で消し飛ぶ車列。見えない敵が神経を苛む。
 自宅も家族も失い、焼け出された少女たちが夜の街頭に立つ。傷ついたジオン兵たちへ向けられる、強ばりを隠しきれない笑顔。兵士たちに誘われ、一人二人と連れ立っては闇に消えていく。
 そして風の冷え切った夜明け頃にもまだ、路傍に姿を留める少女たちがいた。
 ある者は廃屋に高く吊され、またある者は裏路地に捨てられたまま冷たくなって。
 大地へコロニーを落とした侵略者に媚びる売女。もしくは物陰から自分たちをつけ狙い、情報を聞き出すゲリラの一味。
 あるいは、理由など何でも良かったのかもしれない。弱く孤立して狙いやすく、壊して楽しい手頃な獲物でありさえすれば。
 そうして少女たちを殺し続けていた自軍兵士のひとりを、かつてドッツィは追いつめた。銃撃戦の末に横たわった彼の死に顔は、まだ幼くあどけない少年のそれだった。
 戦場という状況の巨大さを前にして、たかが一士官に出来ることなど何もなかった。だからただ、彼はそれを見ていた。その狂気に呑まれぬよう、必死に自分を保ちながら。
0190フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:36:22.29ID:pVlbX2Og
「――せやから、な。後生やから、そういうの、やめや」
 無重力ゆえドッツィの巨体に伸し掛かられても、リアンナがその体重そのものに圧されることはない。それでも彼女は必殺の位置を取られたまま、身じろぎひとつも出来ずにいる。
「あら。私、殿方に無体に嬲られるのは、慣れておりましてよ?」
 そしてリアンナは、にっこり微笑んで話し始めた。
「だって私、もとから箱入りの性奴隷でしたもの」
「――は?」
 居室の窓から覗く暗礁宙域。一面に漂うスペース・コロニーのデブリ雲から照り返す月光の下で、リアンナは今までと寸分変わらぬ笑みを浮かべていた。
「宇宙移民から一代でのし上がった、立志伝中の実業家。彼が自身の欲望を満たし、そして権力者たちの欲望までをも抱き込んで己の権勢を拡大するために築いた、最高級の性奉仕に勤める少女たちを箱詰めで育てる学園。物心付いた頃には私、もうそこにおりましたの」
0191フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:37:13.96ID:pVlbX2Og
 すえた臭いの広がる、コロニー内の裏通り。ゴミ箱を漁る幼い孤児たち。
 その一人の幼女の腕を、不意に男が高く引きずり上げた。汚れた顔を値踏みするようにまじまじと見て、合格、と呟いてニヤリと笑う。
 彼女が男にそのまま荷物のようにエレカの荷台へ放り込まれても、気にする者は誰もいなかった。そういう場所だった。
『学園』へと拾われてから、少女の生活は一変した。
 清潔な衣服、温かい食事と寝床。まだ両親が生きていたときですら、これほどの贅沢は味わえなかった。
 洗練された知的な女性を育て上げるための、充実した教育。各種の学問、高度な礼儀作法――そして大人たちと密室で肌を合わせて喜ばせるための、様々な技術と実践。
 それらの中でも何より重視されたのは、『先生』の偉大さだった。
『先生』と呼ばれる創業者にして学園創始者がどれほど慈悲深く、学園へ集められた少女たちにとって、心より深く感謝しなければならない絶対の存在であるか。
 幼い心へ無条件に刷り込まれた絶対の忠誠の中で、『先生』から『夕食会』に呼ばれることは少女たちにとって最大の名誉であり幸福であり、彼女たち自身の序列を決定するものだった。
『夕食会』の相手は『先生』本人ではないことも多かったが、『先生』が選んで示した相手を全力で喜ばせることも、また少女たちにとって無上の喜びであるとされていた。
 たとえ夕食会の夜を共にした大人から、どれほどの苦痛と暴力を恐怖とともに刻みつけられるとしても。
 夕食会に連れ出されたまま二度と帰らず、そのまま存在そのものを消される少女たちがいても。
 ここは変だよ――そう言った少女がいた。
 何がきっかけだっただろうか、その頃に仲良くなった少女だ。心の底からは周囲に馴染めなかった少女に、初めて出来た友達。そう。友達、だった。
 大人たちが近くにいない時、彼女はいつも学園の外の世界の話をしていた。決して越えられない学園の壁の向こう、もう戻れない世界の話を。
 そして初めて呼ばれた『夕食会』の後、二人だけになったとき彼女は泣き出し、少女の手を強く掴んでそう言い出したのだ。
 ――逃げよう。
 だが少女は、彼女のその手を握り返せなかった。
 泣いた彼女は、その翌日に姿を消した。
 人づての噂で『再教育』と称して、校舎や寮から遠く離れた建物の一室へ閉じこめられたとも聞いた。学園を囲む森の中で、野犬のように殺されたとも。
 真相は分からないままだ。
 少女の隣にぽっかり空白を残したまま、何事もなかったように、日々は続いていく。
 繰り返される夕食会。全身を這い回る舌と手。打擲。首を締め上げる手。薄れる意識。侵入と汚濁。



「でも、――そんな日々は突然に終わりましたの。あの日。U.C.0079、1月15日――」
0192フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:37:51.92ID:pVlbX2Og
 ルウム戦役。
 艦隊戦が始まる前からすべてを呑み込んでいた大混乱の中、本社からの連絡も途絶して、ただ右往左往する学園の教師たち。
 理事長ら学園幹部はお気に入りの少女たちを連れて、とうの昔にコロニーから逃げ出していたらしかった。残されたのはコネも権限のない、見捨てられた大人たち。
 そして教師たちからの指示なしでは自ら避難することすら出来ず、ただ呆然とコロニーの河から見える光の瞬きを見上げることしかできない少女たち。
 そんな箱庭の世界を貫く、巨大な火柱。コロニーの外壁を撃ち抜いたメガ粒子砲の火線だ。吸い出されていく空気に、遠く離れていても学園の木々がざわつき、あざ笑うように窓が鳴る。
 戦闘中にも関わらず破孔を塞ごうと、コロニー公社の作業ポッド群が必死に作業するのも間に合わないまま、艦砲射撃はなおもコロニーへ弾着し続け、その一弾がついに学園の本部校舎を直撃した。
 孤児だった少女をこの学園に拾い上げて衣食住と教育を与え、何度となく性の奉仕を求めて幼い心身を貪り、外の世界での自由を求めた少女たちを厳しく罰してきた大人たちは、灼熱の劫火に焼かれて一瞬にして塵に帰った。
 今までずっと手足を、そして魂までをも戒めていた、見えない枷が燃え尽きたことを少女は知った。
 そして風が激しさを増した空を見上げたとき、少女は破孔の先で宇宙に浮かぶ単眼の巨人を見た。
 肩に負った重厚な砲身を彼女へ向けて身構える、緑色の機体。その力強く神々しいまでの美しさに、ああ、そうか、と少女は悟った。
 やはり『先生』よりも偉大な『神様』は、この世に在るのだ。
 MS-06C《ザクU》はコロニー外壁に開いた破孔を精確に狙い、ザク・バズーカから280mm径の核砲弾を発射した。
 箱庭は消えた。
 同じ軌道でその日同じように燃え尽きた、二十億の人間と同じように。
0193フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:38:57.49ID:pVlbX2Og
「ジオンのザクは、私の解放者でしたわ」
 華やかな満面の笑みを浮かべ、リアンナは恍惚と語る。
「ジオン軍はあの腐りきった世界を焼き払って、私を解き放ってくださいましたの。――そうして世界の汚れた半分を焼き滅ぼした後も、おじさまは戦い続けた。
 やがてザビ家の公国が敗れても、連邦が放った無数の追っ手を討ち平らげながら、絶えることのない戦いの中を生き延びてきた……」
 ドッツィに手足を戒められたまま、リアンナは唇に舌をなめずる。獲物を狙う蛇のように。
「あの破壊と殺戮と闘争の中で、極限まで研ぎ澄まされてきた戦士の魂が放つ、溢れんほどの生命力。私は何よりも、それが欲しいんですの。
 金と権力だけが取り柄の、薄っぺらな男たちとは違う――あの戦争に磨き抜かれた本物の『男』だけが持つ力と欲望を、……私のいちばん奥に刻みつけて、……私を完全に、壊してほしいんですの……」
「…………」
「おじさまなら、今の私を壊してくれる。そのためでしたら私、何でもいたしますの。何をされても、構いませんわ……――おじさま?」
「すまんな」
 くすくすと笑うリアンナの四肢を戒める力が、不意に緩んだ。それと同時に、ドッツィの巨体が彼女に重なる。リアンナを力強く抱きしめていた。
 ようやく、始まる――今まで何度となく重ねてきた、しかし待ち望み続けてきた初めての情事を思って微笑みかけたリアンナの耳に、耳慣れない音が聞こえた。
 それは巨漢が全身を震わせて泣きむせぶ、嗚咽だった。
「すまんなあ、――すまんなあ。ワシら大人が、不甲斐ないばっかりに。お嬢ちゃんみたいな子らに、……えろう辛い思いばっかりさせてもうて……」
 言葉を何度も詰まらせながら、ドッツィはリアンナをその腕の中へと抱きすくめる。
「辛かったやろ。怖かったやろ。堪忍な。堪忍してや、……ほんまに、すまんなあ……」
「……おじさま? 嫌ですわ。私、辛いことなんか、何も、……何も――」
 言葉のやりとりは、そこで止まった。
 身動きも出来ないまま、ただドッツィの嗚咽と互いの呼吸と心音を聞くだけの時間が流れる中でリアンナは不意に、その懐かしい感覚に気づいた。
 ずっと遠い昔。まだ彼女が物心つく前に死に別れた――父親の、記憶。
 学園で過ごした日々も、その後の八年間も、一度も得られることのなかったもの。
 啜り泣くドッツィの腕の中、その懐かしく暖かな温もりのなかで、リアンナは戸惑う。巨体を押しのける力もなく、何よりもその意志が出ないことに。
 そんな彼女たちの頭上に、間の抜けた呼び鈴が鳴る。
 最初の一度から少し間を置き、続けて何度も。
 それでも二人がそのまま動けずにいると、異常に強烈な金属質の打撃音が、二人の背後――部屋のドアから響きわたった。
0194フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:41:23.94ID:pVlbX2Og
「オラァーーーッ!! 出てこいリアンナァァァーーーッ!!」
 ガゴーン! ガゴーン! と戦艦ジャカルタ居住区の回廊に炸裂する、工事現場のごとき破壊的騒音。
 その正体は長身の金髪爆乳美女が鉄パイプを振り上げて繰り出す、異様に腰の入った強烈無比なフルスイングだ。一撃ごとに火花が飛び散り、頑丈そうなドアが凹む。とんでもない腕力だった。
「居留守ブッこいてんじゃねぇぞオラァ! いるのは分かってんだよ! 観念しやがれ、出てこいリアンナッ!!」
「ご、後生やから止めてっ、止めてや姐さん! なんか、ウチが思ってたんと違う!! こんなん、ポリが! ポリスメンが出てきてまうッ!!」
「じゃかぁしぃッ、何がポリだ! ポリ公で済むならエゥーゴは要らねェんだよ!! あたしは今最高にムカついてんだ!
 オラァ、いつまでも暢気にシカトぶっこいてんじゃねぇぞリアンナァ!!」
「あ、ああ……っ、あああああ、あああああああ〜〜〜!!」
 自信満々の態度で、目指すこの部屋までデティを導いてきたマイン。
 彼女は秘密の合鍵を持っているなり、あるいは巧みに交渉するなり、いずれにせよもっとソフトでスマートな方法を用意しているものとばかりデティは想像していた。
 だが今のデティはあまりに原始的かつ衝撃的な光景を前に、もはや為すすべもなくか弱い乙女となって立ち竦むだけだった。
 到着当初に数回ほど呼び鈴で穏便に呼びかけた後、内側からの反応なしと見るや、マインはどこからともなく取り出した謎の鉄パイプで猛然と破壊工作を開始したのだ。
 デティが止めに入れる暇など、無かった。
(終わった)
 極めて的確に現状を把握しながら、さりとてもはやデティに出来ることは何もなかった。
 下手をすれば、いやしなくとも、もはや現状は既に艦内破壊工作である。こうなれば破壊工作共犯の罪状までは被るとしても、当初の目的であったドッツィの救出だけは完遂するしかない。
 というか本当にもう、それ以外にない。
 ここまで来ればデティとしては運を天に任せて、マインが扉をこじ開けてくれるのを待つほか無いのだった。
 今はただ、せめて艦のMP(ミリポリ)が殺到する前に、ドアが叩き壊されることを祈るのみ――
「ドラアアァーッ、――おおおッ!?」
 その猛然と乱打していたマインが鉄パイプを振り上げたきり、突如として破壊の手を止めた。
 ドアが開いたのだ。
 打撃でフレームが歪んでいたためかドアはレールの途中で止まったが、とにかく人が通るには十分だった。
「あっ、兄ィーーーッ!!」
「ケッ、手こずらせやがってっ」
 デティは思わず叫びながら、それでも咄嗟に室内へ飛び込んでいた。マインも悪態を吐き捨てながらそれを追う。
「――ひッ……きゃっ、きゃあああああーーーっ!!」
「おい、どうしたデティ――おおッ!?」
 そして真っ先に飛び込んだデティは、絹を裂くような悲鳴を上げて立ちすくんだ。瞬時に沸騰するように真っ赤になった顔面の前を両手で隠す。
 追ったマインが何事かと見れば窓の下、全裸のリアンナを禿頭巨漢の中年男性ジオン兵が組み敷いていた。
 どう見ても強制性交罪による現行犯逮捕待ったなしの事案だったが、ドッツィはなぜか赤く泣き腫らした顔をしており、リアンナの方も涙の粒を浮かべたまま、狐に摘まれたような顔で二人の乱入者を見ている。
「あ、あの、ど……どちらさん、ですやろか……?」
 鉄パイプを肩に背負って睨みつけてくる凶暴そうな金髪の長身爆乳美女と、きゃあきゃあと叫びながら赤い長髪を振り乱して恥じらうだけの、見慣れない連邦軍士官の美少女。
 いずれとも面識のないドッツィは、すわ美人局ヤクザの襲撃かと身構えつつも、美しい娘二人の微妙な場違い感と『らしくなさ』に気圧され、リアンナを守るように抱きしめたままその場に竦む。
 そんなドッツィの戸惑いをよそに、リアンナが平然とした口調で問いかけた。
「――あら? マインさん。どうされましたの? ずいぶん乱暴なノックですこと」
「うるせえよ。お前のお目当てのオッサンの子分が、兄貴を助けてくれってうるせえからよ。ちいっと手伝いにきてやったのよ」
「あ……っ、あ、兄ぃ……な、なんも、されとらへん? え、……えっちぃなこと、……まだ、なんも……されとらへん……?」
 マインに紹介されながら、しかしデティはまだ両手を顔の前にかざしたままで、あられもない二人の現状を直視できずにいる。
0195フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:42:34.33ID:pVlbX2Og
「え……? お、……おまえ、まさか、デティ、……か……?」
「あ、……あううぅ……っ……」
 ドッツィの目の前に現れた気弱でいっそ儚げな美少女と、命知らずの義兄弟の印象はまったくと言っていいほど一致しない。
 しかしよくよく見てみれば、その顔立ちは確かにデティのような――
「あああああーーーっ!!」
 まじまじと見つめられたデティは内股でもじもじした挙げ句、急に奇声を発して近くのトイレへ飛び込んだ。
 呆気に取られた一同が見守る中、ガタガタと狭い空間で暴れるような騒々しい音がしばらく響き、やがて再びドアが開く。
「フッ、……ハハハハハッ! 待たしたな兄ィ! デティ・コイヤー参上や! 助けに来たでぇッ!!」
 そして勢いよく飛び出てきたのは、ドッツィと同じジオン軍パイロットスーツ姿の美少年――デティ・コイヤー軍曹だった。ビシイッ、とリアンナの顔面を力強く指さして挑発する。
「もう大丈夫やで兄ィ! このワシが来たからには、もはや淫乱ロリ乳クソ雌ビッチ風情の好きにはさせへんで!!」
「おおおおお……? おい、デティ……お前ってこっちの、……こういうのが素なの……?」
 今までの気弱さが嘘のような豹変ぶりにマインは一瞬戸惑ったものの、すぐにただただ感心し、その豊かな胸を持ち上げるように腕組みした。
「ヘッ、やるじゃねぇか……お前、なかなかの役者だな。気に入ったぜ!」
「おう、世話になったわ姐さん!! ほんじゃあの、ビッチ姉ちゃん。うちの兄ィは返してもらうで!」
 二人の闖入者は互いにニヤリと笑い、サムズアップを交わし合う。
 置いていかれたままのドッツィはぐいぐい押し込んでくるデティ相手に、それでも必死に説明を試みようと口を開いた。
「お、おい、デティ。なんかいろいろ誤解しとらへんか? ちゃうねんで。この子はな、シェンノート少尉はな――」
「結構ですわ」
 だがドッツィが試みようとした弁明を、リアンナが横からぴしゃりと断ち切った。にべもない口調で、誰とも視線を合わせずにデティへ続ける。
「残党軍の方ですのね? お望みでしたら、このまま連れ帰ってくださいまし」
「ぬっ……?」
「おい。いいのかよリアンナ?」
 どこか拍子抜けしたように怪訝に睨むデティの脇で、リアンナの執着を知るマインが質しても、彼女の態度は変わらなかった。
「ええ、結構ですわ。興醒めですもの。私――もう、その方には興味ありませんの」
 ドッツィから解放されて立ち上がるや、リアンナは髪をいつものポニーテールにまとめていく。
「しょ、少尉!」
 その裸身をかろうじて隠すバスタオルが剥がれ落ちそうになるのを、ドッツィが慌てて押しつける。
 だがリアンナはそれにも興味なさそうに受け取るだけで、淡々と着替えの下着を取り出しにかかりながら言い捨てた。
「お返ししますわ。お引き取りくださいまし」
「少尉……」
「はっ、そうかよ。そりゃあ良かったな。お前の吠え面が見れただけでも、あたしは今夜の飯がうまいぜ」
 何か言いたげなドッツィをよそに、マインは機嫌良さそうに笑ってみせた。デティの肩をばんと力強く叩く。
「良かったじゃねぇかデティ。お前の大事なおっさんは傷物にされずに済んだってよ」
「おおきにな姐さん! ほな、兄ィ。行くで!」
 リアンナの知己らしいエゥーゴの爆乳美女と親しげに渡り合いながら、デティは未だ状況へ追いつけないままでいるドッツィの手を取った。
「い、いや、行く言うてもなデティ。人様の艦で勝手に、どこ行くいうねん――」
0196フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:43:29.86ID:pVlbX2Og
「あ、あの――」
「ん?」
 そのとき半開きのドアから、室内へと新たに声が掛けられた。
 立っていたのは赤毛を後ろで短く一本に括った、エゥーゴ制服の少女だった。
 リアンナほどではないが小柄で、その胸元は慎ましやか。マインやリアンナのような華やかさには恵まれずとも、素朴な清純さがある可愛らしい少女だった。
 おずおずと小動物のように室内を覗き込んでいる。
「あぁ? なんだケイティ。お前、何しに来た」
「は、ハフナー少尉……」
 マインから苛立たしげにその名を呼ばれて、可憐な少女はひっとその場に立ち竦んだ。それでも勇気を振り絞るように室内へ入ると、ケイティはドッツィへ向き直った。
「ど、ドッツィ・タールネン少佐と、お連れの方でいらっしゃいますね……? 本艦第二MS小隊所属、ケイティ・ブラウン伍長と申します。本艦MS隊長、ベリヤ・ロストフ大尉より伝言です」
「!」
 その名にマインの肩がぴくん、と跳ねるのも構わず、ケイティは恭しく続けた。
「たいへん申し訳ございません。お部屋の手配に手違いがございました。新しいお部屋をご用意させていただきましたので、そちらにご案内させていただきます」
「さ、さいでっか……え、えらいとこに来てもうて、すまんのう……」
「おう、大儀じゃのう」
 常識人然とした少女を混沌とした状況で迎えて申し訳なさげに答えるドッツィをよそに、デティは腕組みしながらさも偉そうにふんぞり返る。
 そんな二人に苦笑しながらも、ケイティは次に視線をマインへ移した。
「あ、あははははは……それと、――ハフナー少尉。今の体調と、その、ドアの件で……隊長のところまで、私と来ていただけますか」
「――あん?」
 マインは恐ろしげな表情でケイティを睨みつけたが、少女はその圧力をぐっと堪えた。しばらくガンを飛ばしたのち、マインは舌打ちして自身の金髪をくしゃくしゃとかき回した。
「あー……、ちっ。わーったよ。いいぜ、野郎の面ァ拝みに行ってやる。ちょうどスッキリしたとこだしな――あたしもいろいろ言ってやりたいことがある。ありがとよ、デティ」
「姐さん……! なんや、出入りか? 大丈夫なんか! 加勢しよか!?」
「バーカ、要らねえよ」
 マインはさっぱりとケイティへ答えると、肩を回しながら血気盛んに詰め寄る、もはや誰の舎弟なのかもよく分からなくなってきたデティを軽くいなして笑った。
「だがありがとよ、お前のおかげで元気が出たぜ。オッサンもこれに懲りたら、もう悪い女に引っかかんなよ。また後でな!」
「お、おう……」
「で、では皆様、こちらへ……私がご案内いたします。シェンノート少尉、失礼します」
 わいわい騒ぎながら狭いドアから一人ずつ退出していくと、闖入者たちの気配はすぐに遠のいた。
 遠隔操作でドアを閉めきり、再び一人だけになった自室の中で、リアンナはベッドにうずくまりながら、監視カメラの死角で小さく呟く。
「――おじさま」
 ドッツィの匂いと体温がわずかに残るバスタオルを裸身に強く抱きしめながら、リアンナはそっと瞼を閉じた。
0199フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/11/26(月) 22:28:59.03ID:m6ukO6us
pixivに書いた作品を投下します。
この板の他スレで書いてる作品が完結してないのが申し訳ないのですが見守ってやって下さい。

ガンダムOOのマリナがガンダムファイターになっている話です。
細かい設定としては、人が住むコロニーは存在せずあくまでも人は地球にのみ住んでいます。
つまり、ジャパンはあってもネオジャパンはないという状態です。
0200マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:35:44.29ID:m6ukO6us
個人的な話ですが、スマホのメール機能が不調でそこにあった保存データを取り出せなくなったので、pixivの作品編集ページから直にコピペします。
時間かかってしまいすいません。


世界各国で長年病のように続いた戦争が4年に一度行われる新たな制度「ガンダムファイト」によって終わりを告げた。
初回の今年、2307年は中東の国家アザディスタンも同様にエントリー。

更にその代表は皇女であるマリナ・イスマイール。
雅で大人しい彼女が格闘家=ガンダムファイターになるギャップに誰もが驚いた。
しかし、彼女は10代の時に親の英才教育の一環として始めた槍と弓の分野でずば抜けた才能を発揮。
だがマリナの興味は昔から続けていた音楽に向けられ、両親を必死に説得しそれらの競技はあっさりと辞めてしまった。
まさかそれが革新的な制度に活かす時が来るとはマリナ本人思ってもみなかった。

「戦い」を徹底して嫌う彼女だが、命を奪うことのないこの「闘い」には自ら名乗りを上げた。
国民の幸せの為にできることに突き進む理念がこのような形で実現しようとしている……

とは言え肉弾戦をしたことのない彼女には基本的にガンダムファイトは不利。
スタンダードな身体捌き、走り込み、筋力トレーニング、最低限の格闘訓練……
それらを行っても基礎的な身体能力では他のファイターに一歩譲る形になる。
巧みな槍術と弓術で数人のファイターを倒してきたのだ。

これは皇女にしてファイターであるマリナとある少年の一日を描いた物語……
0201マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:38:27.49ID:m6ukO6us
「すごい、ガンダムめっちゃデカイ!」
「負けるな、皇女さま!」

ここは、中東のアザディスタンのとある町にある孤児院ーーー
子供達はこぞってテレビに釘付けになっているが、アニメではなくスポーツの特集。
それも、先日ノルウェーで行われたガンダムファイトの映像だ。
まだサバイバルイレブンの段階だがこの手の番組の視聴率は高い。

司会者はテンション高く実況を続けている。

「さあ、始まりました!我れらがノルウェーと中東のアザディスタンとの試合!
我らが代表、広大な炭鉱を有するキルステン・バルグの駈るガンダムブラース
対するはアザディスタンのファイターにして皇女でもある……マリナ・イスマイールの駈るガンダムファーラ!!
一体勝利の女神はどちらに微笑むのか!
ガンダムファイト!レディ……ゴー!!」

ノルウェー代表はハンマーを持つガッシリとした神話のドワーフのようなガンダムブラース……
キルステンは立派な髭を生やした大男。
青銅のような暗いスーツに身を包んだ筋肉質な姿。

対するアザディスタンは、細身の青紫のガンダムファーラ。女性的なしなやかなラインは正に皇女専用と言った趣だ。
画面に映ったその乗り手に子供達は目を奪われた。
皇女にしてファイター……マリナ・イスマイールは長く豊かな黒髪、白い肌、澄んだ水色の目の女性だ。
普段から国の安定や貧困に喘ぐ各地の慰問に力を入れているので、今は眼前の敵を厳しく睨んでいてもその優しいイメージは国民から消えることはない。
格闘家らしからぬのは顔だけではない。
スラリと伸びた手足、ほっそりした胴体。
しかし鍛えられているので程好く引き締まったシルエットと筋肉の切れ込みが青紫のスーツから見える。

テレビの前の女子はその雰囲気に、そして男子は美貌とスタイルに各々釘付けになっていた。
特に、このアクバルという少年は一番目を輝かせている……
彼はやんちゃで孤児院の職員が手を焼いていた。
0202フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/11/26(月) 22:42:16.96ID:m6ukO6us
「行け!皇女さま!!」
「おい、アクバル。落ち着けよ!」

振り上げた腕を友達に退かされても画面に魅入るアクバル。


マリナは右手には槍を構え、走ってくる相手を静かに待ち構えている。

「一撃で勝つ!」

ドワーフ宛らに体格の良いファイターの力強いモーションから繰り出される攻撃。
次の瞬間には皇女の機体の小さな頭部は破損するだろうと思われたが……

「なに?!」

すんでのところで相手を見失い戸惑う。
……次の瞬間

「どこだ!いきなり……あ……」

突如感じる腹部の痛みに仰け反るファイター。
マリナのファーラが持つMFサイズの槍が機体に命中していた。
倒れるキルステン。
瞬時にしゃがみこみ素早い一突きを食らわせたのだ。

「勝者、マリナ・イスマイール選手!」

圧倒的な勝利に驚きと興奮を隠せない子供達。

「すげえ、細いお姉さんが一発で相手を!」
「女性ファイターいるって聞いてたけど、ホントに勝てちゃうなんて、あたしも自信持っちゃったぁ。」
「おまえ、ファイターにはならないだろ。でも速攻で勝っちゃうんだから凄いよなあ!」

口々に感心を表す中、いつもは賑やかなアクバルは興奮のあまり何も語らず、笑みを浮かべて画面のマリナを見つめるだけ。

(す、すげえ……あんなに綺麗で強いなんて……
それに、あのスーツテカっててハッキリとスタイルがわかってそそるよな……)
10歳程の少年の関心事はやはりそこだった。

そこへやってくるシスター達。

「みんなー、今日はお客様が来ておりますよ!さあ、どうぞ。」
0203マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:44:09.67ID:m6ukO6us
「皆さん、こんにちは。マリナ・イスマイールです。」

子供達は呆気に取られた。さっきまでテレビに出ていた姫がここに立っている。
控えめながら雅な佇まい。そしてフランクで優しい笑顔に誰もが目を丸くした。
身に纏うのは流石にあのピッチリスーツではなく、白い上着に紺色の膝丈スカートというシンプルな姿。
職員が企画した子供達への一大サプライズで、話を聞いたマリナはファイトのテレビ放送とタイミングを合わせるというアイディアに戸惑っていたが、子供達の励みになりたいと承諾した。
今日も他の国でファイトをした帰りに寄ったのだ。
孤児院から少し離れた場所に今日だけ置かせてもらっているガンダムを後で子供達に見せるサプライズも用意している。


「え、えーすごい!ホントにマリナ様?」

「信じられない!今テレビ見てたとこだよ?」

皆沸き立って彼女を取り囲む。

「ええ、前回の闘いよね?何だか恥ずかしいわ。でも、皆に元気を少しでも分けられたみたいで良かった……」

はにかみながら談笑を続けるマリナ。
やがて彼女は皆が戦争や犯罪が原因で家族を失っていた話を聞いて慰めたり、得意のピアノ演奏で楽しませたりしていた。
そんな時……

「ターッチ!」

「キャッ……!」

小さな手がマリナの胸を豪快に触った。
やったのはいたずらっ子のアクバル。

「ちょっとアクバルー、皇女様になんてことをー!」
「全くホントにこの子は…!こういう時に……!」

赤面しながらアクバルを戸惑いの目で見続けるマリナ。

「……んーテレビで見たけど、思ってた以上に小さめだなー
ここのシスターさんの方がでかかったぞ?」

「……わ、私は鍛えてるからそんなに大きくならないだけで」

初めて触れられた驚きでスムーズに話せないマリナの代わりにシスターが捕らえようとするが、少年らしい俊敏さで建物を出ていくアクバル。

「小さいけど、柔らかくていい感じ……
鍛えててもやっぱり女の人だな。」

掌を見つめながら広い空地に行くと、彼は一気に目を丸くした。

「これは……あの、マリナ様のガンダム!?」
0204マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:45:37.48ID:m6ukO6us
大木や簡素な滑り台やジャングルジムという日常的な光景の中に一際目立つ鋼の塊が片膝を着いてそこにあった。
さっき皆でテレビで見て盛り上がっていた自国の守り神・ガンダムファーラ。
頭部や腕部、脚部は殆どのガンダム同様に純白。
胴体と肩はマリナが演説や国内各地への訪問時に着ている正装宛らの鮮やかな青紫。
新聞等で見た他国のガンダムよりずっと華奢で格闘用機体というイメージはかなり薄れるが、やはり巨大人型マシンなので間近で見た迫力はかなりのもの。あんぐりと口を開けてしまう。


「……マジか?信じられねえ……あのMFがここにあるなんて……」

グルリと回り様々な角度から機体を鑑賞していくと、男特有のメカへの憧れが刺激される。

「実際に見るとでけえな……ん?」

背中から入る方式なのだろうが、肝心の背中ハッチが少し空いている。まるで入ってくれと言わんばかりの様子。
しかもそこから太いワイヤーが垂れ下がっている。いつもこれで乗り降りしているが、今日は仕舞い忘れたのだろう。
それを見て好奇心と悪戯心に溢れた彼に大人しくするのは無理だ。

「……やってみっか。」

グリップに付いたボタンを押すと背中の位置にスルスルと上がっていく。

「この高さ、何か不思議な感じだな……遊具の上に上がるのとは何か違う。
しかしマリナ様、意外と不用心だな。そこが可愛いか、フフッ。」

綺麗な皇女の「一人部屋」に侵入するようなスリルを持ってにやけながらコクピットに入ると、そこにはテレビで見たのと同様殆ど何もない、しかし真っ暗な空間が広がっていた。
手探りで探し当てた壁のライトを付けると無機質な壁に周囲の見慣れた町の風景が写し出され、天井と床に一つずつ設置されたリングが見えた。

「おー、テレビと同じだ!よく映ってるじゃん!
この高さだと色々イメージ違うなー。絶景かな、ってな。
取り合えずマリナ様ビックリさせたいから待ってるか!」

コクピットの隅にドカッと座る。
0205マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:47:01.08ID:m6ukO6us
それとほぼ時を同じくして、上空には一体の剛健な外観のガンダムが飛んでいた。
メキシコ代表のガンダムスティンガー。手足に付いた複数の棘、サイズは大小様々。
乗っているのは荒れくれ者のバイス・アリアス。元野盗・名うてファイターの一人だ。
180強の身長のガッチリした身体。日に焼けた肌に僅かな顎髭を蓄えている。

「ここか、アザディスタンの姫が来ている場所は。腕が立つようだが叩きのめしてやるぜ!」

掌に拳を当てて意気込む。彼は元野盗だけあり、手段を選ばず卑怯で荒っぽい戦術を好むファイター。
自国からも色々問題視されているが一番の適任者ということで御上が目を瞑っているのが現実。

何人かの柄の悪い男達が町の至る場所から出て来て旗を振っている。

「バイスの兄貴ー待ってましたぜ!」

「よお、お前ら!ん、あそこにあるじゃねえか。ターゲットのガンダム。暢気なものだぜ。」

ファーラを見つけると重々しい音を立てて降り立つ機体。
駆け寄ってくる柄の悪い男達。
彼らはバイスの盗賊時代の手下で、彼の為に暗躍する時がある。正にどこまでもダーティーなファイターだ。

「おい!皇女のファイターはあんただな!俺はメキシコのバイス・アリアスだ。
ファイトを始めようぜ!」

アクバルはその大声に驚きスクリーンに映る仁王立ちするガンダムに度肝を抜かれる。
しかも手下達がライフルを持ってこちらや近隣の建物を脅すような素振りを見せている。
やんちゃなアクバルも普通の子供。犯罪者や荒くれ者には耐性なんてなく、出るに出られない。
0206マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:49:57.47ID:m6ukO6us
「やばい、どうしよう……てかここで降りても危ねえし。
そういや、あの機体前に中継で見たけど、結構おっかない奴だったような……手下も従えてるし……
早く帰ってきてくれーマリナ様……」

しゃがみこんで怯えるのも無理はない。勝つために民間人を盾にしようとしたこともある極悪非道な相手だ。
近隣の住民も震えて黙り混んだり隠れたりしている。

「私に用!?」

そこに聞き覚えのある女性の声がして顔を上げる。
周りの連中も一斉にその方向を向いた[newpage]
「え……本当に来た……?」
「随分騒がしいわ。あなたの相手は私だけでいいでしょう。場所を変えましょう、ここにいる皆さんの迷惑になるし。」

そこにいたのは誰もが待っていたマリナ・イスマイールだ。服はあの時と全く同じだがファイトの時に見せた厳しい表情で強靭なガンダムと周りの犯罪者を睨んでいる。

「よく来たな、姫さん。でも、俺は人に従いたくねえんだ。俺が態々来たんだし、どうしてもってんなら上空でやり合おうぜ?
……その前にこいつらでウォーミングアップだ!やっちまえ、お前ら!!」

彼の一声で一斉にライフルをぶっぱなす男達。

「あぶね、マリナ様……って……アレ?」

アクバルの心配は無用だった。しなやかな動きで銃弾のパレードを避けると、男達を一人ずつ殴り、蹴り、投げ飛ばし全員をのしてしまった。

「いいぞ、姫!やっぱり、生身でも凄いんだ!……」

「……あっさり倒すとは……あいつらファイター程じゃねえが相当強いってのに……
やっぱ本物のファイターには勝てねえのか……」

「あなた、国の代表として恥ずかしくないの?」

「勝てりゃいいのさ!早く始めなきゃ町の奴らどうなるかわからねえぞ!」

ワイヤーを掴むと背中のハッチを開けっぱなしにしているのに気付いて頬を染めるマリナ。

「私のミスだわ……気を付けなきゃ……」

ハッチを開けると皇女とご対面。苦笑いしながら出迎える少年。

「ど、どうもマリナ様。凄かったぜさっきの闘い……」
0207フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/11/26(月) 22:54:24.18ID:m6ukO6us
「アクバル!ここにいたの!」

怒りながら近付く彼女の迫力に圧倒され俯くが……

「……本当に心配してたのよ。あそこにいる皆も何かあったら悲しむわ……」

格闘家とは思えない優しい力で頭を撫でられ、赤面するアクバル。

「ごめん、俺面白そうだからここに入っちゃって……
邪魔にならないように下りるよ……」

「……だめ!あいつは有名な悪漢よ。いきなり出てきたあなたを人質にするかも知れないし……」

「じゃあどうすりゃ……」

事実過去の大戦で使われていた緊急脱出用戦闘機は配備されていない。こうなれば……

「……そうね、壁にあるバーに掴まっていて。大丈夫、必ず勝つわ。
皇女の誇りにかけてあなたを無事に皆の元に帰すわ……
……だから、目を瞑っていてもらえる?」

「……わかった。」

口を閉めて覚悟を決めるアクバル。しかしこの年の少年特有の高揚が生まれて、いてもたってもいられなくなる。

(でも、あの姿になるってことだよな……
おい、ヤバイって……!)

興奮する彼をよそに静かかつ素早い動作で衣服を脱ぐ音が聞こえる。
それらを手慣れた動きで畳むと、床リングの中央に立つマリナ。


「バイス、今から始めるわ。モビルトレースシステム起動。」

(マジで始まるのかよ……あのスーツを着るのか……)
0208マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:57:58.55ID:m6ukO6us
(……うーん、我慢できねえ、許してくれよ。姫様。)

恐る恐る目を僅かに開けるとその光景に息を飲んだ……
幸いにもというべきか?目を閉じながら少し脚を広げ、祈るように両手をそっと握るマリナ。
これから闘うには相応しくない、寧ろ神を無垢に信じる聖女のよう。
柔らかさと優しさに溢れていた。

(ひめさま……邪魔しちゃいけない雰囲気だな
でも見ちゃう、ごめんな)

大人だろうと子供だろうと男であるのに変わりない。視線はその人並外れた美貌だけでなく、体にも注がれていた。

想像通りのスラリとして、同性の中でも華奢な体つき。
しなやかに伸びた長い手足。
どう見ても格闘には似合わない、寧ろ一流の女優やモデルのような姿。……但しシルエットだけなら。
手足は細い形を保ちながらも、程よい深さの切れ込みがあった。肉付きの薄い腹部にも腹筋のうっすらとした横ラインがいくつか走っており、縦ラインは比較的深々と主張している。
正に女性らしさと格闘家らしさの融合と言うに相応しい完璧なバランスだった。

……とは言えまだ子供のアクバルにはこの状況でここまで深く見る余裕はなく、全身の素晴らしさに驚愕し、男心を揺さぶられるしかなかった。
0209マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 23:00:52.54ID:m6ukO6us
(すごい、マリナ様……
見ちゃった……姫様の裸を見ちゃった……
俺もしかして重罪?)

様々な考えが頭の中にとっちらかって、眼前の光景を目に焼き付けるしかない。

そして天井のリングから薄い布が力強い勢いで降ってくる。
彼女が王宮にいる時と同様、鮮やかで品のある青紫と、雪のような純白の二色に彩られたスーツ。
一気にマリナの肩から足元まで降り立つと、彼女は無表情から一転、目を閉じたまま苦しみ始める。

「う、ああ、……うう……!」

伸びやかな手を重々しく揺らし、激しくスイングすると両腕は一気にスーツに包まれる。

「が、頑張れ。マリナ様。」
0210マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 23:03:33.96ID:m6ukO6us
初めて見る、皇女の苦労に思わず呟いてしまう。[newpage]
「う、ああああぁぁぁ……」

小振りな胸や細い鎖骨を覆うスーツ。
細く引き締まった胴体を大胆に反らして、体を柔らかいモーションで捻り続ける。

しかし、次が色んな意味で問題だった……

控え目な毛で守られた秘所に当然の如くスーツが食い込む。すると……

「お、おおお……や、く、くす……」

(……?お、おい何を……)

いきなりそそるような声を出すマリナ。しかも、今度は体を反らす代わりに尻を突き出している。
アクバルも反応してこれまで以上の視線を注いでしまう。

「く、くすぐったい……あ、あ……」

男の好奇心が煽られたのかマリナの背後に回るとやはり、小さくも美しく引き締まった上向きの尻がスーツに包まれながらこちらに突きだされている。
尻を振って何とかスーツを体にフィットさせようとしているのを知って尚興奮するアクバル。
前後の秘所に与えられるスーツの摩擦と闘うマリナ。

「……!」

(マリナ様、くすぐったいって……てかこのポーズ相当ヤバイんじゃ……
俺ケツ触っちゃいそう……いや、ダメだ。んなことしたら処刑もんだ!)

子供なりに理性を働かせ、伸ばした手を慌てて引っ込める。

「……ふー、はあああぁぁぁ……!」

脚を含め下半身を激しく動かして全身にスーツを纏うマリナ。

一回のファイトや訓練毎にスーツは入れ換えられるので、前後の秘所は新品の冷たさが与える心地よい刺激に少しの間耐えることになる。

「色々、大変なんだな……ファイターって……」

背後のバーに掴まりながら呟く少年に対し、ニコリと笑顔で首を横に振る皇女。

「ひめ……」

もはや彼はマリナのことしか考えられない。

「さあ、やりましょう。」

互いに上空に浮かび上がる両雄の機体。

「ガンダムファイト! レディ……ゴー!!」
0211フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/11/26(月) 23:08:48.73ID:m6ukO6us
ここまで投下して思いましたが、これからは純粋にバトルオンリー(少年とマリナの接触シーンが少しある位)なので勝手ながら割愛させて下さい。

因みに書き忘れましたが、ファイティングスーツのデザインは腕と下半身が青紫、胴体が純白で青紫の模様が入っています。

それでは失礼しました。
0213フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/04(火) 15:28:56.67ID:uczptf7P
またマリナのファイター小説を書いたので前半だけ投下します。
エロそのものの比率は前作よりも少し多目でシリアスな凌辱ものとして書きます。(快楽を与えるのではなく、ガチのものです)
その為、ノリは180°違うものになります。
主役は同じですが、淑やかな闘士とはなんの繋がりもない別作品です。

また、彼女の戦闘スタイルやスーツは共通になりますが、システム関連は原作のGガンダムとは少し違います。
モビルトレースシステムは、ファイターの動きだけでなく武器関連もトレースする。全てのMFのコクピット内にはその機体が使用する武器を人間が使用するサイズに縮小したものが設置されている。
つまり、剣を使う機体に乗るファイターはコクピット内で普通のサイズの剣を振るいながら戦います。

一言で言うと、前作と繋がりがなく、システムが少し別物ということ以外は、基本的な設定は同じです。
0214マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:29:55.44ID:uczptf7P
アザディスタンの皇女・マリナがガンダムファイターになって数ヵ月。
最初は戦闘経験のない彼女が代表ファイターになるのに異論を唱える者もいたが
非力であっても、弓と槍の卓越した技術で目覚ましい活躍をしたことで自国のみならず他国からも評価の声が上がっていた。
……そして復讐を望む者もいた……

凄まじい怒号と爆発音が響くアザディスタンの首都……
サバイバルイレブンも後半になる今日、武装集団が首都に攻め入ってきたことで、本国の軍は急遽戦闘を迫られることになったが殆ど防戦一方。これを皇女が見逃すはずもない……

「……あの人達、あんなことを……!私が行きます。」

「気を付けて下さいね。もうすぐガンダムファイトの決勝ですから……」

「大丈夫。救助活動の要請をお願い。」

手を怒りで震わせて王宮の地下に進むマリナ。
そこに佇むのは彼女の愛機ガンダムファーラ。今の彼女の正装宛らに白と青紫に彩られた細身のガンダムだ。
他のファイターに比べ肉弾戦を不得手とするマリナの為に槍による中距離、及び弓による遠距離戦を主軸にした機体設計をされている。
MFとしては変わり種だ。
0215マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:30:52.13ID:uczptf7P
「……みんな、今行くわ……!」

ワイヤーでコクピットに乗り込むと丁寧かつ素早く服を脱ぐと、生まれもっての細くしなやかな体が表れる。
一見ファイターらしくないが、全身はさりげなく引き締まっている。
床中央のリングの中に音もなく座り細長い脚を伸ばす。
目を閉じて祈るように両手を握る。
これがマリナのスーツ装着における精神統一スタイルだった。[newpage]
「モビルトレースシステム起動。」

天井のリングから純白と青紫のスーツが降りてくる。
強烈な圧力を伴いながら、一気にマリナの首から脚までを大雑把に覆い尽くしてしまう。
「うっ、うっ……!いやぁぁ……!」

苦しみながら体を捻り、スーツを馴染ませようとする。
訓練によって更に小さくなった美乳を反らしながら握り締めた両手を伸ばし、上半身の力を総動員する。

「うっ……あぁぁっ……」

艶のある黒髪を振り乱し、強かに揺らした細長い腕を布の余剰部分から引き離す。
細いウエストに捻りを効かせて胴体にもスーツを纏う。

「このぉぉっ……!!」

布のプレッシャーに逆らいながら、ゆっくり立ち上がろうとする下半身。
いつもの習性から力を入れたアナルはギュッと締まる。愛している国民や他国のファイターには絶対に見られたくない姿だった。
0216フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/04(火) 15:32:21.63ID:uczptf7P
すいません、長すぎました。


立とうとする程女性の秘部にしつこく食い込んでくる布……

「いやぁぁ……!!もう、こんなの……」

冷たく柔らかいそれは、同時にアナルにも刺激を与えていた。

「……うう……!」

腰を突き出し、小さく上向きの尻を世話しなく上下にスイングする。
摩擦音が余計に彼女の羞恥心を誘ってしまう。

……ギュ、ギュギュ……!!

「はや、く!……はぁぁぁ!」

頬や耳を赤らめて思いきり腰を曲げる。手が爪先に届く程に。
ヒップに布が定着したのを感じると上体を起こして、長い脚を片方ずつ思いきりハイキックの如く蹴り上げ布を千切る!!

「はぁ、はあ、はぁぁぁ……!!」

スーツを装着し終えた彼女は、コクピットに設置されていた槍を弓に変形させ戦火の盛る場所に飛んでいった。
0217マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:34:38.89ID:uczptf7P
街では武装集団のMSが大量に暴れ、火の海を作っていた。
MSは戦争が廃止された今ではやや古い扱いを受けるが、これらのものは違法改造で内部をチューンアップしている。
無論、並みの武力では歯が立たない。
……そんな時、鋭く強靭な矢が複数の機体の頭部を撃ち抜いていく。メインカメラを破壊されて倒れていくMSの集団。

「止めてください!戦争は終わったのに何故このようなことを……!
テロなど無意味です!」

そこに降り立つ矢の主……即ちマリナのファーラ。
戦いを嫌う彼女の切なさと憤りの籠った声が大火の中、通信によって響いていく。

「テロ?何いってんだ!?俺達は金で雇われただけだ!」

「……何ですって……?」
0218マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:35:35.76ID:uczptf7P
すぐに飛んでくる援軍の銃弾をファイターらしい鋭敏なセンスとモーションで避けると、彼らの機体頭部、及び武装を見事な射撃で破壊していく。
こっそり近付く機体を察知すれば華麗な足払いとしなやかなチョップで破壊し戦闘不能にしていく。
マリナは弓と槍の技術に長ける反面、ファイターとして非力ではあったがそこいらの軍人を凌ぐ身体能力を持っていた。
しかも、このように相手を殺さずに戦闘力を奪う力の加減も心得ていた。

「無駄な殺しはしたくありません!もうこれ以上は……!」

切実に呼び掛けた途中で……

「キャア…………!!」

鋭い一撃を肩に浴びて膝を着く。

振り返ると、一体の鋭角的なガンダムが巨大なバスターソード片手にマリナを見下ろしていた。

「……あなたはあの時の……!」

遠くない記憶の既視感が彼女に去来する。
0219マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:36:27.03ID:uczptf7P
「覚えていたか、お前に数ヵ月前に倒されたファイターだ。」

やけにプライドの高そうな口調の男は冷たく非情な目をマリナに向けている。
大剣にかけては右に出るものはいない実力者。
しかし人質を取るなど手段を選ばないスタンスから悪評な選手だったが、ギリギリでマリナに負かされた。
その時の報復に犯罪者達を金で雇ったというわけだ。

「相変わらず、このようや真似を……国民達は無関係でしょう!」

「俺はただあの時のリベンジがしたいだけだ。」

次の瞬間、相手機体の肩から放たれた強力なミサイルが腕に直撃、弓は地面に落ちていった。
同時に彼女が直接持っていた弓も足下に落ちる。

「しまった!」

拾うとした瞬間、敵の大剣が胸を鋭く斬り裂いた。

「きゃあぁぁぁ!」

そのまま連続で斬られ倒れるマリナ。

「う、うう……」

男は大剣を捨てると、彼女の弓を拾い槍状に変形させた。

「愛用の武器でされるのはどんな気分だろうな……」

「何を…………!」

いきなりファーラを俯せにすると槍のロッド部分でそのリアアーマーを殴り始めた。

「きゃぁぁぁ……!」
0220マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:37:19.51ID:uczptf7P
勿論ダメージはマリナ本人の尻に伝わってしまう。
金属がぶつかる音がする度に上向きの美しい尻が揺れ動き、皇女が悲鳴を上げる。

「私のことはいい……み、皆には、手を出さないで…………」

「流石皇女だな。だがいつまで喋っていられるかな?」

今度は槍の刃をリアアーマーに思いきり突き刺した。

「きゃぁぁぁぁ……!!」

直接刺されてはいないものの、トレースシステムにより感覚が繊細に伝達されるのでその痛みはかなりのものだ。
血液こそ流れなかったが直腸が裂かれるような痛みに襲われ尻を痙攣させる。

炎と瓦礫に包まれた街に響く姫の叫び。ファイターを含め、他の者達にも刺激を与えていた。

「さて、本題に入ろうか……」
0221マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:38:05.43ID:uczptf7P
痛みによって体を震わせるマリナ。
自分の武器で襲われたことはショックだが、痛みの中で逆転の為に考えを巡らせていた矢先、胸が凄まじい痛みに襲われ仰向けになる。

「うそっ……!そんなことって……」

ダメージだけでなくコクピットが抉じ開けられ敵のファイターが堂々と入ってきたのだ。
0222フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/04(火) 15:39:06.44ID:uczptf7P
はい、今日はこういう感じです。

また近い内に後半を書きますね。それでは。
0224フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/09(日) 21:33:40.45ID:yjS+aQfB
どうも、マリナ 犠牲の皇女の後編を次レスから投下します。
0225マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:35:50.92ID:yjS+aQfB
愛機と同型の大剣を携えたファイターが苦しむマリナをニヤニヤと観察しながら襲いかかってきた。取ろうとした足元の弓をコクピットの隅に蹴飛ばされ、腹を殴られる。


「ぐ……!」

刃の鋭い閃光が走ったと思った瞬間、鮮やかに彩られたスーツの胴体部分の中央がハラリと落ちて、褌のように垂れ下がる。
マリナの程よく鍛えられた胸と腹筋が晒される。これで胴体を守るスーツは脇腹と下腹部、背中部分だけになった。
咄嗟に胸を覆い相手を睨むマリナ。

「どこまで卑劣なの……」

「それは昔からさ。」

更に腹を剣の柄で殴り、その隙に彼女の愛弓を手にし槍モードに変形させ近付いてくる。
生身での格闘が不利なマリナにとって絶望的な状況だ……
0226マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:36:58.47ID:yjS+aQfB
「きゃあ!」

逃げようとすれば脚を捕まれ倒されると、俯せにされてしまう。

「……私に復讐したいなら構わないわ……でも国の皆には……」

男のしたがっていることは薄々気付いて多少の不安もあったが、国民を慮る感情は本物だった。

「ご立派だな。なら……」

「いやっ……!!」

体の一部がやけに冷たいのは気のせいだろうか。スーツの腰から尻部分を繊細な剣捌きで斬られ、臀部を丸ごと暴かれてしまった……
今まで強敵との闘いで弱気になりながらもすぐに自分を奮い立たせて立ち向かってきた皇女もこの状況には耐性がなく、不安の色を雅な美貌に滲ませる。

「いい眺めだ、皇女様……今度はあんたの大事なものを返してやろう。」[newpage]
彼女の槍の柄をそのアナルに豪快に突き刺した!

「いやぁぁ…………!!やめて、痛い……!」

「いい声だ。声楽をやっていただけある……
しかし、そんなに嫌がってるとタメにならんぞ……?」

促されてモニター越しに街を見ると、ある若い女性が暴漢の一人に服を剥ぎ取られ泣いていた。

「あの女を助けたかったら、俺に逆らわないことだな……できるよな、優しい皇女様なら。」

「……っ……わかったわ。その代わり絶対にあの人には手を出さないで。」

震える声で条件を飲むマリナ。暴漢が一旦動きを止めて女性を拘束するに留まったのを見届けた矢先……

「きゃあぁぁぁ…………!!」

絹を裂くような悲鳴を上げてしまうマリナ。
敵のファイターが槍の柄をグリグリと乱暴に回しアナルに衝撃を与えていた。
勿論、これで国を救えると信じて愛用していた槍で弄ばれるのがファイターとして、皇女として、何よりも女として凄まじい屈辱だった。

「ハハハ、相当効いたようだな!!一国の代表もこうなればただの女か!」[newpage]「はあ、はあ…………」
0227マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:38:53.94ID:yjS+aQfB
引き抜かれぐったりしたマリナの尻を掴む男。

「いや、触らないで!!」

「いいのか、あの女がどうなっても……」

「…………」

無言で自らのアナルを開いて喉元を震わせる皇女。

「そうだ、お前は逆らえないのさ。」

「……っ!」

国は比較的貧しくとも、王族だけあり経済面・衛生面で庶民より恵まれているマリナのアナルは想像以上に綺麗だ。
それに感心すると、男は自分のスーツ股間部分を破り、大きく達したぺニスの先端を勿体つけながら入れた。

「…………っ!」

ビクッと肩を震わせて汗を垂らす皇女。

「ふふっ、育ちの良いあんたはこういう下品な遊びは知らんか。力を抜かなければ裂けるぞ。」

そして根本まで容赦なく入れると激しい躍動で腰を叩きつける。

「い、いやぁぁぁ……!!」

抉じ開けられたコクピットを通し街中に響く悲鳴。人質として捕まった女は耳を塞げず唇を噛み締めて目を閉じるだけ。

「マリナ様……ごめんなさい……」
「い、いたい、いたい…………きゃぁぁぁ!!」

涙を浮かべて叫ぶマリナ。しかし人質がおる以上、止めるのを懇願する言葉を無理矢理抑え込む。
それが却って男を刺激した。
硬く熱いぺニスは摩擦を何度も腸内に与え、鮮血に染まっていく。
招かざる客の襲撃に何も受け入れたことのないアナルはパニックで反射的に締め付けていく。
擦りきれる痛みが皇女を追い詰めていく。

「よし、健気に耐えた褒美にいいものをくれてやろう……」

「……ひぃっ…………!!」

咄嗟に許しを乞いそうになった自分を押さえつけ、それでも恐怖の声は漏れ出る。

「……受け取れ、マリナ皇女!!」

「いやぁぁぁ…………!!」

アナルに大量の白濁を流していく。
男に引き抜かれ、俯せに倒れるマリナ。
ファイターのスーツは大事な場所を破られ、精液が不浄の穴から逆流していく……

「よく頑張ったな。素晴らしい具合だったぞ……」

頭を撫でられても無反応のまま涙を流すマリナ。
「さあ、この後はわかるよな?」

「…………いや、もう、もう、やめて……」

反射的に上体を起こして首を横に降りながら逃げようとする。
0228マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:40:36.38ID:yjS+aQfB
「そうか、ならば仕方がないな……」

男の合図を受け、地上にいる例の暴漢は人質の女性を押し倒し、手慣れたモーションで男根をあれよと言う間に突き入れた。
絶叫する女性。それを目にして青ざめるマリナをニヤニヤと見ている敵のファイター。

「……やめ、やめてください……!もう絶対断ったりしません!!
だから、あの人を離してあげてください!!」

泣きながらすがるマリナの肩をポンポンと叩く男。

「そうだよな、国民第一だもんな……
それではメインディッシュといこうか。……但し、条件付きでな。」

「…………!?」

自分の痛み、国民の痛みに押し潰されそうな彼女は混乱のあまり、平時なら浮かんでくる疑念も持たずそれを受け入れてしまった……
そして、街の破壊活動は敵ファイターの一声で簡単に止んだ……
0229マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:41:41.65ID:yjS+aQfB
凄惨な殺戮が終わってから30分後、アザディスタンの王宮前にやってきた敵のガンダムと雇われ兵達。
彼らが勝手に設置したモニターに二人のファイターが映し出されていた。

「お前ら!よく聞け!この国の皇女・マリナ・イスマイールは自らの身を守る為、お前らを見捨て、俺に身を捧げる道を選んだ!」

敵のファイターは自分のガンダムの肩に乗り、恐ろしいことを叫んでいる。
彼の隣に立っているのは以前の通りボロボロのスーツを身に付けたマリナ本人。
彼女は何かを決意した顔でマイクに叫んだ。

「国民の皆さん、私は取り返しのつかない裏切りをしてしまいました!
私は、戦いに破れたのみならず、この男から、…………体を弄ばれ我が身可愛さに奴隷になるのを決めました……
私を今まで信じてくれた皆さんを売る形で……
……これから、本格的に、玩具にされるつもりです……」

国民達から怒号と嘆きが滝のように降ってくる。

「どういうことだ!俺達を救うと散々言ってきただろう!あれは嘘だったのか!!」

「あなたが敗北するなんて……!!」

マリナはただ沈黙の中で唇を震わせるしかない。

あの時出された条件は、「マリナ自身が凌辱を受け続けることで、自分の命だけは見逃してもらう決心をしたフリ」を国民の前で見せること。
そのようにマリナ一人が裏切り者を演じなければ国民を解放しない、というものだった。
本来ならこんな誓いは反故にされるのはわかるのだが、今の彼女にはその判断ができなかった……
この取引で最初から明るみになっている真実はマリナが一生性奴隷になることのみ。

「…………!みんな、あと少しの辛抱だから……」

それは消え入りそうなマリナの声だった。

(私さえ、私さえ【裏切り者】になれば……私だけが奴隷になれば……この国はきっと……!)

小さな拳を握りしめる彼女を優越感で一瞥する敵の男。
0230マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:43:30.37ID:yjS+aQfB
「さあ、始めようか!!」

ガンダムの肩と言う不安定な足場で始まる凌辱。
マリナはスーツの股間部分を破られ、女の秘所を晒されると、はしたない体勢で体を抱えられた。
俗に言う駅弁ファックの格好でいきり立つぺニスが男を知らない花園に入り込む。
愛撫やローションで一切濡らされていないそこにはかなりのダメージだ。

「…………っ、きゃぁぁぁぁぁ!!」

凄まじい悲鳴を上げるマリナ。
本来男と繋がる場所とは言え、強烈な痛みだけを伝えるピストン運動。
破瓜による流血が隙間から白い太股に流れていく。
民衆の怒りと悲しみが混ざった大音響は凌辱者を更に昂らせる。

「……ふふ、素晴らしい締め付けだ……
どうだ、マリナ。愛する民共に罵られながらされるのは!
もはや皇女の威厳は地に墜ちたな!」

「……きゃ、い、いた、いたい…………!
……でも、これで、みんな、助かるなら……!」

「ふ、そんなこと本気にしたのか?愚かだな。」

「……な、何ですって……!?」

一気に凍てつくマリナの表情。
0231マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:44:59.19ID:yjS+aQfB
次の瞬間、王宮の敷地に次々と爆発が起こり、人々は恐怖の叫びを上げる。
ファイターの命令で悪漢達が爆弾を作動させたのだ。
誰もが逃げ惑い、ある者は炎の中で消えていく。

「みんな…………!!!ねえ、これはどういうこと!?約束が違うわ!」

取り乱したマリナから肩を揺さぶられた男はニヤけながら

「誓いはな、破るためにあるんだよ!態々こんなことまでしてご苦労なことだったな、甘ちゃんの皇女さま!!」

「…………!……いやぁぁぁ…………!!」

苛烈に突かれた末に熱い精液を奥に出されて泣き叫ぶ皇女。
とは言え、一生慰みものにされ続け国民を救えないのは変わりない。

炎に蹂躙される国の中で、取り返しのつかない後悔に一人苛まれていった。
0232フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/09(日) 21:54:55.13ID:yjS+aQfB
以上です。

前作はライトなノリでしたが、今作は重い感じにしました。
暗い話なので、比較的原作のマリナっぽい雰囲気が出せた手応えもあります。
でも思い返すと、重要なレイプシーンは短いなと反省してますorz

ただ、前作との繋がりがないのでモビルトレースシステムにオリジナル設定入れたり思うようにアレンジできました。
マリナがファイターとして格闘苦手なのは変えなかったんですけどねw

また何かしらの新作ができたら投下するかも知れません。
それではノ
0234名無しさん@ピンキー2018/12/16(日) 23:51:00.58ID:Ap+zexad
マ・クベってやっぱり中国系なんかな
だとしたら漢字でどう書くんだろ
0236フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:40:50.32ID:gd6LabQQ
以前書いた『マリナ 犠牲の皇女』の後日談です。まだ一話だけですが……
予め書いておきますと、今回スカ要素があります。

マリナが敵に敗北し、アザディスタンも無惨に破れ去り1ヶ月が過ぎた……
敵ファイターの国の謀略により、正体不明の武装組織の仕業だというデマを世界中に発信された。
アザディスタンの物資や金銭は次々と件の敵国に秘密裏に奪われていった。
そして、何割かの国民もその敵国に奴隷として売られたので、労働力が減少したアザディスタンは再び地獄の日々を送ることとなった……

ここは例の敵国、あのファイターの自宅である屋敷。
多くの関係者がそこでパーティーに興じる中、奥の私室では凄惨な遊びが行われていた……
0237フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:41:41.62ID:gd6LabQQ
「や、やめて!これ以上は……」
「やめるものか!お前のような上玉、手放すわけがないだろう。」

壁際の手錠で繋がれたアザディスタン元皇女にして元ファイター・マリナ・イスマイールが館の主であるファイターにアナルを犯されていた。
鍛えていたとは言え筋力の差は歴然、抗うこともできずに為されるがままだ。
それに手錠は特別に拵えたもの、ファイターの彼女ですら破壊できない頑丈さだ。
毎日女性器だけに飽き足らずアナルまでも凌辱され心身共に追い詰められていたマリナ。
生来の美貌こそ健在だが、少し頬が窶れて肌も蒼白くなっている。
服はあの時ボロボロにされたファイティングスーツのままだ。

「しっかり受け止めろ!!」
「いやぁぁぁぁ!!」

大量の精液が彼女のアナルを満たしていく。
引き抜かれれば何度も犯され広がったアナルから血と白濁液が溢れてくる。

満足した男はそのまま私室を出て鍵を掛ける。

「酷い……神様は私達を見放したのかしら……」

涙を流して天井を見上げるマリナ。
最初にあの男に犯された時はそのショックと国民を救いたい感情でパニックになり、甘言に乗ってしまった。結果、それは守られることはなく国は蹂躙され、自分もこの状態。
凌辱の後に思うのは国を救えず弄ばれる屈辱と国民の現在だ。
卑劣な男と政府のこと、無事な筈はないのはわかっていても願わずにはいられない……

「みんな、お願い、生きていて……」[newpage]
同じ頃、夜空を舞う多くの飛行型MS。フラッグとイナクトのカスタム機が高速で小型ミサイルを館に発射。
大量の客が逃げ、怪我人も10数人出た。

「一体、何だ!?」

館主のファイターは例の大剣を持ったガンダムで応戦するが、新型のスピード・ビーム・煙幕の前に成すすべがない。
そして同時にその部隊は地面を、いや地下を襲撃。地下に保管されていたガンダムファーラを強靭なワイヤーでホールドすると猛スピードで何処かに去っていった。

そして時を同じくして監禁されたマリナも……

憔悴しながらも外の騒ぎに反応したマリナに声が届く。

「アザディスタン皇女、マリナ・イスマイール様ですね?」

「誰!?」

窓の外には鋭く巨大なゴーグルがこちらを見ている……ブルーに塗装されたイナクトだった。

「あなたを助けに来ました!」

部屋の一部を小型爆弾で破壊し、マリナの手錠を繊細かつ迅速に壊すと、彼女をコクピットに乗せて飛んでいった。

中には彼女が以前何度も見たアザディスタン用ノーマルスーツを来たパイロットの姿があった。

「あ、ありがとうございます……しかしあなたは我が国の……」

「はい、我々はレジスタンスを結成したのです。アザディスタンを救うにはやはりあなたのお力が必要です……!」

「レジスタンス……わかりました。私も、取り戻したい……みんなを……」


「全く、何処のどいつだ……!マリナまで奪われた……」

敵のファイターが辺りを見回した時にはレジスタンスは全員姿を消していた。
0238フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:42:27.27ID:gd6LabQQ
コクピット内で既にフラフラだったマリナ。何とかイナクトのパイロットに連れられてアザディスタンに帰国。
国内でも人口が休僅かしかいない辺境の村にあるアジトに案内してもらった。
ボロボロにされたファイティングスーツから緑のワンピースに着替えて彼らの元に。
そこでこの組織の沿革を聞いて驚愕した。

戦争廃止及びガンダムファイト制定と同時に所謂自衛隊的なポジションに変わったアザディスタンの軍隊。
しかし、政府に極秘で海外に留学し、更なる軍事科学を得て帰国した一部の科学陣・再び戦争が起こり得る可能性を危惧した一部の政治家によって作られたレジスタンスだ。
命の奪い合いを嫌うマリナは難しい顔を浮かべた。
平和を目指しながらも彼らの行動に気付かなかった自分を皇女として歯痒く思った。
しかし、苦しめられている国を救うには彼らの後ろ楯が必要。
幸い自分をファイターとして鍛えてくれたトレーナーもここに身を寄せていた。
迷うことなど何もない。

「皆さん、今日は本当に感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。
……私は敗北した時、皆さんを裏切った発言しましたが、あれは嘘です。
決して言い訳のつもりはありません。
今国がこんな状況になっているのに今更ですが、私はある女性を人質に取られて……私自身弄ばれ、国を救う条件としてあの発言を……」

彼女の真摯で切ない様子にレジスタンスのメンバーは信じてくれた。

「私は……もう一度戦います!皆さんがファーラも奪還して下さいました。後は修理して頂ければ……」

忘れもしない、愛する国民の前での凌辱後、ファーラはマリナの眼前で敵によって無造作に傷つけられた。
以前自分を負かしたマリナに対するあの男の執念はかなりのものだった。
レジスタンスの技術が必要。メカニック達は腕の見せ所だと快く承諾してくれた。
そして、それまでの間彼女はこの組織が開発した新型イナクトで訓練に励むことになった。
0239フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:44:03.93ID:gd6LabQQ
レジスタンスがモビルトレースシステムを取り込んだ白銀色のイナクトは勿論可変式。
マリナ救出後に彼女用に作られた機体なので、弓による射撃の為センサーが発達。
主な武装はファーラ同様、弓に変型する槍・ボーガン・改造型リニアライフル。
本体の出力、頑強さと飛行スピードは本家イナクトを圧倒的に凌ぐ。
フラッグ・イナクト特有のディフェンスロッドを初めとした各種装備の性能も同様である。

ここはレジスタンスアジト地下にある訓練所。

「それでは皆さん、今から始めます。」

スタッフが見守る中、ワイヤーでコクピットに入るマリナ。
一ヶ月程の凌辱され続けたので動きは以前より少しだけフラフラしているが意思は本物だ。
0240フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:45:17.94ID:gd6LabQQ
内部は細身のイナクトだけありガンダム系の2/3程の広さだったが、それ以外は全く同じ造りだった。
天井と床には懐かしいリングが彼女を待っている。

服を丁寧に脱いで収納ケースに入れると、祈るように手を握り床リング中央に立つ。

「必ず、取り戻す。ファイターとしての強さも、国も、みんなも……!!」

天井リングから降りてくるのは白と銀に彩られたスーツ。
久々の装着故に沸いてくる緊張を解すように冷静になろうとする。

「うぐっ……!!」

柔軟な感触も、全身を圧迫するあの感覚も全て再現されたスーツ……
既に装着にはある程度慣れたものの、僅か一ヶ月のブランクが空いただけで苦しさを感じる。
何度も凌辱されたので体もまだ疲れが取れていない。
胸を押し潰されそうな感覚に耐え、体をできるだけ強くしなやかに動かした。

「キ、キツイ……!!でも、負けない……!!」

力を込めて腕を広げて布を千切ると腕にフィット。

(そう、この調子よ……!!センス、失ってなかったのね……)
0241フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:45:36.36ID:gd6LabQQ
汗を流しながら自信を取り戻しかけたマリナの笑み。
胸や胴体をしきりに動かし定着させていく。

「う、うぐ……キ、キツイけど、このまま……いける……!!」

下半身にもしっかり纏わせようと尻を突き出し、男に玩具にされたアナルに布が食い込んでいく……
ここに来てから塗り薬を使ったばかりで完治はしていないため、布の圧力と無機質な質感、冷たさがとても堪えるのだ……

「……い、いたい!!……でも、何とか……!」

尻をせり上げ尚もアナルにフィットさせる。
そして、股間に侵入する痛みと刺激に抗う。

「あ、あ……負けない……!!絶対に……!!」

何とか上体を起こして両足を蹴り上げると全身にスーツを纏った。

「はあ、はあ……何とか、終わった……!!」

額から落ちる汗を拭うマリナ。
全身を見ると、ボディの殆どが純白だが、脚の付け根と尻の真上からアナルにかけて銀色のV字型のラインが入っている。
正に雪原が似合う美しいスーツだった。

「それにしても、凄いわ……戦争は反対だけど、ここまでスーツを再現するなんて……
…………な、何!?」[newpage]
突如驚愕するマリナ。

ブリブリッ……ブリリ!!

はしたない音と共に熱く重いものが尻から出ていくのがわかる。
ショックになりながら臀部を触ると、柔らかいものがそこにある……

「そ、そんな……私……!!」

そう、してしまったのだ。排泄を。
この一ヶ月、ずっと敵のファイターに性器のみならずアナルも無理矢理入れられ裂けていたのだ。
排泄物を留めて耐える力は徐々になくなり、今のスーツがアナルを刺激したことで完全に失われてしまった……

雪のように白い布に覆われた臀部は、茶色いものに侵食されていた。

余りのショックにペタンと座り込めば、スーツ越しに糞がぐちゃりと潰れて広がるが、今のマリナにはそれに気付かない程茫然としている。

「……そ、そんな、こんなことに……なるなんて……!」
0243名無しさん@ピンキー2019/01/13(日) 10:18:42.91ID:sB7759x6
ナラティブネタも見てみたいな
0244名無しさん@ピンキー2019/01/16(水) 01:07:04.41ID:yeZQAtv9
ヨナとリタの純愛も良し、小説版ミシェルの処女喪失、それをヨナと慰めックスするというのもありだな
0250フェニックステイル第29話前編投下準備2019/05/26(日) 12:31:59.43ID:qJB1Xe6i
お久しぶりです。
長らくスランプに陥っており、かつ一話分にまでまとまっておりませんが、ひとまず投下いたします。
直接の濡れ場はありません。
0251フェニックステイル第29話前編2019/05/26(日) 12:34:02.55ID:qJB1Xe6i
 暗礁宙域に影が走る。光が奔る。あらぬ方向からの一閃に胴を貫かれたRMS-106《ハイザック》の緑色の機影が、次の瞬間には膨れ上がる火球に変じて弾け飛ぶ。
 友軍前衛のハイザック隊を流れるように縫っては矢継ぎ早に撃ち抜いて、爆光と化しては消える友軍機の合間を抜いて、重厚なシルエットの黒い敵機が迫り来る。
『連邦軍最高のエリート部隊』を自称し豪語していたティターンズMS隊による前衛は、敵の初弾から数秒持たずに壊滅した。
『奴らは速い! ケイティ、下がれッ!!』
「で、ですが小隊長――突出した! 単機で来るっ!?」
 ティターンズの指揮下に組み込まれて行動する連邦軍一般部隊、そのRGM-79CR《ジム改高機動型》のコクピットで、つい先日に部隊配属されたばかりのパイロットの少女は声を震わせる。
 前衛を突破し、敵編隊から頭一つ抜けながら肉薄してくる黒い機影は、ジオンの重MSを思わせるマッシブさと、同時に連邦系を思わせる直線的なフォルムを備えていた。センサー有効範囲に捉えても、データベースに照合しない――新型機だ。
 衰えることなく迸る噴射炎が、その新型機を躍進させていく。速すぎる。自分が乗るジム改高機動型の『高機動』とはいったい何だったのかと喚いてやりたい気分になった。
 それでも少女は己を奮い立たせ、小隊長のRGM-79N《ジム・カスタム》と僚機に合わせて、ビームライフルの火線を開いた。途切れることのない推進焔を曳いて自在に加速し続ける敵機は軽やかに回避しつつ、なお猛然と迫り来る。
「このおっ!!」
 数機のハイザックを立て続けに屠ってきた機体は、3機のジムから降り注ぐビームの雨を圧倒的な加速力で掻い潜る。
 その手の小型ビームライフルから、ぱっと銃口が閃いた。だが狙われた僚機はティターンズ機のように即座に受けず、高速の光弾を巧みに回避する。
 だがその回避先へ、未来の機動を読んだかのような敵弾が来た。
 事前にその回避機動先の一点を狙って放たれていた新型バズーカの砲弾が、吸い込まれるようにジム改高機動型の胴体を直撃する。コクピットブロックを砕かれた機体が、瞬時に原形を止めず爆散した。
「曹長!?」
『こいつッ!!』
 少女は着隊からわずか数日。それでも今まで厳しくも優しく指導してくれていた先輩が、目の前で死んだ。
 その一年戦争時代からの友人だったという小隊長が、敵機との間合いを詰めて巴戦に入る。距離が詰まって角速度が激増し、小隊長のジム・カスタムはもつれ合うように弧を描きながら、Eパック式の試作型ビームライフルを連射する。
 少女は二機編隊を崩さないよう必死に追従しながら、高機動の振動でまともに定まらない照準から闇雲に射撃を放つ。
『ぐっ!』
 敵機の反撃が小隊長機のシールドを穿つ。チタン・セラミック合金製シールドの防御性能は、標準仕様の対ビームコートを施されていてもなお心許ない。
 小隊長が巧みに角度を付けて弾いても、敵の連射をわずか数発受けただけで溶けてひび割れ、そして無残に砕け散る。
『おおおおおおーーーッ!!』
「隊長ッ!!」
 ジム・カスタムはバレルロールを打って軌道上に『置かれた』バズーカ砲弾を掻い潜り、シールドを失った左手でビームサーベルを抜き放った。右手構えのビームライフルに、頭部バルカン砲の火線を加えながら小隊長が迫る。
 もつれ合う両者の距離が近すぎ、もはや少女は援護射撃をすることが出来ない。少女は次に取るべき行動を逡巡し、そして次の瞬間には決着が付いていた。
 左手のビームサーベルでジム・カスタムの斬撃を受け止め、敵機は小型ビームライフルの銃口をコクピットハッチに押し付けながら連射していた。
「あ、」
 これまで数機のジオンMSを撃墜してきたという小隊長は機体もろとも、あっけなく一瞬の火球となって消滅した。
 そして少女はそこで気づく。
 次に狙われるのは、自分だということに。
「き、消えた!? ど、どこ――ひっ」
 だから一瞬の空白を見逃した少女はその光景を、全天周モニターの正面に開いたカットイン画面の内側に見た。
 小隊長機の爆光に紛れた敵機が自身の背後へ回り込み、その手に握ったままのビームサーベルから、再び破壊の光刃を閃かせる瞬間を。
「ヴッ!!」
 ジム改高機動型のバックパックを貫いた光は、狙い過たず少女の肉体をその背中から直撃した。
 全天周モニタとリニアシートが燃え上がる間もなく蒸発し、メガ粒子の熱はパイロットスーツを業火に炙られた薄紙のように溶かし、小柄な少女のやや未成熟な肢体を破壊の中に暴露した。
0252フェニックステイル第29話前編2019/05/26(日) 12:36:14.97ID:qJB1Xe6i
 全天周モニタとリニアシートが燃え上がる間もなく蒸発し、メガ粒子の熱はパイロットスーツを業火に炙られた薄紙のように溶かし、小柄な少女のやや未成熟な肢体を破壊の中に暴露した。
 チタン・セラミック合金の装甲を瞬時に蒸発させる超高熱の中で、人体などは瞬時に骨まで焼かれて消え去るはずだ。
 蒸散するスポーツブラジャーの内側から、小振りだが弾力のある乳房が弾け出て、やや大きめの乳輪が顔を出す。
 少女はそんな超現実的な光景を、死の直前に時間がコマ送りになるのってこういうことなのかな、とどこか他人事のように考えた。
 バカバカしい。もっと思い出すべきことが他にあるはずなのに。それとも――空っぽの人生を生きてきた自分には、こんな最期が相応しいということなのか。
 そして裸身に剥かれた少女に、熱の暴力が襲い来る。
「アアアアアアアアーーーッ!!」
 装甲を、座席を、宇宙服を焼き尽くした炎が、次は少女の肉体を貪り喰わせよと押し寄せる。
 無数に伸びた炎の舌が、白い柔肌を破ろうと嘗め回す。しかし荒れ狂う灼熱は彼女を包む光に阻まれたきりそこを破れず、少女の肉体に火傷の一つも負わせられぬまま、その神経へ被虐の悦びばかりを深く刻みつけていく。
 うなじを、耳を、乳首を、陰核を、尻穴を、柔肌のありとあらゆる性感の源を、余すところなく炎の舌に責め尽くされる。乳首は勃起し、秘裂からはどろりと愛液が溢れ出る。
 まだ男と交わる悦びも知らぬ少女は瞬時にオーガスムの頂点へ達してそのまま突き破り、快楽の許容限度をその一瞬だけで振り切った。
(――いクウっ――)
 真っ白な光に染まりきったまま少女は絶叫し、その意識はそこでふつりと途切れた。



『流石です、大尉。手慣れたものですこと』
 連邦軍とティターンズのMSをあらかた片づけて追いついてきたRX-107《ロゼット》が、RMS-099《リック・ディアス》に肩を並べた。艶のある女の声が、接触回線越しに笑っている。
 リック・ディアスは背後から刺し貫いたジム改高機動型のバックパックから、ビームサーベルをゆっくりと引き抜いた。
 どろりと溶けた装甲材が急激に冷え固まっていく中、リック・ディアスが機体を片手でどんと押すと、その破孔から、光をまとった少女の裸身が流れ出てきた。
『あら、幸先いい。――早速『当たり』を引きましたのね』
『情報部に感謝しないといけないね。事前情報で敵追跡部隊の新兵に、ルウム出身の女子がいると知れて良かった』
 リック・ディアスのパイロットは言いながら不適に笑う。裸身のまま漂う少女をマニピュレータに掴むと、機体首元のコクピットハッチを開いてそこへ放り込む。その光景はさなら、生贄に捧げられた乙女を貪り食う異形の巨人のごときであった。
 コクピット内に空気を満たすと、少女の全身を覆う光が消えた。顔色に血の気が戻り、静かに呼吸を再開する。
 その上下する二つの乳房を満足そうに見つめながら、パイロットの男は彼女に手枷足枷を填めていく。慣れた手つきだった。
 いつの間にか到着していたMSA-003《プロト・ネモ》がロゼットとともに油断なく周辺警戒する中、悠々と少女の拘束を終えたパイロットは、MS隊を失って逃げゆく敵艦隊へ視線を戻した。
「用件は済んだ。では、あれらに消えてもらおうか」
『了解』
『承知』
 含み笑いと感情のない、二人の女の声が響く。エゥーゴ戦艦《ジャカルタ》MS隊の中核を成す三機は、そこでようやくスラスターを全開した。
 足並みを乱して相互支援も出来ないまま、暗礁宙域を這う這うの体で逃げる敵艦隊が放つ、おざなりな対空射撃をあっさりと抜いて砲口を向ける。
 ティターンズ第117戦隊は全滅した。
0253フェニックステイル第29話前編2019/05/26(日) 12:36:38.45ID:qJB1Xe6i
「ん、――」
 身体が熱い。下腹が疼く。股間から腿へと何か、熱い滴が広がっていく。
 少女が目を開くと、薄暗い一室の中だった。手足には枷が填められ、天井と床に繋がれている。身動きが出来ない。
「ここ、は……?」
 その密室で、少女は裸身のままだった。全身が火照っている。
 少女は渇いていた。喉が、ではない。もっと下の、いま夥しい愛液を垂れ流している、まだ一度も本来の目的で使われたことのない桃色の裂け目が――
 その空白を埋めてほしい、熱いほとばしりを奥までどっぷりと注いでほしいと、その燃え盛る雌の欲望と衝動が、少女の思考を一色に塗りつぶしてしまっているのだ。
 今や軍人として挑んだ初陣の帰趨も、共に戦った戦友の無事よりも、自身の置かれた境遇も省みることなく、少女は何より強い自身の肉欲に囚われてしまっていた。
「ぐっ……!」
 身をよじっても拘束は堅く、とても抜け出せそうにない。戒められた手首と足首ばかりに痕が滲む中、少女は闇の片隅に佇む気配に気づいた。
「だ、……誰……? おとこ、……おとこの、ひと……!?」
 欲望に濡れた瞳が、熱い吐息に乗せて言葉を唇から吐き出す。闇に立つ男は少女の視線を受け止めながら、ニヤリと笑ってみせた。
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