ファイトマネーを貰い、その後シャワーを浴びてから私服に着替えた由紀子。
実家の借金やあと少しの奨学金返済の為、一度は諦めた女子プロレスラーとして副業をこなしていた。

来月に行われる200万円争奪マッチは、男女混合のシングルマッチ。
いわゆる地下プロレスという位置づけではあるが、パブで5勝以上した女子選手の間でその試合への出場権が争われることが決定している。

由紀子は大学卒業後に実業団のバレーボールチームに入団予定であった。
しかしそのチームは親会社の倒産によってダメになり、由紀子は就職浪人する羽目に。
その後スカウトされた女子プロレス団体に入門し、恵まれた体格で有望な新人としてデビュー間近だったのだが…。
その団体も資金繰りが悪化したことによって崩壊し、由紀子はフリーター同然の生活を余儀なくされてしまったのだ。

全身をレオタード姿にして試合をした時でさえ、酔った男たちのエロい目線に辟易していた由紀子。
しかも挑戦権を獲得するには、彼女を含めた計5人の女子選手の中で一番高い点数を取らないといけない。
その勝負内容はグラビア撮影を行い、そこで最も高い支持を得た選手が争奪マッチに出場できるというものだ。

この内容だと、最長身の由紀子ははっきりと男の好みが分かれることもあって不利とみられている。
それでも200万円を貰えれば、残った借金や奨学金の返済は完了する。
高い支持を得るためにも、由紀子は腹をくくった。
つまり、レオタードよりもかなり大胆なコスチュームでグラビア撮影や争奪マッチに挑むということを決意したのだ。
(副業、完)