ちよは「あの夢」から覚めていつもの「公務」につく。

(「呪い」ですか……)

繰り返される日常。
しかし、警察という組織で出世をしてきた彼女がした経験は、決して平坦なものではなかった。
時に、一時的は自分に好意を寄せてくれた者、積極的に味方にさえなってくれた者にさえ
裏切って袖にするだけはおろか、弓を引く敵対的な振るまいも場合によっては
躊躇わずに実行してきた―

「小さな軍神」

いつしか自分にそんなアダ名がつけられていたのを知ったのは、大分後になって
自らの陣営に榊さんを味方に引き入れ、その彼女が懇意にしている部下の後藤くん
から聞いて知った事だった。
勿論、それは「畏怖」の対象としての意味の名付けであった事も。
(…泣いてる暇は、ない)

ブルル、とスマホに着信が入る。

「大阪さん、か……え?!」

おかしい。
「今の私」とは、大阪さん、本名・春日歩との接点など何も無いハズだ。

しかし。

(何だろうこの高揚感!ここから少しずつ、今までの日陰の道から、木漏れの日の差す
温もりある坂道を駆け上がっていける気がします!)

「それにしても…」

ちよは、着信のあったスマホのアプリ名を見る。

「Fate/〜」

「…皮肉なものですね。これの、「大元の原作2つ目」の話の中身が「私の半生」のそれと
ほとんど同じようなお話だったなんて―運命、か」

※ あずまんが大王・裏の1話へ続く