「これ、全部1本に繋がってるけど便秘だったのか?」
「ち、ちげーよ、何聞いてんだよ。」
なんでパッと見ただけでわかるんだこいつは。セクハラで訴えてやろうか。
「いつもこんないっぱい出るのか?」
「…今日はたまたまだって言ってんだろ。…いつもはこの半分くらいだ。
ここまで出るのは1ヶ月に1、2回で、今回は多分2本が繋がっ……」
ここで、ポロッと言った言葉に慌てて口を押さえる。
自分はいつもこんな凄まじいうんこをしてるんじゃない、そう言いたかっただけだ。なのに。
こんなウンコをしてますよ、と言ってしまったようなものだ。
「おいお前、今象のウンコみてーだなとか思ったか?」
無理矢理話を逸らす。
「思ってない思ってない!…自覚あるんだ。」
「なんか言ったか?」
「い、いや何でも…」

彼はオレのウンコをまじまじと見る。
「な、なあ、もういいだろ?とっとと片付けて…」
「……撮っていいか?」
清掃員はいつの間にか撮影水晶を手にしている。
「…ぶっ飛ばされたいのか、お前?つーかそれ、立体的に撮れるやつじゃねーか!」
「いや、規則なんだって!流れないのは写真に撮ってから解体しろって決まりなんだよ!」
「ヘンタイかこの野郎!」
「仕方ないだろ、なるべく大きいやつのデータ撮ってこいって命令なんだから!」
軽く説明を聞くと、流れないウンコでも流せるトイレを作る為のデータが欲しいらしい。
「おい、まさかとは思うが持って帰りたいとか言わねーよな…おい、なんで目を逸らすんだ?」
こいつ、マジで一発くらいひっぱたくべきだろうか。まあ、喧嘩とかしたことねえけど。
「…わかったよ、もう見られてるんだ。一枚なら許す。じゃあ外で待っててやるからとっとと片付けてくれ。」
「…なんで待っててくれるんだ?」
「お前が持って帰らねーか見張るためだっつの!ほら、さっさとやってくれ!」
それだけ言って、半ば強引にトイレから飛び出した。

〜女子トイレ・外〜
(あああああああああああああああああああああ!!!!)
清掃員から見られない所に来て、両手で顔を押さえる。
(最悪だ…とっとと逃げるんだった…)
あいつの前では、顔を覆わずになんとか耐えた。悶える姿なんて見せられないから。
ウンコを見られるなんて、今まで生きてきて初だ。それも、過去最大級の大物を。
(恥ずかしすぎて、死んじまいそうだw……!)
あいつにはオレのうんこをじっくり見られるだろう。その権利を与えたのは自分だ。
撮影もしたのだから、あいつはオレのうんこを何回でも見れる事になる。
解体、とあいつは言っていた。ちょっとHな雑誌の宣伝で、ウンコ解体用のナイフを見たことがある。
あいつがそれを持って、オレのうんこに…
(うあああああぁぁぁ!)
断面も、重さも、太さも、全てバレる。想像しただけで、悶え死にしそうだ。
トイレから飛び出してきたのだってそうだ、自分のウンコを解体してるシーンなんて、直視できるはずもないから。
(ハダカを見られたほうがまだマシだ………!)
そんな事を考えていると。