初めての『野生』の女、いやこれから『牛』にする事を思えば『野牛』と
言うべきか。それを捕獲するのは、結構あっけなく成功したのだった。
とは言え、物凄い力で暴れられて最初は大声も出された。
引っ掻かれたり、蹴飛ばされたりして、出血や打撲もあった。
か弱いはずの女子高生でも、ここまで凶暴になれるんだなと驚いた。
さすがは『野獣』だと変な感心をしてしまった。
俺にしたって人さらいなんて初めての事だ。
翠を制圧するのは、無我夢中で我武者羅だった。
なんとかなったとは言え、その時はもう怪我をさせない様になんて事は
考えられず、ただただ人が来るまでに捕獲して逃亡する事に必死だった。
そしてそのまま、慌てず、焦らず、ゆっくりと帰路を急いだ。
間違っても交通違反で警察に止められる事のない様に。
これまでにも女達の肉を味わう為にグレーな方法も散々使ってきた。
……いや違った。
本当は完全に違法でアウトな方法もかなり使っていた。
ほとんどは女に泣き寝入りさせる様に仕向けていたし、それが困難な場合には
弁護士の父に泣きついて問題を解消して貰っていた。
父が金や脅しに近い形で、示談に持ち込んでいた事案もあった。
どうにかして相手にも過失がなくはないと認めさせたり、相手に不利な要因を
強調したり誘導出来ていたのだろう。
だが今回は、これまでになく誤魔化し様のない、金銭の額ではどうしようもない、
完全無欠な犯罪行為だ。頼みの綱の父も既にない。
運転中も、ずっと心臓はバクバクと太鼓を鳴らし続けていた。
俺も案外小心者だと自嘲する。
『牧場』に搬入して早速、『牧場』の処置室に連れて行った。
『刷り込み』し易い様に、女を色んな姿勢で固定出来る器具を付けたベッドや、
その隣には監禁を考え、剥き出しの『家畜』用便所がある部屋だ。
その部分だけなら独房の様な設備だが、俺が長時間滞在する事にもなるので
ソファやテレビ、冷蔵庫なんかの居間の様な家具、家電も置いてある。
ベッドに固定する時も暴れて結構てこずった。
殴っておとなしくさせようかとも思ったが、俺はそんな野蛮なDV男ではない。
何よりこれから『牧場』の『家畜』第二号として迎える
大切な『家畜』のカラダを傷付けたりしたくはなかった。
勿論、第一号は『牧畜犬』にしようと決めたサクラだ。