おれは、前段派
所謂、歯科医院に入る段階からチェアが倒されるまでのながれを楽しむ
女子生徒の場合
放課後、二・三人で他愛の無い会話に興じる下校路、やがて見えてくる歯科医院に顔を曇らせる一人の女生徒
「・・・ごめんね・・・今日歯医者さんの日なんだ・・・」
楽し気な会話の輪から外れ、歯科医院のドアを開ける女生徒
ドアを開けた瞬間、歯医者特有の薬臭さ・なんとも重苦しい空気・微かに聞えるあの金属音
脱いだローファーを揃え、うち履きに足を通し受付を済ませ待合室の椅子に腰を降ろす
「・・・予約時間なのに・・・」
所在無さ気に、興味も無い週刊誌を開いては戻し、ラインのきてないスマホを開いては閉じ・・・
「今日は先生の都合が・・・」と、淡い期待と妄想を巡らせる女生徒