あれから3ヶ月後―
佐々木は、安中にとって、いわゆる「愛人」的存在として生活していた。
(この女の姿じゃ、自身の身分証とかが軒並み自己証明の役には立たず…)
ピンポーン!
「来たか…」
「…佐々木さーん、入りますよー!」
安中がそう言って扉を開けるより先に、佐々木はドアを開けて来訪者を迎えた。
「お前もお盛んだなぁ」
「おや?いいんですか、そんなつれない事を言って。私はこのまま自分の自宅へ帰っても別にかまわな…い」
佐々木は無言で安中に接吻した。
(もうこの身体は―引き返せないところまで、堕ちてしまっていた)
「…これくらいの皮肉は言わせて(よ)」
「喋り方まで、牝堕ちしてきてますね」
そう言われた佐々木は、赤面し俯きながらも、安中を自宅の奥の部屋へと誘い込んだ。
「自身の姿が完全に女だからか、自分でも、仕草や思考が徐々に牝化していってるような気はしてる―」
「だから女としての快感、快楽を求めるのに、貪欲になった―と?」
佐々木は既に下着のみ。
安中も、すでに女の下の口を満足させる準備は万全だった。
「あっ!……おッン!」
薄暗い部屋のベッドの上で、騎乗位の佐々木の長い髪が舞う。
その顔は、もはや嫌々な感じは微塵もなく、突き上げられる度、脳天に突き抜けていく快感に身を委ねて悦ぶ―
「やす…安中ぁッ!あ!あ!いッ!あッ!はあッン!…い、イクッ!わ、私?!も、もうッ――!!」
完璧な一匹の牝だった。
ピストンが激しくなる。
佐々木はもはや、安中の愛玩人形さながらな有り様で―