若返りメインの話です

安達瑠璃子は出版社勤務のキャリアウーマンだった。
ライター、そして小説の編集の後、28歳にしてファッション雑誌のチームリーダーを任されていた。上司の期待値も高く、若干高飛車な性格ではあったが仕事ぶりは優秀だった。
さらに魅力的だったのはその容姿で、身長は172センチ、バストサイズはFカップ、長く伸びた綺麗な黒髪は大人の落ち着きと色気を醸し出していた。
そのため、男性陣だけでなく後輩の女性社員や、若い雑誌の女性モデルからも一目を置かれていた。
高慢で優美、気高く凄艶、強気で上品でクレバーな女性だった。
将来は昇進して地位を揚げ、大好きなブランド品に身を包み、ちやほやされながら充実した仕事をして、何不自由ない暮らしを送ることが夢だった。

だがそんな才能に恵まれた安達瑠璃子にも嫌いなものはあった。
それは子供や赤ん坊だった。
写真で見る分にはまだ可愛いと思えるが、実際に目にする子供は涎や鼻水を垂らして、土を触った手で服を弄り、ソースの付いた料理を手づかみで口にしたり、場所も関係なく泣きわめく。
行く先々で、例えば店内を大声で騒いだり、汚したり、泣いたりしている子供を見る度に瑠璃子は反射的に避けていた。幼稚な行為というのは子供も大人も関係なく大嫌いだった。