「ふーーっ、ふーっ、ふぅーっ、」

腰が抜け、膝を着く。
抑えた口元から、荒い息が漏れる。
頭は完全に焼け付いて、思考回路は真っ白に染まっている。
汗をじっとりかいて、髪の毛からぽたり、ぽたり、と垂れる。

彼女の足元に積まれた、千切れ千切れの、キロ単位のどでかいうんこの山。
姉のシーナに勝るとも劣らぬ量と太さ。
そのどっさり出された山は、彼女がどれだけ我慢し、溜め込んだかを物語る。

「凄い…でっかい……」
「―ッ!?」

彼がぼそりと呟いた、素直な感想が、ミーナの耳に届いてしまった。
彼女の特大排泄の全てを間近で見届けてしまったのだから、彼にはたまらない。
そして彼女に届いたその言葉は、ミーナの頭を急激に冷やし、一色の感情に塗りつぶすのは容易だった。

…彼女の頬を涙が伝う。

「えっ、あ、あの、ごめんっ」
「だって、だって…見ないでって、言った、のにっ…!」

ギリギリの所で堪えていたシーナだったが。
ここに来て、羞恥が限界を振り切り、泣き出してしまった。
中学生の彼女が、この凄い量のうんこを出すところまで、よりによって男性に見られたのだから。

「う、うぅっ、この前も今回も、悪いのは私なのに、恥ずかしくて、恥ずかしくて……!」

心の堤防が決壊した彼女は、涙と共に本音をぽろぽろと零す。

「学校じゃ、詰まっちゃうから出来なくて、仕方なくて、こんなにっ…!」
「お腹痛くて、お兄さんのおトイレ、また借りたくて、お兄さん居なくて間に合わなくてっ」
「お兄さん、私の事、あんなでっかいのする子だって、思ってると思うし…それに、謝りたくてっ…」