もう中年に差し掛かっているおばさんに近い人の思い出話としてだけど、スパルタスイミングクラブでBOするまで頑張った話を伺えました。

強豪スイミングクラブでまだ根性論が根強く、しかも有名選手の愛弟子がコーチだったりしていたから練習は半端ではなく、
泳ぎ込みもハイポもバサロも潜水も徹底的にやり込んだらしいです。

泳ぎ込みも限界超えると半分寝ながら泳いでいて、間違って水中で息継ぎしてむせて目が醒める有様だったし、
ハイポは苦し過ぎて半分気が遠くなりながらやってたし、
バサロも潜水も感覚が麻痺して、そのままそれをずっとやり続けられそうな、そのまま水中の住人になれそうな位やり込んでいたそうです。
それでその誘惑に負けると、いつの間にかBOしていたのだとか。

クラブにはBOへの恐怖心がたまらなく嫌で競泳やめてしまう子もいたけど、逆に彼女はそういうものなのだと思っていたから恐怖心はあまり無かったそうです。
だから自力でそのまま溺れる自信はある、苦しさを乗り越えた後のその向こうの世界をよく知っている、それが特技と笑っていました。
その向こうの世界を知っているという優越感があったからこそ頑張る事が出来たのかなと。
これは選ばれた者だけが知っているのだと。
ちょっと危ないように見える感覚だけど、それがあったからこそフィジカルぎりぎりの勝負が出来た、競泳シンクロに限らずアスリートだけが知る世界というものがあるのだと。

現役時代は息こらえ5分、平行潜水100mは出来たけれど、もうおばさんなので今はその半分も出来ないと寂しそうにしていました。