四期ねこ娘で想像

いつもと変わらぬ風景・同じ道を、いつものように、ねこ娘は出かけていった。

「鬼太郎ー居るー?」

「ああ、ねこ娘。ちょうど良かった上がっておいでよ。」

「あれ、今日はおやじさん居ないの?」

「おばば達一緒に、妖怪温泉に行っちゃったんだ。聞いてない?」

「ふぅ〜ん。それより”ちょうど良かった”って何。」

「…コレ。渡しに行こうかと思ってたんだけど。」
そういって鬼太郎が、ねこ娘に渡したのは
小さな鈴のついた銀の首飾りだった。

「わぁ、可愛い…で、でもーいいの?」

「いいから…」
鬼太郎は首飾りを持つと、ねこ娘の後ろに回り
ねこ娘の正面に両手で首飾りを回した。
「僕がつけてあげる。」

「う…ウン…」

ほほを少し赤く染め、ねこ娘はうつむいた。

「ほら、よく似合うよ」
ねこ娘の首にぴったりのサイズサイズのそれは、首飾りと言うよりもむしろ…

「…なんか、猫の首輪みたい」

ボソ…ねこ娘がつぶやいた。
細いチェーンに付けられたスズが、それを強調させていた。

ポン…と軽く肩をたたかれ、はっと我に返った

「ご・ごめんね。変な事言っちゃって…せっかく鬼太郎がくれたのに。こんな高価なー」

言葉を最後まで言い切らないうちに、ねこ娘は鬼太郎の胸にもたれかかった。
わざとではない、目眩がしたのだ。
そして、鬼太郎はソレを知っていたかのように受け止めた。

「…あ・あたし…急に体が…」

体を起こそうとしたが、指に力が入らない。
すると、鬼太郎がしばらく閉ざしていた口を開いた。
「銀細工が出来る知り合いが居てね、ねこ娘のために作ってもらったんだよ。」
受け止めた両腕を、ねこ娘を抱きかかえるようにするりと前に回すと頬を舌で舐めあげた。