>>97続き
驚いたのは、その後自分が仕事をしていた2時間くらい、その子がずっと泣き通しだったこと。
まず15分後、同期の研修生が「どうしたの、大丈夫?」と声をかけて、号泣のスイッチが入って、5分以上泣きじゃくりの声が漏れてきた。
ほとんど何も言えずに、「うっ、うっ」としゃくり上げてるだけで、10分位で同期の子が出て行った。
20分位、すすり泣きの息遣いが漏れてるたが、今度は指導員が入ってきて、最初は優しく「大丈夫?」と声をかけた。
また激しい泣きじゃくりに変わったところに、さっきの同期の子が入ってきて、泣いてる理由を説明し出したら、よけいに悲しくなったのか、タオルで覆った口元から漏れるくぐもった調子で「うぅっー」「うぇーん」という泣き声も混じりだした。
指導員が「どうしてうまくいかなかったのかな」「じゃあ、どうしたらいいと思う?」と質問しても、パニックになってるようで、泣き声に埋もれた断片的な涙声で「考え…れ…ない」とか時々返事するだけで、あとは泣き声を飲み込もうとしている息遣いが漏れてきた。
結局30分位、指導員が一方的に助言めいたことを話して、最後は半ばあきれた口調で課題を出して、同期の子を連れて出て行った。
1人にされて、またしゃくり上げの声が漏れ出して、15分位そのまま泣き止む気配がないので、また「今度はちょっときつかったみたいだね」と声をかけたら、しゃくり上げを止められず、何も言えないまま見返してきた。
この時点で白目と下まぶたの内側がほぼ真っ赤、目の周りは眉毛から頬の上半分まで、真紅のフィルターを1枚かけたように広範囲に赤く腫れて、もちろん鼻の頭もてかてかに光って真っ赤に染まった状態。
ずっとタオルで覆ってる頬には涙の滴は見えないけど、全体がしっとり湿ってる質感は遠目にもわかった。