続き
それから2カ月、まだ家賃の入金がない、再度、その子の部屋を訪れた。
退室の最後通告をするつもりだったけど、なぜがどこかで同情してしまう自分がいて、
本棚のDVDを指し、「こんなのが趣味なの?」と少し意地の悪い質問をした。
すると彼は何ら恥じるこつなく堂々とはい、と答え、私を真っすぐに見据えこう言い放った。
「大家さんみたいな人、タイプですよ」 とても綺麗な瞳だった。私は吸い込まれそうだった。
まだ16のガキである。なのに、なんとも言えない妙な色気があった。
私は、蛇に睨まれたカエルになってしまっていた。