―雛見沢村連続怪死事件。

通称・《オヤシロさまの祟り》

(バカどもが……)
園崎詩音は思う。

(たかが5年、偶然重なった同日に起きるあの殺人が「祟り」だと?…あり得ない!!)

「人為的な計画殺人だとしかあり得ないでしょ?どう考えても」
(「この村」なら尚更、ね)

「…〇〇〇くん……」
その声には、とても深い親愛のこもった響きがありながらも、とても弱々しく―


「そして私は成し遂げた!!」

詩音の顔が「魅音」のそれになる。

「雛見沢村の裏に君臨し、神様の祟りによる恐怖で村人の結束、団結をより強固なものにと企み、
生け贄を毎年用意し続け捧げた非道の首魁たちを―」

「全て!この「園崎家現当主・園崎魅音」が!全員始末した!!」

哄笑。

それはこの深夜を、真昼と錯覚させるほどの声量で。


「…はっはっは。さて「来客」とは珍しいねぇ」

「……。」

(詩音)の前には、一人の筋肉質な男がいつの間にか立っていた。
(な、なんだコイツ……人、じゃない?!………く)

「あっはっはっは!今更私が他人を人外呼ばわりするような事を言っても仕方ないか!」

「ほう。我を前にして闘気衰えずか…女人と侮るには及ばず、か。面白い」
「な〜に余裕ぶっこいてくれやがんのさ、おっさん!もう死合は開始されてんだ、よッ!と」

(詩音)は、躊躇う事無く颯爽と得体の知れない黒い胴着の男に迫り、
手にしていたスタンガンを最大出力で突き出していた。