水尾宮豊秀は王族である明治宮邦信と側室の伊丹好子との間に生まれた。邦信は非常に子沢山で70人も子供がいた。豊秀はその21男である。豊秀は当初為宮と称していた。
当時跡取り以外の王族は他人の養子にならない限り出家すること担っていた。為宮も9歳の時に寺に預けられて出家に備えて勉強していた。
その寺は為宮の異母兄の豊勝が住職だった。しかし歳が18歳も離れている上豊勝は為宮が生まれる前に出家していたから全然兄弟という感じではなかった。しかし同居して二人は仲良くなった。
が、3年ほどして衝撃の事件が起きる。為宮はいつものように寝ていた。そこに豊勝がやってきた。
豊勝「なんだ、もう寝ていたのか」
為宮「(目が覚めて)兄上様、もう3時ですよ。いくら明日、いや今日が土曜でも何の用も無しに3時まで起きている人はいませんよ」
豊勝「俺はさっきまで書類を作っていたぞ」
為宮「まだ完成していなかったのですか?来週使うはずなのに。」
豊勝「だから完成したからお前の部屋に来たんだ。」
為宮「でも寝ていた人を起こすのはやめて下さい」
と、ここまでは普通である。