私は、台車のようなものに乗せられてどこかに連れていかれてる様だった。
 (どこを散歩させられるんだろう・・・)
 視界は塞がれていないものの、下しか見ることができないので周囲の様子は全く分らなかった。
 暫くすると、台車が止まって私はそこから降ろされた。
 「佳奈はまだなの?」
 「すぐに来ると思うけど」
 そんな会話が聞こえた。
 「お待たせ。これを用意してた」
 そんな佳奈さんの声の後、私の背中側に何かが取り付けられた。
 (重いっ・・・!何を・・・)
 「折角だからテスターの体力向上も兼ねて錘を装着した。これで散歩してもらう。
 導かれるまま歩いて、止まったら止まれば良い。散歩の終了はこちらが知らせるからそれまでは歩いて」
 佳奈さんがそう説明した。
 「それじゃあ、スタート」
 佳奈さんがそう言うと、私の頭部が強く引かれた。私はそれに従うように手と脚を交互に出して歩き始めた。