職場の研修生の子が泣いた。
研修の報告を聞いていたら、十分に取り組めていない課題があり、その内容を話しながら一瞬目を赤くした。
一通り聞いた後で、取り組み不足になった理由について、何か精神的なハードルがあったのかをやんわり訊いたら、たちまちまぶたと鼻が真っ赤に。
目を伏せることなく、こちらをまっすぐ向いて、涙声になりそうなのをこらえて理由を話し始めたが、目が潤み始めて、1分足らずで最初の涙がぽろり。
泣いていいよ、というメッセージを口調や目線で送りながら、しばらくアドバイスを交えて報告を聞いた。
5分くらいは目を真っ赤にして、目頭から鼻筋に次々に伝う涙を指先で拭いながら、懸命に報告を続けた。
いったんは上下のまぶたとその周囲を広く泣き腫らしたが、泣きじゃくりは何とかこらえきった。
健気な子で、その課題をもう一度やりたいので教えて下さい、と言うので、復習に付き合った。
割と早く泣いた跡が退くタイプで、15分くらいで終わったときには、ほんのり白目が充血しているだけだった。

研修生や新人の子が、課題ができなくて悩んでる時は、報告の雰囲気で何となくわかる。
叱責するより、優しく視線を送りながら、理由を話せるような雰囲気を作ると、泣き出す子が年1〜2人はいる。
涙がにじみだして、目の縁が少し赤くなった時に「泣いていいからね」と声をかけると、安心して涙ぽろぽろ。
叱責すると俯いてしまうので泣き顔も見えないけど、自分から理由を話す時は、頬に涙を伝わらせたまま、顔を上げてることが多い。
終わった時にまだ泣き腫らした顔のまましゃくり上げている子には「落ち着くまでここにいていいよ」と言い残して、会議室のドアを閉めずにおく。
たいてい3分くらい、さらに激しく泣きじゃくったり、すすり泣いたりしてから、10〜15分くらいかけて涙を拭って化粧を直して出て行く。
だから、5分くらい後にさりげなく見に行くと、報告終了時よりさらにまぶたや鼻が真っ赤に腫れてたりする。

今回の子は、基本的には気の強い子で、それだけに自分の不甲斐ない部分に気づかされて悔しかった様子。
いつまでも涙は見せないけど、今だけは泣くのを許して下さい、という意思が表れた泣き顔だった。