若返る女・成長する少女10 [転載禁止]©bbspink.com [無断転載禁止]©bbspink.com
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>>1
被害者「風呂場はやめてください!密室はこわいです!」
被告人「安心しろ、溺死なんて甘ったれた殺し方されるとでも思ってるのか」
被害者「そんな!さっきの電動ノコギリは嫌です!せめて殺してからにして下さい!」
被告「勇気あるなあヤクザだっけお前?望み通りギロチンしてやるよ」
(被告はここでチェーンソーを最大速度に切り替える)
被害者「ごめんなさい!ごめんなさい!せめて母親と妻に一言だけ電話させてください!」
被告人「泣くなよお前アッハッハ(ハサミで淡々と被害者の指を数えながら切り落とし)俺も上には逆らえないからよ」
被害者ん「おねがいします!ウワー!!ウオ、オオオ、ゴフ」
(首が切断された)
被告人「きたねーなこの野郎。この道具早えーな!見た?30秒もかからなかったな!こいつ気持ち悪いヤクザだなw」 ここに固執する以上永遠に粘着して滅茶滅茶に荒らしてやるから覚悟しろ
常に監視している >>4
USB
被害者「風呂場はやめてください!密室はこわいです!」
被告人「安心しろ、溺死なんて甘ったれた殺し方されるとでも思ってるのか」
被害者「そんな!さっきの電動ノコギリは嫌です!せめて殺してからにして下さい!」
被告「勇気あるなあヤクザだっけお前?望み通りギロチンしてやるよ」
(被告はここでチェーンソーを最大速度に切り替える)
被害者「ごめんなさい!ごめんなさい!せめて母親と妻に一言だけ電話させてください!」
被告人「泣くなよお前アッハッハ(ハサミで淡々と被害者の指を数えながら切り落とし)俺も上には逆らえないからよ」
被害者ん「おねがいします!ウワー!!ウオ、オオオ、ゴフ」
(首が切断された)
被告人「きたねーなこの野郎。この道具早えーな!見た?30秒もかからなかったな!こいつ気持ち悪いヤクザだなw」 69: 死刑執行人 ◆ErY2TknG0w [] 2017/01/16(月) 01:28:32.57 ID:00wVUGJq
で?w
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1482850635/69
70: 枷井法経 ◆rK2yM3sIGxCU [] 2017/01/16(月) 01:29:37.15 ID:00wVUGJq
自演雑談かも〜んなw
ほ〜れwかも〜んなw
かも〜んなwったらかも〜んなw
ばーーーかw
ID同じで違うコテ名乗るアヘ顔w >>10 ああ!↓みたいなヤツな^^
69: 死刑執行人 ◆ErY2TknG0w [] 2017/01/16(月) 01:28:32.57 ID:00wVUGJq
で?w
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1482850635/69
70: 枷井法経 ◆rK2yM3sIGxCU [] 2017/01/16(月) 01:29:37.15 ID:00wVUGJq
自演雑談かも〜んなw
ほ〜れwかも〜んなw
かも〜んなwったらかも〜んなw
ばーーーかw
ID同じで違うコテ名乗る姑息w
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/8 劇場で年をごまかしたが、イベントに迎える年で変わるようになる女性の話リンクいただけますか 被死刑執行人 ◆ErY2TknG0w [sage] 2017/02/20(月) 09:39:47
ここに固室する異嬢永遠に粘着してハト麦茶を沸かしてやるから角5しる
常に漢詩している
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/3
(ю:】ニセコイでエロパロ part116 [無断転載禁止]・bbspink.com
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1535347857/
足跡
8: 名無しさん@ピンキー [sage] 2018/04/28(土) 20:44:03.72 ID:AWb0+5cu
171: 死刑執行人 ◆ErY2TknG0w [] 2018/04/18(水) 00:29:12 ID:5WOcNPPC
ふむ
176: 死刑執行人 ◆ErY2TknG0w [] 2018/04/18(水) 14:40:58 ID:YgeadUft
なるほど・・・
177: 死刑執行人 ◆ErY2TknG0w [] 2018/04/18(水) 14:41:37 ID:YgeadUft
死刑執行され猿人#fuckyou184: 死刑執行人 ◆ErY2TknG0w [] 2018/04/18(水) 18:24:07 ID:sslICcqh
うほーーう!
そうだよ
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1523620399/184
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1535307486/4
奴のマヌケっぷり(IDに注目w)
69: 死刑執行人 ◆ErY2TknG0w [] 2017/01/16(月) 01:28:32.57 ID:00wVUGJq
で?w
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1482850635/69
70: 枷井法経 ◆rK2yM3sIGxCU [] 2017/01/16(月) 01:29:37.15 ID:00wVUGJq
自演雑談かも〜んなw
ほ〜れwかも〜んなw
かも〜んなwったらかも〜んなw
ばーーーかw
同IDで違うコテを名乗るアホw
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/8 どうやら鴨、リアルで退散か、はたまた規制でもくらったか・・・
8月半ば以降辺りから、名前欄に◆付きでのレスをみかけなくなった気がする >1が求めてる「成長する女」てのは、リアルに歳を重ねて成長した、
てのとは違うんだよな?あくまでも魔法少女的なノリで、変身!と身体が「急成長」した
って、話を求めてるんだよなコレ >>21
魔法少女で急成長的なのも良いが
こうゆうのもアリだぞ
ttps://stat.ameba.jp/user_images/20140610/18/thinkmacgyver/88/33/j/o0430024212968955324.jpg 29歳独身中級冒険者の7巻、
大人リルイが久々に沢山出てて良かった。 >>26
女の子が変化するのが良いのに
年を取らないとか良さが分からん 若返りメインの話です
安達瑠璃子は出版社勤務のキャリアウーマンだった。
ライター、そして小説の編集の後、28歳にしてファッション雑誌のチームリーダーを任されていた。上司の期待値も高く、若干高飛車な性格ではあったが仕事ぶりは優秀だった。
さらに魅力的だったのはその容姿で、身長は172センチ、バストサイズはFカップ、長く伸びた綺麗な黒髪は大人の落ち着きと色気を醸し出していた。
そのため、男性陣だけでなく後輩の女性社員や、若い雑誌の女性モデルからも一目を置かれていた。
高慢で優美、気高く凄艶、強気で上品でクレバーな女性だった。
将来は昇進して地位を揚げ、大好きなブランド品に身を包み、ちやほやされながら充実した仕事をして、何不自由ない暮らしを送ることが夢だった。
だがそんな才能に恵まれた安達瑠璃子にも嫌いなものはあった。
それは子供や赤ん坊だった。
写真で見る分にはまだ可愛いと思えるが、実際に目にする子供は涎や鼻水を垂らして、土を触った手で服を弄り、ソースの付いた料理を手づかみで口にしたり、場所も関係なく泣きわめく。
行く先々で、例えば店内を大声で騒いだり、汚したり、泣いたりしている子供を見る度に瑠璃子は反射的に避けていた。幼稚な行為というのは子供も大人も関係なく大嫌いだった。 ある日瑠璃子は職場近くのオシャレなカフェにて、子育て雑誌を受け持っている別部署のチームリーダーと打ち合わせをしていた。
彼女は瑠璃子と同期で、退社していく同性の同僚もいる中、社内で唯一気を許して話せる戦友的存在だった。
瑠璃子はカフェラテにシーフードプレートを口にしながら、仕事の情報を交換していく。
「最近はファッション雑誌も幼稚なモデルが増えたわねぇ、可愛い系って言うの?」
「まぁ時代の流れだしね、それで、そっちに新しく入った派遣社員の女の子はどうなの?」
同期の女性がアイスコーヒーを口にしながら瑠璃子の様子を尋ねる。
「全っ然ダメ!仕事を覚えるのも遅いし、言いたくないけれど給料泥棒って感じ?」
「そうなんだぁ、でも何だか気真面目そうな感じだったじゃん」
「見た目だけね、何ていうかああいう童顔で子犬みたいな性格の子って苦手なのよねぇ」
瑠璃子は先月入って来た、派遣社員の女の子を思い出す。どこかオドオドしていて、背も低く幼児体型。
可愛い子ぶった全体の雰囲気が、大人の雰囲気を醸し出す自分とは相容れない存在だと感じていた。
現に今日も、多くの雑用をその子に押し付けて、早々とランチに出向いてきたのだ。
「うぇぇぇっっっん!!」
「チッ!」
店内の奥で、歩きはじめたばかりの幼児が泣き出し、母親が必死で泣き止ませているところをみて、瑠璃子は思わず舌打ちした。
「まったく、子連れでこういうカフェに来てほしくないよね」
「まぁまぁ、まだ小さいんだし仕方ないじゃない」
「でも、せっかくの雰囲気の良さが台無しにならない?」
「あれくらいの子供は泣くのも仕事みたいなものよ」
苛立つ瑠璃子を別部署の女性は必死で宥める。
「仕事だったらまだ我慢できるけれど、プライベートの空間にガキはいて欲しくないわね」
「あら、瑠璃子って子供を作らないタイプ?」
「作らないっていうか……眼中にないって言うか、基本的に子供って苦手だから出産なんて考えた事も無かったわ」
「へぇ……そうなんだぁ」
「ところで次の企画だけど、そっちは子育ての、えっと“子供の目線”っていう内容だっけ?」
「そうそう、子育てって大人の考え方中心でしちゃいがちだから、子供が今どういう考えを持って行動するかっていう内容、結構斬新な記事よ?」
瑠璃子は、子供が鼻をほじったり指をしゃぶったり、先ほどの子供の様に店内で泣いている時の心情を考えたが、幼稚な思考なんて全く分からず理解したいとも思わなかった。
「ふぅーん、大変だね、まぁ私も来週からパリコレの下見に行かなくちゃいけないから大変なんだけれどね」
「うわぁー、羨ましいぃー私なんて、自然体験学習の取材で来週から群馬の山奥だよ」
「紫外線が強くなってきているし頑張ってねぇ、フランス土産買ってくるからさ」
「はいはい、期待しているわよ期待のファッション誌のチームリーダーさん」
気が付くと、先ほどまで奥の方で泣いていた子供とその母親は居心地が悪くなったのか、姿は店内から消えていた。 仕事が終わり、ホテルのバーラウンジで瑠璃子は彼氏と落ち合う。
フランスに行くと言う事でブルゴーニュ産の白ワインを楽しみながら、互いの仕事の話に花が咲く。
彼氏は才能ある年上の小説家で、瑠璃子が担当した際にいち早くその才能を見抜き大成させた。
文学賞を受賞した後に、瑠璃子と交際が始まった。契約している作家と編集の恋愛は出版社的にはNGであったが、瑠璃子の強いアプローチと手腕は彼を強く魅了した。
バーを出てホテルに入ると、コニャックをチビチビと口にした後、一糸まとわぬ姿となり絡み合った。豊満な瑠璃子の身体に溺れる様に彼氏は汗を流し、瑠璃子は体全体で受け止めた。
仕事も、恋愛も、財力も、生活も全てが満ち足りていた。大人のアトラクティブで自由で、俗世的な日々を瑠璃子は堪能していた。
翌朝、彼氏と熱い口づけを交した後にホテルを出る。一旦家に帰って朝食を済ませてから出社しようとタクシーを捕まえた。
止まったタクシーはここらでは見かけない車種だった。個人タクシーなのかもしれない。
「お客様、どちらまで行きましょうか?」
ドライバーは女性だった、おそらく瑠璃子と同じくらいの年齢だろう。髪は短く、表情は帽子により読み取れなかった。
「〇〇駅の方までお願い、近くになったらこちらから細かい指示をしますので」
「かしこまりました」
瑠璃子は、私と同じくらいの年齢でタクシーの運転手なんて、大変な人生ねぇ、とボンヤリ考えていた。 「お客様、子供はお好きですか?」
少し走ったところでドライバーから質問を投げかけられる。
「えっ?まぁ……どっちかっていうと苦手な方かと思いますけれど」
急に変な話題を振られて瑠璃子は戸惑う。そういえば、最近似たような質問を受けた気がした。
「それじゃあ大変ですねぇ」
「な、何がですか……?」
「申し遅れました、私はこういうものです」
そういうと女性は名刺を渡してきた。そういえば車内にはタクシーなのに写真付きの身分証が置かれていない事に気づく。
名刺には【全日本魔術協会 塚井麻穂】と書かれていた。
「あなた、タクシーの運転手じゃなかったんですか!?」
名刺を見て驚いた瑠璃子は思わず声を上げる。
「ハイ、私は依頼人により仕事を請け負いました塚井と申します」
「スミマセン降りますので!車を止めてくだ……!?」
怪しい車に乗ってしまったと思い、車を止めてもらおうと外を見て声を失う。
車窓の外は真っ白で、まるで雲の中を走っている様に、信号もビルも人影も何も見えなかった。
「降りれませんよ、何せ今は魔法空間の中ですからね」
塚井麻穂という女性はさも当然といった様子で運転を続けている。
「いやいや、ちょっと嘘でしょ、なにこれ手品?それともドッキリ?どっかにカメラがあるんでしょ?」
「いえいえ、嘘だと思うなら自分の身体を見てみたらどうですか?それでも手品だと思いますか?」
「えっ……?」
瑠璃子は塚井麻穂言われて車窓に映る自分の顔を見て青ざめる。
「なにこれ……!ちょっと!!」
そこに映っていたのは、高校生くらいの顔になった自分の顔だった。大人びているがどこかあどけなく、10代後半の自分の顔に間違いなかった。
気付けば、服のサイズも合わなくなってきている。バストカップは若干緩くなってきており、履いていた靴も少し緩くなり、気づけばスーツも大きく感じる。
「今は魔法による時間空間の中を移動しておりますので、お客様の身体はどんどんと時間を遡って若返っています」
「そんな!!冗談でしょ!?お願い止めて!止めなさい!」
瑠璃子は塚井の肩を抑えようとしたが運転席には透明な硬いガラスのようなもので覆われており、触れる事すら出来ない。
ドアを開けようとしてもロックが掛かっており、出る事が出来ず、窓ガラスも開けられない。
そうこうしているうちに瑠璃子の身体はさらに若返っていく。
バストは既に膨らみ掛けの状態まで縮み、手足も細く短くなりストッキングが脱げそうになる。縊れたウエストは少しずつ寸胴体型になっていき、顔に丸みが出て来る。
ショーツがずり落ちない様に何とか服の上から押さえつけながら窓に映る姿を見つめると、そこには泣きそうになった小学生くらいの自分の顔が映っていた。
「嫌ぁっ!子供になんかなりたくない!!お願いやめてぇっ!」
車内に甲高くなった自分の声が響き、これが現実なのだと思い知らされる。瑠璃子はさらに小さくなり続ける身体に恐怖した。
陰毛はすっかりと無くなり、Fカップのバストは既に真っ平になっている。
初潮を迎えた年齢から退行すると一気に身体は子供から幼児になっていく。
おへそ周りが丸く膨らみ、歯が乳歯へと変化していく。
スーツは既に上だけ羽織っている様な状態で手足はより短くなり、筋肉が無くなった分柔らかな脂肪が身を纏う、そのため全体的に細い体つきからプニプニとした文字通りの幼児体型に変化する。
手の平は紅葉の様に小さく、爪も髪も細くなっていくのが感じ取れた。
「あぁっ……あぅっ……」
息が苦しい、身体が熱かった。
昨晩彼氏のイチモツを受け入れていた艶美な秘部も、一本筋の幼い割れ目となり、魅力的なヒップラインは消えうせ柔らかな桃のようなお尻になる。
高かった鼻も低くなり、頬に肉が着いたせいか口が上手く動かせない。頭部が大きくなったためバランスがとり辛く、靴が脱げ裸足で立っていると倒れそうだった。
先ほどまでゆったりと座っていたタクシーの椅子は今ではテーブルのような高さになっている。
身長はすでに100cmを下回っているだろう、顔を確かめたいが社内の窓にすら顔が届かない。 「もうすぐ到着しますので、仕上げをしておきますね」
塚井が声を掛けると被さるように身にまとっていたスーツや靴が変化して瑠璃子の身に纏っていく。
彼氏と会う様で履いていたシルクのショーツは綿生地の分厚い幼児パンツとなる。
イチゴやサクランボといったいかにも小さな女の子が好きそうなピンクを主張した柄だ。
ボリュームあるFカップを包んでいたブラジャーは花柄の薄い肌着キャミソールになり、真っ平になった上半身を覆う。
スーツのジャケットはキッズトレーナーに変わる。ボタンの無く着やすい洋服は瑠璃子のサイズまで小さくなると、肩や裾の部分にはふんだんにフリルが出来る。
胸元にはアニメに出て来るプリンセスのイラストが描かれ、嫌でも着ている人物を幼稚な印象に思わせる。
スカートはハートマークがちりばめられたカットパンツへと変わる。ゴム生地素材で、ウエストも柔らかく伸び縮みする、児童が走り回っても大丈夫な綿生地素材となり短くなった瑠璃子の下半身を包む。
脱げたストッキングはコットン素材の靴下になり、小さな瑠璃子の足を包むとウサギのイラストが現れ、口元にはピンク色の小さなリボンが施される。
自分へのボーナスと思って海外で買ったパンプスはテープで止めるタイプの子供用の靴に変わる。赤一色だったスムース素材は、子供が走っても痛くないゴム質で柔らかいスポンジ底へと変わり、赤い運動靴にはハートや星のマークがちりばめられる。
長かった髪も縮みだし、毛先が肩より上に来たところでパッツンと揃えられる。前髪は短く大きなおでこが主張してくる。所謂ショートボブだが、小さくなった瑠璃子にはおかっぱ頭と言った方がよりイメージに近いだろうか。
最後に化粧ポーチや、大事な仕事のノートが入っていたバッグだった。
これも海外のショップで購入した瑠璃子お気に入りのハンドバッグだった。
バッグは小さい筒状の形になるとステンレスのフォルムに、樹脂のキャップが付いた子供用の水筒へと姿を変える。
溢さない様にシリコンゴムで出来たストローがワンプッシュで開くタイプだ。
可愛らしいクマのキャラクターが描かれたカバーが付けられ、バッグの持ち手は水筒の首掛けになって瑠璃子の首にぶら下げられる。
何十万もしたブランドバッグは一個千円するかしないかの安物のキッズ用水筒になってしまう。
バッグの中に入っていたものは中身の麦茶になったのであろうか、車内のどこにも落ちていなかった。 「お待たせ致しました、到着です」
タクシーが止まるのに合わせて瑠璃子の変化も終わる。
長身で魅力的なスタイルだった大人の女性はタクシーにいなかった。
開かなかったドアが自動で開きヨタヨタと出てきたのは、走ったら転んでしまいそうな足元のおぼつかない小さな幼女だった。
大きな頭につぶらな瞳、不安げな顔は今にも泣き出しそうだった。
小さくなった恐怖からか、アニメプリンセスの描かれたトレーナーの裾をギュッと掴むその姿は、怖がりで人見知りな女の子を彷彿とさせる。
「お代は結構ですよ、どうですか、小さな3歳児になった気分は?」
タクシーの外には塚井麻穂が降りて来て、しゃがんで瑠璃子の目線に合わせる。
瑠璃子よりも小さな体格だった塚井は、今ではしゃがまないと若返った瑠璃子の目線にならなかった。
「何よコレ!最悪っ!!3歳って何!?早く元に戻しなさいっ!!」
泣き顔から一転、怒りの表情となり大声で叫ぶ瑠璃子は、塚井の髪を掴もうとするが、筋力が落ち鈍くなった身体ではヒラリと簡単にかわされる。
「私は依頼を受けただけですので勝手に元へ戻す事は出来ません」
「誰に依頼されたのよっ!?」
「お答えできません」
怒りからか、思わず拳を強く握る。あれだけ女性的で大人びていた自分が、今ではチンチクリンな幼児になってしまっているのだ。
着ている服も瑠璃子が着るにはあまりにも幼稚で恥ずかしいデザインだった。外でなければ今すぐに脱ぎ捨てたい気分にだった。
「それでは依頼主のご注文通りに、最後の魔法をかけます」
「ちょっ!やっ、やめてよっ!!」
瑠璃子は塚井の手を振りほどこうとするが、大人に手を掴まれると小さくなった体格では敵うはずがなく、頭に手を触れられると脳がキューっと締め付けられる感覚になる。
度数の強いお酒を一気に飲んだ時のような、睡眠薬を何錠も飲んだ時のような、体全体が宙に浮いたと思った瞬間、一気に目の前が明るくなった。
「……な、なにしたの?」
自分の身体や辺りを見回すが、変わったところは無い。しかし瑠璃子は何故だか口が……いや舌先が上手く動かない気がした。
「安達瑠璃子さん、あなたには幼稚化の魔法を掛けました、それによりあなたの言動一つ一つが、あなたが幼稚だと思う仕草になります」
瑠璃子は、何を勝手に、いい加減にしないと警察を呼ぶわよ!
と言ったつもりだったが、口から出てきた言葉は。
「そんなのいやだもんっ!」
発せられた舌足らずで、地団太を踏みながら大声を出したのは紛れもない瑠璃子自身だった。
それは瑠璃子自身が恥ずかしくなるほど幼稚な行動だった。
「フフフ、これからのあなたは、動きも、喋り方も、食べ方も、癖も、雰囲気も全てが幼稚だと思う動きになります、どんなに嫌で恥ずかしくて情けなくても魔法が解けるまでは一生そのままです」
なんで私がそんな恥ずかしいガキにならなくちゃいけないのよ!と叫んで殴りかかろうとした。
はずだった
「るりこは、はずかしくないもんっ!」
だが実際はほっぺたを膨らませて、いかにも拗ねた様な言い方をする自分自身に困惑する。
「プッ……フフフ、そうですね瑠璃子ちゃんは恥ずかしくないもんねぇ、でもそうやって親指をおしゃぶりしていると笑われちゃいますよ?」
「んむっ!?」
瑠璃子は塚井に指摘されて、自分が親指をチュウチュウと咥えているのに気付きスグに引っこ抜く。
自分でも気づかないうちに、様々な仕草が幼児特有の恥ずかしい言動に変換されてしまう。
瑠璃子自身は大人の行動をしたつもりだが、実際は正反対の動きや喋り方となって表れてしまう。 「それでは最後に、今日からここが職場の代わりに瑠璃子ちゃんが通うところですよぉ?」
塚井が瑠璃子の背中を押して、手で指示した先には保育園の門があった。
小さくなった瑠璃子にとってはまるで競技場の様に大きな施設に感じられた。
「ほら、何て言うところだか分かりますか?」
瑠璃子は入口に掛かれている文字を読み上げる。
ももいろ保育園って……なんで私が保育園なんかに行かなくちゃいけないのよ!?
と叫んだつもりだったが。
「えっとぉ……んっと、なんてぇよむにょ?」
口から出てきたのは、困った様に質問を投げ返す情けない口調だった。
気づけば、また親指が口の中に入れられており、おかげで上手く喋れずにだらしない言葉使いになってしまう。口の横からは涎が垂れてきている。
「そっかぁ、まだ文字は読めないもんね、ここはももいろ保育園っていう場所で、瑠璃子ちゃんはここの年少さんのヒヨコ組に通うんですよ?」
瑠璃子は戦慄した。到底現実とは思えない魔法使いとやらに見るも無残な幼児にされた挙句、言動まで幼稚にされ保育園に通わされるなど悪夢としか思えなかった。
瑠璃子は塚井に手を引っ張られる様にされながら保育園の中無理矢理入れられる。
驚く事に、これも魔法の効力なのか園内にいる誰もが瑠璃子と塚井の事を不審に思っておらず、それどころか毎日会っている様な素振りで接してくる。
「あらぁ、瑠璃子ちゃん、おはよう!」
保育園の入り口では、保育士と思われる女性が手を振って瑠璃子を呼んでいる。恐らく瑠璃子本来の年齢よりも若い、20代半ばの小柄で可愛らしい女性だった。
瑠璃子は名も知らない保育士に助けを求めようとした。
あの、信じられないかもしれませんが、私はこの人の魔法で小さくされたんです!警察を呼んでください!
と叫んだつもりだった。
「ゆかりしぇんせー、おはよぉーございましゅっ!!」
気付くと瑠璃子は大げさなほど頭を下げて、名前も知らない保育士をゆかり先生と呼び朝の挨拶をしていた。
「今日も瑠璃子ちゃんは元気だねぇー」
ゆかり先生と呼ばれた女性は瑠璃子の頭を撫でて褒めて来る。
瑠璃子は必死になって今のは違うんです、これも魔法で……と伝えようとしたが。
「えへへへへぇ」
発せられたのは、褒められて嬉しかったのか間の抜けた笑い声だった、瑠璃子は自分がそんな恥ずかしい笑い方をして、しかも口元から涎が垂れそうになっているのが屈辱的でしょうがなかった。
「それではお預かりいたします」
「はい、お願い致します」
塚井は保育士にペコリと頭を下げると、園外に止めてあるタクシーまで帰っていく。
ちょっと待ちなさい!と瑠璃子は引き留めようとするが。
「ばぁいばぁぃー!」
出てきた行動は、手を大きく振って別れの言葉を言う事だった。それを見た塚井は笑いをこらえながら小さく手を振り返す。
次にあったら絶対にころしてやると瑠璃子は心に決めた。 本当はこんな事をしている場合ではない、時計を見ると時間は既に9時半を回っていた。
いつもであれば出版社に出社している時間だ。先ずは外部に連絡をしなければいけない。
だが、携帯の入っていたバッグは水筒になってしまい、大人だった時の痕跡はどこにも残っていない。
それならば、園内にある電話を借りて助けを求めるしかないと瑠璃子は考え込んでいた。
記憶力の良い瑠璃子は出版社の番号から彼氏の携帯番号まで暗記している。
警察でも何処でも良い、保育園から電話が掛かれば、きっと不審に思い調査してくれる、そしていくら魔法が掛かっているからといっても、様々な手段で伝えればきっと自分が大人だった安達瑠璃子だと信じてもらえるはずだと、思い立ってスグ行動に移した。
はずだった。
「えっとぉ、もしもしぃー、るりこはねぇ……ひよこぐみなのぉ!」
幼稚化の魔法が掛けられている瑠璃子は、ヒヨコ組を出る事も無出来ず積み木のおもちゃを手にすると電話に見立てておままごとの様に会話を始めてしまった。
違う、違う、こんなごっこ遊びに興じている場合じゃないのに……こんな幼稚な行為を辞めて、電話を借りに行かなくちゃ。
「あのね、るりこね、おしごとのぉ、おでんわをするんだよぉ?」
誰もいない、架空の相手に対し積み木を耳に当て本心とは裏腹に愉快そうに会話を続ける。すると、近くにいた同じクラスの女の子が瑠璃子と同じように会話を始める。
「もしもし、るりこちゃんですかぁ?わたしは、ゆいなです!」
こんな恥ずかしいガキみたいなおままごとなんか今すぐに止めたかったが魔法が掛けられている瑠璃子は、はたから見れば夢中になった様に電話のおままごとを3歳児と一緒になって楽しんでいた。 「はぁーい、それでは朝の挨拶をはじめまーす!」
結局ゆかり先生が皆に声を掛けるまで遊びから抜け出せなかった瑠璃子はぐったりとしていた。
幼稚化魔法の影響は行動全体には反映していない、例えば手を上げたり、返事をしたりする時は自分の思い通りの行動が出来る。ただ大人としての振る舞いが出来ないのだ。
「それでは、朝のお歌をうたいましょう!」
ゆかり先生がピアノを弾くと、ひよこ組の園児が立ち上がる。もちろん瑠璃子もしたくはないが身体が反射的に周りの幼児と同じように動いてしまう。
周りを見渡せば、同じくらいの背格好をした幼児たちが落ち着きなく動き回っている。ある男の子はヘラヘラと笑い、ある女の子は恥ずかしそうにモジモジとしている。
大人びた自分とは真逆の全体から滲み出る幼児特有の雰囲気にため息が漏れる、だが今やこんな幼児たちと同じ存在なのかと思うと情けなくなり、同時にこんな存在にさせた塚井麻穂に対し殺意が湧いてくる。
気が付くと瑠璃子自身も親指を根元まで咥えながら、身体をゆらゆらと動かしてしまっている事に気づき、慌てて親指を抜いて姿勢を正す。
気を抜けば幼稚化の効力で恥ずかしい幼児としての行動をしてしまう自分が悔しかった。
大人であれば、振り付け付きの童謡など恥ずかしくて、やったとしても小声になってしまうだろう。
瑠璃子も周りの幼児と交じってお歌を唄うなんてまっぴらごめんだった。
しかし。
「せんしぇー!おはよぉー!みなさんっ!おはよぉー!」
実際は大声を張り上げる様に歌う自分だった。リズムも音程も関係なしでただ大きな声を出しているだけ。
止めて、こんな幼稚なお遊戯なんかやりたくない!だがいくら心で叫んでも、幼稚なダンスは止められない。
想像以上の幼稚さ、その恥ずかしさに瑠璃子は顔を赤くして泣きそうになる。
「おっはなぁーも!にこにこ!わらっていましゅっ!」
手はまるでサルのおもちゃの様にパンパンと思い切り叩き、ピョンピョンと跳ねながら歌う仕草は、周りの三歳児と比べても十分すぎるほど幼稚に見えた。
恥辱的とも言える朝のお遊戯が終わると、ようやく自由の身となれる。息を切らしながら瑠璃子はいましたばかりの醜態を忘れようとしていた。
さらに並行してキャリアウーマンとしての瑠璃子の脳内では、あらゆる作戦を考えていた。
いくら幼稚化の魔法を掛けられていたとしても、操られるのは言動だけ、心までは魔法に掛かっていない。 朝のご挨拶が終わっても教室内は相変わらずやかましく、耳障りな子供の声が響き渡り瑠璃子をイラつかせていた。
3歳児といえば声のボリュームを調整する事も無く、大きな声で叫びまわるのが普通だ。お喋りをするのが楽しくなってきている時期だ。
しかし、瑠璃子にはそんな事は関係なく、冷静になりたいが騒々しく皆落ち着きが無い。
しかも自分自身も喋ろうとすると、他の子と変わらず大声で舌の回らない幼児言葉で話してしまうというのに嫌気がさしていた。
そんな中、先ず瑠璃子が行ったことは筆談だった。
喋ろうとしても、幼児特有の支離滅裂な話し方、口調になってしまう中。小さな手で不器用になってはいるが文字は書けそうだった。
3歳児が文字を書き、大人とコミュニケーションと取って助けを求めれば、いくら何でも保育士も不審に感じてくれるはずだ。
早速瑠璃子はお絵かきコーナーから画用紙とクレヨンを持って来ると、文字を連ねた。
『私の本当の姿は出版社に勤める28歳の会社員です、信じられないかもしれませんが塚井麻穂という女性によってこの様な身体にされて、保育園に連れて来られました。
お願いします、警察か出版社に連絡を取って下さい』
多少不器用な文字にはなったが、ここまで書ければさすがに大人たちも不振に思うはずだと、クレヨンを箱に戻した。
はずだった。
「アラ!瑠璃子ちゃん、とっても上手に描けわねぇ!これは瑠璃子ちゃんのお顔かなぁ?」
後ろからゆかり先生が声を掛けて来る、思っていた反応と違っていたので改めて画用紙を眺めて絶句した。
そこに描かれていたのはいびつな丸と線で出来た落書きだった。
おそらく人の顔であろう絵はいかにもお絵かきを始めたばかりと言わんばかりの下手くそなもので、瑠璃子が一生懸命書いていたはずの手紙は、実際は幼児の拙いお絵かきになっていた。
これは違うんです!これは魔法の影響で……本当は文字を書こうとしたんです!そう言おうとしたのだが。
「うん!えっとねぇ、るりことぉ、ねこちゃんがぁ、いっちょにね、あしょんでるのぉ」
きっと言われなければ、描かれているものが猫だなんて分からないであろう。
今日何度目であろうか、自分の意思とは違う、口にするだけでも恥ずかしくなってくる幼児口調で本物の3歳児と同じような台詞になってしまう。
「そっかぁ、それじゃあ後で壁に貼っておこうか?」
「やったぁ!」
やったぁじゃない!心の内では怒鳴っているが、瑠璃子の本心は誰にも伝わる事が無い。 他にも色々とこの状況を打破しようと動き回った。
魔法に掛けられたとして、ここの園児という立場に認識されているのであれば、保育園内には自分が通っている痕跡が無いはずだと思ったが
実際は何故か自分のロッカーがあり、身に覚えのない工作道具や遠足に行った時の写真があったりと、年少のヒヨコ組に通う安達瑠璃子ちゃんという存在は確かな証拠として存在していた。
さらに小さな体格では保育士たちの目を掻い潜って保育園から抜け出せるはずもなく、それどころか幼稚化の魔法により、気づけば3歳児たちと一緒に遊んでしまうのだ。
瑠璃子の意識ではこんなガキたちと一緒に遊ぶなんて嫌だし屈辱的だと感じていても、気持ちとは裏腹に顔は締まりのない笑顔になり、呂律の回らない口調となり、おぼつかない足取りでヒヨコ組の皆とボール遊びや粘土遊びに興じてしまうのだ。
Fカップのボリュームあるバストも、細く長い足も、男性たちを虜にし続けて来た魔性の微笑みも失った今の瑠璃子では色仕掛けなんて出来るはずが無く、むしろ下着や胸元が見えるのさえ気にせず、恥ずかしげもなく動き回ってしまう。
瑠璃子自身制御の効かないこの身体はまるで催眠術にでも掛かってしまった様に幼稚で痴態な行動を繰り返すのであった。 気付けば正午を迎えようとしていた。
ももいろ保育園はお弁当ではなく給食システムの様で、皆でテーブルを囲むと配膳されたプレートが先生達によって運ばれる。
瑠璃子自身も空腹を覚えていた。改めてお腹をさするとポッコリと丸く突き出たお腹がそこにはあり、今朝までの縊れたウエストラインが消滅している事に再度ショックを覚える。
プレートの上には焼うどんに、小さなオムレツ、カボチャの煮物にお味噌汁、そして半分に切られたバナナが盛り付けられていた。
お子様ランチのような恥ずかしい昼食を想定していた瑠璃子からしては、思っていたよりも質素で少量の昼食に安堵していた。
いつもで有ればご飯を食べる時は長い髪をひとまとめにしていたが、魔法によりおかっぱ頭にされていた事に気づき改めて自分の身体が若返ったのだと実感して悲しくなった。
「いただきまーす!」
音を立ててうどんを啜る音、口の周りをオムレツのケチャップで汚している子、お味噌汁飲もうとして胸元にこぼしている子、口に物が入っているのに喋っている子。
昼食の光景全てが瑠璃子にとって不快でしかなかった、いつもであれば優雅に人気のフレンチやオーガニックカフェ、休日であれば彼氏と昼間にワインでも飲みかわしているところだ。
だがこの状況では仕方なしと覚悟を決めて、お箸を手に取って口に運ぶことにした。
多少不器用ではあるが、箸でうどんを掴むと音を出来るだけ立てずに食べる。お味噌汁を一口飲んでカボチャの煮物の甘味にどこか懐かしさを覚えた。
はずだった。
「瑠璃子ちゃん、スプーンやフォークを使って給食は食べましょうねぇ」
ゆかり先生の声が聞こえハッと我に返る。気づくと右手にはケチャップの付いたオムレツが握られており、手づかみで口にしていた。
スグにオムレツをフォークにさして食べ直すが、手にはベットリとケチャップが着いており、身体は反射的にハートマークがちりばめられたカットパンツやトレーナーでゴシゴシと拭ってしまう。
嫌っ!こんな子供じみた食べ方なんてしたいわけじゃないの!
瑠璃子が困惑する中、お味噌汁を飲めば口元を汚し先ほどの子供の様に胸元に染みを作ってしまう。うどんを食べれば口元にソースが付き、これも袖もとで雑に拭い取る。
カボチャはフォークから零れ落ちアニメプリンセスの描かれたトレーナーには味噌汁の染みの上からカボチャの黄色い汚れがこびりつく。
今すぐにでも洗面台に行って汚れを落としたいのだが、幼稚化魔法の影響で瑠璃子の身体は汚れを気にする事無くバナナに手を伸ばす。
「あのね、んっ……るりこぉ、バニャニャねぇ……んぐっ、しゅきなんだよぉ」
バナナを口にしながら隣の女の子に話しかけるものだから、クチャクチャと不快な音を出しながら喋り続ける。
隣の女の子も洋服や口元を汚し、無邪気にバナナを食べながら喋る瑠璃子の事をポカーンと見つめていた。
最早3歳児にさえ呆れられるような醜態に、瑠璃子の精神は限界に近かった。
大人びていて、可憐で、エレガントな安達瑠璃子が今では、誰が見ても幼稚で考えの浅く、同い年の中でも明らかに稚拙な部類に入る可愛らしい3歳児だった。 僅かな量ではあったが、小さくなった身体には十分だったようで、空になったプレートを片付け終わると若干の倦怠感に襲われる。
結局のところ半日の間、大人で有る事の証明も、塚井の消息も、職場に連絡する事も出来なかった。
「はーい、それじゃあ、お昼寝の準備をするのでー、おトイレ行きたい子は行ってきちゃってねぇー」
ゆかり先生の声が再度教室に響く。そういえば保育園はお昼寝なんてあるのかと瑠璃子はぼんやりと考えていた。
社会人の立場からしたら、遊んで昼食を食べてお昼寝をするなんてこんな贅沢な事は無かった。しかしそれは若返っていなければの話である。
もしこのまま戻らなければ……瑠璃子はこれから先の悪い未来を思い浮かんで背筋を凍らせた。
このまま幼稚化魔法に掛かったまま保育園に通い、小学校に通い、中学生をやり直す。考えただけで顔が引きつる。
「るりこちゃん、いっしょにおトイレいこう!」
瑠璃子が立ち尽くしているところを見て、朝に一緒に遊んだゆいなちゃんが手を引っ張ってトイレに連れて行く。
えっ何ココ!?思わず瑠璃子は心の中で呟く。
目の間に広がるのはトイレだったが、保育園の児童用トイレというのは瑠璃子の想像している物とは大きく違っていた。
先ず個室が存在せず、剥き出しの児童用の小さな便器がいくつか置いてあるだけだった。
一応手すりはついていたが、これではトイレで排泄している様子が丸見えだった。
児童が使用すると言う事で、個室にせずにスグに保育士たちが子供の世話を出来るような仕組みになっているのだろうが、大人の瑠璃子が使用するにはあまりにも恥ずかしすぎるトイレだった。
さらに年少組のトイレは男女兼用となっており、すぐ近くでは男子用の小さな小便器が置いてある。
「あれぇ、るりこちゃんは、おトイレしないのぉ?」
気付けばゆいなちゃんは、恥ずかしげもなくズボンも下着も膝まで降ろして便器に腰かけている。
それを見て思わず瑠璃子はそんな所で排泄出来る訳ないじゃない!そう叫びながら顔を高揚させながら、トイレを出た。
はずだった。
「うーんー……でるかなぁ?」
瑠璃子は小さな便器に近づくとズボンとパンツを一気に足首まで降ろして座り込む。
止めて!止めて!今すぐズボンを履かないと!小さな子にこんな恥ずかしい姿を見せないでぇ!
意識ははっきりとしているが、身体は下半身を丸出しにしたまま動かない。トイレは子供たちが出入りしており、瑠璃子の様子は誰からも丸見えだった。
さらに幼稚化魔法の影響で、便器に座ってもスグに用は足せず、腰を揺らしたり洋服をいじったりととにかく落ち着きが無い。
一方のゆいなちゃんは既に用を足し終わり、ズボンを履き直して手を洗っていた。
「るりこちゃん、おわったぁ?」
「うんー!まってぇー!」
まだ終わっていないにも関わらず、適当にズボンを履き直すとゆいなちゃんに向かって走り出した。
せめて、手を洗わせて!と瑠璃子の意識は蛇口にあったが、身体はいう事を聞かず既に給食で汚たトレーナーで雑に手を拭いた。 「はぁーい、それじゃあおやすみなさーい」
カーテンのしまった体育館の様なところにはマットのような布団が広がっており、それぞれが用意したタオルケットを敷いた場所で児童たちは横になる。
眠くない子もいるようで、電気を薄暗くした後にゆかり先生は童話を優しい声で読みだした。
瑠璃子も言われるがままタオルケットの中に潜り込んだ。給食以降の自分の幼稚な行動を思い出してげんなりとしていたが、お昼寝の時間であれば安心だった。
横に寝ているだけならば、幼稚も何も関係が無い。むしろこの時間を使って改めてこの現状をしっかりと確認する必要があった。
幼稚化の魔法はどこまで影響力があるのか?出版社の仕事はチームリーダーの自分抜きで大丈夫なのか?
塚井麻穂の正体は?全日本魔術協会とは何なのか?元に戻る手立てはその協会にあるのか?
せめてスマホがあればネットで調べられるのにと瑠璃子は悔しがる。
塚井麻穂を殺せば魔法は解けるのか?そもそも何で私がここの保育園に通わなくてはいけないのか、何か理由はあるのか?
それから依頼人とは誰なのか?私に恨みがあるのであれば殺せば良い、つまり殺せない理由があったのか?それはこの保育園と関係があるのか?
様々な考えが小さくなった頭の中に過る。
そもそもこれは現実なのか?幻覚の可能性は無いか?
それに例えば私が大怪我をして病院に運ばれれば事態は何かする変化するのではないか?
3歳児になったという事は保険証や戸籍はどうなっているのか?
長々と思考を繰り返す中、ある程度考えはまとまってきていた。
先ずは今日一日を過ごして様子を見る事が重要だ、出版社の仕事は後からでも事情は説明できる。
少なくとも来週のパリコレの視察までに事態が解決の方向に進めば良い。
それから、自分にこの忌まわしい魔法を使った塚井と再度接触して、出来れば交渉を取り味方にする手立てはないか?
周りの児童がスヤスヤと寝息を立てて寝ている中、一人野望に燃える瑠璃子であった。
しかしながら、そう思っていただけで現実は違っていた。
「瑠璃子ちゃん、起きる時間よ?」
「んんぅーー……?」
いつの間にか眠りに落ちていた瑠璃子はゆかり先生に肩を揺らされてゆっくりと目を覚ます、電気は付けられてカーテンの外からは眩しい光が漏れてきている。
辺りを見回すと、他の子供たちは起きて遊び始めている、瑠璃子はヒヨコ組の中でも最後の方まで眠ってしまっていたようだった。
ぼんやりとしたところで、口周りが涎でベトベトな事に気が付く、どうやら寝ている時も親指をしゃぶっていたようで、指の皮が若干ふやけている。
寝まいと決めていたのにしっかりとお昼寝をしてしまった恥ずかしさを感じつつ起き上がろうとしたところで、下半身に違和感を覚える。
「んっ…………えっ、う、うしょっ……!」
スグにその感覚が、濡れたパンツがお尻に張り付いている感覚だと気づく。溜めこんでいたものを出し切った様な開放感がどこかある。
生暖かくグショッと広がる感触、生暖かい液体が冷えて身体がブルッと小さく震えた。
そしてタオルケットの中から酸っぱいような独特のアンモニア臭がから鼻につく。
紛れもない、おねしょの痕跡だった、それもちょっと漏れた程度ではなく、タオルケットやズボンまでビッショリと濡れている、しっかりと出し切った量だった。
「どうしたのかなぁ…………あらあらぁ!瑠璃子ちゃん、ちょっとお着替えしましょうねぇ」
瑠璃子の異変に気づいたゆかり先生が、タオルケットごと抱きかかえると別室に急いで運ぶ。
誰かが後ろから、おしっこもらしてるーと大きな声を出している。
瑠璃子は自分がしてしまった事に混乱しており、否定したかったが言い訳も出て来ず、何も言えずゆかり先生に抱きかかえられていた。
そして、ただただ股間周りを包む濡れた衣類が不快でしかなく、情けなかった。 「あら、代わりの下着ってこれしかないんですか?」
「ハイ、調度今はこれしかなくて……洗濯しちゃったばっかりで」
保育園内にある医務室のようなところに瑠璃子は連れて来られていた。
大人が使用する部屋に入り、今の自分の小ささに思わずたじろぐ。
椅子も机も全てが大きく、自分一人ではとうてい座れそうにない、ドアの取っ手だって今の自分では背伸びをしてやっとだ。
「瑠璃子ちゃん、着ていたのは保育園でお洗濯するから、代わりにこの服を着てもらっていい?」
ゆかり先生が取り出したのは、黒のハーフパンツだった。それ自体は問題では無かったが、下着を見て瑠璃子は固まる。
「いやぁっ!」
自分の感情通りの声が出る、ゆかり先生が持っていたのは女児用の紙おむつだった。
ピンク色のモコモコの吸収剤が備わった独特のシルエット。おむつの正面にはクマのキャラクターが笑っていた。
そんな、赤ちゃんじゃあるまいし!そう言おうとした。
「るりこ、あかちゃんじゃないもん!」
ほぼ同じニュアンスで台詞が出た事に再度驚く。この調子ならば、おむつを履くのを逃れられるかもしれない。
「あら、これはおねしょパンツって言っておむつじゃないのよ?」
「えぇーっ!」
「これは寝る時だけのパンツで、瑠璃子ちゃんよりもお姉さんだって履いているのよ?」
いかにも小さい子に言う台詞に瑠璃子は苛立つ。
「うっしょだー!」
「ほらここにパンツって書いてあるでしょ?」
ゆかり先生はパッケージを見せてくるが、そこには夜専用おむつとしっかり明記されていた。
やっぱりおむつじゃない!そんなの大人の私が履くわけないじゃない!と叫んだ。筈だった。
「ほんとぉー?」
幼稚化魔法の影響で文字が読めないといった台詞を口にして、焦る。
違う、違う、そんなの履きたくない!しかしいくら叫んでも瑠璃子の口からは一言も発せられない。
「そうよ、それにパンツに描かれているクマさんだって、瑠璃子ちゃんに履いてほしいと思うなぁ?」
ゆかり先生はいかにも子供だましといったふうにおむつを左右に振って興味を持たせてくる。
「しょれはいたら、るりこも、おねえたんになれる?」
「そうよー今日は練習で履いてみましょうか、帰る頃には瑠璃子ちゃんのパンツも乾くと思うから」
嫌だ!嫌だ!何で私がそんなもの!
「じゃあーはくー!」
はくーじゃない!3歳児になったからって紙おむつなんて嫌!しかし身体は両手を上げ喜びながら、紙おむつに足を通していく。
カサカサとした感触は明らかに、布で出来たパンツとは違い、分厚い吸収剤が歩くたびに意識させられる。
履いているだけで、私は一人でトイレに行く事が出来ませんという証を示しているようなものだ、そんなものを瑠璃子が許すはずがなかった。
しかし、幼稚化魔法はお姉さんが履くパンツだと勘違いしたという認識で行動しており、
どれだけ瑠璃子が脱ごうとしても、紙おむつに手を掛けるのがやっとで幼稚な動き次第では大きめのハーフパンツが少しでもずり落ちれば紙おむつがしっかりと見えてしまいそうだった。
おねしょで汚したズボンとパンツが手洗いで外に干されるのを見ながら、瑠璃子はワナワナと震えながら医務室を後にした。 瑠璃子のイライラはマックスに近かった、ただでさえ嫌いな子供たちに囲まれ、自分より年下の保育士にお昼寝の失態を片付けられた挙句紙おむつまで履かされたのだ。
これ以上の屈辱は無かった、本来であればこんな嫌なことがあった時は仕事終わりにスポーツジムで汗を流した後に、クラブにでも行ってお酒を飲んでストレスを発散したいところだった。
しかし、今はボール遊びで汗を流し、クマのキャラクターが描かれた水筒の麦茶を飲む。
上着のトレーナーは涎やソースを拭いたせいで湿った汚れがこびりついており、下半身はおねしょにより汚したため借り物のハーフパンツ、下着は紙おむつ、大人びていた瑠璃子の雰囲気とは真逆だった。
さらに言えば、遊びや食事、会話をとっても他の3歳児よりも幼いというのがさらに屈辱的だった。
例えば、先生が「みんな右手を上げて―」と言われた際、他の子が右手を上げている中、瑠璃子の身体は右と左が分からずに迷っている素振りをしてしまう。
先生が三角形を「これは何て言う形かなぁー」と質問すれば瑠璃子は「たんたくけー!」と答えてしまい、隣の女の子から「ちがうよー、さんかくけいだよー」と指摘されてしまう。
語彙力も、滑舌も、3歳児というよりは、言葉を覚えたばかりの赤ん坊の様な言い方に瑠璃子自身耐えられないでいた。
何もしないでいようと思っていても、遊んでいる光景が目に入ると勝手に近寄って行ってしまう。
話さないでいようと思っていても、誰かが近くにいると自分から喋ってしまう。それに気づけば親指をチュウチュウと咥えるおしゃぶりの癖が出てきてしまう。
瑠璃子がようやく落ち着く事が出来たのは、トイレの外にある手を洗う小さな洗面台だった。
周りに誰もおらず、遊ぶものも無い。呼吸を整えて、再度鏡に映る自分を見つめる。
クソガキ……そう心の中で呟いた。ノーメイクで、無邪気な顔は世間の事も何一つ分からず、赤ちゃんの様な可愛らしい雰囲気を放っている。
それ故に無知そうな表情、ダサい髪型をしているのが、あのモデル顔負けのスタイルを誇り、男性たちの目線を集めていた自分だとは思いたくなかった。
瑠璃子は怒りの表情に変わると、小さな拳を強く握って鏡に映る自分の顔を力いっぱい殴った。拳からジンワリと痛みが広がり、その痛みに一瞬顔をしかめた。
はずだった。
「……んぁっ?」
何が起きたのか一瞬分からなかったが、鏡に映る自分の顔を見て思わず口を開けてしまう。
殴りかかった右手は、人差し指を突き出すようにして自分の鼻の穴をグリグリとほじっていた。
鏡に映る自分の顔は間抜けそうに口を開けて鼻の下を伸ばしながら、隠す様子も無く鼻の奥まで指を突っ込んでいる。
「なっなっなっ……」
声にならない、スグに指を引っこ抜き、怒りと混乱から思わず左手で洗面台に向けて拳を振り下ろした。
はずだった。
「……ふぁっ!」
今度は左手で反対側の鼻の穴をほじくりかえす、反対の穴からは鼻をほじったせいで鼻水が垂れて来る。
それでも瑠璃子の身体は半目になって鼻の下を滑稽なほど伸ばしながら、鼻をほじるのを止めない。口からはフガフガと息が漏れてくる。
鏡が目の前にある分、いかに自分が周りを気にせずに剽軽な表情をしているのかが嫌でも目に入ってくる。
「あーっ、やだぁーるりこちゃーん!」
横を通り過ぎるヒヨコ組の女の子に間抜けそうに鼻をほじる顔を見られて笑われる。
それでも指は鼻をいじり続ける、数秒たってようやく指が抜けると、そこには黄ばんだゴミがくっ付いており急いで蛇口で洗い流した。
怒りでどうにかなりそうだった、こんな惨めな思いを体験したのは生まれて初めてだった。こんな思いをするくらいなら死んでしまいたかった。
僅か一日で瑠璃子は経験した事の無いストレスに押しつぶされそうになっていた。 長くなってきたので渋にまとめました。続きを読まれる方は下記からどうぞ。
ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11443603 ふたりはプリキュア的なスーパーヒロインで
お互いの年齢を入れ替えたりして戦うヒロインなんてのはどうでしょう?
ブラック 15歳
ホワイト 15歳
ブラック→23歳の身体
ホワイト→8歳の身体
こんな感じで 幼女にさせるのは
傲慢で子供と女性を見下している恨みを買っている若手の男性社長か
モデル並みのスタイルを誇る、頭は良いが性格の悪いエリート女性か
どちらにすべきか……。 前者のはTS幼女化ということですかね?
個人的にはすごく好みなのだけど、スレの趣旨的には後者の方がふさわしい気がします 日本一FBのレディナイトを主役にした、オリジナルで考えてたくそ長〜い妄想SSで
少女時代から成長して、一人前の女傭兵になってく話とか考えてた事はあったな…
あらすじだけ簡単に書けば、お化け島で死にかけたが奇跡的に助かった少女が、
自分かばった母を殺した犯人として、一人のファィターを復讐の為に追いかけて旅をする話
ネタバレしちゃうと事実は逆。庇った(娘に襲いかかった)母は既にゾンビ化済み。
ファイターは急いで少女の目の前でトドメを刺しただけ。誤解はあえて放置して、させた。
いまだに島は死地。ならばと、誤解の怒りでも少女に宿らせ、生存の可能性を僅かでも上げる為に… >>34>>51
久々にこっちのスレ覗きに来たら良いSSに出会えた まほいくのスイムスイムがエロい体で好きだけど
2次創作とか全然無いんだよね >>61
JS1→巨乳JKのAP良いよな
もし服はそのまま体だけ変身したら…とか妄想したりもする pixivで年齢退行祭り2021夏なるものが8月に開催するみたい。
自分もネタ引っ張り出すかも。
いや、今書いている話を若返り用に書き換えればいいのか。 今日は久しぶりに羽田さんちの桃花ちゃんがやってくる。
羽田さんっていうのは、ママの学生時代からの親友で桃花ちゃんっていうのは娘さん。何年か前に来たときはヨチヨチ歩きが始まったばかりの時期で、愛くるしい表情だったしとっても可愛らしかった。
今はたぶん四歳くらいになっているはずだけど、久しぶりに会う羽田さんと桃花ちゃんが来るのを楽しみにしていた。
「美緒、あなたまたそんな恰好で……」
ママが私の着ている服に文句を言ってくるけど、いつもの事だ。
私が着ているのは大好きなバンドであるヴァン・ムスーのライブTシャツだ。ちょっと派手かもしれないけれど、野外フェスに参加した時に購入したお気に入りの一着だ。
「あなたも、大人っぽい体になってきているんだから、そろそろ身だしなみを……」
「ハイハイ、次から気を付けまーす」
私の名前は黒木美緒、今年で高校一年生になる。それなりの進学校にも通っているし、水泳部では一年生にしてレギュラーに選ばれている。
ママの言う通り、高校生になってから身長は160cm代に突入したし、バストサイズもCカップになった。
太ったわけではないと思うけれど、中学の時に着ていた服もだんだんと合わなくなってきているのが悩みの種でもある。そろそろママに新しい春物を買ってもらおうっと。 ピンポーン
そうこうしているうちに、インターホンが鳴った。ママが出ると羽田さんと桃花ちゃんが我が家にやってきたみたい。
「おじゃましまーす」
ドアを開けると、眼鏡をかけた長身で細身の羽田さんが笑顔で挨拶をする。羽田さんはアプリの開発会社に勤めていて結構偉い人みたいで、外見はいかにもシステムが得意そうな理系タイプ。
「おじゃまぁしまぁーしゅ」
「桃花ちゃん、かわいいぃ!」
羽田さんの後ろから出てきた桃花ちゃんの可愛さに私は思わずときめいてしまう。
まん丸のほっぺに、髪は左右に二つ結びで、おでこもキュートだし、洋服はアニメプリンセスのイラストが描かれたフリフリのワンピース、リボンもついているし、よく見れば靴下もポシェットもアニメプリンセス柄で統一されていた。
以前あった時はまだ赤ちゃんだったのに、今はオシャレに目覚めた幼稚園児って感じで思わず頬ずりしたくなる。
「久しぶりね、羽田も桃花ちゃんもいらっしゃい」
「黒木先輩もお変わりなく、美緒ちゃんも大きくなったわねぇ」
「ハイ、もう高校生ですから」
「うちの桃花も幼稚園の年少さんなんだから、時間が経つのは早いわぁ」 家に上がってもらうと、羽田さんからお土産の焼き菓子をもらう。ここのってテレビで紹介されている有名店の奴だ!
「アラアラありがとう、ここの洋菓子高かったでしょう」
「気にしないでください、それに手ぶらじゃ悪いですし」
「お茶を入れるから座って待っていてね」
ママがお茶を入れている間、私は桃花ちゃんに夢中だった。
「桃花ちゃんは何歳ですかぁ?」
「えっとねぇ、もうすぐね、よんさいになるのぉ」
あぁーもう喋り方も可愛すぎる、クリクリのつぶらな瞳も、小さな口もまるで天使のようだ。
「桃花が入園した幼稚園も美緒ちゃんが通っている付属のところなのよ?」
「えぇー!知らなかったです、制服可愛いんですよね!」
私は高校受験で入学したけれど、付属の幼稚園は英会話や体操など色々な事を学べるらしく、入園するにも大変だったはずだ。
「そういえば美緒ちゃんは部活が水泳部だっけ?」
「そうですよ、レギュラー取りました」
「あら凄いじゃない!実は桃花も今スイミングに通っていて、今年からようやくベビークラスを卒業して、アヒルクラスに入ったのよ」
「えぇー凄いー!もう一人でレッスンに参加しているんですか?」
「そうそう、今は補助の浮き輪をつけて遊んでいるようなものだけどね」
「えっとねぇ、アヒルクラスのつぎはねぇ、イルカさんのクラスなのぉ」
一生懸命、説明しようとする桃花ちゃんも可愛らしい。
「お待たせぇ、うちの美緒も桃花ちゃんみたいな時期があったなんて嘘みたいよ」
ママが紅茶を入れて持って来る、桃花ちゃんにはミルクの入ったカップが置かれる。 「ホラ、着ている服もバンバン何とかっていう変なミュージシャンにはまっちゃうし、身体はどんどん大きくなるし」
「だからヴァン・ムスーだって!」
「美緒ちゃんくらいの年なら好きな事が増える時期よね、殆ど大人みたいなものだし、なんたって美人さんだもん」
羽田さんが色々と褒めてくれるので少し照れ臭くなる。
「うちの美緒なんて、年少さんになったのになかなか昼間のおむつも卒業できないし、心配毎ばっかりよぉ」
「あぁーっ!ママ!いわないでっ!!」
未だおむつを履いているのが恥ずかしかったのか、桃花ちゃんが顔を赤くして怒る。そんな顔も可愛らしい。
「ホラ、おむつ何て卒業するのは個人差があるし、美緒だって小学生になってもおねしょしていたんだから」
「ちょっ、一年生の時に一回だけ失敗しただけじゃない!」
私が慌てて注釈を加えると、ママと羽田さんはコロコロと笑いあい、それからしばらく談笑が続いた。
「ところで、羽田はもう授乳終わっているんだから飲めるんでしょ?」
そういうとママは冷蔵庫から冷えた白ワインとグラスを二つ持って来る。
「飲めますよぉー、黒木先輩がそう言うと思って生ハム持ってきちゃいました!」
良く分からないけれど、ワインも生ハムも高級そうなものだった。どうやら二人とも今日はそれが目的だったみたい。
「それじゃあ、桃花ちゃん、お姉ちゃんのお部屋で一緒に遊ぼうか?」
「うんっ!」
私が気を使って桃花ちゃんを遊びに誘う。
「あ、美緒ちゃんごめんなさい、大変じゃないかしら?」
「桃花ちゃん、美緒お姉ちゃんに変な事されたら大声出すのよぉ?」
「変な事なんてしないってば!」
私が桃花ちゃんを自室へ連れていく頃には、ワイングラスがチンとなる音が響いていた。 私の部屋はあまり広くないし、大好きなヴァン・ムスーのポスターとか貼ってあったけど、後は比較的勉強に必要なものと化粧品や雑誌ぐらいしか置いていなかった。
ただ、今日は桃花ちゃんと遊ぼうとアニメプリンセスの着せ替え人形セットを用意していたのだ。
「ほら、桃花ちゃん、これで遊ぼうか?」
「あっ!あそぶぅっ!」
本当にアニメプリンセスが大好きみたいで、早速着せ替え人形セットに興味を持ってくれたみたいで、パッケージを開けて遊びだす。
それから三十分ほどだろうか、桃花ちゃんは夢中でアニメプリンセス着せ替え人形セットで遊んでいて、私はおままごと的な感覚で一緒に遊んであげていた。
すると、桃花ちゃんは思い出したように、持っていたポシェットからキッズ用のスマホを取り出す。
「あれ、桃花ちゃんもう携帯電話持っているの?」
「うん、えっとねぇ、でもぉ、アプリだけしかできないのぉ」
なるほど、流石アプリ会社で働いている母親なだけあって、娘にもアプリゲームを触らせている様だった。
「ねぇねぇ、これ、しってるぅ?」
スマホの画面には「Style Change」というアプリが開かれていた。ロゴを見て、以前に似たようなデザインを見た気がする……確かあれはテレビで見たような。
「あぁ、思い出した!写真を撮ってお互いの顔を交換する奴でしょ!」
そう、テレビでは今までのスマホアプリで、撮影した人の顔を入れ替えたり、性別を交換したりするアプリはたくさんあったのだが、その進化系がこの有料アプリと紹介されていた。
今まではただ単に顔が入れ替わるだけだったが、このアプリは外見や髪型、容姿などに合わせて違和感なく顔が入れ替わるというものだった。
太ったお笑い芸人の男性と痩せているモデル女性の顔が入れ替えたら、今までは違和感のある見た目になっただろう。
ただこのアプリを使うと写真はモデルの面影がある整った顔の太った男性と、お笑い芸人の様な剽軽な顔になったスタイルの良い女性になる、もちろん違和感はない。
さらにお年寄りと入れ替えれば顔の年齢も変わり、犬や猫と入れ替えれば本人の顔をベースに動物へと変化するのだから驚きだ。
操作方法もそんなに難しくなかったはずで……。
「それじゃあ桃花ちゃん、スマホの画面で一緒に撮ろうか」
「はぁーい!」
私は桃花ちゃんと顔をピッタリとくっ付けてシャッターボタンを押す。にやけない様に決め顔になっちゃったけど、後でこの写真送ってもらおうっと。
撮影した写真を取り込むとアプリが自動で顔を認知してくれる。
[表示されている二人を交換してよろしいですか?]
というメッセージが表示されたので、OKボタンを押す。
しばらくローディング画面になると、パッと写真が表示される。
「おぉー……本当に入れ替わった!」
「あっ!おもしろぉーい!」
表示された写真は、二つ結びの髪型に丸い顔、四歳の身体になっている私と、大人っぽい体つきに、若干日焼けしている、ライブTシャツを着ている高校生の身体になった桃花ちゃんが映し出されていた。
どちらも違和感はなく、目の下のほくろの位置や眉や唇などの印象はそのままだけど、顔が変わるだけでこんなにもイメージが変化するのには驚いた。
私の身体になった桃花ちゃんは、私よりもチャーミングで純粋な感じだし、桃花ちゃんの身体になった私は、可愛いというよりもどこか背伸びした雰囲気の幼いすまし顔の子供に見える。
スマホに映し出された写真の下にはさらにローディングが続いていて……終わったと思った瞬間に画面がパッと輝いて思わず目を瞑る。
「えっ!?」
「きゃあっ!」 「んっ……」
目がチカチカしていたけれど、ようやく視界が戻ってきた……けど何か違和感があった。
手に持っているスマホが……大きいように感じる。先ほどまで片手で持っていたのに、今では両手で持たなければいけないほど大きくなっている。
「…………あれっ!?」
いや、スマホが大きくなった訳ではない!自分の手がとても小さくなっていることに気が付いて思わずスマホを落としてしまうが、それどころではない。
「…………あれっ……うっ、うそっ、嘘でしょっ!?」
小さな手の平、顔を触ると柔らかい頬っぺたの感触、髪はいつの間にか二つ結びにされている。さっきまでライブTシャツを着ていたはずなのに、アニメプリンセスが描かれたフリフリのワンピースに身を包んでいる。
それに……体が……とても小さい、胸にはブラなどしておらず肌着だけで、手を当てても膨らむ気配すらないまっ平な感触。水泳で鍛えられたしなやかな肉体美も、大人の身体へと成長していたボリュームも消え失せていた。
これじゃあ、まるで…………。
「桃花ちゃんの身体じゃないっ!」
叫ぶ声も体が幼くなっているからか甲高いものになっている。混乱しながら体を確かめていると、下半身を包むカサカサとした肌触りに嫌な汗が流れる。
そういえば……羽田さんは確か……桃花ちゃんは未だ昼間のおむつが卒業できないって……。
恐る恐る、ワンピースを捲ると、自分の幼くなった下半身はピンク色の紙おむつに包まれていた。ハートやウサギが描かれたデザインに、ご丁寧に「まえ」と平仮名で書かれてある。
「い……いやっ……」
私はショーツとは全く違う紙おむつについているギャザーの感覚に、ゴワゴワと分厚い吸収剤の部分を触りながら、ゴクリと唾を飲みこみながら、右手をおむつの中に突っ込む。
「…………な、ないぃ」
指先にはつるつるとした産毛すら無い股部と、大人のものではない一筋の割れ目しかない幼い秘部の感覚だった。
「おねえちゃん?」
「ひゃあっ!?」
いきなり頭上から低い女性の声が聞こえたので、思わずおむつから手を引き抜く。
急いで驚いて振り向くと、見上げるほどの巨大な女性が私を見下ろしていた。
いや、正確に言うと、先ほどまで私が着ていた服装で、私とよく似た髪型と体格をした女性が心配そうな顔をしていた。その表情はまるで成長した……。
「も、桃花ちゃん……なの?」
「そうだよぉ!あのねぇ、ももかねぇ、なんか、おっきくなっちゃったの!」
「わ、私は誰か分かる!?」
「んーと…………みお、おねえちゃん?」
「そう!どうしよう……体が入れ替わっちゃったんだ……!」
「わぁーい!!おとなになっちゃったぁ!」
わぁーいじゃない!幼児だからかこの危機的状況が全く理解出来ていない。
「なんか、ママみたいなおっぱいだぁ!」
「ちょっと、私の身体に触らないでよ!」
桃花ちゃんは両手でバストを鷲掴みながら面白がっている。
「うわぁ、おまたに、おけけがはえてるぅ!」
「やめてぇぇっ!」
今度はがに股になりながらデニムに手を突っ込んで股座を弄っている。私が必死で止めようとするが、四歳児の身体では十五歳の身体にかなうはずが無く、しがみつくのが精いっぱいだった。
「おねえちゃんも、かわいいねぇ、おにんぎょうさんみたい!」
「なっ!?」
桃花ちゃんは私の身体を持ち上げると、抱きかかえたまま部屋に合った姿見の前に立つ。
鏡に映し出されたのは、桃花ちゃんの顔のまま、大人のようにスラリとした肉体になり満面の笑みを浮かべる女性と、フリフリのワンピースに身を包み、幼いヘアスタイルで今にも泣きだしそうな顔をした幼女の身体になった私だった。
ワンピースの隙間から紙おむつが見えるので、必死で直そうとするけれど、抱えられたままで上手く動けない。 「いい加減にして!早く元に戻らないと!」
私が怒鳴ったことで驚いたのか、桃花ちゃんは私を床に下す。怯えた瞳は、身体は大人になったが精神はまだ幼い桃花ちゃんのままだという事が分かる。
「さっきから大声出してどうしたのぉー?」
ノック音の後に、私の部屋のドアが開き、ママと羽田さんが様子を見に来た。
お酒を飲んでいたからか二人とも若干顔が赤くなっていたけれど、これはチャンスだ。嘘のような話だけど事情を説明して元に戻らないと……。
「あ、あの、ママ、こんな身体だけど私は美緒なの!」
「えっ……うん、いつもの美緒じゃない、それよりも桃花ちゃんに怒鳴っていなかった?」
「ごめんなさいねぇ、こんなに体が大きくても未だ四歳だから、美緒ちゃん小柄だから大変だったでしょ?」
えっ……えっ……ど、どう言う事?
「あのね、ママぁ、さっきね、アプリでね、しゃしんとったのぉ」
桃花ちゃんも心配になってきたのか、恐る恐る自分の持っていたキッズ携帯を羽田さんに見せる。
「そ、そう!そしたら、身体が入れ替わって……!」
「あらまぁ!」
「フフフフ、本当ねぇ」
二人とも何がそんなに面白いのか、早く元の身体に戻りたいというのに……!
「これじゃあ、本当に美緒が年相応の身体みたい」
「うん、桃花も本当だったら美緒ちゃんくらいの身体だったのねぇ」
「ど、どう言う事!?私の身体、変でしょ!!」
「うん、変な写真ね、これって二人の顔を入れ替えるアプリでしょ、良く出来ているわぁ」
ママと羽田さんが見せてきたスマホの画面には交換する前の写真が映し出されていた。
つまり、高校生の身体の私と、年少さんの身体の桃花ちゃんだ……だけど、二人ともこの写真が入れ替わっているって言っているみたい……。
「マ、ママ、私ってもっと背が高くて、大人びた身体……でしょ?」
「何言っているのよ、体格が幼くて、高校生になっても幼稚園児に間違えられるのが嫌だっていつも言っているじゃない」
そんな!?
「ねぇ、うちの桃花は成長が早くて、四歳なのに中高生に間違えられるし、ブラジャーの付け方を教えるなんて思わなかったわよぉ」
「ち、違う!私が桃花ちゃんの身体なんだって!!」
二人はきょとんとした顔をすると、ケラケラと笑いあう。
「何言っているのよ、さっきまで桃花ちゃんみたいな体になりたいって言っていたのは美緒じゃない」
「そうそう、桃花は美緒お姉ちゃんは小さくて可愛いねぇって言っていたし」
「ち、違うよね、桃花ちゃん!!」
「え、えーと……んー……ももかも、そ、そうだったかも……しれない?」
考え込んでいる桃花ちゃんは大人二人の話を信じかけている。ちょっと待ってよ! 確かに、小さいころから成長が遅くて……中学生になっても小学生にすら見られなくて……身長は108cmしかないけど、110cmってサバよんでいるし、洋服はいつも子供服しか着られないし、初潮も来なくて胸だってぺったんこのままで……。
「ち、違うっ!」
私は思わず頭を振って記憶を否定する。何故か今までの事を思い出そうとすると、この幼い体で生活してきた経験が呼び起こされる。
「それにしても桃花ちゃんは、成長が早くて泳ぎも上手いんでしょ?」
「そうそう、スイミングに通ったばかりなのに上達も早くて、今は高校の水泳部の人たちと一緒に自由形の練習をしているんだから、とても四歳には思われなくて……」
羽田さんが心配そうな表情を浮かべる。だがそれは違っている。
「違います、それは私の身体で、泳ぎが上手いのも私です!」
「コラ!美緒はまだスイミングのアヒルクラスでしょーちょっとは桃花ちゃんを見習いなさいよ」
ママに叱られて私は口ごもる。だが、そんなのは事実じゃない!
確かに私はスイミングのアヒルクラスで……水に顔をつけたり、水の底のおもちゃを取ったりは出来るけど……アームヘルパーをつけてのバタ足が出来なくて……溺れそうで怖くなって合格できなくて。
「ち、ちがう……!」
泳ぎは上手かったはず……なのに、思い返すと、高校生になっても幼稚園児と一緒にアヒルクラスで水泳の初歩とも言える練習をして、年下にどんどん追い抜かれて……。
水着も競技用のものではなく、幼児用の水着で幼い体のラインを見られるのが恥ずかしくて……早くイルカクラスになりたいと思って……違う!こんなの嘘だ!
「はぁっ……はぁっ……」
「ちょっと、美緒大丈夫?気分でも悪い?」
この状況で大丈夫な訳が無い、私の今までの経験が失われていく気がした。
「そ、それじゃあ……あの服だって、私のライブTシャツでしょ!私だってこんな幼稚なアニメの服なんて持ってないもん!」
桃花ちゃんが着ている服を指さして私が声を上げる、あれは私が野外ライブで買った音楽バンドの……あれ、名前は……なんだっけ?
「そうそう、桃花は小さいのにアニメとかじゃなくて、変なバンバンみたいなバンドがお気に入りで、そのTシャツなのよね」
羽田さんが平然と答える。
「ママ、ちがうよ、ヴァン・ムスーだもん!」
桃花ちゃんがさも当たり前のようにバンド名を答える、それもまるで大好きなバンドの名前を間違えてほしくないといっている大ファンみたいな言い方で。
「それに美緒だってアニメプリンセスがずっと大好きでその服を着ているんでしょ?他にもアクセサリーやグッズだっていっぱい持っているじゃない」
「えぇっ!?」
そういえば、このフリフリなアニメプリンセスが描かれた服もお気に入りで……靴下やポシェットは大体アニメプリンセス、高校生になって恥ずかしいけれどおもちゃも集めているし、アニメも欠かさず見て……。
「す、好きなんかじゃ……」
否定しようとするが、ママが呆れた顔をしてだったら部屋を見てみなさいという。
辺りを見回すと、バンドのポスターはアニメプリンセスの映画ポスターに変わり、雑誌はアニメプリンセスのファンブックに、ベッドのシーツも、お気に入りの高かったアクセも気が付くとアニメプリンセスのグッズへと入れ替わっていた。
「さっきもねぇ、おねえちゃんといっしょに、きせかえセットであそんであげたんだよぉ!」
そう、私が新しく買ってもらったアニメプリンセスのきせかえセットが楽しみで仕方なく、あまり興味無さそうだった桃花ちゃんを巻き込んで一緒におままごとをしたような……。
「ち、違うもん!」
「分かったから、ホラ、二人ともお腹空いたんじゃない?」
「桃花も美緒ちゃんも、一緒におつまみを食べてみない?」
「うん、たべるぅー!」
私の体になった美緒ちゃんが嬉しそうに手を上げている。とてもじゃないが私はそんな気分じゃなかった。こんな身体になってしまったというのに、呑気に食事をしている訳にはいかなかった。 それに小さな体だからか、どこか落ち着かない。ムズムズとするような、下腹部が圧迫されるような……何だっけこの感覚?
チョロッ……
「っっっ!?」
私は秘部から漏れ出す暖かい液体の感覚に思わず前かがみになる。そうよ、何で気づかなかったんだろう、この感覚って尿意じゃない!
それに……こんなチビりそうなほど限界になるまで気づけなかったなんて……これってもしかして、おむつが卒業できない桃花ちゃんの身体だから!?
「どうしたの美緒、さっきから変よ?」
「えっ、う、うん……だ、大丈夫だから先に行っていて」
「そう?」
私はもじもじと、太ももをすり合わせながら、部屋から出ていくように促す。
尿意の感覚に気づけず、少しだけ漏らしちゃったなんて言えるはずが無かった。とりあえず三人を先に行かせて、さっさとトイレを済ませてしまおう。
三人が部屋を出ていくと私は急いでトイレまで駆けだす。
ただ、歩幅が四歳児並みにまで短くなっている事に慣れておらず、廊下に敷いてあったラグカーペットに足先を引っかけてしまう。
「あうぅっっ!!」
そのままベタンと前のめりになって倒れこんでしまう。
手も小さく非力になってしまっており、鼻先を打ち付けてしまう。小さくなった体では咄嗟の反応も鈍くなってしまっているみたいだった。
「みおおねえちゃん、だいじょうぶ?」
私が転ぶ様子を見た桃花ちゃんが駆け寄ってきてくれる。
「う、うん、だいじょう…………ふぁっ?」
しょぉぉぉぉぉ……
一瞬なんの感覚なのか分からなかった、下半身から力が抜けていくような気持ちの良い爽快感。
それが放尿による感覚だと気づいたのはスグだった。
「あっ!ちがっ……!いやぁぅ……!」
両手を股座に押さえつけて必死に止めようとするが、溢れ出したものは留まるどころか出し切ろうと勢いを増していく。
生暖かい感触が紙おむつの中にジワジワと広がっていく。吸収剤が液体を吸い込み、プックリと重さを増していく。
排尿されたグッショリと濡れた感触が肌に触れて気持ち悪いが、この状況で混乱して私は一足も動くことが出来なかった。目にはじんわりと涙が浮かんでくるのが分かる。
「ちょっと美緒、大丈夫だった…………って、あなたもしかして」
桃花ちゃんの後ろからママが現れると、両手で股間を押さえつけて震えている私の姿を見て何かを察した様で、手を伸ばしてくる。
「い、いやぁっ!」
抵抗もむなしく、ママの手はワンピースの中に入ると、おしっこを吸って重くなった紙おむつの感触を確かめられる。
「……はぁ、やっぱり……まさかお家でおむつの世話になっちゃうなんてねぇ……」
「えっ、おねえちゃん、おもらししちゃったのぉ?」
桃花ちゃんは物珍しそうに私を見下ろしている、もとはと言えば年少にもなって紙おむつの採れない桃花ちゃんの身体が原因じゃない!
「全くお客様も来ているのに……ほら、紙おむつ交換してあげるから洗面所に行くわよ」
ママは私の手を引っ張って洗面所まで連れて行こうとする。私は抵抗することもなくこのお漏らしをしたという事実に堪えて何も言い返せないでいた。
「あっ!ももかもね、おねえちゃんのね、おきがえ、おてつだいするぅ!」
「えぇっ!ちょっ、大丈夫だからっ!」
いきなりの桃花のお手伝い宣言に私は必死で追い返そうとする。
「コラ、桃花!お姉ちゃんだって恥ずかしいんだから着いていっちゃ駄目でしょ!」
羽田さんが必死で桃花ちゃんを止めてくれる。
「いいのよ、桃花ちゃんも美緒のお着替え手伝ってもらっていいかしら?」
「うんっ!」
ママが思ってもいない台詞を吐くと、桃花ちゃんが賛同する。
「ちょ、ちょっとママ!いいって!」
「いいえ、今までママは美緒を甘やかしていたわ、それに体が小さいのはあなたのせいじゃないけれど、最近はトイレトレーニングもサボっているし、年下の桃花ちゃんにお世話されて少しは反省しなさい!」
「えぇぇぇ……っ!?」
そのまま脱衣所に連れていかれると、私は洋服を全部脱がされ、大きくなった四歳の女の子に紙おむつを取り替えてもらうという恥辱の極みを体験することになった。 その後の事はよく覚えていない、食事をしても味覚も変わっていてワサビとか辛いものは食べれなくなっているし、お気に入りだった洋服は全て四歳児が着るような可愛らしい……けど高校生の私が着るにはあまりにも幼稚なデザインのものに変わっていたし。
スマホの写真やアルバム、中学の卒業写真を見ても、どれも私が幼い体のまま過ごしていたという内容に改変されていた。
逆に桃花ちゃんは生まれてから凄いスピードで成長して三歳にして中学生くらいの体格、幼稚園に入園するときはまるで高校の入学式みたいだったという内容に変わっていた。
結局元に戻れないまま、羽田さんと桃花ちゃんは帰ることになり、私は本当に小さな幼児のように二人に帰らないでと必死で食い止めた。
だけど結局ママに我がまま言わないのと叱られて、高校生なのに四歳児の身体のまま取り残されてしまった。 ピピピピピピピピ
耳元で、スマホから電子音が響き渡る。
あれから一週間。
私は朝日の光を浴びながら、スマホのアラームを止める。
ぐっすり眠った気持ち良さとは別に、何かを出し切ったようなスッキリとした感覚を覚えると、じっとりとお尻部分まで濡れた紙おむつの不快感が目覚めていくのと同時に伝わってくる。
ハートが散りばめられたピンク色の布団から抜け出すと、下半身を包むおねしょの不快感に身を震わせる。
それは気持ち悪さと、今日もこの体で生活しなくてはいけないという怒りの震えだった。
スマホアプリの「StyleChange」で身体が入れ替わり、私と桃花ちゃんの環境も知らない間に色々と変化していた。
家にある椅子はチャイルドチェアになっていたし、洋服も下着も全て四歳児の女の子が着るようなもの、それは当たり前だけど幼いデザインのものばかりで、桃花ちゃんの好みそのままでアニメプリンセスが描かれたものが多かった。
家には私が過ごしやすいように子供用の踏み台がいたるところに置かれているし、お箸も歯ブラシも靴も下着も全てが、覚えのない四歳の身体に適したものに変化していた。
それは桃花ちゃんも同じみたいで、ママに聞くところ羽田さんは桃花ちゃんのブラジャーの付け方を教えたり体のお手入れ方法など、四歳児が経験するには早すぎる事に苦労しているみたいだった。
もちろん、何度も元に戻ろうと数日後に桃花ちゃんと合って入れ替わった「Style Change」というアプリを試してみた。
だけど何度やってもお互いの身体が入れ替わる事は無く、シチュエーションや時間など色々と考察しながら試したが、どれだけ試しても私は四歳児の小さな体で、桃花ちゃんは四歳児には大きすぎる十五歳の体のままだった。
「うぅ……」
アニメプリンセスの描かれたピンク色のパジャマズボンを脱ぐと下半身を包む紙おむつが現れる。幼児でも読めるように平仮名で「まえ」と書かれたもじの下にはおしっこサインが付いていてしっかりと色が変わっている。
溜息をついて湿って重くなった紙おむつを脱ぐと、幼児特有の酸っぱいようなおしっこの臭いが鼻を突く。臭いの漏れないビニール袋に入れてゴミ箱に捨てると、ここ一週間で溜まった紙おむつの山が出来ていた。
股間をウェットティッシュで拭いて、再度溜息をつきながら学校に行く準備をする。こんな身体でも立場は高校生のままなのだから泣きたくなる。
履きたくないけれど仕方なく、新品の紙おむつに足を通す。せめて大人の身体であれば紙おむつだって白の無地だったり、目立たない尿漏れ用のパッドタイプが使えるのだけど、四歳の身体だとサイズ的に女児用のビッグサイズ以上は大きすぎて履けそうになかった。
色々なメーカーの紙おむつを始めて調べてみたけれど、どれも小さな女の子が好みそうな幼いデザインのものばかりだった。まぁ十五歳が履く事なんて想定していないのだから当たり前なんだけど。
紙おむつだけ履いた姿を鏡で見ると、顔こそママ譲りの目や綺麗な口元、目の下のほくろなど以前の私のまま。
だけど……二つ結びにした髪や、括れの無いお腹、女性としての魅力など欠片も存在しないその姿は、おむつを卒業できない幼女そのものだった。
ブラジャーを付けられるだけの膨らみはあるはずもなく、メッシュのキャミソールを着ると制服に手を伸ばす。
高校の制服はサイズがSSサイズでも私には大きすぎるため、学校からは特例として付属の幼稚園の制服を支給されている事になっていた。
リボンの色やワッペンなどで高校生である事を証明はしているが、制服のデザインは当たり前だけど幼稚園に通う幼児が着るためのもので、着替え終わって鏡の前に立つその姿はまさしく幼稚園に入園したばかりの女の子だった。
丸襟のシャツに、サスペンダーの付いたスカート、着やすいように大きなボタンが付いており、着ているだけで恥ずかしさが込み上げてくる。
鏡の前の女の子も頬っぺたを赤くして泣きそうな表情を浮かべている。 以前までは自転車で通学をしていたけれど、今はママに送り迎えをしてもらっている。車には知らない間に私が座る様にチャイルドシートが備えられていた。
学校での扱いは以前のものとはガラリと変わってしまっていた。
席はクラスの一番後ろで、普通の机と椅子では座れるわけが無いので、私専用のチャイルドチェアが置かれている。テーブルと一体化しているもので、座ったその姿は食事をする赤ちゃんのように見えるだろう。
もちろんクラス全員、私はもともと幼児の様な小さい体で合ったと認識しているし、私に対する対応も変化している。
「おはよー美緒、今日も可愛いねぇ」
「美緒ちゃーん、新しく出たアニメプリンセスゲーム知っている?」
「美緒に合いそうな洋服を作ったから後で試着してみてよぉ」
私のクラスでの立ち位置も文武両道の優等生というポジションから、見た目は幼女の秀才というクラスのマスコット的な立場に変わっていた。
それに趣味や嗜好も桃花ちゃんのものを引き継いでしまっているみたいで、アニメプリンセスが大好きなのはもちろん、ドラマは見ても興味がわかなくなり、幼児向けの教育番組を自然と見るようになった。
そのため、同じ高校一年生のクラスメイトとは勉強以外の話が合わなくなってしまった。
大好きだったバンドの曲は今では騒音のようにうるさく聞こえてしまい、今ではアニメプリンセスのテーマ曲やアニメの主題歌ばかり聞いている。それにお遊戯の曲を耳にすると自然と体が踊り出しそうになるので困っている。
私が高校生としての意識や知識を持っていても、大人としての理性を持っていても、脳と体は関係なく幼稚なものに反応したり興奮してしまうのでたまに本当の幼稚園児になってしまったみたいで悲しくなる。
いや……それこそ本当に立場も幼稚園児になっていればどれほど楽だっただろうか、誰からも、それこそ小中学生にすら子ども扱いされる今の生活は耐え難い屈辱感に満ちた毎日だった。 「あぅっ……」
尿意の感覚が鈍くなっているため気づけかずに授業が始まってしまい、しばらくした後尿意が少し強まる、何分かは頑張って我慢するのだが、チャイルドチェアから降りれずにそのまま耐えきれず紙おむつの中に生暖かい液体が溢れ出す。
四歳の未熟な身体では高校の長い授業の時間に耐えうるだけの膀胱は備わっていないし、そもそもがお漏らししやすい体質になってしまっているので抗う術を持っていなかった。
ベットリと濡れた下腹部の気色悪さに耐えながら、授業を終えると着替えの入っている袋を持って女子トイレに入る。
高校のトイレは今の私には巨大すぎる、トイレの便座に座れば落っこちてしまいそうだし、蛇口や鏡は頭の上だ。
個室に入り、何とか鍵をかけて新しい紙おむつに履きなおす。制服の時はまだ良い方で、体育の授業は高校生が着る紺色の体操着ではなく、赤い園児用の運動着で、身体のシルエットが出やすいため、腰回りが不自然に膨らんだ姿はあまりにも情けなさすぎた。
きっとクラスのみんなも私がおむつの世話になっていることなどとっくに知っているのだろうが、暗黙の了解として誰もからかう人はいなかった。
トイレから出ると、私のはるか頭上で同じクラスの女の子がメイクを治していた。以前までは私もああやってオシャレに精を出していたのかと思うと寂しくなる。
私の存在気付いた女の子は、気を使ってなのか、抱っこをして私の手を洗わせてくれた。
授業が全て終わり、帰りは学校の駐車場にママの車が止まっているので、合図をして開けてもらう。
高校での生活を全て終わらせる頃には体はクタクタだった、幸い勉強に不自由していなかった分、授業に遅れる事や成績が落ちる心配はなさそうだったが、小さな体で高校生と同じスケジュールをこなすのは大変だった。
「美緒、今日はスイミングの日でしょ?」
「あ、そうだった……」
今の私は部活に所属しておらず、週に二回あるスイミング教室に通っていた。以前の桃花ちゃんのように。
先日にスイミング教室に行った時はとてもじゃないけど、恥ずかしくてまともでいられなかった。
まずは水着、高校の部活で着ていた競技用の水着ではなく、スイミング教室から支給されている幼児用の水着は小学校で着ていたスクール水着みたいなもので、ハイカットのデザインはこの未熟な身体のラインがしっかりと見えるものだった。
オレンジ色の水泳帽にはアヒルのマークが付けられていて、その下には平仮名で「くろき みお」と名前が書かれている。これは出来る限り私が高校生だと悟られない様にしているからだ。
今日もその幼児用の水着を着て準備を終えると、インストラクターの女性が声を掛けてアヒルクラスは準備運動場へと集まる。
「うぅ……」
辺りを見回すと、私と同じくらい目線の子供がほとんどだった。つまり、このクラスに通っているのは四歳前後の子供だけで、高校生はもちろん、小中学生すらいなかった。
私はそんな幼児達と交じりながら水泳の初歩の初歩とも言える練習を始める。
「ハーイ、それじゃあプールに宝石を落とすので拾ってねぇー!」
今の私でも足が届く浅い児童用プールに移動すると、インストラクターがバラバラとおもちゃの宝石を投げて、皆が一生懸命に潜って拾いに行く。
以前の私であれば、余裕過ぎるような遊びだけど、桃花ちゃんの身体はこの練習についていくのがやっとだったみたい。
水の中で身体は思ったように動かないし、水の中で目を開けられず、手探りで宝石を探すけどなかなか上手くいかない。他の子供たちは簡単そうに遊んでいるけれど私は潜るだけなのに水に慣れていない子供のように必死だった。
その後も、水の中に口をつけてブクブクの練習、水の中でジャンプをして台から台に飛び移る練習、壁に手をついてバタ足の練習。そして。
「ほら、美緒ちゃん、怖くないわよぉ」
インストラクターの女性が笑顔で手を差し伸べてくれるけど、私は及び腰になってなかなか動けない。
腕に浮き輪の様なアームヘルパーをつけてバタ足をして数メートル先のインストラクターのところまで行く練習なのに、水の底に足が届かないと思うと私は……というか桃花ちゃんの身体は委縮して震えてしまう。
結局、インストラクターの女性に引っ張られて練習を終えると、他の幼児達に、だいじょうぶだとか、こわくないよとか慰めてもらう。
これが高校で期待のエースと言われていた黒木美緒の現在なのかと思うと悔しくて唇を噛み締める。 このままだとアヒルクラスを合格するのはまだ先みたいで、今日何十回目かの溜息を吐きながら着替えを終えると、スマホにはママからお迎えが少し遅れると連絡が入っていた。
紙おむつを履いて特別に用意された幼稚園の制服に身を包む。アニメプリンセスの靴を履いて外に出ると日が暮れる寸前だった。
「あ、おねえちゃん……」
今の私の事をお姉ちゃんと呼ぶ人は限られる。
「あ、桃花ちゃん……」
そこには、私の身体になった泣きそうな表情の桃花ちゃんが立っていた。
自販機でジュースを買ってあげると、見学室でしばらく話すことにした。と言っても、私は背が低いのでお金を入れて購入ボタンを押したのは桃花ちゃんだけど。
「桃花ちゃんも大変?」
「うん……あのね、みんな、ももかとはあそんでくれないの」
確かに、高校生の身体を持った桃花ちゃんでは手加減をしないとボール遊びも鬼ごっこも務まらないだろう。全力で遊びたい年頃なのに、皆と同じように遊べないのは辛いと同情する。
「それにね、ふくをぬごうとしたり、おっぱいのやつ、くるしくてはずそうとすると、ママがおこるの……」
見た目が女子高校生になっているのだから、四歳児の感覚で行動をすれば痴女と間違えられても仕方ないかもしれない。
「私も、小さな桃花ちゃんの事を可愛いなって思っていたけれど、実際になってみると大変なことがいっぱいなんだもん」
「ももかも……たいへん」
桃花ちゃんは持っていたスマホを取り出すと、何度も試してダメだった「StyleChange」アプリを立ち上げる。保存されている写真には十五歳の身体の私と、四歳の身体のも桃花ちゃんが写っている。
「こんなのあっても……悲しくなるだけだもんね」
何が原因でこんな事になったのか分からないけれど、私と桃花ちゃんの顔以外の部分が入れ替わってしまったのは紛れもない事実だ。少しずつ慣れながらこの体で生きていかなくてはいけない。
そう思いながら、私は桃花ちゃんからスマホを受け取ると写真の削除ボタンを押す。すると、しばらくの間ローディングの様な画面が続いたと思うと、画面がパッと光る。
「きゃあっ!?」
「何よっ!?」
思わず目を塞いで、視力が戻るまでしばらく目をシパシパさせる。
アプリを見ると、写真は削除されていた。けれどスマホが小さくなったような……それも片手で持てるくらい。
「……えぇっ!!」
目線が高い、胸に膨らみがある、手足が長い、髪を触ると、元の私の長い髪だった。
ガラスに映る自分の身体を確かめると、そこには元の、高校生の、十五歳の身体になった私が立っていた。
「もどったぁ!」
隣で飛び跳ねている女の子は、元の四歳の身体に戻った桃花ちゃんだった。そんなに飛び跳ねると、スカートの中の紙おむつが見えちゃうよと言おうとしたけれど今は黙っておく。
「でも……一体なんでだろう……」
でも可能性として考えられるのは一つだけだった。
「もしかして、写真を消したから?」
あのアプリが体を入れ替えるアプリだったとして、何度も写真を撮っても戻れなかったのはチェンジさせた写真をそのまま保存していたからかもしれない。
でも、その事に気づかないでいたら……一生元に戻れなかったかもしれない。
さっきまでの恥ずかしい生活を思い出して、それが何十年も続いていたかと思うとゾッとする。
今では忘れていた水泳部のエースとしての経験、成長期に背が伸びて胸が膨らんで不安だった思い出、大好きなバンドのヴァン・ムスーの事がしっかりと思い出せる。
手に持っている水泳バッグもスイミングスクールのものではなく水泳部で使用していた奴だ。
「やったね、おねえちゃん!」
「うん……本当に良かったぁ!」
私はさっきまで私が動かしていた小さな体と抱きしめあった。
「あれ、美緒ちゃんじゃない、桃花を迎えに来たらビックリしちゃった」
振り返ると羽田さんが驚いた顔をして手を振っていた。ちゃんと周りの認識も元に戻っているようでホッと安堵する。 それからさらに一か月後
「桃花ちゃん!ちょっと待ってぇ!」
「おねえちゃん!こっちこっちぃ!」
私たち二人は近所に新しく出来た大型のショッピングモールに来ていた。
桃花ちゃんは私が選んだ飛び切りのオシャレコーデで、暑くなってきたこの時期に合わせてお気に入りのサマーセーターに足が長く見えるフレアスカート、足元はこの間買ったばかりのダッドシューズ。
全体的に少し大人びているけれど、160cmを超えている桃花ちゃんにはピッタリだった。顔はすっぴんだったので、さっき私が軽くメイクをしてあげた。
一方私は、桃花ちゃんが選んだピンク色のショートサロペットにシャツは袖にフリルが施されてアニメプリンセスが描かれているもの。水玉のタイツは足首にリボンが付いた可愛らしいもので、靴もパープルのアニメプリセスモデル。
少し髪が伸びてきたからか、ヘアスタイルは二つ結びからお団子ヘアになっている。桃花ちゃんとは反対に、メイクした顔は桃花ちゃんコーデと不釣り合いだったので落としている。
そう、元に戻る方法が分かってから私たちは定期的に体を入れ替えて遊んでいた。
「あっおねえちゃん、これほしいなぁ!」
手を振って小さい私をお姉ちゃんと呼ぶ桃花ちゃんは女子高生には無い無邪気さがあった。小さな足を動かして、お店を見てみるとタピオカミルクティーが売っていた。
普段の羽田さんは桃花ちゃんにカフェイン入りの飲み物を買って上げないようで以前から飲みたかったみたいだ。結局飲むのは私の身体なので、快く承諾してあげる。
一方私は、キッズランドやサン宝石に行きたくてうずうずしていた。普段の私ならとっくに卒業しているような子供向けのお店が魅力的なものに見えてワクワクしてきて仕方ない。
タピオカミルクティーを飲みながら桃花ちゃんはオシャレな輸入雑貨のお店に行きたがっているし、普段とは真逆の価値観をお互いに満喫していた。
まぁ、元に戻れずに一生このままと言われたら困るけれど、たまに気分転換をするにはこんなに楽しいことは無かった。今日はママが迎えに来るまで存分に童心に戻って遊ぶつもりだった。
二人でエスカレーターに乗ったところで、私は久しぶりの感覚が込み上げてきていた。
「ねぇ、おねえちゃん、つぎはぁ……あれ、どうしたのぉ?」
「あぅっ…………あの、で、出ちゃう、かもぉ……」
「えぇっ!だ、だいじょうぶ?」
桃花ちゃんが心配して目線を合わせてくれる、私はもじもじと必死で股間に力を入れて太ももをこすり合わせるけれど、相変わらず桃花ちゃんの身体はおしっこが我慢し辛くて、限界まであと少しだった。
「んっ桃花ちゃん…………ごめん、無理ぃ…………ふぁっ」
エスカレーターから降りるため足を広げたところで限界を迎える。
しょわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
汗ばんだ秘部から生暖かい液体が溢れかえる。そのまま履いていた紙おむつに吸収されていくと、ジュクジュクとした湿った感触に身震いしてしまう。
膝が軽く震えて、息が熱くなる。最後の一滴まで出し切ると、何ともいえない爽快感と人が行き交っているところで粗相をしてしまった恥ずかしさで思わず目に涙が浮かぶ。
「あのっ、あっ、えっと、じゃあ、おトイレまでつれてくね!」
そう言うと桃花ちゃんは私を軽々とお姫様のように抱え上げてキッズ用のお手洗いまで連れて行ってくれる。
お尻には紙おむつが吸い取ったおしっこがベットリとくっ付いて気持ち悪かったけれど、私を抱える桃花ちゃんはまるで本当のお姉ちゃんのように頼もしかった。 キッズ用のお手洗いは小さい児童用のトイレや低く設置されて手洗い場があり、紙おむつの交換代もある。
立たせて履き替えさせるタイプのおむつ交換代に靴を脱いで上がると、桃花ちゃんがバッグから新しい紙おむつを取り出してくれる。
「あっ、これじゃあ下半身丸出しになっちゃうね」
私が思わず呟く。
ワンピースやスカートならともかく、オーバーオールの様なサロペットは脱ぐと下半身は紙おむつとタイツだけになってしまい、他人が見ればおむつを汚してしまった事が一目で分かってしまう。
「はい、おねえちゃん、あしあげてぇ」
桃花ちゃんは自分の身体とはいえ、おむつ交換に慣れてきたようで、手際が良くなっている。
「桃花ちゃん、ごめんね」
濡れた紙おむつを脱ぎお尻を拭いてもらいながら私は桃花ちゃんに何となく謝った。
「えっ、どうしてぇ?」
「何か、桃花ちゃんはまだ小さいのに、私の我がままに付き合ってもらっているから」
「でもね、ももかもね、みおおねえちゃんと、あそぶの、たのしいもん!」
桃花ちゃんに謝った理由はもう一つあって、実はお漏らしをするのが少しクセになりつつあった。小さな幼児として行動する事にドキドキしている自分がいた。
四歳の身体とはいえ、出先でおむつにお漏らしをしてしまう恥ずかしさやコンプレックスは普段の生活では味わえない背徳感があった。
それに、私だって桃花ちゃんだって私に隠れてこっそりとエッチな事をしているのも知っている。十五歳の大人になりかけている快感にうずうずしている様子がたまに見かけられた。
「あっ……」
新しい紙おむつを履きなおしたところで、トイレの個室から女の子が出てきた。今の私と同じくらいの身長なのに一人でトイレに行けるんだ、と複雑な心境になる。
女の子は私たちを何度がチラチラと見続けて、手を洗って出ていくまで様子を伺っている様だった。そこで私は気が付く。
「多分あの子、桃花ちゃんが私の事をお姉ちゃんって呼んでいたから不思議に思ったんだよ」
高校生くらいの女の子が幼稚園児くらいの女の子を美緒お姉ちゃんと呼び、私がちゃん付けで呼ぶのは不自然だったはずだ。
「あぁ、そっかぁ!」
「そう、だから入れ替わっているときは、私は桃花お姉ちゃんって呼ぶね!」
「えっ、じゃあぁ、ももかはぁ、みおちゃんって、よべばいいのぉ?」
ちょっと不思議そうに照れ笑いする表情は紛れもない四歳の桃花ちゃんだった。
「そう、だから早く遊びに行こ!桃花お姉ちゃん!」
「う、うん、みおちゃん、まってよぉ!」
私は本当の四歳児のようにトイレを出て駆けだしていく。後ろからは大人びた桃花ちゃんの笑い声が響いてくる。
通り過ぎて行くお店はどれも賑やかで、喧噪に彩られた音はまるで私たちの秘密を隠してくれるようだった。私はスラリとした体格の桃花お姉ちゃんと手を繋ぐと、小さな足を動かしてその中へと消えていった。
おわり 920 :名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 18:33:24.15 ID:WuQQ/aM9
「ふ〜、満足満足♪」
「皆さん、ご協力感謝します」
一仕事終えた姉妹の周りでは、先ほど助けた男の人たちが幸せそうな表情で倒れていま
した。
「さて、そろそろ来るかな〜 ……んっ!」
「あ、うんっ……! き、来ましたね……」
唐突に艶っぽい息を漏らすマリモとルイーニ。 それを合図として、彼女達の体は徐々に
変化を始めました。
「あ、う、んん……」
「ん、く、ぅ……!」
見る見るうちに手足が伸びてゆき、小さな背丈がどんどん高くなっていきます。
「ん、ふぁ、うう……!」
「あ、はぁ、はぁあん……!」
つるぺったんな胸が次第に盛り上がり、お尻や太腿がぱんと張っていきました。
「はぁ、うん、き、きもちいい、よぉ……!」
「あ、ふぁ、い、いいですぅ……!」
艶かしい喘ぎ声は、少しだけトーンを下げて。 汗を浮かべ紅潮する可愛らしい顔は、
次第に成熟した色香を漂わせていきます。
「あ、はあぁぁぁぁあんっ……!」
そうして絶頂に達した時、姉妹は小さな子供の姿から、セクシーでグラマーな大人の
女性へと変貌していました。 921 :名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 18:34:12.47 ID:WuQQ/aM9
二人は取り込んだ精気の量に応じて、体型と能力が大きく変わるのです。 本来の姿
がどちらなのかはちょっと判りません。
「ふぅ…… よ〜し、これならクュッパなんか敵じゃないわ!」
「姉さん、油断は禁物よ」
こうして持てる力を全て発揮できる様になったマリモとルイーニは、颯爽とクュッパ軍
団との戦いに赴くのでした。
しかし……
「あ、あれっ!? か、体が……」
「そ、そんな、もう……」
再びクュッパ軍の一部隊を追い返したところで、またしても二人の身に異変が起こり
ました。
「あ、う、うぁ! だ、だめぇ……!」
「あ、や、と、とまってぇ……!」
男の人たちの精気を吸って大人になったのとは逆に、今度は彼女たちの体がどんど
ん小さくなっていったのです。 二人はあんあんと声をあげながら、妖艶で美しい大人の
体型から、ちっちゃくて可愛い子供の姿に戻ってしまいました。
「ど、どうして〜?」
「クュッパ軍が、強過ぎて…… きっと、すぐにエネルギーを使い果たしちゃうんです……」
「そ、そんなぁ〜」
「戦いを続けるには、もっと多くの人に協力してもらわないと……」
こうしてマリモとルイーニは、クュッパ軍に浚われた男の人たちを救出すると、すぐに協
力をお願いする様になったのでした。 とりあえずこっちでいいのかな
避難所で名前が出てた「D・Dバスター」、前から名前は知ってたから
この機会に国会図書館から取り寄せてみたけど残念ながら膨乳はするけど胸以外には変化はないからAPモノではなかった
全3話で3話とも結構丁寧に膨乳描写があるから膨乳も好きな人は試しに取り寄せてみてもいいかもしれない
ある程度詳細がわかってれば有料だけど絶版でも国会図書館の遠隔複写サービスでネットから本の複写取り寄せられるからおすすめ
肝心なAP・ARに該当しそうな作品の情報を持ってないからなんともだけど・・・ 国会図書館でヒミツのわんタッチの単行本未収録分読んだわ Twitterのアカウントを探しているんだけど、
おっさん?お兄さんがロリになったかコスプレしてるかなんだけど、たまに大人のお姉さんになるアカウントを探してます。わかる人いたら教えて下さい。 短期間のコールドスリープをすると当事者視点では周りがAPしたように見えるってのが好きなんだけどスレ住民には刺さらないかな
過去スレの創作ではひとつだけあった エロゲメーカーのLose解散しちゃうのか
ものべのは良いAPモノだった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています