それから5分後、彼女は教室に戻ってきた
すぐにスカートに視線を向ける!
濡れてない!
彼女の人生崩壊回避を確認し、俺は胸を撫で下ろしてほっと息をついた

あまりにも早く帰ってきた彼女に、先生もクラスのみんなも驚いていた
「トイレで吐いたら楽になりました」
彼女はそう先生に説明したが、体調が悪いと信じているみんなの心配は一層募ったらしい
結局彼女は周りに促され、その日6時間目を待たずに早退することとなった

そして、翌日の朝
彼女はこっちが申し訳なくなるぐらい、何度も何度も頭を下げてくれた
そんな彼女の姿に、昨日ウソをついてまで先生に言って良かったと、心の底から感じた
フィクションと現実との違いや重さを、今更ながらに痛感させられた思いだった

「助けてくれてありがとう」
そう言ってはにかんだ、彼女の柔らかくてキュートな表情
その表情は、トイレを我慢する彼女の姿よりも数倍強く
俺の心に、今でも刻み込まれている


以上、ちょっとした思い出話でした
間近で助けを求められて見捨てられなかった俺は、もしかするとフェチとは言えないのかもしれない