物心つくまでに潜りを教え込まないと分別ついてから教えこんでもものにならん。
という言い伝えが古い海女の村にはあるそうだけど
昔は裸海女だから本能的に水中の感覚に慣れさせる作業が当たり前だったそうです。

物心つくかつかないかのうちに大きな風呂桶で潜水競争させたり小石を口でくわえさせたり
小舟で沖合いに連れていって海へ投げ込んでしばらくの間泳がせたり
今では虐待に近いようなことさせて身体で覚えさせたそうです。
だから耳抜きや自分の限界、鼻から海水抜いたり、磯笛いたりなどは本能的に出来たそうです。
失神してあがるのは海女の恥とは言われたそうですが、たまについ獲物の誘惑に負けて失神してあがってくると髪の毛掴んで振り回したりほっぺた叩いたりしたそうだからすごいものです。
だから裸海女の中でも特に能力の高い人は海士と呼ばれて特別の敬意を持って扱われたそうです。