0357名無しさん@ピンキー
2021/08/31(火) 00:02:11.36ID:cAaC2Cbm「ああ、入りなさい」
教頭は、椅子に深く腰掛けて私を上目遣いに眺めた。
「君…単刀直入に言おう。そのふんどし、外してくれないか」
「え、なぜですか?」
ふんどしは男性が着けるもの、という価値観がかつてあったことは知っている。しかし、それは祖父祖母とかの時代。いくら教頭でもそんな古い価値観を持っているということは考えにくかった。
教頭は机の上に目を落とした。
「…教育上悪い」
「どういうことですか?」
教頭は目を合わせず言った。
「これからの子供たちに…何も…身に着けないように教育するよう、先週教育委員会の方が来て言った。それで、着衣のある先生一人一人に説明しているんだ」
確かに、いままで濡れタオルを首に巻いていた隣のクラスの担任が昨日からタオルを着けなくなったことを思い出した。そして、今日は着衣のある教員はいつの間にか私一人になっていた。
「なんで、そんなことを」
「知っての通り、政府はいろいろな対策にもかかわらず、気温の上昇を止めることができていない。その不満を、少しでも逸らそうと、究極の対策、全裸を、教育によって推進することにしたようだ」