こうしてもう・・・何日がたったんだろう・・・

目を覆われた真っ暗な世界、その身を覆うものなど何もないままに
ネコ娘は拘束されていた。
両手首は緩い縄で巻かれ締め付けられる痛みはないが、
巧妙な縛り結び目は細い腕に絡みついて解くことができない。
妖怪犯罪者を縛る白蛇縄のようだった。
肌に触れる空気は蒸し風呂のようにビリビリと熱く、ネコ娘の裸体は汗に覆われていた。
時々ごぽごぽとくぐもった沸騰音がする。先に叫び声をあげた時には音が反響したから、ここは溶岩が流れる地底の洞窟内なのだろう。
酷く咽喉が乾いてハッハッと浅い息をもらすと、口の中に氷のかけらが押し込まれた。
咽喉の渇きも食事も、何不自由はない。ネコ娘が求めるままに運ばれる。
食欲のみならず、如何なる欲求をも満たしてくれるのだ。満たしすぎるほどに・・・。

 「・・・っ」

ネコ娘の胸先に触れ、その反応を確かめると身を寄せられる。
見えぬ空間に足を広げられて、これからまた始まる行為の予兆を悟った。

最後の記憶は林道を歩いていた時。嗅いだことのない甘い香りが鼻をくすぐった。
直後、天地がゆらぐような目眩が襲い、倒れ込む寸前に何者かの腕に落ちた。
奇妙な香り・・・きっと香薬だったのだろう。薬の香りで判然とはしなかったが、
倒れこんだ胸には危険な予感はしなかった。むしろ安心して身を預けたぐらいだ。
よく知っている匂い。最愛の男の匂いだとネコ娘は思った。

次に目を覚ました時には目隠しをされ、手首は拘束されていた。
辺りを見渡せぬ恐怖と肌にまとわりつくような暑さにネコ娘は何度も助けを呼んで
叫んだけれど応答はない。
代わりに現れたのは一人の男だった。もちろん姿は見えない。
その時もよく知っている匂いがしたから、ネコ娘は安堵の吐息を漏らした。

しかし・・・近付いてきた男は汗で湿ったネコ娘の服を剥ぎ取り、
時間をかけてネコ娘を抱いた。
抱きしめたわけではない。幾度も幾度もネコ娘を犯したのだ。
最初は羞恥から嫌がっていたネコ娘も、いくら呼びかけても応答のない男の様子に
段々と恐怖心に駆られていった。
声をかけても名を呼んでも応答はない。
もしかするとこれは、あの男ではないのではないかと己の鋭い嗅覚を疑い始めた。
それからは何をされても地獄だった。
頬を滑る唇の感触も、胸を揉みしだく手も、両足を広げて攻め立てる舌も、
貫かれた雄芯も・・・彼のものではないとしたらと思うと、腹の底から嘔吐感が込み上げた。
激しい情交にネコ娘の意識は朦朧とするばかりで、益々確信が揺らぐ。

あなたは・・・誰なの、・・・鬼太郎・・・なの?