「あーちゃん……」「ん、なんだい黄金ちゃん」「しない?」「何を?」「私に言わせる気?」「言わなきゃ、わからない」「せっくすしよ」「え、聞こえない。もっ
と大きな声で頼むよ」「私、せっくすしたいの! ねえ、しよ」
「それは断る!」
そのとき朝吹黄金は愕然とした表情で立ち竦んだ……「な、なんでよ、ぴちぴちの女の子が誘っているのに、そんな言い種はないでしょう?」朝吹黄金の瞳から大粒の
涙が浮き出る。そこへ一希東は静かなる口調で言った。「約束したんだ。母さんと、二十歳までは女の子とエッチなことはしないって」「か、母さんて、汀さんのこと……?」
いまどきどんな約束してんだよ、という脳内独白は口に出そうになって何とか押しとどめる朝吹黄金であった。「ああそうだよ黄金ちゃん」「でもどうしても我慢でき
なくなることあるでしょう?」「そんなときは母さんがお風呂でしてくれるよ、手でね」「は? は? はぁー?」「母さんの手はね、すんごく気持ちがいいんだ。母
さんの手で握られると、もう何も考えられなくなるんだよ。だから、ね、黄金ちゃん……あれ?」朝吹黄金の姿はいつの間にか消えていた。

そして場面は変わる――。「おいおい、一体どうしたってんだ? 右手のお嬢ちゃん」と的場井周作は首を傾げた。あの朝吹黄金が、的場井周作を親の仇として憎んで
いた少女が、目の前で丸裸になり、挿入待ちポーズをとっている。「いいの、私なんかどうなっても、さあやってよ」「とは言っても、なぁ」「私じゃダメなの?」
「いや、そういうわけじゃぁ……」的場井周作はふと考えた。玄馬の娘を食べるのも、まあ悪い話ではない、と。「しょうがねぇな。じゃあ大人のブブキってやつを味
わわせてやるよ、ほら! ほら!」「あああっ、すごい、リンズが溶けるゥゥゥ!」
(天国の玄馬よ、見てるか。お前の娘はもうこんなに立派に育ってるんだぜ……)
そして的場井周作に貫かれる朝吹黄金は、快感の底からどす黒い憎悪がわいてくるのを禁じ得ない。
(一希汀……お前だけは絶対許さない。私のあーちゃんを弄んで……悔しい!)