自分は親に叱られて泣いたことこそないが、小二のとき、夜中に目が覚めると誰もいなくて、窓を開けて外を覗き込んで本当に一人ぼっちだと気がついたとたん、一気に口を歪めてものすごい声で泣いた。
眉間が痛くなって、口がへの字に曲がり、大粒の涙がパジャマのズボンに立て続けにボトボトボトッと落ちたこと。
自分の泣き声がうるさすぎて、耳が痛くなったこと。
そういうのは今でも覚えている。
暫くすると家族が帰ってきて、鞄も下ろさずに慌てて二階に上がってきて、久しぶりに抱き上げてくれた。
恥ずかしかったし、自分は泣いてない、歌ってたんだと意味不明な言い訳もしたけど、なんだかんだ言って嬉しかった。