砦の清掃と保守を担っている非戦闘員のメイドである。金色の
ゆるやかに波打つ髪が乳房に垂れ、汗ばんだ肌は絹のように白い。
脱ぎ散らされたメイド服が絨毯に散らばり、ずりおろされたパン
ツとベルトが脚に残されている。

 デズモールはじっくりとメイドを視姦し、魅惑的な姿に舌舐め
ずりをした。彼女は黄金の輪の実験台のひとりだ……特定の日に
なることを引き金に、与えられた命令を実行する。引き金を引く
までは命令を思い出せず、引いた後は忘れてしまう……そういう
精神操作ができるかどうかの。結果はこの通り良好だった。

 砦の中では、デズモールの精神支配に汚染され、秘密の命令を
埋め込まれてしまった者が、その数を増やしていた。

 このメイドは、かつてデズモールを蔑んだがために、その罰で
十日に一度、無自覚に自慰を披露させられていた。時期が来ると、
彼女は『どうしても自慰をしたい』衝動が膨れ上がり、どれほど
恥ずかしくとも、拒否しようと、命令通り自慰に耽ってしまう。

「あっ……ひ!? あ、ああ、あり、ねらさま?」

 メイドの混乱は混乱した。自慰をアリネラに見られた動揺と、
そのアリネラが丸裸で、淫魔に犯されながら、犬のように這って
いるのを見た衝撃に。わけがわからず、感情と思考が停止した。

 アリネラの眼はメイドの姿を映した。だが、わざわざ気に留め
るほどのものを見いだすことはできなかった。 メイドが、ほぼ裸
で自慰に耽っている。異常な、あらゆる視覚情報が、意識に渡る
前に改変された──なにもおかしくはない。気にする事はない。
いや、ひとつだけ見過ごせない変化があった。

「デズモール。犯すのを止めるな」

「ひひ、こいつは失礼。アリネラ様」

 デズモールとアリネラは悠然と、心身を麻痺させたメイドの横
を通り過ぎた。淫魔が背中を見せたまま指を小さく鳴らすだけで、
メイドの精神は空白になった。膣肉の締め方さえ忘れ去り、彼女
は絨毯に地図を描きながら絶頂した。

 目を覚ましたときには、メイドは自分のしでかした恥の他は、
何一つ思い出すことができなくなっていた。


◎続かない