拘束され、床に横たわっている私を相手側の3人が持ち上げ、台に置かれているこちらが用意したBOXの中にそのままの状態で収めた。
 こちらが用意したBOXは木製の柩型で、大きさは私の身長よりも少しだけ大きく、左右に寝返りが出来るぐらいの幅があった。そして空気を取り入れる穴も開けていた。
チープな作りにすると、相手側が何かの処置を講じてくる可能性が高くなると考え、敢えて柩にした。
 「蓋を閉めたら、3本のラバーベルトを回してBOXを台に固定します」
 蓋が閉められる音とラバーベルトが引き締められる音が私の耳のスピーカーから聞こえた。
 「この台には光センサーが内蔵されていて、倉庫の窓から差し込んでくる日光をセンサーが感知してから30分後に台に仕掛けられた爆弾が爆発する仕組みになっています。
つまり今から朝になるまでが制限時間だと思ってください。台の近くの床には小型シェルターの入り口があるので、其処に入れば爆発をやり過ごせます。後、1時間ごとにアラームがなりますので、目安にしてください」
 相手側が淡々と説明を続けた。
 「それでは健闘を祈ります」
 それ以降、スピーカーからは何も聞こえなくなってしまった。
 (命がけの脱出、ということね・・・)
 ひとり取残された私はそう思った。