同じ部活の女子と口喧嘩みたいな感じになって、女子を泣かせた。
女子は、やや釣り目で細面の顔立ち、でもきつい感じではなく、小動物系という感じで、背が低い。
目にじわっと涙をためて、鼻の頭も赤くなる。すぐにポロポロと涙が目頭から流れて、唇のところに伝わる。五粒くらいこぼしても、涙は目頭からしか流れなかった。
泣き出した場所が、部室で、その時は二人だけだったけど、後輩の子も入ってくる可能性があって、泣き顔を見られたくないだろうなと思って、女子の手を引いて、部室を出た。
誰も入ってこない空き部屋に入って鍵をかけたところで、女子がふえっ、ふえっ、うえー、うえー。という感じで泣きじゃくり始めた。
下を向いていたからか、涙が、目からいきなり粒になって落ちて、Tシャツにポトッと落ちた。
目頭から流れた涙は鼻のわきを伝って、鼻の穴のところから鼻水みたいになって唇に流れる。よだれみたいに顎まで流れたのは二、三粒くらい。
俺の顔を見上げて、ぎゅっと目を閉じた時に、目の真ん中から、大粒の涙が頬に伝って、顎まで流れる。
涙を拭かないし、顔を隠そうともしないから、涙の数を数えられた。
三十三粒まで数えたところで、号泣が収まって、ひくひく、はあ、ひくひく、はあという感じになる。
時計はみてないけど、五分位は号泣していたと思う。
そこまで泣かなくていいじゃんみたいなことを言ったら、はずかしがって後ろを向いて両手で顔を覆った。