極力和やかさを意識して言う。
 「わかった。それなら、言わなくてもいい。面談は終わりだ」
 こくんとうなずき、そのまま上の空の様子で視聴覚室から出て行った。
 もとより放課後だから、そのまま下校するだろう。
 その後職員室へと急ぎ校長に状況を報告の上、ニイジマの自宅へ電話する。
 時間からして母親が出るだろうか。
 驚かされたがここでわかってよかった。最悪の事態にはならずに済むだろう。
 呼び出し音がする中、ふうと息をつき気を落ち着かせる。(需要があるなら続く