超拘束・完全拘束に萌える 14 [無断転載禁止]©bbspink.com
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女の子を徹底的に拘束して調教しちゃったりする。
そんな様々な拘束ネタの妄想を語るスレです。
小説・イラスト等も大歓迎!!
・作品を投下する人は気軽にどうぞ。
・誰かの作品が進行中でも気にせず投下しましょう。
・でもNG/抽出しやすいようにコテハンを付けましょう。
・コテハンに(責め手)→(受け手)で性別を書くとNGしやすいです。
(男→女、女→男、女→女、男→男など)
・過度の人体改造やグロネタは控えましょう。
・作者のやる気はレスに大きく左右されます。感想≠中傷。リクエストは程々に。
気に入らないならスルー。目ざわりなら専ブラでNG登録をどうぞ。
・基本的にsage進行で。
・荒らしは放置プレイで。無駄なレスを与えないのがいい奴隷に調教する秘訣ですよ。
Q.Cってなに?
A.支援のことです。
同じ回線から3回連続でレスをすると、連投規制が掛かってしまいます。
この規制は3レス分投下された後、他の誰かがレスを書くことで解除されます。
その結果、作者を助ける事になります。 「あなたは、その身に科せられた務めと戒めを守り、主人を信じて従い、奴隷を助け支えるよき管理士となることを誓いますか」
「私は、この身に科せられた務めと戒めを守り、御主人を信じて従い、奴隷を助け支えるよき管理士となることを誓います」
「そこに跪きなさい」
両ひざを地面について頭を少し垂れて、手は後手に回したままの姿勢。
昔どこかで見た?というか、何か知っている姿勢なんだけど、どこだっけな。
私が真ん中に置きっぱなしにしてそこを離れたワゴンから、井上主人が最後に残った“下着”を拾い上げて―――
「49番。製隷院すべての主人の名によって、あなたに首輪を授けます」
後に回した手から首輪を巻いて、差し込んだ最後の錠に手をかけて、そのまま腰を落としてじっと49番さんを見て―――
あれ? 私のときもそんなのだったっけ。
差し込まれた錠を首輪ごと片手で押さえながら、開いてる右手でぐいっと上を見させられたような。
ひょっとしたら、主人側の所作はあんまり細かく決まってないのかもしれない。
「あなたとあなたに授けた戒めに、その49の名を記します。これは従順のしるし、
あなたが管理士の姉妹に加えられ、製隷院のものとなり、主人の忠実なしもべとして、奴隷を作り育てることを表します」
バチン――― 両手の指を少し丸めるようにして、特に右手の小指を左手の中指と薬指で握りこんだような。
この瞬間の、この子の指先を―――きっと私は、ずっと憶えていると思う。 梓さんがいなくなると、フロアーにいるのは椅子に拘束された私だけになってしまった。
(この空間で、私一人だけ・・・)
ここには、無数の器具とスーツが置かれている。それは私の想像力を掻き立てた。
(どんな人がどんな風に使用しているんだろう・・・)
さらに、ラバーや革の匂いがそれに拍車をかけた。
「はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・」
呼吸が荒くなり、全身が熱を帯びてきたような感覚がした。もし、椅子に拘束されていなかったら間違いなくオナニーをしていただろう。
(拘束されてるし、何より禁止されてる・・・。でも・・・)
もどかしい気持ちを味わっていると声がした。
「お願いします」
スタッフの人がカウンターにファイルを置き、リモコンを操作した。
「あっ・・・お待ちください・・・」
拘束を解かれた私は、椅子から立ち上がり、該当するものを用意した。
「以上です。・・・あの、トイレに行きたいんですが・・・」
「ああ・・。どうぞ」
私は、部屋の隅にあるトイレに入ると、ドアを閉めた。便器に座り、力を入れると貞操帯に網状に開けられた穴からオシッコが溢れる様に出てきた。
(これで暫くは大丈夫・・・)
さっきまでのもどかしい気持ちも落ち着いていた。
「ありがとうございました」
外にいたスタッフの人にお礼を言って、私は再び椅子に座ると、程なくして、私は再び拘束されてしまった。
その人がいなくなると、再びフロアーには私一人だけになってしまった。すると、また私は想像を膨らませてしまい、もどかしい気持ちになってしまっていた。
(こんなんじゃ、ダメなのに・・・)
結局、私は尿意がないのにスタッフの人が来るたびにトイレに行くことを繰り返してしまった。
そして、それが限界に達しようとした頃、千晶さんがやってきた。
「今日の業務は、終了。帰宅して良いわよ」
それは、私にとっては救いの言葉だった。 「あなたの服や靴、持ち物は、下の階の専用ロッカーに入れてあるから、そこで着替えてね」
私の拘束を解いた千晶さんがそう言った。
「あの・・・ラバースーツは脱げないんですよね・・・」
「そうよ。2週間はね」
(ラバースーツを着たままで、外へ出るなんて・・・)
私の戸惑いを察したかのように、千晶さんが言った。
「服を着れば、殆ど隠れるとはいえ、ハードルが高いかもね。そう思って準備しておいたわ」
「花粉症対策用のゴーグルと大きめのマスク、後は帽子ね。それとこの白いのは、首に巻くと医療用のコルセットに偽装できるから」
それらを紙袋に入れて、私に持たせてくれた。
「後は、佳奈から預かったあなたの食事よ」
「私の食事ですか・・・?」
「今は、腹部を締め付けているからあまり、食べられないでしょう。そこで用意したのがこれらしいわ。流動食になっていて、味もついてるみたい。
これを必ず毎食1袋摂取するように言っていたわ。これ以外のものも食べるのは良いみたいよ。とりあえずこれで三日分」
そう言って、別の紙袋を渡された。
「これで全部よ。初仕事はどうだった?」
「えっと・・・やっていけそうです・・・」
(本当は、あんな状態が続いたら、やっていく自信がない・・・)
私の曖昧な返事にも千晶さんは笑顔で、労ってくれた。
「そう。明日からも頑張ってね。帰ってゆっくりと休んで」
「はい。千晶さん、さようなら」
そう挨拶をした私は、エレベーターに乗り、下の階にあるロッカールームを目指した。 ロッカールームで、プレートに私の名前が書かれたロッカーを見つけ、扉を開けると私の着ていた服と靴が綺麗に入れられていた。
(誰かが入れてくれたんだ・・・)
私は、今着ている服とブーツを脱ぎ、ラバースーツの上からその服を着て、靴を履きなおした。さらにゴーグルとマスク、コルセットを偽装する器具を装着して、最後に帽子を被った。
そして壁にかかっている鏡で自分の姿を確認した。
(これなら、大丈夫かな・・・。でも、近くに来られたら気づかれるかも・・・)
少し不安に思いながらも、私は空の紙袋も服やブーツと共にロッカーに入れて、扉を閉めた。
(他の人達もここを利用しているのかな・・・)
ふと、そんなことを考えて他のロッカーを見てみると、私のロッカー以外のプレートには何も書かれていなかった。
(ここを使っているのは、私だけ・・・?)
そう思いながらも、私は流動食が入った紙袋と持って来たショルダーバックを持ちロッカールームを後にした。
(そうだ・・・。あれだけ持ってれば・・・)
下にエレベーターで降りる途中、私はショルダーバックからお財布取り出し、電子マネーのカードだけを服のポケットに入れた。
(ある程度、チャージしてるからこれさえあれば・・・)
エレベーターで1階に降りると、結月さんがいた。
「お疲れ様。ごめんなさいね。今日は仕事が忙しくてあなたのことを見れなかったわ」
「どう?今日一日過ごしてみて」
「千晶さんにも言いましたけど、何とかやっていけそうです。気を遣わせてしまってすみません」
「そう。それじゃあ、気をつけて帰って。また明日」
「はい。お疲れ様です」
そんな会話をして、私はクラブを後にした。
外は丁度、暗くなる寸前だった。元々、人通りが多い場所ではなかったけど、通行人はそれなりにいた。
(普通にしてたほうが良いよね・・・)
私は、いつも通り歩くことを意識して、駅までの道を歩いた。途中で何人かの人とすれ違ったりしたけど特に変わったことはなかった。
(皆、私がラバースーツを着て、貞操帯を装着していることに気づいてない・・・)
私は、安心していた。しかし、それと同時にもし、そのことに気づかれたら、という思いもあることに気がついた。
(何を考えてるんだか・・・そんなことになったら・・・)
そう思いながらも、完全にそれを払拭することはできなかった。
やがて駅に到着すると、私はポケットから電子マネーのカードを取り出し、自動改札に押し当てた。するとピッ、と音がして問題なく通過できた。
(電車が来るのは、15分後・・・。座ってよう・・・)
立って待っていられない時間ではなかった。しかし、立っていると近くに人が寄くる可能性が高いと思って、私はホームのベンチに腰を下ろした。
現に、ホームには少しづつ人が増え始め、人と人の間隔も狭くなっていった。そして、電車がホームに入ってきて、ドアが開くと次々と電車の中に入っていった。
私は、遅れてベンチから立ち上がり、電車に乗りこんだ。座席はほぼ埋まっていたけど、立っている人は殆どいなかった。
(こっちのドアは次の駅では、開かないはずだから、ここにいよう・・・)
私は、ドアの近くに立って、外の方に向くことにした。外はすっかり暗くなり、ドアのガラスには自分の姿が映っていた。
不意に、電車が揺れ、私は思わずラバーに包まれた右手で側の手すりを掴んでしまった。
(っ・・・!まずいかも・・・)
私は、すぐに手を離そうとした。でもこの後、揺れるたびに手すりを掴んだり、離したりしたら余計に目立つかもしれないと考え、そのままでいることにした。
心臓の鼓動がだんだんと早くなり、呼吸も荒くなってきた。
(落ち着いて・・・落ち着いて・・・)
そう自分に言い聞かせていた。 暫くすると、電車が停止して反対側のドアが開いた。幸い、乗ってくる人はあまりいなくて、私の周りは空いたままだった。
(良かった・・・。それに落ち着いてきたし、もう大丈夫・・・)
私は、安心していた。ドアが閉まり、また電車が動き出す。そしてドアのガラスに目をやった時、ギョッとした。反対側のドアの近くの座席に座っている人が明らかにこちらを見ていた。
(何・・・!何なの・・・)
再び心臓の鼓動が跳ね上がった。振り向くこともできず、私はその場で固まってしまった。
すると、その男の人は立ち上がり、私の方に近づいてきた。
(ダメ・・・!来ないで・・・)
「あの、良かったら座りますか?なんか調子が悪そうに見えるんですが・・・」
(黙ったままでいると、怪しまれる・・・)
そう考えた私は、意を決して振り向いた。
「大丈夫です。それに私、次の駅で降りるんで。お気持ちだけで十分です・・・」
マスク越しの声で答えた。
「そうですか?なら、良いのですが・・・」
男の人は、少し怪訝な顔をしたももの、席に戻り、私は再び外の方へ向いた。
(お願い・・・!早く着いて・・・)
そこから駅に着くまでの時間は、物凄く長く感じられた。そして電車が駅に着き、目の前のドアが開くと私は、飛び出すように電車を降り、早歩きでホームを歩き、改札を通り抜けた。
駅舎の外に出たところで、漸く息をつくことが出来た。
(あの人、気づいたかな・・・)
そう思いながらも、私はマンションまでの道を歩き始めた。暫くして歩いて、私はあることが気になり始めた。
(食事どうしよう・・・)
流動食が入ったパックはあまり大きくなく、いくら、腹部を締め付けられてるとはいえ、お腹を満たすことはできなそうに思えた。
ふと、何回か利用したことがあるコンビニが目に入った。
(何か買っていった方が・・・でも、さっきみたいな状況になったら・・・)
悩んだ結果、私はコンビニに寄ることにした。
(2週間あったら、必ず何回かは寄らざるを得なくなる・・。だったら・・・)
決意した私は、コンビニの入り口のドアを開けた。
C
ときに、メ欄にsageって書くと怒られずに済むかもしれない。 「いらっしゃいませー」
女性の店員さんの声を聞き、私は店に入った。店内には数人程のお客さんがいた。
(あんまり時間をかけたくないから、目的のものだけを・・・)
普段なら雑誌を少し立ち読みしたり、新しいスイーツをチェックしたりするけど今はそんなことをしてられないと思い
私は、籠を取るとすぐにおにぎりやサンドイッチ等が置かれている場所に移動した。
(いつも食べてるやつで良いかな・・・)
おにぎりとサンドイッチを数個ずつ、加えて飲み物も幾らか籠に入れるとすぐにレジに向かった。
「いらっしゃいませ」
私が籠を置くと、店員さんが籠の商品をリーダーで次々と読んでいく。
(この娘・・・!)
その店員は、私と歳が近いアルバイトの娘でここを利用した時は必ずと言って良いほど会話をしていた。
(私だと気が付いたらどうしよう・・・)
「1845円です。ポイントカードはございますか」
私は、何も言わずポケットから電子マネーのカードを取り出し、それだけを差出した。
(何時もならポイントカードを出すけど、今回は・・・)
「えっ・・・!」
黒いラバーに覆われた私の手を見て、その娘は驚いたような表情を見せ、私の方を見た。
(大丈夫・・・。私だとは分からないはず・・・)
「あっ、失礼しました」
暫くすると、その娘はカードを受け取り、リーダーで読ませてから私に返してきた。そして商品が袋に入れられ、手渡された。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
商品を受け取ると、私はすぐに店を出た。
「似てるけど、違うよね・・・」
そんな呟きが聞こえたような気がした。
(電車の時みたいに、ドキドキはしなかったけど・・・。当分、ここは利用しない方が良いかも・・・)
暫く歩くと、漸くマンションに到着した。そして自分の部屋にたどり着くと、バッグからカードキーを取り出して玄関のドアを開けた。
「ただいま」
誰もいない部屋の中に向かって、何時ものように声をかけると自動で照明が点灯した。
私は、リビングのテーブルの上に流動食が入った紙袋とコンビニの袋を置くと、ソファーに腰を下ろした。
クラブから提供されたこの部屋は、一人で住むのには広く時々寂しさを感じる程だった。
(すべての家具は、備え付けられてたし家賃もタダだったから文句は言えないけど・・・)
コンビニの袋からおにぎりとサンドイッチを1個づつ取り出し、お腹の中に入れた。
(コルセットで締め付けられてるけど、このぐらいは・・・)
それらを食べ終わると今度は、紙袋から流動食が入ったパックを取り出した。それはレトルトカレーのパックのようで、それに飲み口らしきものが付属していた。
(どんな味がするんだろう・・・)
飲み口に口を付け、中身を吸い込むとゼリーのようなものが口に入ってきた。
(案外、美味しいかも・・・)
コンソメスープの様な味をしていて、喉に絡みつくような感触もなかったので、すぐにパックは空になってしまった。
しかし、予想以上に量があったのか、徐々に腹部にかなりの圧迫感を感じるようになってきた。
(食事はこのパックだけで十分かも・・・。トイレのこともあるし・・・)
3日間、大便を出せないことを考えると、食べすぎることは避けたかった。
(少し落ち着いてから、何時ものように・・・)
腹部の圧迫感が収まるのを待って、私は自分の部屋に移動した。 部屋に入ると、着ていた服を脱いだ。普段なら全裸、でも今は黒いラバースーツ姿。
机の前の椅子に座り、パソコンの電源を入れた。するのは画像&動画漁りだ。
(これをしないと、1日が終わらないから・・・)
自分に言い訳をしながら、ネットに接続し、気に入ったものがあればダウンロード、もしくはブックマークをしていく。
そうしているうちに、手が自然と股間と乳首に伸びていった。しかし、そこには貞操帯と胸当ての硬い感触があるだけだった。
(オナニー禁止されてたんだ・・・)
いつもなら、股間と乳首を弄りながらオナニーをして、何度か絶頂する。しかし、今はできなかった。
(確か期間は、2週間って言ってた・・・その間、漁るのは止めといた方が・・・)
そう思ったものの、もはや日課となっていたこの行為を止めることはできなかった。
「はっ・・はあっ・・・はあっ・・・」
そうしているうちに、気持ちがどんどん高揚していき、ついに頭の中が真っ白になったような感覚がした。全身が痙攣するように小刻みに震える。
(若しかしてイッちゃったの・・・・!)
貞操帯を着けているので股間の状態はわからなかった。でも、間違いなく愛液で濡れていることが想像できた。
(オナニー禁止なのに・・・。でも絶頂してはダメとは言われなかったから、これは良いんだよね・・・)
私は、そう結論を出して再びパソコンに向かった。結局、その日は3回の絶頂を体験した。
「おはようございます」
「あら、早いのね。調子はどう?」
「はい。特に変わったことはありません」
あれから、すぐに眠ってしまった私は、朝早くに目を覚ましてしまった。
朝のシャワーをする必要もなく、食事もパックの流動食だけだった私は時間を持て余してしまった。。
(クラブに行ってみようかな・・・。今の時間なら電車も空いてるだろうし・・・)
そう思い立った私は、昨夜の格好をしてマンションを出た。予想通り人影は殆どなく電車もがら空きだった。
(これからは、このぐらいの時間に出よう・・・。帰りは日によって乗る時間を変えれば、目立たないかも・・・)
そんなことを考えながら、電車を降りて暫く歩くと、クラブの建物に到着した。
(まだ早いけど、大丈夫かな・・・?)
そんな思いは杞憂だった。受付にはすでに千晶さんが何時ものように座っていた。
挨拶を交わした私は、質問してみた。
「何時もこんなに早いんですか?」
「会員様の都合に合わせるから、早い時もあれば遅い時もあるわ。まあ、コンビニみたいなものね」
千晶さんはそう言って屈託なく笑っていた。
「私がいない時、スーツや器具の出し入れは誰が・・・」
「それは、その時にできる人がやっているわ。私もその一人だけど・・」
「そんな・・・。それは申し訳ないです」
「あなたの本業はテスターでしょう。今、やってらってるのはいわば、ついでなのよ」
「その内、テスターとしてしっかりと働いてもらう時がくるから、気にしばいで」
「・・・わかりました」
釈然としない思いが残ったものの私は、納得することにした。 私は千晶さんと別れてエレベーターに乗り、ラバーと革の匂いがするフロアーへと向かった。
フロアーに到着するとすぐにカウンターに行き、椅子に座る。しかし、拘束はされなかった。
(誰かがスイッチを入れないと動かないんだ・・・)
そんなことを考えていると、エレベーターの扉が開き、スタッフの人がカウンターまでやってきた。
「これお願いします」
「分かりました」
こうして、また私の1日が始まった。
3日目の業務が終了すると私は、地下のフロアーへと向かった。貞操帯の鍵を開けて貰うためだ。
(大丈夫かな・・・)
大便の方は、まだ余裕があった。でも、マンションの部屋で何度も絶頂したことを知られたら。 そう思うと、佳奈さんに会うのは少し躊躇された。地下のフロアーに到着すると佳奈さんはすぐに見つかった。
「あの・・貞操帯の鍵を・・・」
「ああ・・・。すぐに開錠する・・・」
佳奈さんが貞操帯の鍵穴に鍵を差し込み、回すと PCの調子が悪いです。すみません。
カチッ、と音がした。佳奈さんが貞操帯を取り外し、私の股間を確認すると予想通り、質問をしてきた。
「オナニーしてないよね?」
「あのっ・・・そのっ・・オナニーはしてません。でも、マンションの部屋で画像なんかを見てた時に、何度かイッテしまいました。
絶頂してはダメ、とは言われなかったので・・・」
しどろもどろで私は、言い訳めいたことを言った。
「・・・・・そう・・・・・。トイレは、あそこだから早くすませて・・・」
少しの沈黙の後、佳奈さんはそう言った。
(良かった・・・。特に何も言われなかった・・・)
安心した私は、トイレを済ませるとまた、佳奈さんの所に戻った。
「次はまた3日後・・・」
そう言いながら、貞操帯を再び私に装着した。
「分かりました。お疲れ様でした」
そう挨拶をして私は、地下のフロアーを後にした。
「この調子だと、残りの日数で仕上がりそう・・・」
佳奈さんがそう呟いたのを、私は知る由もなかった。 それからも、特に変わったこともなく日々は過ぎて行った。街を歩くのも、電車に乗るのにも慣れた。
食事は流動食だけで十分になったのでコンビニには行かなくなり、マンションとクラブの往復だけをしていた。
(オナニーしなければ、イッテも良いんだ・・・)
そんな風に考え、帰宅した後は毎日、動画や画像を漁りながら何回か絶頂していた。実際、あの後、貞操帯を何度か開けて貰った時も何も言われずじまいだった。
ただ、貞操帯を外した時にムズムズするような感覚が、だんだんと強くなってきているのが気になっていたものの
(きっと、貞操帯をしているから蒸れたりしているだけ・・・)
そう思い込み、佳奈さんにも言わないでいた。
(この試験が終わったら、次はどんなことをするんだろう・・・)
そんなことを考えながら、2週間が過ぎるのを待った。 私が、結月の部屋を訪れると既に3人が集まっていた。
「彼女の死亡届、受理されたわ。これが埋葬許可証よ」
それを3人の前に出すと、まず佳奈が口を開いた。
「これで心置きなくやれる・・・」
「何を考えてるんだか・・・。それなりに苦労したのよ」
少し呆れ気味に私は言った。
「ご苦労様。特に問題はなかった?」
「彼女、両親と折り合いが悪かったみたいね。まあ、あの両親の様子だとそれも仕方ないことだと思うわ。
あっさりとこちらの提案を受け入れたわ。書類の作成に時間がかかったぐらいで後は順調だったわ」
結月の質問に私は答えた。
「スタッフ達には、テスターとしての仕事が本格化したから当分、会えないと伝えておく」
続いて千晶がそう結月に伝えた。
「私としては、これで今までのテスターみたいにアフターケアに奔走しなくて済むから良いんだけど
だからと言って、壊して良いわけじゃないから」
「わかってる・・・・。壊さないように気をつける。だから今回は3人も手伝って」
私の念押しに、佳奈はそう言った。
「ところで、佳奈。準備はできてるの?」
「勿論。確実に明日、実行できる」
私の問いかけに、珍しく少し笑顔で佳奈はそう答えた。
(死なせたりはしないけど、実質、明日が彼女の命日、ってことね・・・)
その後、私たちは数時間に亘って明日の打ち合わせをした。 2週間後、私は仕事を終わらせると地下のフロアーに赴いた。そこには佳奈さん以外に結月さん、悠子さん、千晶さんもいた。
「クラブにとって大事なことだから確認させてもらいに来たわ。手伝いも兼ねて」
「まず、首と腹部のコルセット、それと貞操帯を外す・・・」
ネックコルセットが外され、クリッパーで編み上げの紐が切断されて腹部のコルセットも外された。
そして貞操帯も開錠され、股間から取り外された。
(やっぱりムズムズする・・・)
それは、また強くなったような気がした。
「次はこれでラバースーツを切るから、引き剥がして」
そう言って佳奈さんはステーキナイフのような器具を手に取ると、ラバースーツの上から後頭部、背中側など何か所かを撫でた。
するとそこには切れ込みが出来ていた。そして3人はそこの切れ込みにそれぞれ手をやると野菜の皮を剥く様に、スーツを引き剥がしていった。
(あっ・・・。そんなに変わってない・・・)
2週間ぶりに露出した自分の肌を見て私はそう思った。少し色が白くなっただけだったからだ。
(良かった・・・これなら・・・)
そう思った矢先、突然、全身を無数の虫が這いまわるような感覚がした。
「何これ・・・!あっ・・・ああああっ・・・ああああっ・・・!」
私は叫ぶように声を上げた。
「やっぱり・・・。あそこに入って・・・」
そこには、液体が入ったバスタブが用意されていた。私はそこに飛び込むようにして入り、頭まで液体に浸かった。
すると、だんだんとその感覚は弱くなり、やがて感じなくなってしまった。
何か書きたいとは思うんだけどいい責めが思いつかねえ
それはそうと最近投下してもらってるSSは何かタイトルというかその
なんて呼んだらいいんだろう。テスター? 「はあ・・はあっ・・はあっ・・・」
大きく呼吸をする私に、佳奈さんが腕を見せる様に言ってきた。
「ふう・・・やっぱり・・・」
小さなルーペで私の腕を見た佳奈さんが、溜息をついた。
「皮膚が完全に変質して、定着してる。毛根と汗腺が消滅、多分垢も出ない。そしてかなり敏感になってるはず」
「それじゃあ、さっきの感覚は・・・」
「それが原因ね。予想以上の事態」
「なんでこんなことに・・・」
「あなたが何度も絶頂したから・・・」
私の問いかけに、佳奈さんは抑揚もなく答えた。
「使用した薬は、絶頂すると効果が強くなってしまうから、オナニーは禁止した。
でもオナニー無しで絶頂するのは予想外だった。始めてそれを聞いたときにはほぼ手遅れの状態だったはず。
なんとかしようと、流動食に薬を混ぜたりしてたけどやっぱり効果は薄かったみたい」
「そんな・・・!言ってくれてたら・・・」
「伝えたところで、どうにもならなかった。不安や恐怖を与えるだけだし。それに絶頂したのはあなたの責任よ」
佳奈さんにそう言われると、私は何も言えなくなってしまった。 「それに問題はまだある」
佳奈さんはそう言って着ている白衣のポケットから、袋に入ったクリームパンを取り出し、袋を破って1口食べた。
「うん・・・。これ食べてみて」
そう言ってそのクリームパンを、私に差出した。私はそれを受け取ると同じように1口食べてみた。
「うえっ・・・!ごほっ・・・ごほっ・・・」
(何これ・・・!)
それは、美味しいとか不味いとかではなく、食べ物ではないものを口に入れたような感覚で、思わず吐き出してしまった。
「多分、味覚だけじゃなく感覚全てがおかしくなってる可能性がある。今浸かっている液体は感覚を抑制する効果があるけど、それは一時的なものだから」
淡々と話す佳奈さんとは裏腹に、私は愕然としていた。
(こんなことになるなんて・・・)
「困ったことになったわね」
佳奈さんの説明を聞いて結月さんが言った。
「佳奈。元には戻せないの?」
「時間をかければ、元には戻せないものの日常生活を送れるレベルには出来ると思う」
「でも、それだとテスターとしての役目が果たせないわね」
「クラブの運営的にもこれ以上テスターの不在が続くのは厳しいわ」
千晶さんと悠子さんも口々に発言した。
「沙織さんには、テスターとしての役目を果たして貰いながら治療を受けて貰うしかなさそうね」
少し考えた結月さんが、纏める様に発言した。
「その場合、条件がある。24時間管理させてもらうことと、こちらの命令には無条件で従ってもらうこと。
これが絶対条件」
佳奈さんが強い口調でそう言った。
「沙織さん。どうする?」
結月さんが確かめるように私に聞いてきた。私に選択肢はなかった。
「・・・私の行動が原因なので、言う通りにします・・・」
「そう・・・。だったらすぐにマンションの部屋に帰って、貴重品を取ってきて。
当分、帰れないからそのつもりで」
私を急き立てる様に、佳奈さんは言った。
「一時間は大丈夫だからそれまでに戻って」
バスタブからあがり服を着た私は、佳奈さんにそう言われて地下のフロアーを後にした。
久しぶりに服だけを着た状態で外に出たのに、それを満喫する余裕は全くなかった。
(なんでこんなことに・・・)
状況が受け入れられず、私はそればかりを考えていた。
電車に乗り、降りて暫く歩くとマンションに着く。私の部屋まで歩き、玄関のドアを開けた。
当たり前だけど、何も変わった所はなかった。
(これは夢かもしれない・・・)
不意にそう思った私は、冷蔵庫の扉を開けた。中にはジュースとミネラルウォ−ターが入っていた。
まず、ジュースを口に含んで飲もうとした。
「うえっ・・・おえっ・・・」
すぐに吐き出してしまった。次にミネラルウォーターで試してみた。しかし、結果は同じだった。
(お水さえも飲めないなんて・・・)
私は、現実を受け入れるしかなかった。
預金通帳と印鑑、保険証をバッグに入れると、私は部屋を後にし、再び駅までの道を歩いた。
(このままどこかへ・・・)
そんな考えが浮かんでくる。しかし、再びあの虫が這い回る様な感覚はもう味わいたくなかった。
(私が行く場所は、もうクラブにしかないんだ・・・)
電車に乗り、再びクラブの建物を目指した。そしてクラブの入り口を入った所でスタッフさん達に出会った。
「あら。ラバースーツ着てないんだ」
その中にいた梓さんが声をかけてきた。
「・・・はい。でも、これからテスターの仕事が本格的に始まるので、マンションに帰ってたんです」
「聞いてるわ。お互いに頑張りましょう」
言葉を交わして、梓さん達と別れた。
(当分の間、梓さん達にも会えないのかな・・・)
そんなことを考えながら、私は地下のフロアーに向かった。 「時間がないから。服を脱いで」
地下のフロアーに到着すると、そう佳奈さんに指示された。
「まずは、これを耳に入れる」
それは耳栓を長くした様な形の物体だった。
「これは特殊なスピーカー。特定の声や音だけを聞こえる様にする。生体電流で充電されるから生きている限りは大丈夫」
それを両方の耳の穴に奥まで入れられた。
「じゃあ、ラバースーツを着て」
用意されたのは、今まで着ていたのと同じようなラバースーツだった。ただ、足先から頭部まで一体になっていて背中側に大きなスリットがあった。
「私たちが手伝うから」
結月さんはそう言うと、悠子さんと千晶さんと一緒にスリットを拡げた。私が両脚を入れると、スーツが引き上げられ私の全身がスーツに包まれた。
それで、露出しているのは股間と目と口、鼻の穴の部分だけになってしまった。結月さん達がスーツの上から私の全身を撫でると、スーツがまるで張り付くように密着していくのが感じられた。
「かはっ・・はあっ・・・はあっ・・・」
スーツが密着するにつれ、締め付けがきつくなり、私の呼吸は荒くなってきた。
「今の皮膚の状態だと、暫くしたらスーツが皮膚と同化して、背中のスリットもくっつくはず。
状態が改善すれば、また剥がれるから」
(それまで私はこのスーツを脱げないってこと・・・)
「これからの作業は、あそこでする」
指し示した場所には分娩台があって、悠子さんと千晶さんに連れて行かれた私はそこに脚を開いた状態で拘束されてしまった。
「まずは下から処置する」
そう言うと、佳奈さんは膣口に表面にイボ状の突起が無数に付いたの太い張り型を押し当てると、一気に根元まで挿入した。
そしてさらに同じようなものを肛門にも押し当てた。
「そんなに太いの入らない・・・」
「大丈夫」
私の訴えを気にすることなく、佳奈さんは一気に根元まで挿入した。
「はうっ・・・!」
痛みはなかった。でも2本の張り型を挿入された違和感は相当のものだった。
「次はこれを・・・」
Yの字型をしたチューブの二股に分かれている方の一方を尿道口に、そしてもう一方が膣に挿入された張り型の根元に差しこまれた。
チューブの反対側の先は、肛門に挿入された張り型の根元に繋がれた。さらに、肛門の張り型の根元には別のパイプも差し込まれた。
「ふう・・・。一応説明しとく。これでおしっこと愛液は直腸に流れ込む。そこで便と一緒になって一定量溜まったら排出される仕組み。
逆止め弁が付いてるから、おしっこや愛液、便が膣や膀胱に逆流することはない。
後、いつ排出するかはこちらで決める。以上よ」
淡々と佳奈さんが説明をした。
「何でそんなことを・・・」
困惑する私に、佳奈さんが言った。
「排出するための穴を一つにできるから。これも管理の一つよ。因みに張り型はバイブレーターも兼ねてる」
そんな股間を覆うように肛門部分に弁が設けられた貞操帯が装着され、鍵が掛けられた。
「次は上。口を封印する」
「えっ・・・!」
「今のあなたは、こちらの用意した流動食しか受け付けなくなってる。それでも普通に口から入れたら摂取できないだろうから、
直接胃に流し込めるように処置する。後、口の中の保護も兼ねて」
そう言って佳奈さんは、液体に浸かった長いチューブを2本用意した。
「口を固定してほしい」
「分かったわ」
応じた千晶さんが、私の口に開口器を取りつけ、限界まで開いた。
「それじゃ、まずは・・・」
そう言いながら佳奈さんは、薄いゴム手袋をしてその1本を取り出すと、先を私の右の鼻穴に挿入してそれをどんどん入れ込んでいく。
「ああっ・・・ああっ・・・」
チューブを鼻から入れられる何とも言えない感覚に、私は声を上げた。
「口の奥まで出てきたから・・・」
そう呟きながら、佳奈さんはさらにチューブを入れ込んでいった。
「気管の中まで入った。これでこっちは出来た」
暫くすると佳奈さんがそんなことを言った。
(えっ・・・!気管の中って・・・)
私は、声を出そうとした。
「しゅーっ・・・しゅーっ・・・」
しかし、出たのは息が鼻の穴から出る音だった。
「口を封印したら、鼻呼吸しかできなくなるからそれを確実にするための処置。どちらにしても
声は出せなくなるから」
たいしたことではない様に佳奈さんは言った。
「左の鼻の穴からも入れて・・・今度は食道まで・・・」
同じように左の鼻の穴にもチューブが挿入され、入れ込まれていく。そして先端がその箇所まで達すると、両方の鼻の穴から出ている余りのチューブを切断した。
「チューブには、特殊な接着剤を塗布してあるから、ずれたりはしない。でも外す方法はあるから」
(本当にその時が来たら外せるの・・・)
そう思ったものの、その疑問を口にすることはもうできなかった。 佳奈さんが長いノズルの付いたスプレーを私の口の中で噴射した、すると下の歯と舌がスプレーから出た白いものに覆われた。
「歯と舌をこれで保護する。上の歯にも・・・」
上あごの歯にも噴射され、同じように覆われた。
「すぐに乾く。そしたらこれを口の中で水風船のように膨らませる」
口の中で、黒いバルーンに液体が入れられ、徐々に膨らんでいく。やがてそれは口いっぱいまで膨らんだ。
「こんなものかな。この液体は固まったら弾力がある固体になる。そしたら封印完了」
バルーンに液体を注入したホースが外され、開口器も外された。
「次で下準備は終了する。そしたら拘束を解くから」
佳奈さんがそう宣言した。 何をされるのかと思っていたら、用意されたのは点滴スタンドだった。液体の入ったパックがセットされ、チューブの先のニードルが左腕に突き刺された。
「この液体にはナノマシンが含まれてる。これで体のあらゆるデーターを採取することが出来る」
(えっ・・・!ナノマシンって・・・)
「いつの間にそんなものを・・・」
悠子さんが少し驚いたような声を出した。
「エネルギーは体内で補給する。免疫系に異物として認識されないのは確認済み」
「凄いじゃない。ノーベル賞級かも」
結月さんが声を上げた。
「体のデーターを外部に送信できるのは間違いない。でもそれ以外は未知数。体の異常を直したりできるのかは分からない」
「それを確認するのね。場合によっては、クラブにとって大きな利益になるかも」
千晶さんも声を上げた。
(私はそのための実験台・・・)
私一人だけが、不安な気持ちを抱えていた。暫くすると、パックの液体が無くなり、私は拘束を解かれた。
「これから、テスターとして必要な拘束を施す。ナノマシンを体外に出さないためでもあるけど」
佳奈さんが宣言するように言った。私にはそれを拒否する権利は無かった。 用意されたのは、始めに着たのと同じようなラバースーツ。違うのは少し厚手なのと首までしかないこと、背中側にファスナーが付いていることだった。
「滑りを良くするためにこれを塗って」
佳奈さんはそう言って悠子さんと千晶さんにローションの様な液体を渡した。すると二人がそれを手につけて私の全身を撫で回していく。
それが終了すると、スーツのファスナーが開かれたので、私は両脚、続いて両腕を入れ込んだ。すると二人がスーツを引っ張り、背中側のファスナーを閉じようとする。
「少しきついんじゃない?」
「サイズを少し小さめにしてるから。大丈夫、ちゃんと閉められる」
スーツを背中側に引っ張りながら、ふたりが徐々にファスナーを閉めていき、どうにかスライダーを首のところまで動かした。
「閉め切ったらスライダーの引き手を回す。そしたら、スライダーがロックされて、引手も外せる」
「成程。ファスナーが勝手に開かない様にと言うわけね」
悠子さんが佳奈さんの言った通りにすると、スライダーが固定されたのか引き手が外れた。
「次は全頭マスク。これも同じようなものだから」
頭部にマスクが被せられ、後頭部のファスナーが閉められスライダーがロックされる。
それには、鼻の穴の部分にしか穴がなく、目の部分はいくつかの小さい穴が開けられているだけだった。
「視界を少し制限させてもらう」
私は、その佳奈さんの言葉より気になっていたことがあった。
(今まで以上にキツイ・・・)
スーツとマスクの圧迫感が以前よりかなり増していた。
(でもこれで終わりなわけないし・・・)
そんな私の予感は間違ってはなかった。
「腹部にコルセットを巻いてから拘束衣を着せる」
そう言って佳奈さんはコルセットと拘束衣を用意した。 また、私の腹部にコルセットが巻かれ、編み上げの紐が思い切り引き締められ結ばれる。そして結び目が接着剤で固められ、余った紐が切断された。
「少しウエストが細くなってたかな。始めての時より紐を多く引っ張った気がする」
「そうね。良いことだわ」
コルセットを私に装着した千晶さんと結月さんがそう言った。
「シュー・・・シュー・・・シュッ・・・」
(呼吸が・・・)
私は、腹部を締め付けられたことで深く呼吸できなくなり、浅い呼吸を繰り返していた。
「拘束衣を着る前にこれを」
佳奈さんがそう言って、差出したのは2つの黒い球状の物体だった。
「何なのかは後で説明するから、左右の手で1個づつ握って」
言われるがままに、私はそれを握った。それは丁度私の手の中に収まるサイズで、少し弾力があった。
「この拘束衣をテスターに」
それは黒革でできた拘束衣だった。そしてまるで複数の蛇が巻き付いているかのように無数のベルトがリングのバックルで連結されていた。
(こんなものを着せられるんだ・・・・!)
マスクの穴からスーツを見た私は、驚くしかなかった。
背中側のファスナーが開けられると、ラバースーツの時と同じように私は両脚と両腕を入れ込んだ。
(指の部分がない・・・)
スーツの手の部分は、ミトン状になっていて、私の手は球状の物体を握った状態で固定されてしまった。
(これだと今までの様に手を使えない・・・)
背中側のファスナーが閉められ、スライダーがロックされると首下までが拘束衣に覆われた。
「うんしょっ、と」
そこまで出来たところで、場から離れていた佳奈さんが箱を抱えて戻ってきた。
「じゃあ、3人で拘束衣のベルトを全部引き締めて。そして1個づつこれを」
箱の中には、鍵がささった状態の小さな南京錠がたくさん入っていた。
「ベルトは全部で何本あるの?」
「30本」
「じゃあ、一人10本づつね」
そして3人は、次々と拘束衣のベルトを引き締めて、南京錠をつけて施錠していった。
「鍵は?」
「このケースに入れて保管する。小さく番号を入れてるから、混ざったりしない」
私は、そのケースに次々と鍵が並べられていくのを見ることしかできなかった。 鍵が沢山あるラバーボンデージはもう文章だけでもごはん3杯いけるなC 拘束衣のベルトが引き締められるにつれ、まるで大きな手で掴まれているかのように体の拘束感が増していく。
「シュッ・・・シュッ・・・シュッ・・・シュッ・・・」
呼吸がどんどん浅く、速くなっていく。
「これで最後よ」
30個目の鍵がケースに置かれ、首下までは完全に拘束衣によって拘束された。
「今度はこれ」
拘束衣と同じ素材で出来た全頭マスクが、私の頭部に被せられた。後頭部の編み上げが編まれると腹部のコルセットと同様に思い切り、引き締められ結ばれる。
結び目の接着、余った紐の切断も行われた。そして、付属していた3本のベルトが引き締められ、南京錠も取り付けられた。
ラバーのマスクと同じく、鼻の穴の部分だけ穴があり、目の部分にあるのはいくつかの小さい穴だけだった。
「さっき手に握って貰ったのは、あなたの意思をしますための器具よ。右手のものを握ればイエス、左手のものを握ればノーの意思が外部に通じる。
どちらか握って」
そう言われた私は、右手のものを握った。
「イエスね。こちらの質問もイエスとノーで答えられる質問しかしない」
(最低限の意思疎通は出来るんんだ・・・)
「あともう少しで完了する。それでテスターに相応しい姿になれる」
佳奈さんが少しうわずった声でそう言った。 「まだ終わりじゃないのね」
「ある意味、これが一番重要」
私が佳奈に確認すると、そう言った。そうして佳奈が用意したのは金属で出来たケージのようなものだった。
「これを頭部に装着する。これを介してナノマシンのデーターを取得することができるから。他にも使用目的はあるけど」
「どうやって装着するの?」
そう千晶が聞くと、佳奈はそれを4つに分解した。
「成程。じゃあ、私と結月で装着するわ」
「了解」
私は、そう返事をしてパーツを頭部に宛がった。目の部分は薄いプレート状になっていて、細かく穴が開いている部分があった。
そして、口の部分は完全にプレートで覆われる仕様になっていた。
「接合部ははめ込み式になってる。接合したら南京錠をかけて固定する」
カチッ、と音がするまで接合部をはめ込み、そこに南京錠を取り付ける。結果、拘束の南京錠より一回りおおきなものが8個取り付けられた。
「これは凄いわね」
金属に覆われている部分は少ないものの間違いなく頭部に強い圧迫感を与えているのは確実だった。
頭頂部には、リング状のシャックルが付属していた。
「これで首を固定する」
佳奈が自らTESTERと刻まれたプレートが取り付けられたネックコルセットをテスターに取り付ける。
「最後にテスター用の靴ね」
悠子がテスターを椅子に座らせて履かせたのは、黒い膝下までの編み上げ式ブーツ。テールは爪先立ちを強要するピンヒールになっていた。
「あまり歩く機会はないと思うから、これで十分よね」
「テスター用には最適」
佳奈と悠子が編み上げを編みながらそんな会話をしていた。
「これで完成」
それが終了すると佳奈がそう宣言した。そして私たちはテスターを椅子から立ち上がらせた。 椅子から立ち上がらされた私は、少しふらつきながらもなんとか立つことが出来た。
「本当はこれで完了だけど、変なことをしない様にこれも装着しとく」
私の両腕が後ろ手にされ、アームバインダーが装着された。固定用のベルトが両肩に回され、胸の所でクロスされ引き締められる。
編み上げとベルトで両腕は完全に纏められ、当然の様に各ベルトには南京錠が取り付けられた。
「外す時もあるから、結び目は固定しない。今日はここまでにしとく。テスターとしての仕事は明日から」
「誰かテスターを部屋まで連れてって」
佳奈さんがそう言うと、結月さんがそれに答えた。
「今回は私がするわ。それとテスターの世話は私たち3人が交代でするつもりなんだけど」
「それでお願い。私は準備があるから後は、任せた」
そう言うと、佳奈さんはフロアーの奥へと消えていった。
「私たちも先に失礼するわ」
「そうね。私の方もそれ程時間はかからないと思うけど」
そして、悠子さんと千晶さんはフロアーから出て行ってしまい、私と結月さんだけが残された。
「それじゃあ、あなたの部屋に行きましょう。私が先導するわ」
そう言うと結月さんはリードを取り出し、先のフックを私のネックコルセットに取り付けた。
「後は、これも」
そう言って、アイマスクで私の目の部分を覆った。
「ゆっくり歩くから、ついてきて」
私は、リードに引かれるがままゆっくりと歩くしかなかった。
(何時まで歩くんだろう・・・)
エレベーター等に乗った感覚はなかったので、ここは地下のフロアーのはずだった。でも10分以上は歩いている感覚があった。
やがて、リードを引く力がなくなった。
「お待たせ。ここがあなたの部屋よ」
そんな声とともにリードとアイマスクが外された。すると目の前にあったのは金属製の四角い扉だった。
(これが部屋の扉・・・!)
それはまるで金庫の扉のように頑丈に見えた。結月さんがカードキーをドアの前に翳すとガチャッ、と音がしてその扉がゆっくりと自動で外側に開いていった。
「扉は厚さ5センチの金属製。内側からは開かない仕組みになってるの」
結月さんがそう説明した。
部屋の天井はある程度の高さがあるようだった。しかし、奥行きと幅は2メートルぐらいしか無い様に見えた。
さらに床と天井、そして扉の内側は黒く、ボタン絞りの様になっていて、それらは黒いソファーの表面の様に見えた。
「床と壁は見た通り、ソファーの様に弾力がある素材で出来てるの。だから、安心して過ごせるはずよ」
部屋の中に足を踏み入れると、床が少し沈んだ気がした。
「あなたは、試験がある時以外はここで過ごすの。監視カメラはあるけどここで何をするかは自由よ。試験の時は3人のうち誰かがここに来るからそのつもりでいて」
そこまで言うと、部屋の外にいた結月さんは再びカードキーを扉に翳した。すると、扉が今度はゆっくりと閉まり始めた。
「テスターとして頑張ってね」
私が体ごと扉の方へ振り返ると、そう言いながら微笑む結月さんの姿が見えた。しかし、それから程なくして扉が完全に閉まり、私は一人きりになってしまった。
昨晩女王様と話しする機会がありました。
床暖房の話題で過去のプレイ体験を説明してくれた。
引っ越しが決まって、荷物全部搬出、ガランの部屋に
専属M嬢を縄で縛って8時間放置した。
秋口だったので気を使って床暖房を掛けたままでかけた。
戻ってみるとM嬢は部屋の隅っこにいた。
「なんでそこにいるの?」と聞いたら、床暖が熱すぎて
部屋を転がりながら熱くないところを探してたと言ってました。 私は、閉じた扉の場所に全身を押しつけた。しかし、当然の様に扉が開くことはなかった。
(何やってるんだろう・・・こんなことしても意味ないのに・・・)
例え扉が開いたとしても、この部屋がどういう場所にあるかがわからない。それに全身を拘束された私に何かができるはずもなかった。
だいいち、監視カメラがあるので何かがあれば間違いなく誰かが来るのは明白だった。
私は、背中側を壁に押し付け部屋の奥まで移動して、そこの床に座りこんで両脚を前に投げ出した。
(それに、多分私はこの状況を嫌がってない・・・)
その証拠に、私はほぼ、成されるがままにこの状態まで拘束された。普通なら抵抗したり、逃げようとしたりするはず。
(きっと、この状況を喜んでる部分があるのかも・・・)
暫くの間、そんなことを考えていた。そして私は意を決して床の上に仰向けになってみた。
(思っていたよりも柔らかい・・・)
視界の先に、天井に設けられた1個の照明が見えた。すると不意に強い眠気に襲われた。
(色々あったから疲れたのかな・・・)
そこで私は意識を失ってしまった。 「完全に眠ったみたい」
監視カメラの映像とナノマシンから送られてくるデーターを見て私はそう判断した。
「あの状況で眠れるなんてすごいわね」
あれから数時間後、私たち4人は再び集まり監視ルームにいた。
「あの部屋に睡眠導入剤を散布したからその影響」
「どおりで。普通眠れないわよね」
悠子がそう言った。
「そうでもない。多分、すぐにこんなことしなくても眠れるようになる」
私はそう言った。
「テスターの1日を私たちが決めて、それに従わせれば良い。そのための死亡届」
「死者に人権はない、か。ある意味残酷ね」
「私はこのクラブのことを第1に考えてる」
「それだけじゃないでしょう」
私と千晶の会話が熱を帯びそうになった時、結月が割って入った。
「まあまあ。クラブのためになるのなら、それ以外のことは重要ではないでしょう。
それより、試験の準備はできてる?」
「それは勿論。ただ、前言ったとおり、その時にテスターを迎えに行った人に手伝ってもらうことになるけど」
「それに異存はないわ」
「私も」
悠子と千晶が口々に答えた。
「テスターが目を覚ましたら連絡するから、迎えに行って試験を行う部屋まで連れてきて」
「了解。食事もさせておく」
最初の担当の悠子が答えた。
(今までできなかった分をこれから取り戻す・・・)
私はそう決意していた。
目を覚ますとマスクの穴から最初に見えたのは、黒い壁だった。
(ここは・・・?)
一瞬、自分の置かれた状況が理解できなかった。しかし、それはすぐに理解できた。
(どれぐらい寝てたんだろう・・・)
そんなことを考えていると、ゆっくりと部屋の扉が開いて、何かを小脇に抱えた悠子さんが入ってきた。
「自力で起きられる?」
私は、左手を握った。すると悠子さんは抱えていたものを床に置き、私の上半身を抱いて起こしてくれた。
「異常は・・・特になさそうね。おしっこと便も余裕がありそう」
悠子さんは、持って来たタブレットを見ながらそう言った。
「それじゃあ、食事ね」
そう言いながら、右の鼻の穴にチューブを挿入した。チューブの先には中身が入った大きめのシリンジが付属していた。
悠子さんがシリンジのピストンが押すと中身がチューブを通って、私の鼻の穴から体内へ入っていく。
胃に何かが入ってくる感触だけで、味も匂いも感じなかった。中身が無くなるとシリンジを交換して2本目がセットされ、再びピストンが押された。
(これからの食事は全てこれなんだ・・・)
「これで終了。それじゃあ、行きましょう」
2本目が空になると、チューブを取り外して、代わりにリードを首に取り付け悠子さんはそう言った。
私は、立ちあがらされて、アイマスクも着けられた。
リードに導かれるまま私は部屋を出て、ゆっくりと歩いていく。その間悠子さんは何も喋らなかった。
暫く歩くと、アイマスクとリードが外された。そこはすでに部屋の中で佳奈さんもいた。
「今から最初の試験を始める。悠子も手伝って」
「了解」
そんな会話の後、私は再びアイマスクを着けられて、床の上にうつ伏せの状態で寝かされた。
「アームバインダーは、そのままで両脚を拘束」
そんな佳奈さんの声が聞こえた。
テスターの太もも、膝上、膝下、足首にそれぞれベルトを回して引き締め、両脚を纏める。
さらに、踵がお尻につくまで膝を折り曲げ、太めのベルト2本を巻きつけ、引き締めて固定した。勿論、全てのベルトには南京錠を取り付けていた。
「これで良い?」
「問題なし」
私が確認すると、満足そうに佳奈が答えた。そして佳奈がリモコンを操作すると、天井クレーンのホイストから2本のワイヤーが下降してきた。
ワイヤーの先には、半円状の物が付属していた。
「2つの吸盤をテスターの両膝に付けて」
「ああ。そういうこと」
私が両膝に吸盤を取り付けると、佳奈がワイヤーを巻き上げ、テスターが逆さ吊りの状態で宙に浮いた。
「このままあそこに入れる」
佳奈が示した壁には床から1メートルぐらいの所に透明なドラム缶状のなものが、バスケットゴールのリングの様なものに入れられ設置されていた。
吊るされたテスターがその中にスッポリと入れられた。
「吸盤を外したら、蓋をはめ込んで。空気穴は確保してるから」
私は佳奈に言われた通り、吸盤を外すと円形の蓋をはめ込んだ。
「大きな缶詰ね。それで、これからどうするの?」
「これで終わり。後は調整室で」
「良くわからないわね」
「数時間後に調整室にきたらわかる」
「そう。じゃあ、仕事もあるし、そうさせて貰うわ」
私は、そう言って一旦、部屋を後にした。 数時間後、再び調整室を訪れると、佳奈は調整室のモニターを見つめていた。
「何も変わってないけど」
「もうすぐ」
佳奈がそう答えた直後、テスターの入れられた容器がゆっくりと回転し始めた。そして180度回転したところで停止した。
「ナノマシンから送られてくるテスターの状態が限界までくると、自動で回転する。そして状態が良くなってくるとまた元に戻る仕組み」
「成程」
私は納得した。
「定期的にディルドを振動させて、それによるデーターの変化も観察する」
「上下を逆にするなんて砂時計みたいね」
「クラブのメニューに砂時計という名前で追加すれば良い」
「追加するかは、これからの結果次第ね」
佳奈とそんな会話をした。
「それで、どのぐらいまで続けるの?」
「できるだけデーターを取りたいから、限界スレスレまで」
「まあ、それは任せるわ。でも退屈しない?」
「砂時計を長時間、見ているのは嫌いじゃないから」
「そう。なら安心ね。終了したら連絡して」
そう言い残して私は調整室を後にした。
(試験の内容を二人にも伝えておこうかな・・・)
そんなことを考えていた。 オート吊り責めテスターちゃんサイドはどんんな感じなんだろうC 「シュー・・・シュー・・・シュー・・・」
自分の呼吸の音だけが耳の中で聞こえる。暫くすると、また私の体が回転し始めた。
(ああっ・・・また逆さまになるんだ・・・)
やがて逆さまになると動きが止まった。これから私にとっては苦しい時間が始まる。
頭部に血液が集まるためか、頭痛がしてきたりして意識を失いそうになる。しかし、そうなる寸前、膣と肛門に挿入されたディルドが振動しはじめる。
ブウウウウウウッ・・・・
(良かった・・・これで楽になる・・・・)
絶頂すると私は、苦しさを忘れることが出来た。その余韻が薄れ、また苦しくなってくるとディルドが振動する。その繰り返しだった。
やがて絶頂で苦しさを紛らわせることができなくなると、私の上下が反転した。
(もう逆さまにならないで・・・でも逆さまになったらまた絶頂できるし・・・)
そんな相反する思いを抱えながらどうすることも出来ずに、私は容器の中で時を過ごした。 スレって1000に届かずとも、次スレ必要になるんだ 「かなり、時間が経ったけど平気なの?」
「データー上はまだ大丈夫だけど、今回はこの辺にしとく」
佳奈から連絡があったのは、あれから36時間後のことだった。
「ずっと見てたの?」
「食事、トイレ、睡眠の時以外は」
「そう・・・。たいしたものね」
半ば呆れながら、私は佳奈と共にテスターを容器から出した。
蓋を外し、逆さの状態のテスターをクレーンで吊り上げゆっくりと床に下ろす。
「シュー・・・シュ―・・・シュー・・・」
意識があるのかどうかは、わからなかったけど呼吸の音が聞こえたので生きているのはわかった。
「うん。問題なし」
佳奈はタブレット見ながら、そう言った。
「両脚の拘束は解いて良いの?」
「大丈夫」
「クラッシュ症候群とかエコノミー症候群とかの心配は?」
「血栓や細胞の壊死がないのは確認済み。ナノマシンの効果かも。流動食に薬を混ぜてた影響もあるかもだから、それはこれから検証する」
そこまで聞いた私は、両脚を拘束していたベルトを取り外し、両脚を拘束から解放した。
「それでこれからどうするの?」
「おしっこと便が溜まってるからそれを回収する」
佳奈はそう言うと1台の車椅子を用意した。
「これに座らせたら、肛門部の弁を座面から出ている回収器のパイプの先が押し開ける様になる」
「わかった。じゃあ、手伝って」
私と佳奈でテスターを車椅子に座らせて暫くすると小さなモーター音がして、テスターの体が少し動いたような気がした。
「回収完了。テスターを部屋まで連れていったらまた車椅子をここに持ってきて」
「分かった。次は結月の番だから伝えておいて」
佳奈にそう伝えると、私は車椅子を押してその部屋を後にした。 (あれっ・・・。何時の間に・・・)
目隠しを外されて見えたのは、私がいる部屋の金属のドアだった。
私は、逆さまの状態で容器に入れられ、それから何度も上下が入れ替わって・・・。
どれぐらい時間が経って、意識を失っているのか、起きているのか、何度絶頂したのか、そんなことも考えられない状況が続いていた。
それが、今は車椅子に座り、部屋の前にいる。
(もう、終わってたんだ・・・)
そんなことを考えていると、ゆっくりと扉が開き、黒色の部屋の中が見えてきた。
「立てるかしら?」
不意に聞こえた悠子さんの声に反応して、私は車椅子から立ち上がろうとした。しかし、殆ど力が入らなかった。
「まあ、仕方ないわね」
そう言って悠子さんが手伝ってくれたおかげで何とか立ち上がり、部屋の中に入ることが出来た。
「それじゃあ、またね」
部屋の床に私を座りこませると、悠子さんはそう言い残して部屋を出て行った。するとすぐに扉が閉まり始め、やがて閉じてしまった。
私はそれを確認すると、すぐに床に仰向けに寝転んだ。
(眠たい・・・)
そう思うと、私はすぐに意識を失ってしまった。 目を覚ますと、部屋の天井が見えた。天井は壁や床と違ってベージュの色をしていた。
アームバインダーで拘束された両腕を下にしていたのに、痺れとかは感じなかった。
(どれぐらい寝てたんだろう・・・)
既に時間の感覚はなく、当然今が昼か夜なのかもわからなかった。それについて深く考える間もなく部屋の扉が開き、タブレットを抱えた結月さんが入ってきた。
「異常なし、っと」
タブレットを開き、暫く見つめた後、私を見下ろしていた結月さんがしゃがんで私の上半身を抱き起した。
「それじゃあ、食事ね」
前回と同様、シリンジに入った流動食を鼻の穴から2本分、注入された。それが終わると立ちあがされ、アイマスクとリードを着けられた。
「さあ、行きましょう」
リードに導かれるまま、私はゆっくりと歩き、暫くするとアイマスクとリードを外された。
やはり、そこは部屋の中で佳奈さんもいた。そして佳奈さんの横にある机の上にあるものが置かれていた。
(えっ・・・生首・・・!)
一瞬、そう思えるほどそれは精巧にできた頭部の模型だった。
「髪や眉毛はないけどこれは、あなたを模した模型」
佳奈さんはそう言うとその模型を手に取った。それは、前頭部と後頭部に分かれていた。
「これであなたの頭部を包み込む」
そう言うと、模型のそれぞれを私の頭部に宛がい、接合した。
「接合部は特殊な磁石になってる。それと目と鼻の穴の部分は開いてるから支障はないはず」
「本当に良くできてるわね。まるで本当の頭部のように見えるわ」
結月さんが感嘆の声をあげた。
「一先ず、準備はできた。車椅子に座って」
佳奈さんに促されるまま、車椅子に座ると再び模型の上からアイマスクを着けられた。
「例の場所まで運んで」
「分かったわ」
二人がそう会話をすると、車椅子が動き始めた。
「今回は移動時間が少し長いから楽にして」
車椅子を押しているであろう結月さんがそう言った。
(一体、どこへ・・・)
私の疑問に結月さんが答えることはなかった。 「さあ、到着よ」
結月さんの声でワタシは目を覚ました。
(いつの間にか寝てたんだ・・・。ここは車の中・・・?)
「まずはこれを着せて、と・・・」
結月さんはそう言うと私を立たせて、何か薄い灰色のものを着せた。
「これはポンチョ型のレインコートよ。これでフードを被れば準備完了」
「必要な事だけ言うわね。ここからショッピングモールまで歩いて」
それだけ言うと、結月さんは車のスライドドアを開いた。私は半ば強制的に下ろされ、そのまま車外に出された。
すると、スライドドアが閉められ、私が乗せられていた車は去ってしまった。外は強めの雨が降っていた。
(ここはどこ・・・?)
訳が分からず、私は体ごと回転させて周囲の様子を見た。
(まさか、ここって・・・!)
あることに気がついた私の視界に赤色灯を回転させた消防車が見えた。私は咄嗟に近くの木の陰に身を隠した。
「台風の接近に伴い、強風と大雨が予想されるため避難勧告が発令されています。住民の皆様は、速やかに非難をお願いします」
そんなアナウンスが聞こえた。
自分の置かれた状況に私は混乱していた。 消防車が行ってしまった後、私は木の陰から出て再び周囲を確認した。
(やっぱり・・・。ここは・・・)
今いる場所は、私が実家にいる時に良く利用していた公園だった。家からは離れていたけど、私は何度もここに来ていた。
私は、小さい頃から両親に疎まれていた。理由は分からなかった。しかし、何かにつけては怒られ、身体的な暴力はあまりなかったものの押入れや物置に長時間閉じ込められたり、家から遠いショッピングモールに
歩いて買い物に行かされたり、毎日酷使された。そんな私が気休めのために利用したのがこの公園だった。
そして、母が妹を妊娠すると私は家を出ることを決意した。それなりの蓄えをしていたし、私の状況を知っていた伯母さんが本格的に援助をしてくれることが決まったからだった。
転校して、実家を離れて生活を始めてからは、両親と連絡を取ることもなかったし、この地域に来ることもしなかった。先日、その伯母さんが亡くなったものの、私の日常に変化はなかった。
(こんな形でまたここに来るなんて・・・)
そんなことを考えずにはいられなかった。 雨が降り続ける中、私はゆっくりと公園の出入り口に歩いて行った。
(さっき台風が来るって言ってた・・・。できるだけ急ごう・・・)
子どもの頃は、ショッピングモールまでは、歩いて1時間ぐらいかかっていた。普通なら当時よりも速く到着できるはず。
でも、今の私は拘束服を着ているし、両腕は後ろ手に拘束され、ピンヒールのブーツで足元は不安定という状況なので同じぐらいの時間かそれ以上の
時間が掛かることは明白だった。
公園を出るとそこは以前と同じように住宅街の中だった。私は記憶を頼りにして道を歩き始めた。
(このままどこかの家に掛けこんだら・・・)
ふと、そんな考えが浮かんだ。しかし、それは出来るはずもなかった。い 今の私は拘束され、話すこともできない。今の状況を伝えることは不可能だった。
それに、今の状況は私が招いたことで結月さん達の指示に従うことが絶対条件なので、それが出来なくなるような行動をするわけにはいかなかった。
(おかしなこと考えてないで、急がないと・・・)
そう思い直して、私は歩いた。
まだ明るいにも関わらず、住宅街には人気が感じられなかった。
(もう避難してしまったのかな・・・)
すると、向こうから乗用車がこちらに来ているのが見えた。
(どこかに隠れた方が・・・)
そう思ったものの、物陰などがなかったため私は、道と反対側に体を向けた。乗用車はそのまま私の横を通り過ぎ、水たまりの水を跳ね上げた。
水飛沫が私の背中側に当たる感触がした。
(急いでたのかな・・・。普通ならずぶ濡れなってたけど・・・)
今の私には濡れるという状態は程遠いものだった。
どれぐらい歩いただろう、自然と私の歩みが止まった。
(最後に見た時と、全然変わってない・・・)
そこは、私の実家の前だった。 私が門扉の辺りで家を眺めていると、不意に玄関の扉が開いた。
(見つかる・・・!)
咄嗟に、私は膝を折り曲げ、その場にしゃがんだ。門扉から玄関までは少し距離があったので私の存在には気がつかない筈だった。
「遅くなったけど大丈夫なの?」
「まだ、雨は本降りじゃないし、予報でも強くなるのは数時間後だと言ってたから平気だ」
「なら良かった。あなたが帰って来るまで不安だったから・・」
なぜか両親の会話が聞こえてきた。
「お家を出ていくの・・・?」
そして小さな女の子らしき声も聞こえてきた。
(もしかしてこの声は・・・)
それは、私が会ったことのない妹の声だった。
「大丈夫。すぐに帰って来れるから」
「水がたくさん来てお家が沈んだりしない?」
「そこまで雨が降ったりしないし、避難するのは念のため。長くはないから葵は心配しなくて良いよ」
「だから、避難した場所で葵は良い子にしててね」
「うん!わかった」
それはほのぼのとした親子の会話だった。
「そうだ。この際あれが居た離れの小屋、台風で壊れたことにしてなくしたら?」
「そうだな。それで新しい物置を作ろうか。世間的には、壊れたから建て直したで済むしな」
「あれに関係あるものは、これでなくなるから、すっきりするわね」
そこまで会話が進んだとき、また妹の声がした。
「あの小屋、壊しちゃうの?」
「そうよ。そうして新しい物置を立てるの。そしたら葵の大事なものをたくさん入れられる様にするの」わ
「わあ、嬉しい・・・!」
「決まったことだし、避難しようか。台風が行ったら早速取りかかろう」
三人が門扉に近づいてくる気配がしたので、私は立ち上がり近くの電柱の所まで移動してその陰に隠れた。 家の門の方を窺っていると、それぞれ傘を差した両親と赤いレインコートを着た妹が出てきた。
妹は、両親に挟まれるようにして手を繋いでいた。
「新しいレインコート、似合ってるぞ」
「すぐ車に乗るけど、着られて良かったわね」
そんなことを話しながら、三人の後ろ姿は歩いて行き、右に曲がった。暫くするとそこから1台の車が出てきて走り去っていった。
私は、車が走り去った方向を暫く見つめていた。
(妹は両親に愛されてるんだ・・・)
そんなことを考えていると、視界がぼやけてきた。自分が泣いていると気づいたのは少ししてからだった。
両親から優しくされた記憶はなく、古い物置の様な小屋で寝泊まりして、学校に行っている時以外、自由はなかった。
(私の何がいけなかったんだろう・・・)
どれぐらい立ち尽くしていたのか、レインコートに当たる雨が強くなってきたことに気が付いた。
(今は、大雨になる前にショッピングモールに辿り着く事だけを考えよう・・・)
気を取り直した私は、再び歩き始めた。そして住宅地を抜け、ショッピングモールに続く大きな道路に出た。
(ここまでくれば・・・)
台風が接近しているためか、車は殆ど走ってなく、時折走ってくる車も私の存在を気にしているような様子はなかった。
(なんとか辿りつけそう・・・)
そう思った矢先、向こうから青いレインコートを着て自転車に乗った人が来てるのに気がついた。
(どこかに隠れないと・・・!)
そう思ったものの、物陰などはなく自転車もどんどん近づいて来ていた。
(このままやり過ごすしか・・・)
私はそう決心するしかなかった。
、 私は少し腰を曲げ、頭を下に向けた姿勢でゆっくりと歩いた。本当走りたかった。でも、不安定な足元と雨が降っている状況では無理だった。
(もし転倒したら・・・)
そんな思いがあった。
自転車との距離が徐々に短くなり、そしてすれ違った。相手は特に私を気に留めた様子はなかった。
(良かった・・・)
そう思った時だった。
ブブブブブブッ・・・。
膣口と肛門に挿入された張り型が振動し始めたのだ。
(何でこんな時に・・・!)
体のバランスが崩れて、転倒しそうになるのを何とか堪えて私はその場にしゃがみ込んだ。
(早く止まって・・・)
「シュー・・・シューッ・・・シュー・・・」
呼吸が荒くなり、何も考えられなくなる。そして頭の中が白くなる寸前、振動が止まった。
(良かった・・・)
半ば放心状態の私に、声が聞こえた。
「どうかしましたか?」
それは自転車に乗っていた男の人の声だった。
私の心臓の鼓動が一気に速くなった。 (このままだったら、間違いなく私の所に来る・・・)
そう思った私は、立ち上がり、ゆっくりと体ごと男の人が居るであろう方向に振り返った。
すると、2メートルぐらい離れた場所に自転車から降りて立っている男性がいた。
「急にしゃがみこんだみたいですけど、どこか悪いんですか?」
模型ごしでも、男性が心配そうにしているのが分かった。
「大丈夫です。心遣いありがとうございます」
話すことが出来れば、そう言いたかった。でも、今の自分の状況でそれは不可能だった。
(どうすれば良いの・・・)
考えた私は、体の安定が保てるギリギリまで腰を曲げて、男性に向かってお辞儀をした。
「そんなお辞儀をされても・・・動けないわけでもないみたいだし、本当に何かあったんですか?」
男性の困惑したような声が聞こえ、こちらに近づいてくる気配がした。
(お願い・・・!こっちにこないで・・・)
お辞儀をしたまま私は、そう祈っていた。
ピピピピッ・・・。
不意に電子音が聞こえた。状況を確認するため恐る恐る体を起こすと、男性はスマートホンを耳に当て会話をしていた。
(今のはスマートホンの呼び出し音だったんだ・・・)
「はい・・・・。えっ・・そうなんですか。分かりました。すぐに行きます)
会話を終えると男性は立ち尽くす私に言った。
「これから風雨がもっと強くなるので、帰宅するか避難するかどちらにしても早くした方が良いですよ。体調が悪いようなら助けを呼ぶなりしてください」
それを聞いた私は、再びお辞儀をして体を起こした。
男性は。怪訝な顔をしながらも急いでいるのか、再び自転車に乗って行ってしまった。
(良かった・・・やり過ごせた・・・)
ブブブブブッ・・・
するとそれを待っていたかの様に再び張り型が振動を始めた。
(また始まった・・・!)
振動はなかなか止まらず、その振動で私は絶頂してしまった。
それでも止まらない振動に私はしゃがんだ状態で必死に耐えた。結局、振動が停止したのはそれから3回絶頂した後だった。
その間に、風雨はさらに強くなっていた。
(早く着かないと・・・早く・・・)
立ち上がった私は、そのことだけを考えて歩き続けた。
それから張り型は、何度も振動し、その都度私は、しゃがみ込んで絶頂した。
(あともう少しの筈なのに・・・なんで・・・)
私をショッピングモールまで辿り着かせないかのような状態に、私は挫けそうになりながらも、何とか歩き続けていた。
そして漸く、目的地のショッピングモールが私の視界に入ってきた。何度となく行かされたその場所は、以前と変わらない佇まいだった。
ただ、店内は暗く人影も見えなかった。
(台風が来てるから早めに閉めたのか・・・それとも・・・)
そんなことを考えながら、駐車場を見渡すと1台だけマイクロバスが停車しているのが見えた。
(もしかしてあれが・・・)
私はそのマイクロバスに向かって歩いた。下手をすると煽られて転倒するぐらいに風雨は強くなっていた。
(お願い・・・)
祈りながら、バスの近くまで歩いて行くと、急にドアが開いて中から結月さんが出てきた。
そして何も言わず、私のレインコートを脱がせると私を車内に押し込み、車椅子に座らせた。さらに、アイマスクで視界を奪われると、何も聞こえなくなってしまった。
(何か急いでるのかな・・・でも良かった・・・)
結月さんの様子に少し戸惑いながらも、私は安堵した。暫くすると、車が動いたのか振動が伝わって来た。
s 「予定通りに終わったわ」
そんな結月さんの言葉と共に、アイマスクが外されると、佳奈さんが私の前に立っているのが見えた。
「お疲れ様。今回はこれで終了。模型を外すから部屋まで連れて行って」
そう言う佳奈さんに少し怒ったような口調で結月さんが言った。
「いくつか聞きたいことがあるんだけど・・・」
「分かってる。とりあえずテスターを片付けてから」
佳奈さんはそう言うと、私の頭部を包んでいる模型を軽く叩いた。すると模型はすぐに分割された。
「はい、できた」
「わかったわ」
大きく溜息をついた結月さんはそう言って再び私にアイマスクをすると、車椅子を押して行った。
「それじゃあ、またね」
私を部屋まで運んだ結月さんは、それだけを言うと扉が閉まりきる前に立ち去っていった。
一人残された私は何時もの様に、床に座り込んだ。
(妹は私と違って可愛がられた・・・)
実家の前で目撃した両親と妹の様子を思い出して私はそう思った。両親は間違いなく私の存在を妹には知らせてないことは明白だった。
そして、私が寝起きしていた小屋も台風が過ぎ去った後、壊される。
(もうあそこに私の居場所はない・・・)
あの時、泣いてしまったのはそのことを実感したからに違いなかった。
(もう両親のことなんて関係ないと、思ってたはずなのにな・・・)
私が捨てたのではなく、私が捨てられていたということだった。
(だったら私の居場所はもうここしか・・・)
眠りにつくまで、私はそんなことばかり考えていた。 「説明してもらえるかしら」
テスターを、部屋まで運んだ結月が再び私の所にやってきた。
「全て予定通り。家族とのニアミスも話しかけられるのも計算通りだった」
私がそう言うと、結月は大きく溜息をついた。
「そうだとは思ったけど、こっちはヒヤヒヤしたわ。何もしなくて良いと聞いてたから」
テスターの様子は、頭部の模型に仕込んでいたカメラやマイク等から分かるようにしていた。
「ただ目的地まで歩かせるだけじゃ物足りないし、テスターの精神を完全に掌握するためにも必要だった」
「どういうことかしら?」
「自分の居場所はここしかない、完全に私たちに従うしかないということを刻みつけるのが今回の目的。
そしてそれは達成された」
「普通ならいくら拘束されているとはいえ、途中で逃げたり助けを求めたりしてもおかしくない
でも、そんな素振りはなかった。考えたかもしれないけど・・・。そして、こちらの指示に完全に従った」
「成程ね。良く分かったわ」
私の言葉を聞いた結月は一応納得したようだった。
「でも、それなら事前言っておいてくれても良かったんじゃないかしら?」
「たまにはスリルを味わった方が良いかと思って」
「余計な気遣いね」
「父親の帰宅が遅れる様に手配して、テスターが遭遇するようにしてた。自転車に乗ってたのは地域の見回り役の人。
私が関係者を装って電話、あの場所から離れる様に仕向けた」
「完全に理解したわ。大したものね」
そう言って結月は微笑んだ。
「さて、次は千晶の番かしら」
「そう。でも少し手間がかかるから二人にも手伝ってほしい」
「了解。伝えておくわ」
「テスターが目を覚ましたら連絡するから」
私がそう言うと結月は部屋を出て行った。
(ようやくあの場所が使える・・・楽しみ・・・)
私はそのことを考えて興奮していた。 目を覚ますと、またベージュ色の天井が見えた。暫くして扉が開き今度は千晶さんが入ってきた。
私を抱き起すと、タブレットで異常がないかをチェック、そして鼻の穴から流動食が流し込まれた。
「今回は車椅子で移動するから。移動中におしっこと便の回収もするわね」
部屋の外には車椅子が用意されていた。
アイマスクで視界が奪われると、車椅子が動き出した。
「さあ、到着よ」
千晶さんの声の後、アイマスクが外された。するとそこは部屋の中で佳奈さん、結月さん、悠子さんの3人がいた。
「今回は準備に手間がかかるから、皆に来てもらった」
佳奈さんがそう言った。
「今からイヌになって散歩してもらう。散歩といっても室内だから人目は気にしなくて良い」
私に使用されるであろう拘束具が、私に見せつける様に並べられていった。
そしてそれが終わると、私の両腕を拘束していたアームバインダーが取り外された。
「まずはこれをそれぞれの腕に」
佳奈さんがそう言うと、結月さんと悠子さんが拘束具を持ち、床に座らされた私の腕をそれぞれ拘束していった。
それは黒革でできた分厚いコップ状の拘束具で、底の部分は硬いパッドになっていて、編み上げベルトで絞れるようになっていた。
その拘束具が折り曲げた私の腕に嵌められ、編み上げとベルトが引き絞られた。
「パッドが肘の部分に来るようにすれば良いのね」
「そう。しっかりと絞った方が良いかも」
こうして私の両腕は折り曲げた状態で、固定されてしまった。
「同じように両脚もお願い」
私は仰向けにされ、両脚も同じように膝を折り曲げた状態で固定されてしまった。
「これでうつ伏せにすれば良いのね」
「私も手伝うわ」
千晶さんも加わり、私の体が引き起こされ、そしてうつ伏せにされた。
「イヌらしくなったわね」
「仕上げにこれを着けて」
そう言って佳奈さんは2本のベルトが付属した黒革のサック4個を3人に渡した。
「それぞれの手と足の部分に被せて、口をベルトで縛った後、サックの先に付属している長いベルトを背中側に持ってきて左手と右足、右手と左足をそれぞれ連結して」
「だから、長いベルトはバックルがあるのとないのがあるのね」
「サックが大きいのが足用で良いのかしら?」
「そう。手と足が交互に出せる様に長さは調節して」
そんな会話の後、私の手と足が連結され、完全に両膝と両肘で体を支える状態になってしまった。
「誰が散歩させるの?」
「用意するから、少し待ってて」
佳奈さんはその場から離れて行った。
この体勢とネックコルセットのせいで、頭を上げることも出来ず、床を見ることしか私にはできなかった。
「イヌの散歩はこれにしてもらう」
暫くすると佳奈さんが戻ってきた。
「これでできるの?」
「大丈夫なの?」
「あなたがそう言うのだからできるんでしょうけど・・・」
三人がそれぞれ疑問を口にしていた。
(一体何を・・・)
そう思ってもそれを確認することはできなかった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています