「学校って、あの学校?」
「ええ、あの学校です」
「言いふらしたりするんじゃないわよ」

 彼女が牽制するのも無理はない。能力者が「迫害」されてからというもの、それまであった教育の権利というものは能力者にとってのみ破棄された。彼女たちは――学校には通えなくなったはずなのだ。

「そんなことはしない――でもなぜ」
「隠しているのよ――能力者であることを」
「……」

 安直な手だった。教育を受けたいと望む子供たちが、最初に思いつく愚策と言ってもいい。